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3696/ 怪しいフルート奏者(2)
□投稿者/ チョコ -54回-(2011/04/01(Fri) 21:29:09)

こんばんわ♪
もうすぐ40スレ行くので新しいスレをたてました♪
やっと、やっと…2つ目のスレだ!
しっかし、かなり長いなこの話…。

まだまだ長くなると思いますけど、こやまるさんこれからも宜しくお願いします。


では☆


■ チョコ (56回/2011/04/02(Sat) 23:05:36/No3709)

こんばんは♪
それでは書きます♪

『マンボの思い、レナの望み』

ここは妖精界にある妖精学校。
もうすっかり平凡を取り戻し笑顔で過ごしてる。
しかし、ここに一人憂欝な気持ちを持つ妖精が……。

アンナ「元気出しなさいよ、マンボ」
ペータ「そうだべ!諦めちゃダメだべ!」
マンボ「あ、あぁ…。」
ビケー「まだ気にしているのかい?レイナちゃんの事…。」
マンボ「オレは、あれが本当のレイナちゃんなんて信じない。説得したらきっと…レイナちゃんは分かってくれると思うんだ。」
ライチ「珍しいわね。マンボがカッコいい…。」

マンボ「(レイナちゃん…待ってて!オレが必ず…)」

マンボは密かな決意をあらわにした。


一方その頃…

レナ「(私の望みはただ一つ。それは………。)」
ルシファー「どうしたの、レナ?」
レナ「ルシファー様…私の望みを覚えていますか?」
ルシファー「もちろん覚えているわ!貴女の望みそれは……」

     エンジェラルをこの世から消す

ルシファー「でしょ?」
レナ「流石ですルシファー様。…憎いエンジェラル共を消すこと…。それが私の望み…。」
ルシファー「大丈夫よ。私は真奈との約束と違って、貴女の望みは絶対に叶えるわ。」
レナ「…ありがとうございます、ルシファー様…。」

ルシファー「でも、懐かしいわね。まだ私が一人で悪の活動をしていたときに、一番初めにレナにあったのよね。」
レナ「はい。…本当に懐かしいですね…。」
ルシファー「でも、私は聞いて驚いたわ…。貴女の過去…そしてなぜ「イ」を抜いたのか…。」

レナの過去…真奈の過去…そして…謎の妖精ルオンの過去…。
これらはすべて繋がっていた…。


〈あとがき〉
久しぶりに書きました♪
次回はレナの過去に軸を置きたいと思います。
短いけどこの辺で。

では☆



■ こやまる (1092回/2011/04/03(Sun) 10:26:49/No3710)
http://www.murumoya.com/


チョコさん、こんにちは☆

小説も2スレッド目突入ということで、だんだんと盛り上がってきましたね。
このペースで焦らずじっくり進めていってくださいませ。

さて執念深いマンボ…。
ここまで執念深いと、この先レイナとの関係もまたよい方向へ進むのでは?と期待したくなりますが、カッコ悪いマンボなだけにどうなるのか分かりませんね(笑)。
まずは密かな決意を持ったマンボが変な行動に走らなければいいのですが。。

次回は過去編とのことで、ストーリーの根底にある背景などが分かりそうで楽しみにしています。
では!


■ チョコ (58回/2011/05/04(Wed) 15:07:57/No3803)

こんにちは♪
久しぶりに書いていきます。

『レイナの過去と「イ」の意味』

ルシファー「…まだ私があまり強くなかったころね…。レナ、貴女を見かけたのは。」
レナ「……はい。」
ルシファー「私は驚いたわ…。貴女にまさか、そんな過去があっただなんて。」
レナ「……。」


ここは数年前の妖精界…。
ここに一人、可愛い妖精が居た。

レイナ「お父さん、お母さん!今日の晩ご飯は何?」
レイナの母「今日はレイナの好きなおはぎよ♪」
レイナ「ホント!?やったー!!」
レイナの父「本当にレイナはおはぎが好きだな(*^_^*)」
レイナ「うん♪お母さんの作るおはぎは世界一美味しいだもん♪」

そう…この時彼女はまだ知らなかった…後に起こる出来事が、自分の人生を狂わせることになるとは。


レイナ「お父さん…お母さん!!」

ある日、友達の家から帰ってきたレイナは衝撃を受けた。
家の中で惨劇があった事が一目瞭然だった。

レイナ「どうして…お父さんとお母さんがこんな目に遭わなくちゃいけないの!!…殺すのなら、アタシにしてよ…。ううっ、うう……。」

涙をこぼすレイナの前に現れたのは、漆黒の長い髪の女だった。

?「どうしたの?」
レイナ「…誰?」
ルシファー「私の名前はルシファー。貴女は?」
レイナ「……レイナ。」
ルシファー「そう。…貴女はどうして泣いていたの?」
レイナ「友達の家から帰ってきたら…こんな事になっていて…。」
ルシファー「ねえ、貴女の両親を殺した犯人…誰か教えてあげるわ。」
レイナ「え?」
ルシファー「貴女の両親を殺したのは……エンジェラルよ。」
レイナ「エンジェラルって…悪魔を倒したりする、あのエンジェラル?」


用事があるので一旦切ります。


■ チョコ (59回/2011/05/05(Thu) 11:40:50/No3807)

続きです♪

ルシファー「そうよ。あいつ等わね、本当は悪い奴なのよ…。」
レイナ「…許せない!正義の味方ぶってたなんて…!」
ルシファー「ねえ、私と手を組まない?」
レイナ「え?私と…貴女が?」
ルシファー「そう。私も過去にエンジェラルと色々あってね…だから協力しましょ?」
レイナ「……分かった。絶対憎きエンジェラルをこの世から消してやる!」
ルシファー「それじゃあ行きましょ、レイナ」
レイナ「待って、ルシファー様。」
ルシファー「どうしたのレイナ?」
レイナ「…私の事、これからは…レナって呼んでください…。」
ルシファー「別にいいけど、どうして?」
レイナ(レナ)「…嫌な思い出を忘れるためです…。」
ルシファー「…そう。じゃあ、行くわよ。」
レナ「…はい…。」


少女はまだ気づいていなかった。
自分の両親を殺したのはエンジェラルではないという事を…


〈あとがき〉
さて!
今回はレナの過去話を書きました♪
今回の話を読んでわかるように、レナは誤解してるんです。
見事にルシファー様の悪の囁きにのってしまったみたいですね…。
でも、きっとこの真実は我らが王子が解き明かしてくれる…はず←

では☆


■ チョコ (73回/2011/08/12(Fri) 12:24:22/No4064)

久しぶりにこの話を更新したいと思います♪

『恋煩いの悪魔アリサ、嫉妬の誘惑』

ここは闇に包まれた謎の世界…アリサは一人考えていた。

アリサ「はぁ……私が…ミルモに…恋…?」
クロウ「にひひ♪どうしたんだにぇ?」
アリサ「…別に。……アンタには関係ない。」
クロウ「…アリサ、変わったにぇ。昔は凄くよく喋ってくれたのににぇ…。」
アリサ「昔の事は忘れなさい…今の私はルシファー様に忠誠を誓うだけよ…。」


場所は変わって人間界…。

リルム「ミルモ様〜♪」
ミルモ「げっ!リルム!」
リルム「今日はミルモ様にチョコケーキを作ってきましたわ♪」
ミルモ「い、いらねーよ!」
リルム「そんな事おっしゃらず〜♪」
ミルモ「ぎょえー!!」

アリサ「ミルモ…私たちの敵…必ず始末する……。」

ミルモ「はあはあ…ここまで来れば大丈夫だろ。」
ミルモは気づいていなかった。リルムに魔の手が忍び寄っていることに…。

リルム「ミルモ様〜?何処ですの〜?」

アリサ「アイツね…私の魔法で…アリサでポン!」

リルム「あら?あ、ミルモ様…?その女誰ですの…?」
アリサ「知りたい?私はミルモの恋人…アリサよ…。」
リルム「そんな…私、貴方が許せませんわ!」
アリサ「違うわ…私は何も悪くないわ…ミルモに脅されて無理やりに付き合わされてるの…」
リルム「ヒドイですわ…。私には見向きもしてくださらないのに…」
アリサ「…ねぇ。…私の仲間にならない…?」

一旦切ります。



■ チョコ (76回/2011/08/19(Fri) 13:02:06/No4092)

続きです。

リルム「貴方の、仲間ですか?」
アリサ「…ええ…。」
リルム「…わかりましたわ。貴方の仲間になって、ミルモ様に私の愛を伝えるのですわ。」
アリサ「じゃあ…貴方の新しい名前は…レヴィアタンよ……。」

ミルモ「はあ〜。ったく、リルムの奴いつもいつも何かしら作ってきやがって…」
?「ミルモ様…。」
ミルモ「んあ?何だよ、リルムかよ…。って!」
リルム「ミルモ様ヒドイですわ。…私には見向きもしてくださらないのに、他の女性ばかり見て…。」
ミルモ「お、おい!一体どうしたんだよリルム!」
リルム「…リルム?……うふふふ…アハハッ!!私は…レヴィアタン。」
ミルモ「お前何言って…(そういえば、前にペータもこんなことがあったよな…。」
リルム「さあ、ミルモ様…覚悟なさいませ!」

ツボミ「ちょーっと待った!」

突如現れたツボミ。一体どのような展開になるのか…。


〈あとがき〉
さて、今回は久しぶりにツボミちゃんを出してみました。3ヶ月振りなので忘れていると思いますが…←
今回はリルムちゃんに悪堕ちしてもらいました。
さあミルモ!嫉妬に囚われた姫を助けるのだ!←

ツボミ「ちょっとチョコ!」

おや、どうしたのツボミ?

ツボミ「どうしたもこうしたも無いわよ!最近、全然エンジェラル三人衆も敵の奴らも真奈も人間たちも出てこないじゃない(怒)アリサと妖精たちばかり出て!」

メンゴメンゴ。大丈夫♪この勝負が終わったら、また人間たち出していくから!

ツボミ「はあ…。こやまるさん、こんなマイペースで話の構成もグチャグチャなチョコの事をよろしく頼むね。」

はい…スイマセン本当…(汗)


では☆彡


■ こやまる (1129回/2011/08/20(Sat) 06:46:48/No4093)
http://www.murumoya.com/


チョコさん、おはようございます☆

レナの過去、しっかり拝見させていただきました。
…おぉ、マンボもまだまだあきらめてはいけませんね!
マンボの思い次第でレナを救えるかどうかが決まりそうです。
そんなわけでマンボの男の意地がどんな風に描かれるかが楽しみです。
何度も「しつこい!」とか言われてしまいそうですが。。(^^;

そして悪墜ちしたリルム…。
リルムの公式の性格を考えても、確かに簡単に悪墜ちしそうです。
これは後でミルモからたっぷり説教させてあげてください(笑)。
そこに現れたツボミがどんな展開をもたらすのかまだまだ予想出来ないなぁ。

いろいろな角度から話が進むのも全然アリですので、この調子でがんばって進めていってくださいね。

では!


