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こんにちは、きらりんです。まだ、「未来人間界の出来事」の途中ですが、新しい小説を書こうと思います。
プロローグ
ある満月の出ていた夜のこと。校門に、ひとり、女がいた。 本当に門は開くのかしら。もし開くとしたってきっとスゴイ音がするんじゃないの、こんな夜中にそんなスゴイ音だしたら近所迷惑になるだろうし。女は鉄柵の門をおそうとして、もう一度後ろを振り向いた。誰かが見ている。そんな気がしてならなかった。家をでて、ここまで来る間、ずっとそう感じていた。誰かがつけてくる。見られている。気のせい、と自分に言い聞かせた。それに、人目を忍んで出かけるときはいつだってそんな気がするものなのだ。私が、先生とホテルへ入る時だってそんな感じがするんですもの。でも結局、何もなかった。そう。今だって、気のせいに決まっている。女はためらいを振り切って、大きくひとつ息をつき、思い切って、門を押した。
カタカタカタ・・・。びっくりするほど音は小さかった。門は、内側へらくらくと動いた。ほっと息をつく。これなら誰も気づかない。女は中へ入ると、門を閉めた。そして、女は校舎へと目をやった。
「ーあそこだわ」
女はつぶやいた。足元もはっきり見えないような夜だった。懐中電灯をもってくるんだった、と思ったが、もうおそい。出入り口の上にひとつ、常夜灯がともっている。そこを目指して、まっすぐに歩いていった。近づいて、足元が見えるようになると、ほっとした。
ここもちゃんとあけてあるかしら?
戸はらくに開いた。
さすがにぬかりはないんだから・・・。
校舎の中へ入るとなんとなく気楽になった。もちろん、あまりいごごちのいい場所ではない。廊下に、光がもれていた。あの、あかりのついていた教室である。その教室の戸を開ける。今度はちょっとぎくりとするような、大きな音がした。
でもー、校舎の中なら、どうってことないわ。
「先生・・・。」
女は低い声で呼んでみた。空っぽの教室は外以上に寒々としていた。
どこにいったのかしら・・・。
中に入って、女は教壇の上に立ってみた。
ー先生になった気分、と思い、微笑する。 でもーすぐに笑みは消えた。今夜の話を考えると心は重い。
話してくれなくてもわかっていることをあらためて人の口から聞くのはつらいものだ。でも、聞かなくてはならない。そう、結局は私と先生、二人の責任なんだから。逃げることはできない。足音が廊下をやってきた。
女は入り口のほうへと顔を向けた。戸は開いたまま。
「どこにいってたの?」
と女が言ってー表情がこわばった。体が動く間もなかった。一気に迫ってきたその人物の両手がまっすぐに伸びて来て、女の首をがっしりとつかまえた。声を上げ様にも、しめあげられて、息ができない。女の目がカッと見開いた。振り放そうとカラダを左右へはげしく揺らしたが、首にくいこんだ指ははずれなっかった。女がよろける。ー二人は、生徒の机に向かって一緒に倒れた。机が、二つ、三つ、はでな音をたてて倒れる。二人は、床の上で、なおも激しくもみあった。
後書き 今回は楓たちのまわりで事件がおこったら・・・・、おっと!ネタバレになるのでここまでです。まあ、こういう話です。
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