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第1話 一人の少年
「「結木くーん!」」 楓と安純が結木の元へ近づく。 「今日は何の本よんでいっ!!」 楓が話す途中、安純は楓の頭に鞄を投げつける。 「痛いじゃない!」 「結木くんの読書の邪魔すんじゃないわよ!ね〜結木くん。」 結木へ先ほどまでと違い笑顔で接する安純。 「そういう日高さんもじゃない!」 そして2人の睨み合いが続く。 結木は慣れたのか気にせず本に集中していた。 「お前らあきねぇなぁ。俺たちは先に帰るぞー。」 ミルモたちが呆れたように眺める。 「用事でもあるの?」 「お菓子デパートがセールしてるんだ〜。じゃ〜な!」 ミルモは涎をたらしながらうっとりしている。 「ミルモ、あんまり食べ過ぎないでよ。」 「わかってるって!じゃ〜な〜!」 ミルモ・リルム・ムルモ・ヤシチの4人はそれぞれの家へ帰っていた。
ミルモ達が帰り、残ったのは人間たちだけであった。 これを見ていた、アクミとラット。 「チャンスじゃん!」 「今なら邪魔な妖精共もいない。絶好のチャンスだな。」 「よ〜し!とっとと南楓を倒してお菓子デパートに行くじゃん!」 2人が楽器を手にした時だった。 「やめた方がいいと思うけどなぁ。」 後ろからした声に2人は振り返る。 そこに立っていたのは銀色のロングヘアに、片目が髪と包帯で隠れている一人の妖精。 「お前何者か知らないけど、アタイ達の邪魔をするんなら容赦しないよ!」 「待って。・・・よく見ていて。」 アクミの脅しにも怯まず、妖精は穏やかな口調で楓たちを指差す。
「あ、楓さんたちだ!」 楓たちの元にサファイ、サスケ、ハンゾー、ヤマネ、アマネの妖精忍者がやってきた。 「皆どうしたの?」 「ヤシチの兄貴に今日は修行するかどうか聞きに来たんだぜ。」 「兄貴いないのら〜。」 「あぁ、ヤシチなら・・・。」 安純が話したとき、 「「「「「やい!お前たち!」」」」」 そこに現れたのはワルモ団。 「今日はお菓子デパートがセールをしているからな!」 「食い意地をはったミルモたちが行くのは当然。」 「相手が人間だけならばこっちのもの。」 「我らの読みどおりだな。」 「さぁ、覚悟しろ!」 ワルモ団は楽器を取り出す。 楓達は思わず一歩下がってしまう。 「そんなことさせないぞ!ワルモ団!」 「私も戦うでございます!」 「元首領とはいえ、今は敵だぜ!」 「覚悟するのら〜!」 「この方たちに手は出させません!」 ヤマネ達は手裏剣や楽器を手にする。
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