■ チョコ (85回/2011/09/17(Sat) 18:09:48/No4166)

こんばんは♪
久しぶりに更新します♪

『真実の愛』

ツボミ「ちょーっと待った!」

レヴィアタン「…?誰ですの、貴方は?」
ツボミ「アタシはエンジェラルのツボミ!」
レヴィアタン「忌々しいエンジェラルめ…!私の邪魔をしないでください!」
ミルモ「ツボミ!何でお前が此処に来たんだよ?」
ツボミ「…モチのロン、リルムちゃんを助ける為だよ♪」
ミルモ「そこで♪(おんぷ)付けるか普通…。」
レヴィアタン「ミルモ様…どうして私の愛を受け取ってくださらないんですの…?」
ミルモ「オ、オイ!落ち着けよリルム!」
レヴィアタン「私の事が嫌いなんですの…?」
ツボミ「……ミルモ。」
ミルモ「な、何だよ?」
ツボミ「…アンタがやりな。」

スイマセン!一旦切ります。


■ チョコ (86回/2011/09/18(Sun) 20:53:04/No4168)

続きです。

ミルモ「はあ!?何でオレが!」
ツボミ「…アンタ、後悔するよ。」
ミルモ「は?」
ツボミ「大切な人や友達を守れなかったら、一生後悔するって言ってんの!ワタシは…今、凄く後悔してるから…。」
ミルモ「…?。わ、分かった…。」
レヴィアタン「ミルモ様…真実の愛を受け取ってくださいませ…。」
ミルモ「…!。リルム、お前…それは違う!」
レヴィアタン「何が違うんですの…?」
ミルモ「真実の愛っつーもんは…無理やり相手に押し付けるようなもんじゃねぇ!!」
ツボミ「…。」
レヴィアタン「…ミルモ様…」
ミルモ「オレの魔法だから上手くいくか分かんねえけど…ミルモでポン!」
レヴィアタン「…………!」

小さい頃のミルモ「おーい、リルム!」
小さい頃のリルム「ミルモ様〜お待ちになって!…今日は一体、何をして遊ぶんですの?」
小さい頃のミルモ「あ〜いや〜その〜…。お、お前に渡したいものがあるんだよ!」
小さい頃のリルム「まあ!一体何をくれるんですの?」
小さい頃のミルモ「…オレ、だよ…///」
小さい頃のリルム「え…///」
小さい頃のミルモ「だから、ずっと傍にいてやるって事だよ///」
小さい頃のリルム「…ミルモ様、大好きですわ!」

レヴィアタン「…ミルモ、様…私…!」
ミルモ「リルム…。真実の愛はな傍にいてるだけで安心する…そんな関係をオレは真実の愛だと思ってるんだよ……!」
ツボミ「そうだよ、リルムちゃん。嫉妬して相手から無理やり奪ったって…それを真実の愛とは誰も思わないよ…。」
リルム「ミルモ様…ごめんなさい…!」
ミルモ「分かったんなら、良いんだよ…。」
ツボミ「…!…ゴメン、ミルモとリルムちゃん逃げて。」
ミルモ「お、おう!」

アリサ「ちっ…。また失敗か……。ミルモ、必ず始末してやる……!」
ツボミ「ちょっとアンタ!」
アリサ「……何よ?」
ツボミ「アンタでしょ。…リルムちゃんを操ったの!!」
アリサ「それが何……?大罪人のアナタに関係ないでしょ。」
ツボミ「…何よ。アンタこそ、ガラクタ人形の癖に。」
アリサ「……まあ、いいわ。今日はもう戦う気が無いわ。…じゃあね。」
ツボミ「クソっ…。逃げられた…!」

ミルモがリルムを助けているのと同じ頃…。

瑠音「…いよいよね。真奈にはもっと力を集めてもらわないとね…」
アクミ「…なあ、アタイは何をしたら良いんだ?」
瑠音「簡単な事よ…江口沙織を殺しなさい…!」
アクミ「っ…!分かった、そうすればネズミは離してくれるんだろな!」
瑠音「クス…ええ、約束するわ。」

別のところで動いている思惑…アリサの言った大罪人…そして、ツボミの言ったガラクタ人形…。

これらは一体どのような意味なのだろうか…。


〈あとがき〉
はい、今回は若干シリアスな感じに…なりましたか?←
ちなみに今回の話でアリサの言った大罪人、つぼみの言ったガラクタ人形の意味は後に分かると思います。

では☆彡





■ チョコ (90回/2011/10/07(Fri) 19:56:11/No4205)

こんばんは(#^.^#)
それでは更新します♪

『アイツのため』

謎の空間の中…ルシファーはサタンラルの一員と話していた。

レナ「…さすが、ルシファー様。あのアクミという奴を上手いこと利用しましたね。」
ルシファー「当たり前でしょ?」
クロウ「にひひ♪面白いことになりそうだにぇ!」

ネズミ「くそっ…拙者が捕まるとは…!」
サタン「どお?敵に捕まった気分は?」
ネズミ「とても不愉快でござる…!」
ベルフェ「そなたが自分自身の力を見くびるからじゃ。」
アリサ「……愚かな妖精ね……。」
ネズミ「アクミ…。」

その頃…

ミルモ「ったく、昨日はリルムのせいで大変だったぜ!」
リルム「申し訳ございません!」
ツボミ「でもさー。覚えてないんでしょ?誰に操られたか。」
リルム「はい…。全く…。」
ミルモ「まあ、良いじゃねぇか!もう済んだことだしよ。」
リルム「そうですわね…!」

アクミ「オイ、ミルモ!」
ミルモ「アクミ!?何しに来たんだよ?」
アクミ「…ミルモ!お前を倒してやる!」
ミルモ「はあ?」
アクミ「アタイは…アイツのためにやらなくちゃいけないんだよ!」

スイマセン、一旦切ります。


■ チョコ (91回/2011/10/10(Mon) 14:02:30/No4213)

続きです。

ミルモ「はあ?アイツって誰だよ!?」
リルム「…もしかして…!」
アクミ「…そうだよ、ネズミだよ!!」
ミルモ「な……!」
ツボミ「………。」
アクミ「アイツは…アタイの所為でサタンラルに捕まったんだよ!」

〜回想シーン〜
アクミ「あ〜あ、今日も暇だな。」
ネズミ「ふふふのふ〜、相変わらずでござるなぁ。」
アクミ「ネ、ネズミ!…何しに来たんだよ!」
ネズミ「ん?拙者に会いたかったのでござろう?」
アクミ「は、はあ?べ、別に会いたいなんて思ってねえよ///」

サタン「何してるのよアンタ達!」
アクミ「ああ?アイツ誰だ?」
ネズミ「…!アクミ逃げろ!」
アスモデウス「逃がすわけないじゃなぁい♪」
アクミ「へっ、アタイの辞書に逃げるなんて文字ねえんだよ!」
アリサ「……強がるだけの哀れな妖精……。」
ネズミ「アクミ!」
クロウ「にっひひ♪アンタはアタシと遊ぶんだにぇ!」
ネズミ「ちっ…!」
アクミ「行くよ、アクミでポン!」
レナ「…アリサ!」
アリサ「任せて…風よ、アイツを閉じ込めよ。……風の牢屋!」
アクミ「なっ…!うわああ!!」
ネズミ「ア、アクミ!…くっ、貴様らの狙いは拙者なのでござろう?」
サタン「そうね。でも、そっちの女も何かしらの役にたちそうね。」
ルシファー「お前たち!」
サタンラル「「ル、ルシファー様!」」
ルシファー「クスッ…アクミちゃん、彼を助けて欲しい?」
アクミ「当たり前…だろ…。」
ルシファー「それなら、ミルモを倒しなさい!」
ネズミ「なっ…!」
ルシファー「ミルモを倒すことができたなら、彼を助けてあげてもいいわよ?」
アクミ「…分かった、アタイやるよ!」
ネズミ「何言ってるでござるか!」
アクミ「アタイは…オマエのためにやるんだよ!」

〜現在〜
ツボミ「相変わらず卑怯な奴だわ…!」
リルム「乙女の恋心を利用するなんて!」
ミルモ「…………。」
アクミ「ミルモ、覚悟しな!」

〈あとがき〉
今回は少しだけネズアクを意識した話にしてみましたがどうでしょうか?
次回は…もしかすると、アクミのなかにあるエンジェラルの力が覚醒するかもしれません。
お楽しみに♪

では☆彡




4232/ NO TITLE
□投稿者/ asuka -6回-(2011/10/19(Wed) 19:53:00)

みなさんこんばんわ〜
昨日じこしょうかいしわすれました〜〜
好きなキャラ もちろんムルパピ ミルリルがとくに大好きで〜す
みなさんよろしくね〜


■ サファイア (11回/2011/10/19(Wed) 23:34:21/No4236)



asukaさん、こんばんわ&初めましてっ☆サファイアと申します〜^^とりあえず自己紹介を…ww

名前 サファイア
性別 ♀
年齢 中学2年生です☆
好きなキャラ
ミルモ、ハンゾー、ムルモ、パピィ、ヤマネ
最近ハンゾーとパピィがラブですね♪もちろん皆好きですが。
好きなCP
ムルパピ、ミルリル♪特にムルパピが大好きですっ!

とこんな感じです∨∨
asukaさんもムルパピがお好きなのですね!私も大好きです〜。
asukaさんはムルパピの何処が好きですか?
私はなんやかんやでラブラブな所ですっ////ケンカばかりする二人ですが、ムルパピにケンカはつきものですから(笑)
ミルリルも良いですよね〜^^ミルモとリルムの料理のやり取りとか大好きですww
asukaさんの好きなキャラは誰ですか?最近ベルルもいいなー…なんて思ってますΣ(ノд<)

小説読みましたよ♪ムルパピ中心ですか〜。私の好物です((黙れww
アスネという子はasukaさんのオリフェですよね?
ミルモも認めるほどの美少女ですか…。どんな外見をしているか気になるところですねっ!
おおっ…Σムルモとパピィがラブラブだ…!!しかもムルモが自分の気持ちを認めているではないか…!萌えシチュですが珍しいですね^^私は大好きですよ♪ラブラブバンザーイ(笑)
パピィとムルモがデートだと…!?ムルモめ、羨ましいwwいっそのこと私が代わりにデートを(((やめろww
ムルモが最後になぜ驚いたか気になる…。続き楽しみにしてますよ♪
ちなみに私も小説を書いているのですが、今はヤシヤマ+オリフェですが前はムルパピを書いていました^^ムルパピはあんまりラブラブすぎるとムルパピの魅力を消してしまう事になるので難しかったです(^o^;)下手ですが気が向いたら読んでみて下さいませ〜。
asukaさん♪小説板だけでなく掲示板にも来てみて下さい!そこでミルポンについて語りましょう…(笑)
ではこれからもよろしくお願いします☆
では^^


■ asuka (10回/2011/10/20(Thu) 17:44:35/No4237)

サファイアさん
わたしも小説全部よみましたよ。
とてもおもしろいですね〜。
そうそうきのうの
妖精忍者とお嬢様
ヤシチがモテモテで
ムルモが怒る?ところが。
あと、掲示版にもかきましたよ。
ぜひみてくださいね。
あと妖精忍者とお嬢様の続き
楽しみにしていますね。
では。




4152/ ハッピー☆バースデー大作戦でちゅっ
□投稿者/ サファイア -1回-(2011/09/11(Sun) 22:26:26)

初めましてッ(*≧∀≦*)♪サファイアと申しマス☆
プロフィールなどは、掲示板に書きましたので
ご覧になってくださいませッ!

「ハッピー☆バースデー大作戦でちゅっ」
第1話 バースデーでちゅ☆

今日はミルモの里 第2王子ムルモの誕生日です
なので、今日はお城で誕生日パーティが
開かれることになりました。
パーティは自由参加のため、
里のムルモファンは はしゃいでいます!
今日の里は いつもに増してにぎやかなのでした

そんなおめでたい日に
1人のうさみみの女の子がため息をついていました。
???「はあ。今日はムルモの誕生日かぁ。
誕生日プレゼント…どうやってわたちょうかちら…」
女の子の名前は パピィ。第2王子ムルモの幼なじみで、ムルモの事が
大好きなのだが 素直になれない恋する妖精なのです!
パピィ「あたちって本当に素直じゃないからなぁ。
また失敗したらどうちよう…」
そういってパピィは手に持っている
黄色い箱をみて
パピィ「ムルモ…受け取ってくれるかちら…」
少し頬を赤らめて言いました。
パピィ「そうだわ!ミルモたん達の所に行って、
相談にのってもらおーとっ!」
パピィは急いで
ムルモの誕生日プレゼントをお気に入りのカバンにいれて
ミルモ達の所にいきました

第2話に続く…


どうですかね?まだまだ更新はしたいと
思いますっ(*≧∀≦*)


■ サファイア (2回/2011/09/12(Mon) 12:40:07/No4153)

続き書きます

第2話 ミルモの作戦

リルム「ミルモ様〜」
ミルモ「おう、リルムじゃねーか。
どうしたんだ?」
リルム「実は私、ミルモ様のために
ケーキを焼いてきたんですわっ」
そういってリルムが
ケーキといいはる物をミルモの前に出しました
ミルモ「リッ、リルム。あの、その…
これ…なに…?」
リルム「チョコレートケーキですわっ!(キッパリ)
今日はちょっと頑張って
2種類作ってみましたわー!!
我ながら上手くできましたわ♪」
ミルモ(これがケーキ!?)
そのケーキ(?)は
なぜかチョコレートのはずなのに毒々しい色をしていて
魚やら虫やらが顔を出しています
ケーキのはずなのになぜか動いてる…
ミルモ(どうすれば こうなるんだ…)

リルム「さあ ミルモ様♪
お腹いーぱいお食べくださいませ!!」
ミルモ「…。あのよ リルム、俺 いま腹減ってねーんだよなっ!
残念だけど ちょっと食えねーやっ!あはは」
リルム「そうですか…。では明日作ってきますわねっ」
ミルモ「いや、無理しなくていいよ。ははは」
ミルモはケーキ(?)を目の前に笑って
なんとか危険を回避しました

パピィ「ミルモたーん、リルムたーん!」
ミルモ「パピィじゃねーか」
パピィ「こんにちわでちゅ。
ちょっと相談にのってほちいんだけど…」
リルム「相談ですか?」
パピィ「その…今日はムルモの誕生日じゃない?
どうやって誕生日プレゼントわたちょうかちらって…」
頬を赤らめていいました
ミルモ「そんなの今日の誕生日パーティで
渡せば良いじゃねーか。」
パピィ「ちょうなんだけど、パーティでは皆プレゼントを
渡すじゃない?それで渡しそびれたら…」
リルム「そうですわね…」
パピィ「それで皆さんはこういう時どうちまちゅ?」
リルム「私でしたら、パーティが始まる前に
渡しますわ!」
パピィ「始まる前…?」
リルム「はいっ。パーティが始まる前に
ムルモ様に渡すのですわっ♪」
ミルモ「良いじゃねーか。パーティが始まる前に
ムルモに渡せよ!」
パピィ「でも どうやって…?」
ミルモ「いいか、パピィ。多分ムルモは今頃
里でパーティの宣伝してると思う。その時に
さらっと渡すんだ。いいか、余計なこと考えるなよ
『誕生日おめでとう』だけでいい。
おめーは素直じゃないからな。普通でいいんだ!」

いったん切ります∨∨


■ サファイア (3回/2011/09/13(Tue) 09:28:25/No4154)

続きですッ♪


パピィ「さらっと…ね。わかったわ!あたち
頑張るわ!」
リルム「ファイトですわっ!」

パピィが去った後リルムが
リルム「ミルモ様?どうして今日は
協力的でしたの?いつものミルモ様だったら
『めんどくせ〜』とか言うじゃありませんか」
ちょっと不思議そうな顔で、
ミルモに聞きます
ミルモ「今日はムルモの誕生日だからな。
今日は楽しい1日でいてほしいんだよ」
リルム「ミルモ様…」
ミルモはなんやかんやで
弟を大切にしているのです
ひねくれ者ですが。
ミルモ「放っとけ!!」


第3話に続く…

次からはムルパピの
絡みがはいります!
なんか…スイマセンッ( ´△`)
頑張って面白い展開にしたいと思います!
では…


■ 夏田みかん (287回/2011/09/13(Tue) 18:42:08/No4156)

こんにちは(^^)夏田です♪

突然お邪魔しますw
わっふーーーーーい♪私以外でのムルパピメインな小説は
久しぶりに読みました>< 恋する女々しいパピィちゃん〜〜っvV
ムルモの誕生日という事で・・確かにムルモの誕生日には
何かとパピィが張り切りそうで、ムルモが背筋を凍らせていそうです。
逆にパピィが誕生日な日ってムルモは一体何をするんでしょうね・・?
パピィは想像するの簡単なのですが、ムルモが渡す側になると結構
頭をひねりたくなります←←
さてさて、ムルパピ書いてると何故かミルモが恋のキューピットに
なってしまうというムルパピファン共通の展開(笑)で
ミルモのアドバイスが「サラっと渡せ」ということで。
この「さらっと」がパピィに出来るのかどうか・・・(^◇^;)
ムルモに渡す物渡そうとすると、ついつい余計な事を考えて口走らせて
喧嘩になっちゃうパピィなので心配だなぁ・・・。
もしくは、ムルモが余計な事を言って喧嘩になる・・なんて
パターンが頭に浮かびました^^

弟の事を大事に思う兄貴なミルモがいいですね!
そんなミルモは弟にプレゼントを用意してるんでしょうかw
もしや無かったりして・・!?^^;←
続きを楽しみにしてますね!
では☆


■ サファイア (4回/2011/09/18(Sun) 08:02:59/No4167)


やっと更新です♪

第3話 「さらっと…さらっと…」

ミルモの里
ムルモ「きゃはっ☆今日は僕の誕生日パーティが
あるでしゅ〜♪皆しゃんもきてほしいでしゅう」
ミルモの予想通り、ムルモはパーティの宣伝していました。
ムルモ「皆しゃんっ きてくだしゃいね♪きゃはっ☆」
ムルモのファン「きゃ〜!!ムルモ様〜、絶対いきますぅ」
ムルモのファン「おめでとうございますぅ、ムルモ様〜」
おおっ!皆 目がハートになっている…Σ
さすがムルモのぶりッ子パワーですっ!!
その影でうさみみの女の子がその姿を
じっと見ています。パピィです。
パピィ「まーたムルモったらぶりッ子して…」
パピィは自分の手に持っている黄色い箱をみて
パピィ「さらっと…さらっと…」
と何度も呟きました。そして
パピィ「むっ、ムルモっ!!」
ムルモ「パピィ!なんでしゅか?」
パピィ(さらっと…さらっと…)
パピィ「あの…その…」
さらっと とパピィが思うごとに
パピィの顔はどんどん赤くなっていきます
パピィ「た…たん…(さらっと!さらっと!)」

一旦切ります!スイマセン


■ こやまる (1135回/2011/09/20(Tue) 14:54:47/No4172)
http://www.murumoya.com/


サファイアさん、夏田みかんさん、こんにちは☆

ムルモのことが好きでたまらないパピィの気持ちがすごく伝わってきますね。
ムルパピメインな小説ははちゃめちゃな展開になるのがお約束ですが、サファイアさんはどんな風に進めるのか楽しみです。

協力的なミルモもまたかわいいですね。
みかんさんも書いていますが、以前の私も同じくミルモに恋のキューピッド役を演じてもらったタイプです。
何だかんだで、パピィはミルモを敬っているような感じがするんですよね。

>リルム「ミルモ様?どうして今日は
>協力的でしたの?いつものミルモ様だったら
>『めんどくせ〜』とか言うじゃありませんか」
一瞬、
「明日は忙しくてリルムのチョコレートケーキどころではない」
という流れに持っていくためかと思いました(笑)。

第3話の続きは・・・いきなり波乱の予感が!
それでは続きを楽しみにしています。

では!


■ サファイア (5回/2011/09/27(Tue) 17:58:03/No4188)


間が空きましたね…。すいませんッ!
では続きです^^

パピィ「た…た…ムルモのたくあん〜〜〜!!!」
ムルモ「ほげぇ!!」
パピィは勢いでムルモの誕生日プレゼントを
ムルモの顔に思いっきり投げつけると、そのまま去って行きました。
ムルモ「いたたたたた。一体なんなんでしゅか?ほえ?」
ムルモの目の前には黄色い箱がありました。
パピィが投げつけた物です。
ムルモ「…ったく、パピィの奴…。このプリティーな僕の顔に
なんて事するんでしゅかね!文句いってやるでしゅ!」
ムルモはパピィが投げつけた箱を持って、
パピィが去って行った方向に向かって走っていきました。

第4話に続く…

間があいてしまいました…。
すいませんッ!!


■ サファイア (6回/2011/10/09(Sun) 16:11:17/No4211)

またもや間が空いてしまいましたね…。
スイマセン(;>_<;)では続きです^^

第4話「箱の中身」

一方パピィは森に向かって走っていました。
森に入ってちょっとすると、
パピィ「はっ!あたち…!」
パピィは足を止めました。
パピィ「はぁ…。プレゼント…。顔に思いっきり投げつけてきちゃった…。何してるんだろう…あたち…。」
パピィは近くにあった切り株に座ると泣き出しました。
パピィ「う…、本当…何してるんだろう…。」
???「パピィ〜〜〜!!」
パピィは声のする方に顔を向けるとムルモがこっちに向かって走ってきてました。
ムルモはパピィの目の前で止まると、
ムルモ「パピィ!!このプリティーな僕の顔に物を投げつけるとは何事でしゅかっ!!」
パピィ「う…。ごめんなちゃい…。」
ムルモ「はいでしゅ。」
ムルモはパピィに黄色い箱をさしだしました。
パピィが投げつけた物です。
ムルモ「これ、パピィのでしゅよね?持ってきてやったんだから感謝するでしゅ」
パピィは箱を見つめます。そして涙をぬぐうと、
パピィ「ム…ムルモ!!誕生日おめでとうっ!!」
ムルモ「ほぇ!?」
パピィ「それ…誕生日プレゼントなの。受け取ってちょうだい。」
顔を赤くして言いました。
ムルモ「あ…ありがとうでしゅ。開けても良いでしゅか?」
ムルモが箱を開けると、中にはキレイなピンク色のリボンが入っていました。
パピィ「あんたっていつも同じ色のリボンしてるから、たまにはどうかな?って。…マシュマロの方が良かった?」
ムルモ「そんな事ないでしゅよっ、ありがとうでしゅ!」
パピィ「ムルモ…!!」
パピィは顔をパアッと顔を明るくしてニッコリと笑顔になりました。
ムルモはそれを見てドキッΣとします。顔が真っ赤です。
ムルモ「し…しかしさっきはよくも僕の事たくあんって言ったでしゅねっ!僕がたくあんならパピィは奈良漬けでしゅう!」
パピィ「なんでちゅって!?」
ムルモ「なんでしゅか!?」
そしてムルモとパピィはケンカを初めてしまいました。
その様をこっそりと見てたミルモは
ミルモ「…。オレのアドバイス…いるか?」
まあ、そんな事言うなよ!出番ないよりマシだろう?
ミルモ「だまれ。」
はい…。

その夜、ムルモの誕生日パーティーが行われ
ムルモは女の子達からいっぱいプレゼントをもらっていましたが、パピィからもらったリボンを大切に持っていました。
ミルモがプレゼントを忘れたのは言うまでもありません。
ムルモ「お兄たま ヒドイでしゅ!触覚ビィイィム!!!」
ミルモ「グワァァァアアァ!!」
ムルモ「…きゃは☆」

終わり☆

なんかスイマセン(;>_<;)文才が欲しいですっ!
でもこれから小説の方も上達したいので
ちょくちょく投稿したいと思いますΣ(ノд<)

ちなみに奈良漬けというのは
奈良のお漬物の事ですねっ!私は食べた事はないのですが、
お姉ちゃんが美味しいって言って食べてました^^
なぜ、漬物系の悪口にしたのかと言うと
思い付いたからですww
機会があったら食べてみてください。

では^^


■ 雛乃うた (18回/2011/10/09(Sun) 16:27:10/No4212)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/


こんにちわvvサファイアさんvv
可愛らしいムルパピ小説でしたねvvほのぼのしてて素敵ですvv
パピィちゃんが無事にムルモにプレゼント渡せてよかったですvv
リルムちゃんの動く凄いチョコケーキにもびっくりですが、それを何とか回避しようとするミルモも読んでて楽しかったですv
ミルモ。。影ながらこんなにも頑張っていたのに最後触角ビームを受けてしまうなんて。。報われない王子です><でも大好きですvv
でわvv


■ こやまる (1139回/2011/10/23(Sun) 09:15:15/No4251)
http://www.murumoya.com/


サファイアさん、雛乃うたさん、こんにちは☆

まさに雛乃うたさんのおっしゃる通り、ほのぼの感がとてもよかったです。
特にムルモが顔を真っ赤にするところ…。
ムルモはパピィの笑顔が好きなんですよね〜。
その恥ずかしさを誤魔化すためにパピィの悪口を言い始めるところもまたムルモだなぁと思いました。

小説の方もとても読みやすくてよかったですよ!
ぜひいろんな妖精の恋の物語をサファイアさんに描いて欲しいです。
いつかハンゾーの恋のストーリーも・・・!?

では!


■ サファイア (13回/2011/10/23(Sun) 14:42:13/No4252)



皆さんこんにちわっ☆サファイアです(*´∇`*)

>雛乃うたさん
小説の感想ありがとうございます〜♪
ミルモは本当に報われないですよね;;ミルムル兄弟を絡ませようとするとどうしてもミルモには犠牲になるんですよね(汗)
今はヤシヤマ+オリフェの小説を書いているので是非目を通して下さいませっ!ミルモには犠牲になって貰わなくてはいけないかもしれませんね(笑)
ミルモ「(笑)じゃねーよ!!ふざけんな!!オレは時期一国の国王だぞ!?なんちゅー扱い方してやがる!!せめてくもっちょよこせっ(怒)」
もう売ってねーよ。つーかあったら真っ先に私が食べるよ!
雛乃うたさんも小説頑張ってくださいね☆

>こやまるさん
小説の感想ありがとうございます〜♪
ほのぼの感が良かったと言うことで∨∨嬉しいです〜。
ケンカCPと聞いたらまずムルパピを思いつくのは私だけでしょうか?まぁムルパピはケンカしてなんぼですから♪

>ぜひいろんな妖精の恋の物語をサファイアさんに書いて欲し
>いです。
今はヤシヤマ+オリフェの小説を描いています♪良かったら目を通して下さいませ〜。
そうですね…。ハンゾーの恋愛ですか…そうですねっ!私的には友情を書いてみようかな♪なんてwwハンゾーの恋愛はちょっと難しそうなので、友情を書いてみたいと思います♪早速プロットを立てよう(((カキカキ
良かったら楽しみにしてください♪
では^^




4206/ 素直になりたい☆
□投稿者/ 雛乃うた -14回-(2011/10/08(Sat) 09:24:41)
□U R L/ http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/

おはようございますvv
ここではかなりお久しぶりですvv
前作『桃色コイゴコロv』から約9か月ぶりになりましたvv
新作・ムルパピ文がやっとまとまりましたvv

初めにvv

かなり久々に原作忠実に書きましたのでキャラの言葉使いとかおかしいところもあるかと思われます。
その辺は軽くスルーでお願いしますvv

では始まりですvv



■ 雛乃うた (15回/2011/10/08(Sat) 09:26:07/No4207)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/


☆素直になりたい☆


★前編★今日は厄日。


全く朝からツイテないでしゅ!!


ミルモの里・第二王子ムルモが苛立ちとともに妖精学校の廊下を歩いていた。
その苛立ちは昨日の兄・ミルモとのやり取りだった。

その日の夜、ボクが前から見たいと言っていた映画のチケットがお兄たまがクラスの友達から貰ったっとかで、
前から見たいと知っているボクに何度も自慢げに話していたことだった。
それは昨晩だけでは怒りがおさまらず、朝になっても苛立ちが続いている。


その映画は妖精界ですごく話題になっていて前売り券は数時間で終了。
当日券もファンが何日も前から並ぶほどの人気さ。
もちろん里の第二王子で可愛くてプリティーのボクは並ぶ訳にもいかない。
大臣が並ぶにしても目立つし、ボクのイメージから私情で大臣や兵士は使いたくなかった。
でもすごく見たい気持ちが強くて苛立ちがおさまらない。
どうにかしてそのチケットを手に入れる手段はないでしゅかね…。


あの手この手と考えながらムルモは妖精学校の自分の席までたどり着く。
しかしなかなかいい方法は思いつかない。
そんな中ムルモを呼ぶ声がしたので声のする方を向いて今日1番の笑顔を向けた。
「何よその顔!相変わらずムルモは不細工ね!」
「げッ…パピィ…」
名前を呼んだのはパピィだった。
誰の声かわからないくらいに考え込んでいたらしい。
「…何の用でしゅか?」
名前を呼んだのだから用があってのことだろう。
用もなく呼んだのなら、今の苛立っているムルモはどんな怒声を言ってしまうのかわからない。
「…え…っと。…そ…の……。」
本題に着いて聞いてみてもパピィはなかなか話そうとしない。
それはいつものことだったのに今日のムルモにとっては怒りがピークになる。
「…一体何なんでしゅか?用もないのに呼ばないでほしいでしゅ!」
「用なかったらムルモなんか呼ばないわよ!…あたしは…ただ…コレ…」
「…ほえ?」
パピィの手に握られていたのは昨日兄が散々持って見せびらかしていた映画のチケット。
「…ッ!…そのチケットはッ!!
ムルモは今すごく見たい映画のチケットに態度が一変する。


「パピィちゃん!それ今大人気の映画じゃん!!」
「すごーい!!今はもう売り切れなっているんだよ」
「いいなぁ!!」
そのチケットを見た周りの女子が沢山集まってきた。


「でもそれ持ってムルモ王子と一緒にいたっていうことは、ムルモ王子と一緒に行くの?」


「…そ…それは……」


行きたいッて言うのよ!
頭の中で繰り返す言葉。
それが余計にドキドキにさせる。


「…い……いッ…行く訳ないでちょ!ムルモと一緒に行ってもつまらないわ!!」


違うの!!
ホントはこんなこと言いたいんじゃないのに…
どうしてあたちはホントに言いたいことを素直に言えないんだろう…。


「……ボクだってパピィとなんか見たくないでしゅ!」


ホントはすごく見たいのに〜!!
どうして僕がこんなこと言わなきゃいけないんでしゅか!!
コレも全部お兄たまのせいでしゅ!!




朝のケンカからパピィとは気まずくなり一言も話さずに下校時間になった。
「…ただいまでしゅ…」
「あら。おかえりなさ〜い。ムルモさん。」
ムルモが学校から帰ってくるとクモモが何か商品を持って誰かを待っていた。
「クモモしゃん。どうしたんでしゅか?」
「ん〜?ちょっとミルモさんを待っていて……そうだ。ムルモさんに頼もうクモ。」
「……?何をでしゅか?」
「コレ、ミルモさんに渡して欲しいクモ。これからまだ配達が残っていて困っていたクモ…。頼んでもいいかしらクモ?」
「…いいでしゅよ。」
「ありがとうクモ!」
クモモから商品を受け取ると、クモモは直ぐにはりきってどこかへ行ってしまった。
忙しいんでしゅね…と思いながらムルモはその商品をすぐ近くに置く。


…お兄たまの荷物でしゅか…
何が入っているんでしゅかね…

………。

中身を見るだけと思い箱を開けて見ると見たことないクッキーが沢山入っていた。

お花柄模様…
…新発売でしゅかね?

気になり一枚食べて見るとほっぺがとろけるほどのおいしさだった。

美味しいでしゅ!!
こんなおいしいクッキー食べたことないでしゅ!!
お兄たま、ボクに内緒で食べるつもりだったみたいでしゅが、ボクが全部食べてやるでしゅ!!

昨日の復讐ばかりに次々にクッキーを口の中に入れていく。
「ただいまぁ…」
そんな中ミルモが帰ってきた。
ムルモはそのことに気づくが気にせず次々にクッキーを頬張る。
「ムルモ?何して…ああ!!それは俺が頼んだ王冠クッキー!!」
「お兄たまの分なんかないでしゅもんね!ボクが全部食べるんでしゅ!!」
「なっにぃぃいい!!」
ムルモが食べている最中にミルモも割り込む。
最後の一枚を掛けて奪い合いになりなんとかミルモが食べることの成功した。
「ああ〜〜!!ボクの最後のクッキー…」
「オレのクッキーだ!」

そんな時、二人にふとした違和感に襲われたが二人はクッキーのことで頭がいっぱいだったので気にしなかった。

「……アレ?今なんか変な感じになったけど……なんで俺が目の前にいるんだ?」
「一体何言っているんでしゅか!!………ッ!!ボクが前にいるでしゅ…」
ミルモの前にいるのはミルモ。
ムルモの前にいるのはムルモ。
正しく言うと、ミルモの意識を持っている者の前にいるのはミルモの姿。
ムルモの意識を持つ者の前にいるのはムルモの姿。


「……。」
「……。」


納得ないような感じでお互い自分の姿を鏡で自分の姿を見ると仰天する。


ミルモはムルモに、ムルモはミルモになっていた!


「…なぁ…これって…」
「ほええぇぇぇええ!?どういう事でしゅか?」


ムルモの格好をした中身ミルモは急いでミモモショップに連絡する。
「え?さっきの商品?新発売のこんがりバター王冠クッキーだよね。」
ミモモはデータを見ながら通信する。
「…王冠でしゅか…。そんな形していなかったでしゅよ。丸いクッキーにお花柄の模様のクッキーでしゅ。」
見た目ミルモで中身ムルモは思いだしながら答えた。
「お花模様のクッキーに入れ替わり…。…それって…ねぇ。クモモ。ここにあった商品知らない?」
「それはさっきのお客さんに運んだクモ。」
そのクモモの言葉に一斉にクモモに視線が集まる。
「………何かあったクモ?」


「…え”ッ!!ミルモさんに渡した商品がロシアンチェンジクッキーだったクモ!?」
「………ロシアンチェンジクッキーって……?」
見た目ムルモの中身ミルモは聞きたくなくても一応聞いてみた。
「…まぁ、一般に言うロシアンルーレットみたいなものだよ。一般のチェンジ―クッキー知っているでしょ?
 あのマークのクッキーの割った状態を別型のクッキーにしていろんなクッキーの中に混ぜて
 運よく片割れクッキー同士を食べたモノが入れ替わるクッキーだよ。
 他の普通のクッキーの模様もチェンジクッキーの片割れ模様から微妙に違うからどれが当たりかはわからないし…って聞いてる?」


ミモモが説明をしている中、二人は言わば石化していた。


「ええぇぇぇえええ!!」


「ほええぇぇええ!?」


昨日の夜といい今日朝といい今日は厄日でしゅか!?







■ 雛乃うた (16回/2011/10/08(Sat) 09:27:05/No4208)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/



★後編★意地っ張りたちの本心。


ミモモにチェンジクッキーを今すぐに!と頼んでみるが、とあるお客が大量にまとめ買いしたから在庫がないそうだ。
「どうするんでしゅか!?」
「どうするも何も…ムルモが勝手にクッキー食ったからだろ!」
「お兄たまが最後の一枚食べなきゃこんなことにはならなかったでしゅ!!」


凄い偶然といっていいのだろうか。
まさか交換してしまう当たりのクッキーが沢山食べてしまったムルモの中に一枚と最後にミルモが奪還して食べた最後クッキーだった。
それを食べたことによって入れ替わってしまったのだ。


「どうするも何も……そう言えばオレ、3時にミルモの里の公園の噴水の前で待ち合わせているんだった。」
「ほええぇぇええ!?そんなの知らないでしゅ!」
「今すぐ戻れないなら今オレの格好しているムルモ(外見・ミルモ)が行くんだな。
 もし行かなかったらこの格好(見た目・ムルモ)で里中の恥さらしにしてやる。」
「ほええぇぇええ!?それはイヤでしゅ!わかったでしゅ!行きましゅ!!けど…
 …それってリルムしゃんとか言わないでしゅよね?」
「行ってみればわかる!!その間に俺はチェンジクッキーを探してみるよ。1枚でももらえれば元に戻れるしな。」
「どうでもいいけど、二人とも!それぞれになりきって行ってきてよ!入れ替わっているんだから!」
今まで黙って見ていたミモモが口を挟む。
「そうだな…。」
「…でしゅね…」
まだ自覚がないのかそれぞれにはなりきれないまま返事をした。
それを見てミモモは不安になりため息をこぼす。




「確か待ち合わせはミルモの里の公園の噴水の前でしたね。お兄たま一体誰と待ち合わせしているんでしゅかね。
 見知らぬ女の子だったらリルムしゃんにチクってやるでしゅ!」
見た目ミルモ(中身・ムルモ)はブツブツ言いながら目的地の公園に辿りついた。
噴水の近くまで行くとすでに誰か座っている妖精が見えた。


…あれは…


パピィ!!


お兄たまとの待ち合わせしていたのはパピィだったんでしゅか!
一体何の用で?


いまいち理解できていない中身のムルモだが、パピィは外見からミルモが来たことに気づいた。
「あ。ミルモたん。」
「えッ?あ…。」
中身・ムルモの外見ミルモははおそらく自分を呼ばれたことに気づく。
相手がパピィと知りお得意のぶりっ子をする訳にはいかず、また、今、外見が兄・ミルモな事を思い出し
変に声もかけられず何を話したらいいか困り言葉に詰まる。
でも、そのまま何も言わずに立っているのは不自然なのでパピィが座っていた隣に座る。
しばらく沈黙が続き気まずくなった。そんな中沈黙を破ったのはパピィだった。
「…これ…」
手に握られていたのは朝言い争った映画のチケット。
「…あたち、またケンカして…うまく渡せなかったの…。
 折角ミルモたんがムルモが見たがっているからってくれたチケットなのに…」
パピィは下を向いているから表情は見えないが絞り出すように話す。
中身・ムルモにとってはそれは思い掛けないことだった。
あんなにいつも元気いっぱいで喧嘩を吹っ掛けてくるパピィとは思えなかった。
隣に座っていることもあり、また下を向いていることもあり表情はよく見えないが
さっきの震えるようなあの言葉で気づく。
…泣いているかもしれない…と。
それに、そうさせてしまったのは自分であることも。


見た目はミルモで中身がムルモな今、何と声を掛けたらいいか迷う。


「じゃ…あたちはこれで…」


それだけを告げてパピィは立ち去る。
帰る間際に強引に映画のチケットを中身ムルモの外見ミルモに押し付けて。
中身ムルモの外見ミルモはただ呆然としていた。


…一体どういうことですか?
この映画のチケットは昨日持っていたお兄たまのモノ…
それで、今日の朝のチケットもお兄たまがパピィに渡したモノ…
…あんなに自慢げに話していたのになんでパピィなんかに渡すんでしゅか…?
それなら最初からボクに渡せばよかったのに…


頭の中でグルグルいろんな想いが交差する。
しばらく考えてから中身ムルモの外見ミルモはお城に戻った。
「…おッ!やっと帰ってきたか。ムルモ!(見た目・ミルモ)普通のチェンジクッキー、クモモに速攻で1枚だけ作ってもらった!
 これで元に戻れる…って、どうした?俺の格好でそんな沈んで?」
「…何でもないでしゅ。」
「…まさかお前。俺の格好でその口調で話したのか?」
それは悪趣味だ…と付け加えて。
「大丈夫でしゅよ。ほとんど黙っていましたから。」
お兄たまに聞くのもなんか癪でなんか聞けなかった。




ピッ ピピッ ピッ ピッ


真夜中のミルモの部屋。機械的な音が響いている。
「あ。ミモモ。クモモ。今日はサンキューな。あと、最初に言っていた通りコレ全部返品な。」
其処にあるのは沢山のチェンジクッキーだった。
大量にチェンジクッキーをまとめ買いをした犯人はミルモだった。
「全く。ミルモ王子の無理な命令にも困ったけれどおかげでいい商品提供には感謝するよ。
 ロシアンチェンジクッキー…これから流行しそうだもんね。」
「あんな恐ろしいクッキー俺はもう買わないからな。」
「もぅ!提供者はミルモ王子だからね!!」
「まぁ…そうだけど…」


貰った映画のチケットは全部で4枚。
2枚はオレとリルムで使っても2枚残る。
そこでリルムはムルモにあげてパピィと一緒に行かせてあげたい!!と半ば強制的にオレに頼んだ。
普通にムルモにあげてもパピィは誘うかは謎だし、
それに結果どう転んでもうまくいかなかかったらブッ飛ばされるのはオレなので陰ながら暗躍してきた。
パピィに渡しても毎度毎度の性格だからうまく渡せるとはこれっぽっちも思ってもいない。
でも、パピィはムルモを誘うことだけは予想はできたいた。
失敗するだろうと第一に考えてミモモショップにも協力を頼んだ。
それが『ロシアンチェンジクッキー』であった。
試作品ということもあったが、受けっとったムルモがおそらく勝手に食べるとする大量のクッキーの中に当たりを一枚。
オレが隠し持っているクッキーに当たりを一枚。
全ては仕組まれていたのだった。


「それに、ムルモ王子は大丈夫なの?」
いくら元に戻ったとしても出かけて帰ってきた様子が明らかにおかしい。
「大丈夫だって。後はアイツらに任せようぜ。」




ムルモの今日の寝起きも微妙な感じだった。
昨日の様な苛立ちではなくココロに大きな穴があいたような感じ。
それでも一つのことを心に決めムルモは学校に向かう。

「…パピィ!!」
教室に着きパピィは見つけ大声で叫ぶ。
「…なッ…なによッ!」
それに気づきびっくりしたように呼ばれたムルモの方を振り向く。
「……コレ!」
「…それは…!」
ムルモに手渡されたものは昨日ケンカになった映画のチケット。
どうしてムルモが持ってるかパピィにはわからない。ミルモが渡したのだろうか?


「…ホントはボクすごく見たい映画なんでしゅ!!…パピィも昨日見たがっていたし、チケットも2枚ありましゅ…!
 どうしてもっていうなら一緒に行ってあげてもいいでしゅよ!?」


一瞬パピィの頭の中は真っ白になった。
…これは仲直りできるかも!!
今日こそ言うのよ!
ムルモと行きたいッて!!


「…む……むッ…無理しなくてもいいわよ!」


ダメ…
コレじゃ昨日と同じになってしまう。
それだけはイヤ…!!
昨日と同じようにはなりたくない!
少しでもいいの。
素直に―――…


「…で……でも、チケットがもったいないから行ってあげてもいいわよ!」


顔真っ赤にさせてパピィは言葉にした。
きっと今のあたちは可愛くなかったのかもしれない。
でもそれがパピィの素直な気持ちだった。


「……仕方がないでしゅね。ボクも一緒に行ってあげてもいいでしゅよ!」


ムルモもどこか照れながら答えた。
次の日曜日に約束してもうすぐ先生が来るからそれぞれの席に着く。


お昼休みにパピィは廊下でミルモとすれ違う時に小声で一言伝えた。
「ミルモたん。ありがと。」
声からわかる満面の嬉しさ。
そのパピィの様子からして今度はうまくいったんだなと感じた。


「…ッて言われても、オレは何もしていないけどなv」




**おわりvv**



■ 雛乃うた (17回/2011/10/08(Sat) 09:42:05/No4209)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/



あとがきvv


こんにちはvv雛乃うたですvv
第2段ムルパピ文でしたvvいかがでしたでしょうかvv
今回は曲からではなく日常的に書いてみましたvv


■ロシアンチェンジクッキー

ココに出てくるミモモショップの商品ですがおそらく裏通販のものではなないかと思われますv
今回は提供者がミルモだったこともあり、まだ試作品のクッキーをお試しで渡したモノですv
データーをとりつつちゃんとした商品化にするためにv
最初は普通のチェンジクッキーだったのですが、なかなかお話に入って行けずロシアンにしましたv
前回の『夕涼みチャット』(でしたっけ?)でチェンジクッキーが話題になり、このお話が浮かんだのでしたvv


■素直になれないキャラクター達vv

ムルパピもそうだけどミルモもですよ!!
なかなか素直になれなくて困りましたが
最終的に何とかまとまってよかったですvv


■前後編vv

前後編にしたくて書いたお話でしたが思いのほか長くなってしまいましたvv
UPするときさらに区切った方がいいのか正直悩みましたが
そのままUPできたので良かったですvv


■長々となりましたv

9ヶ月振りでしたが又ムルパピ文が書けて嬉しいですvv
また案が固まったらまた書きたいと思いますvv
読んでくださった皆様に感謝をこめてvv

でわvv



■ asuka (11回/2011/10/20(Thu) 17:49:47/No4238)

うたさんこんばんわ〜
よみましたよ。
素直になりたい
おもしろかったです。
またかいてくださいね。
これからよろしくね。
では。


■ 雛乃うた (21回/2011/10/25(Tue) 22:16:19/No4260)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/


asuka様v

こんばんわですvお読み頂いて嬉しいですv
またお話が浮かんだときに書きたいと思いますvv
それがいつになるかが謎ですが。。今作だって前作から9カ月もたってしまったのに。。
でわわv読んでくれてありがと☆でしたvv




3925/ ミルモ族と妖精忍者
□投稿者/ 明菜 -2回-(2011/06/12(Sun) 11:14:23)

はい、連続投稿です。
このお話はタイトルどおりミルモ族と妖精忍者を中心としたお話です。
ヤシチの両親や過去をかなり捏造しています。
明菜の脳内ではヤシチはネズミには劣るものの、妖精忍者の中ではかなり強い部類に属します。でもあんな性格だからミルモ達は気づいてないみたいな・・・?
まあそれにもちゃんとした理由があるんですが(おっと、これ以上はネタバレ)
あとオリキャラは一人だけにするよう心がけます!あまり出すと作者の脳内がこんがらがるので・・・。
でも、多数モブは出てきます!名はありませんが。
ではいったん切ります。


■ 明菜 (3回/2011/06/12(Sun) 11:43:24/No3926)

すみません・・・。まだ操作の仕方がよく分かってなくて初めと変なふうに切れてしまった。





プロローグ
月が輝く夜空を大きな炎が赤く染め上げる。
「は・・・母・・上?」
「ごめんね、ヤシチ・・・。あなたに、辛い思いをさせちゃって・・・。」
燃える家々の前でヤシチはただ呆然と立ちつくしていた。
その手には短剣が握られており、自分の母親に突き立てられていた。
母親はそんなヤシチに正面から寄りかかるように倒れこみ
愛するわが子へ最後の言葉をつむぐ。
「ヤシチ・・、生まれたこの時代を、ミルモ族を・・憎まないで。あなたは・・・父上のように立派な忍者に・・なるのよ。」
ヤシチの頬に涙が伝う。母親は血を流しながらなおも、一言でも多く言葉を残そうと懸命にヤシチの耳元でささやく。
「あなたは、強い子よ。なんていったて父上の子ですもの・・・。きっと、いつかこの妖精忍者を・・束ねる存在になるは・・・。」
「・・・っそんなことない!母上・・、拙者を、おいていかないでください!」
ヤシチがすがるように母親に抱きつく。
母親はそんなヤシチをやさしく包み込んだ。
「あなた・・・は、みんな・・と、争いのない、戦のない、平和な世界を・・・築いて・・・・ね・・。」
「母・・・上・・?」
母親がヤシチの腕からおちる。
そして安らかな顔で永遠の眠りについた。
「ウ・・ウワアア〜・・・!」



ヤシチの声はただ虚しく炎の爆ぜる音にかき消された。


これはのちに妖精界の裏歴史に深く刻まれることとなる。


ミルモ族と妖精忍者の悲しい戦いが今・・・始まる。














































■ プー (33回/2011/06/12(Sun) 12:39:38/No3927)

明菜さん、はじめまして!プーといいます!

新しい小説、面白かったです!
ヤシチのお母さん・・・・死んじゃゃったんですね。
とっても可愛そうです
さて、ミルモ族ということは、
ミルモたちと戦うということでしょうか?
ライバルでありながらも、いちようは仲間ですもんね。
続き楽しみに待ってます!
では!


■ 明菜 (4回/2011/06/12(Sun) 13:02:38/No3928)



「おお〜!なつかしいなあ〜。」
「ミルモなに見てるの?」

ここは学校の屋上。今はいつものメンバーで昼食をとっているところだった。

「おう、実はなさっき実家からこんな物が届いてよお〜。」
「ほえ?アルバムでしゅか?」

ミルモが掲げたのは少し古びたアルバムだった。
そして皆のまえでページを開く。

「わあ〜!かわいい〜!」
「だろお〜。」
「まだミルモ様が赤ちゃんのころの写真ですわね!おだやかに眠っておられますわ。」
「ふん。ぼくのほうがかわいいでしゅ!」
「この赤ん坊がどこで間違ってこのようなひねくれ者に育ってしまったのか・・・。」
「んだとこら!ヤシチてめえには言われたくねえ!」

言い合いを始めた二人はほっといてムルモは次々とページをめくっていく。
その写真全てには幸せそうに微笑む陛下と王妃の姿がみえた。

「なんかいいな〜、こういうの。ねえ、みんなはないの?昔の写真とか!」
「あたし、結木君の写真がみた〜い!」
「お、おい。」

日高はそういうと結木の腕にしがみついた。
茶を飲んでいた結木はあやうくこぼしそうになる。
楓はあわてて日高を結木からひっぺがした。

「ちょっと何やってんのよ日高さん!!」
「ふん、いいじゃない!わたしはただ結木君の写真が見たいって言っただけじゃない。」
「だからってひっつくことないでしょお〜〜!!」
「南さん!ぼくもアルバム持ってるよ!一緒に見よう!」

自分たちのパートナーのいつものやりとりをあきれて聞き流していると、ミルモは一回り大きな写真にたどりついた。

「お?これはリルムん家の家族と撮った写真じゃねえか?

「あら本当ですわね。まだムルモ様が生まれたばかりのころでしょうか。」

写真にはミルモと国王、ムルモを抱いた王妃、そしてそのそばにリルムとその両親が並んでいた。

「これは私達が婚約を結んだ日の写真ですわ!おなつかしい〜。」
「へえ、こうして見るとリルムは父親似なんだな。」

結木が写真をみてつぶやいた。
「そうですわね。あ、でも下の妹達はお母さん似なんですのよ!」
「へえ〜。」

「ミルモとムルモは国王様似なんだね!」
「まあそうだな。」
「松竹しゃんやめてくだしゃい。お兄たまと同じ顔なんて反吐がでましゅ。」
「ムルモてめ〜〜!」

そんな兄弟のやりとりを見ていると、リルムはふとあることに気がついた。

「あら?そういえば私、ヤシチさんのご両親にはご会いしたことありませんわ。」
「は?」

突然話をふられてヤシチは一瞬背を強張らせる。
「そういえばそうだな。」
「僕たちも見たことありましぇんね。」
「え?ミルモ達も会ったことなかったの?だって昔からの付き合いなんでしょ?てっきり見たことあるのかと・・。」

そう言って楓が言いよどむ。まさかミルモ達まで知らないとは思わなかったのだ。

「ヤシチさんとは幼稚園の頃から一緒でしたが、そのころからヤシチさんは一人で登園していたので・・・。」
「参観日もなんだかんだで見たことなかったしな。で、どうなんだヤシチ?」

「う・・、え〜と・・・。」
「言わなきゃトイレに流すわよ。」
「すみませんでした。」

答えようとしないヤシチに日高はおどしをかける。
ヤシチは光の速さで頭をさげた。トイレに流される恐怖はだれよりも知っている。
仕方なしにヤシチはぽつぽつと話はじめた。

「拙者の父上と母上はもう随分前に亡くなっている・・。」
「「「「え・・・?」」」」

一同が息を飲む。
そんな事情、普段のヤシチからはとても想像がつかなかったからだ。

「妖精忍者は貴様らミルモ族とは違って戦で命を落とすことはめずらしくない。とくに拙者の父上は常に最前線にたっておられたからいつ亡くなってもおかしくはなかったのだ。」

「そうだったのか・・・。」
周りに沈黙が漂う。自分たちには家族がいて当たり前だった。
なのに目の前の妖精は今までどれだけ辛い思いをしてきたのだろう。

「あ〜!そんなに深刻になるな!もうかなり前のことなのだからそんなに気にすることはないのだ!」

そんな空気に耐えかねてヤシチが声をあげる。
自分にとっては同情されることが一番辛い。

「おっと、サスケ達と約束していたのだ。拙者はもう行くぞ!」
そう言うやいなやヤシチはうちわを出して飛んでいってしまった。

「ヤシチ・・、そんなことがあったんだ。」
「私達も全然気がつきませんでしたわ・・・。」
「まあ、本人が気にするなって言ってんだしいいんじゃねえか?」
「もう〜。ミルモったら。」








上空。ヤシチは飛びながら先ほどの会話を思い返していた。

「・・・・っくそ!」

そうつぶやくと、ヤシチは目に強く光をやどしながら町を移動していった。






































文才がほしい・・・。
オリキャラはたぶん次くらいにだします。


■ こやまる (1113回/2011/06/14(Tue) 11:01:58/No3934)
http://www.murumoya.com/


明菜さん、プーさん、こんにちは☆

明菜さん、初めまして(^^)。
ムルモ屋本舗の管理人のこやまると申します!
結構前からお越しくださっていたということで、満を持しての小説投稿ですね!
ぜひぜひこれからもよろしくお願いいたします(^^)。
よろしければ、通常掲示板にもお越しくださるとうれしいです〜。

小説も早速拝見させていただきました。
いやもうすごい文才ですよ!
生まれながらの運命と穏やかな日常とのギャップの表現もバッチリです。
運命の絡むお話は私は大好きですので、続きが早くも気になっています(^^)。

普段はたいした修行をせず、釣りをしたりミルモたちとゲームをしたりしているヤシチがいったいどんなシリアスモードへと変わっていくのでしょう?
プロローグにあった悲しい戦いは本当に始まってしまうのでしょうか?
ヤシチ自身が戦いを止めてくれるとうれしいのですが、あのヤシチなだけにちょっと心配だったりもします(笑)。

それでは続きを楽しみにしています〜。
では!


■ 明菜 (5回/2011/06/14(Tue) 22:25:05/No3941)

プーさん、こやまるさん初めまして!
早速あたたかいコメント戴きありがとうございます!とても感激です。
流石プーさん。とても鋭いです・・・!
あまり多くは語れないんですが、これからヤシチは自分の立場上ミルモ族と妖精忍者の間を大きく翻弄していくことになります。
もしかしたらミルモだけではなく、他の仲間達とも戦うことにもなるかも・・・?
まだまだなれていませんが、これからもよろしくお願いいたします!


深夜。
妖精界のミルモの里から遠くはなれた大きな滝。
その滝の裏をさらに突き進むと、国王以外には知られることのない小さな里がある

その名を「忍の里」
今やその里の存在を知る者はほとんどない、地図から消えた里である。
今現在はその忍の本来の姿を象徴するようにただひっそりと存在している。

そんな忍の里の中央に位置する総本部。
そこに、裏の世界で名を馳せる上層部の妖精忍者達が集っていた。

「皆、よく集まってくれた。」

蝋燭一本だけが灯る、広く暗い空間。
そこに、妖精忍者の長であろう存在が頃合かと、口を開いた。

「時は満ちた。我等妖精忍者の復讐を果たす時が今、やってきたのだ!」

集まった妖精忍者達はただだまって長の言葉に耳を傾ける。

「これより作戦を伝える。まずは人間界、妖精界に散らばる全ての妖精忍者をここに集結させるのだ。・・・小雪。」

「ハッ。」
一人の妖精忍者が呼ばれて一歩前に出る。

「人間界はお前に任せる。そしてこれから伝える作戦をネズミとヤシチにも伝え、そこからは三人一組で行動しろ。」

小雪は静かにうなずいた。
「とくに、ヤシチには早々に妖精界に帰ってくるよう伝えるのだ。奴の持つ情報はこれからの戦いに必要不可欠なのだからな。」

そう告げると、長は立ち上がりあらためて自分の部下を見渡し宣言した。

「今、我等忍の里の復讐の狼煙を上げるとき!皆、全力で立ち向かえ!我等を裏切りしミルモ族に妖精忍者の力をみせてやるのだ!!!」

オオーーー!!!
一際大きな雄たけびが夜の忍の里を包み込んだ。

今、戦いが始まる・・・。








「フワ〜〜ア・・・、ねっみ〜・・。」

ところ変わって人間界では、いつもと変わらない平穏な日々を過ごしていた。
昨晩は就寝が遅かったのか、いつにも増して眠たそうなミルモのあくびが響き渡る。

「あらミルモ様、寝不足ですか?」
「まあな〜・・。」

心配そうな顔をして問うリルムに、ミルモはあくび交じりな返事を返す。

「もお〜。昨日遅くまで妖精通販なんかやってるからだよ〜。」
ミルモのパートナーである楓が少々僻み気味に言う。
無理もない、そのおかげで自分も少々寝不足ぎみなのだ。

「仕方ねえだろ。最近見れてなくていつのまにか新商品が増えまくってたんだからよ〜。」
「そんなにか?」

そんなミルモの様子を見て結木が思わずつぶやいた。

「フン、そんなことだから毎月のお父たまのお小遣いもすぐ底を尽きてしまうんでしゅよ。」
「なんだとムルモ〜。お前はどうせ松竹から小遣いたんまりもらってんだろ!」
「そんなことないでしゅよ〜。」
「そんなに困ってるんなら僕のお小遣いからミルモの分も出してあげるよ?」

いかにもお坊ちゃんな松竹の発言に周りの人間(妖精)はすこしばかり引いていた。
そして流石一国の王子といったところか、周りの庶民が引く発言でも、この兄弟は軽く受け入れていた。

「仮にも国を束ねるかもしれん奴が今からこんなので大丈夫なのか・・・?」

げんなりとヤシチがつぶやく。
その言葉に一同も深々とうなずいた。
「なんだとヤシチ!!オメーらもなに納得してんだよ!」

そう叫ぶとミルモはおもむろにマラカスを取り出し、ヤシチに向かって魔法をかけようとする。
そのとき・・・




シュカカカッ

ミルモも目の前を三枚の手裏剣が遮った。

「〜〜〜ッ!?」
「きゃあ!?ミルモ大丈夫!?」
「手裏剣・・・!?何者だ!!」

投げられた物が忍具と確認するやいなや、ヤシチは投げられた方向に向かって叫ぶ。

「ひさしぶりじゃな、ヤシチ!!」
「その声は・・小雪!?」

木の茂みから妖精が姿を現した。
歳はミルモ達と同じ頃、オレンジの装束に身を包み、頭に大きな赤いリボンをつけ、艶やかな黒髪は長く、腰までたらしており、前髪には二本だけ長さのちがう髪がながれていた。
少々強気な釣り目はなるほど、どこか忠実に彼女がくノ一
であることをより正確に表していた。

「一体何しに来たのだ!」
「なあに、長のご命令でお前がドジを踏んでいないか見にきたまでじゃ!・・・と、その前に・・。」

木の枝から小雪が楓達の足元へ降り立ち、そして片手をついて跪く。

「第一王子ミルモ様への先ほどのご無礼お詫び申し上げます。どうしてもあなた様の実力が知りとうございまして、少々実力行使に走らせていただきました。
なるほど、やはりあのダアクを倒したことだけはあります。なかなかの力があるとお見受けいたします。」
「いや〜、それほどでもねえぜ!」
「ッチ、面白くないでしゅ。」
「小雪、そんなことより自己紹介のほうが先だろう!」

そうだった・・・、と思い出したように小雪はあわてて自己紹介をした。
「申し遅れました、私コユキと申します。そこのヤシチの幼馴染であり、我が里の長の娘にございます。」

そういうと、コユキはあらためて頭を下げた。











日高さんが空気に・・・。すみません、ごめんなさい。
ちゃんといますよ、いつものように結木君の横にひっついていますよ!


■ プー (35回/2011/06/15(Wed) 19:58:24/No3942)

明菜さん、こんにちは!!
小説面白かったです!!

コユキ・・・
オリフェが出ましたね!!
オリフェも加わりとても面白かったです^^
そしてミルモ族と妖精忍者は戦うのでしょうか??
ネズミも出るのでしょうか?
これからの妖精忍者に期待してます!!

では!


■ 明菜 (6回/2011/06/15(Wed) 21:50:16/No3943)

プーさん、いつも暖かいコメントありがとうございます!
結論から申しますとミルモ族と妖精忍者は戦います!
そしてネズミもちゃんと出てきます。むしろこの物語では結構出張ってくるかも・・・?
かなりスローペースで物語が進んでいますが、できれば気長に最後までお付き合いください!


オリフェ設定

コユキ
ミルモ達と同い年の妖精忍者。
妖精忍者の長の娘であり、ヤシチ・ネズミとは幼馴染。
幼いころはよく三人で長の下で修行したり、内緒で秘密の巻物部屋で術の研究をしたりしていた。
魔法は少し苦手だが、忍術の腕はピカイチ。
だれよりも妖精忍者のことを思っている。

コユキが生まれたころにはすでに母親は他界しており、そのため忙しい父親の代わりにヤシチの母親のもとでヤシチとともに育てられていて、実の母親のように思っていたが、戦のおりに他界し、それによってミルモ族を心の底から憎むようになっていった。


ネズミとは顔を合わせればよくひがみあいをするが、戦闘の際のコンビネーションは完璧。そのコンビにヤシチが加わった際は負けなしとまで言われ、今のところ最強のフォーメーションとなっている。

実は密かにヤシチのことを想っており、ヤシチが妖精幼稚園に通うことが決まった際、最後まで反対していた。
他にも任務などに出る際はいつも心の中で心配している。
最近ヤマネを恋敵と認識するようになってきた。


名とは真逆になかなか男前な性格。(かわいい?ナニソレ美味しいの?)
しかし、時折ヤシチに見せる乙女な表情は日々周りに隠れファンを増やしているとか・・・。(ヤシチは気づいていない)

好物は羊羹。
将来は忍の里の長になること。(あとヤシチのお嫁さん?)
何だかんだでだいたいいつもヤシチ、ネズミとともに行動している。
最近は二人とも里を離れていて連絡もないので少し寂しい今日この頃。












はい、今日はオリフェ紹介でした。
できればオリフェはこの子だけにして、いっぱい出してあげたいなあ〜。

あとイメージイラスト募集中!
だれか私の代わりにコユキを描いてくれる人いませんか!?
もしかいてくださった方は、レスにて展示おねがいします!!!
ぜひ!自分の代わりに・・・!
なんd




■ プー (36回/2011/06/15(Wed) 22:02:19/No3944)

明菜さん、こんにちは!!

おお!
ずっと気になっていたコユキのオリフェ設定が!!
魔法は苦手だけど、腕はピカイチということは
ヤマネみたいなものですね!!

そしてヤシチと一緒に暮らしていたということでしょうか?
そしてヤシチのことを思っているだとう!?
そしてヤシチのお嫁になることが将来!?(そこだけに目をつけるな
まだまだいろいろ書きたいですが、長くなるのでやめときます

イラストですか・・・私の糞下手な絵でよろしければww
返事待ってます!

では!!


■ いっちゃん (82回/2011/06/15(Wed) 22:35:10/No3945)

明菜さん、プーさん、こんばんは!
そして、明菜さんはじめまして^^

掲示板のほうであいさつはしたのですが、ここでも一応あいさつを・・・^^;
ヤシチ、ミルモ、ネズミが大好きでミルヤシをこよなく愛すいっちゃんと申します!(つっこみはなしでww
明菜さんもヤシチ好きということで嬉しいです>∀<
実はこの小説の愛読者だったりします(笑)

ヤシチが実はめちゃめちゃ強かったという設定が今までに類を見ず、新鮮ですね!
ヤシチって基本ヘタれキャラ扱いなので・・・w
しかし・・・怪しくなってきましたね。
これからミルモ族と戦う気マンマンじゃないですか(笑)
ミルヤシ好きとしてはヤシチがミルモと戦う、ということは結構きますね><
でも、見方を変えればかなりおいしい小説なので、ぜひ最後まで見させてもらいますねwwww

それではっ!


■ 明菜 (8回/2011/06/16(Thu) 21:37:11/No3947)

プーさん、いっちゃんさんコメントありがとうございます!
掲示板でも書きましたが、こんなマイ設定を受け入れてくださり恐縮です!本当にありがとうございます。
さて、コユキのイラストの件ですが、プーさんが描いてくださるということで・・・!?
ご迷惑でなかったらぜひおねがいします!とても感激です!!!
コユキの設定も気に入ってくれたようでなによりです。






いったん切ります。


■ いっちゃん (83回/2011/06/16(Thu) 21:53:14/No3948)

明菜さん、こんばんは!

いきなりなのですが、私も明菜さんの素晴らしいオリフェ、コユキを描いてもよろしいでしょうか? ←人様の小説にまで手をだすなww
まぁ、イメージするときはプーさんの素敵絵のほうをイメージしてくださいw
明菜さんのイメージにあうように描いてみようと思っていますっ!!

私の小説ののレスもありがとうございます^∀^
近いうちに再新しますね。
いやいや、かなりいきあったりばったりの小説ですよ(笑)

ではでは!


■ いっちゃん (84回/2011/06/16(Thu) 21:55:14/No3950)

明菜さん、こんばんは!

いきなりなのですが、私も明菜さんの素晴らしいオリフェ、コユキを描いてもよろしいでしょうか? ←人様の小説にまで手をだすなww
まぁ、イメージするときはプーさんの素敵絵のほうをイメージしてくださいw
明菜さんのイメージにあうように描いてみようと思っていますっ!!

私の小説ののレスもありがとうございます^∀^
近いうちに再新しますね。
いやいや、かなりいきあったりばったりの小説ですよ(笑)

ではでは!


■ いっちゃん (85回/2011/06/16(Thu) 21:57:10/No3951)

明菜さん、ごめんなさいっ!
掲示板と同じミスをしてしまいました!!
2つあるのは気にしないでください><;


■ 明菜 (9回/2011/06/17(Fri) 22:25:07/No3952)

皆様こんばんは!
昨日は妹にパソコンをとられてしまって途中で切ってしまってすみませんでした。
なんと、いっちゃんさんもコユキを描いて下さるということで・・・!?
これほどうれしいことはありません。ぜひお願いします!





「長の娘・・・!?」

「はい!」
いきなりの衝撃発言にヤシチを除くその場にいた妖精達は
とても驚いた。

「ミルモ殿に関しては昔お会いしたことあるはずなのですが・・・。」
「そうなのか?」

コユキの呟きに、思わずミルモが不思議そうに問いかける。

「それは随分昔の話だろう。それにその時こやつはのんきに寝ていたのだから覚えているはずがない。」
「そうだったか?」
「なんだとヤシチこのやろ〜!」

ヤシチの言い草に思わずミルモは言い返そうとしたが、本人のいうとおり自分の中にはそのような記憶はまったく残っておらず、反論のしようがなかった。

「それで、なにしに来たのだ?」
「なんじゃその言い草は。せっかく貴様の幼馴染がこうして会いに来てやったというのに。・・・まあ、たしかにさっさと本題に入らなければいけんのはたしかじゃしな。」
「?・・・一体どういう」

その言葉にヤシチは問いかけようとしたが、コユキはそれを無視すると、ヤシチのパートナーである日高のほうに向き合った。

「あなた様がヤシチのパートナーでありますね?しばらくヤシチのことお借りします。」
「へ?」
「おいこら!拙者を道具のように「すこしだまれ」」

反論しようとするヤシチの声が不自然に途切れたかと思うと、その瞬間、コユキは懐から一本の巻物を取り出し気絶したヤシチを抱えてその巻物の中へ消えていった。

「えぇ!?消えた!?」
「一体何だったんだ?」
「それより日高さんいいの?ヤシチ連れていかれっちゃったけど・・・。」

「ああ、別にいいわ。掃除と洗濯すませてんならなんでも。」

日高のその物言いに、一同は思わずヤシチに同情した。

そしてふと、楓は先ほどからなにか考えるようにして腕を組んでいるミルモに気がつく。

「どうしたのミルモ?」
「いやな、さっきのコユキって奴どっかで見たことあるような気がするんだよ・・・。」
「ふえ?でもお兄たま覚えてないんじゃ・・・」

「いや、さっきのとは別にどっかで見たきがするんだよ。どこでだっけ?」

ミルモの心に残ったもやもや、しばらくの間は消えることはなかった。






ドサッ・・!!
「ぐえっ・・・!ッハ!?」

ヤシチは突然自分の体に走った衝撃でめをさました。
寝ぼけ眼で周りを見渡すと、そこはいつも自分の子分達と修行をしている川原だった。

「いつまで寝ているつもりじゃ!お前を運ぶのどれだけ大変だったと!!」
「貴様が気絶させたんだろう!」

ひどい言いがかりにヤシチは憤怒するが、コユキの纏ったいつもと違う雰囲気に思わず口を閉ざす。

「・・・長からの伝令を伝えにきた。」

「長から・・!?」
コユキはうなずくと続きを口にする。

「作戦を決行する。お前はいったん里に戻り今までの情報を伝えろとのことじゃ。そのあとのことはまた里で聞け。」
「ちょ、ちょっと待て!そんな急に・・・!サスケ達は・・」
「そいつらには私が伝える。とにかく貴様は一刻も早く里へ帰るのじゃ。」

たんたんとした物言いに、ヤシチは押し黙る。
そんなヤシチの様子を見て、コユキはフッと、心底うれしそうに笑みをうかべ、こう呟いた。

「長期の任務お疲れさま。仇であるミルモ族のスパイなんて辛かったでしょう?でも、これで終わりよ。あなたもようやくこの憎しみから救われるのよ。」

そういい残すと、コユキは姿を消した。
その場に残されたヤシチは地面にうつむき、血がにじむほど硬くこぶしを握った。


「・・・・・・母上」


そう呟くと、ヤシチは顔を歪めて行動を開始した。


全ては妖精忍者のため・・・!


その言葉を胸に、ヤシチは飛び立った。


■ 明菜 (10回/2011/07/08(Fri) 15:20:20/No4009)


ところ変わりミルモの里では、清々しい春の陽気が広がっていた。
ミルモの里ではこの暖かい気候からか、どの妖精たちものんびりとまどろんでいた。

「良い天気じゃの〜。」
「まことに。」

ミルモの里の国王マルモもその一人だった。
愛する妻サリアの手をとり、城の屋上でともに平和なミルモの里を眺めていた。

「こんな日にはどこかピクニックへ出かけたいものじゃなあ・・・、サリアはどこか行きたい場所はあるか?」

「まあ、私は殿下の行く場所ならどこへだってついてゆきますわ。」

いやはや、はたから見たら思え話ず目を覆いたくなるようなラブラブっぷりである。
もしこの場に息子であるミルモとムルモがいたら、自分達の両親の行動にいたたまれなくなりその場を立ち去るにちがいない。

ともあれ、そのようになにげない日常を過ごしていると、突然大臣が屋上の扉を開け、飛び込んできた。

「マ、マルモ様アア〜〜!!」
「何事じゃ大臣!せっかくサリアとのんびりゆったりと過ごしていたというのに・・・」

至福のときを邪魔され、思わずマルモは不機嫌な顔になる。

「申し訳ありません!しかし殿下、そ、空をご覧ください!!」
「空?」

大臣があわてた様子で話す。
その言葉を聞き、マルモは慰撫かしけに空を見上げた。
サリアもともに顔を上げる。

その光景に二人は目を見開いた。

「な、何じゃこれは・・・!!!」

ほんの数分前まで広がっていた澄み渡るような青空が、暗い紫色に一面覆われていた。 いや、よく目を凝らすとグルミの森のほうはまだかすかに青空が確認できる。
この紫色に覆われているのはミルモの里だけということか。

「たった今までこのようなものは・・・、なぜ急にこんなっ・・・!」
「分かりませぬ、しかし兵達の話によると我々の魔法は一切きかず、全ての力を無効化しているとか・・・。」

「結界か・・・。」
「おそらく」

マルモが思案顔でつぶやく。
このようなことが出来るものはこのミルモの里にはいない。
おそらくはダアクにならばできるかもしれないが、奴はガイア族の手によって封印されている。だとすれば・・・

「妖精忍者か・・!」
「正解だ。」

「「「!!??」」」

突然背後から声があがる。
思わずマルモ達は一斉に振り返った。

「久しいな、貴様らが我々妖精忍者を切り捨てたときいらいか?なあ、妖精界が王マルモよ。」

そこには薄暗い紺色のマントを羽織った一人の妖精忍者が佇んでいた。

「なぜお前がここにいる。この結界も貴様の仕業か、妖精忍者の里が長、ラセツよ・・・!!」

ラセツと呼ばれた男は、そのマルモの反応を見てにやりと笑う。
マルモはそっとさりげなくサリアを護るように自分の背後へやった。

「まあ、そうだな。正確には私の可愛い部下達がだがな。」
「なぜこのようなことを・・・」

「なぜ?貴様はこのような行動をとられることに心当たりはないのか?」

マルモは少し考える。自分の記憶を探り出し導いた答えは・・・

「第2次妖精大戦の、同盟解約か・・・!」

「ご名答。では話は早い。」

ラセツは懐から一枚の紙を取り出し、その場へ座り込む。

「今日は交渉をしに参った。まずはおとなしくこちらの用件を聞いてもらおうか。ああ、あと今ミルモの里の妖精全員の命はこちらの手の内にあることを忘れるな。」

マルモは仕方なく、ラセツの正面へ座る。
それを確かめ、ラセツは交渉をはじめた。












お久しぶりです!やっと続きを書くことができました!
最近メチャクチャ忙しくてなかなかパソコンを開くことができず・・・・(泣)
でも、それも今日まで!やっと期末テストが終わりました!もう結果なんて知ったこっちゃない。
またよろしくお願いします!


■ 月白 (29回/2011/07/09(Sat) 17:21:58/No4012)

こんにちは、明菜さん!月白です!

感想遅くなりましたがとっても面白いです!
シリアスな展開となっていますがこういう展開大好きです!
コユキの設定もかなりツボです!
ヤシチの事が好きでヤマネを恋敵として認識しているのもこれからの展開が気になります!
ヤシチ、ネズミ、コユキが揃えば最強というところもすっごく気になります!
ミルモ族と戦う時もミルモ達にとってこの3人が最強の敵となるのでしょうか…!?
これからのヤシチを始めとする妖精忍者達とミルモ達の活躍にめちゃくちゃ期待してます!
明菜さんのレベルの高い文才で小説が本当に面白いです!

今のところやる事も溜まってますがもうじき夏休みに入るのでもう少し時間が出来ると思います。
だから遅くなると思いますが私もコユキの絵を描かせて頂こうかと…。
あ、でもいつになるかわからないし私の画力ですのでプーさんといっちゃんさんの素敵絵に期待しておいて頂きたいと思います!
調子にのってすみません!

小説の続き楽しみにしてます!
それでは!


■ こやまる (1124回/2011/07/21(Thu) 14:03:37/No4033)
http://www.murumoya.com/


明菜さん、皆さん、こんにちは☆

いよいよ物騒な展開へと発展しましたね。
ヤシチがどんな行動を見せるかがもう楽しみでなりません。
妖精忍者という宿命には逆らえないのか?
それとも自分自身の考えの下に行動するのか?
そんなヤシチの葛藤をぜひじっくり描いて欲しいです〜。

コユキの実力もかなりのものがありますね。
彼女の持つ妖精忍者への恨みもまたすごいですが、だとするとミルモとのやり取りのシーンも、本当はその場でミルモを倒したいところをぐっと我慢していたのでしょうか。
再びコユキとミルモが出会うシーンはどんなシーンになるかも楽しみです。
過去の出来事をミルモはあまり知らないみたいですが、今回は王子としての活躍を期待してもいいのでしょーか?(笑)

それでは続きを楽しみにしています。
では!


■ 明菜 (11回/2011/07/21(Thu) 20:58:50/No4035)

月白さん、こやまるさんコメントありがとうございます!
返信がこんなにも遅くなり誠にすみません。
月白さんもコユキを描いてくださるということで!?
もうぜひお願いします!!むしろこんなにも話を進めるのが遅いのにこんな文才にかける小説を読んでくださりありがとうございます!(これは読者皆様に向けて)

物語は只今明菜の脳内のものを出来る限り皆様に読みやすいものにしようと検討中です!

土・日にはいっきに書き進めようと思いますので、どうかこんな明菜を見捨てず、最後までよんでいただければ幸いです。よろしくお願いします!

なお、コユキのイラストの件ですが、とくに何人までとは決めていないので、もう私のことなんか気にせずどんどん描いちゃってください!
重ね重ねよろしくおねがいします!



では、いったん切ります。


■ 明菜 (12回/2011/07/24(Sun) 11:45:47/No4040)



人間界。普段どおりの朝を迎え、人々はなんら変わらない日常を過ごしていた。

当然それはミルモ達人間界で暮らす妖精達も含まれていて、自分達のパートナーと共にいつもの暮らしを満喫していた。



当然、今妖精界に起こっていることは何も知らない。




「あ!結木く〜ん!リルムちゃ〜ん!おっはよお〜!」
「オス。」
「おはようございます!楓様、ミルモ様!」

楓は結木とそのパートナーであるリルムの姿を確認するや否や、とても朝とは思えないテンションであいさつをしながら走り寄る。
「朝っぱらからうるせえなあ〜。」
「何よう。ミルモのテンションが低すぎるんじゃない?」

楓の肩に座っていたミルモは思わず顔をしかめながら耳を押さえていた。

「そうですわよミルモ様。朝から元気なのはとてもよいことではありませんか!」
「ちょっと良すぎもするけどな。」

そうやって少し間四人でわいわいと話ていると、これまた楓にも負けないくらいのテンションで松竹とムルモがやってきた。

「おっはよう!南さん!」
「おはようございましゅ。」
「あ、おはよう松竹君、ムルモちゃん。」
「楓だけかよ。」

そんなミルモのつっこみを華麗に無視して、ムルモは小首をかしげる。

「ほえ?まだ日高しゃんとヤシチしゃんは来ていないんでしゅね?」
「あら?そういえば・・・」

いつもならとっくに楓と取っ組み合いを始めている日高の姿が見当たらない。
一同はそれに気づいて首をかしげた。

「風邪か?」
「まさか、結木君日高さんに限ってそれはないでしょお〜。」
「悪かったわね!!!」

ドゴォ!!!と、すさまじい音をならして日高の飛び蹴りが華麗に楓の頭に決まる。
ちなみにその際、ちゃっかりミルモは結木の肩に避難していた。

「なにすんのよ日高さん痛いじゃない!!」
「そっちが失礼なのがいけないんじゃない?風邪をひかないのは南さんのほうでしょう!?馬鹿は風邪ひかないっていうものねえ?」
「別に馬鹿じゃないモン!私だって風邪ぐらいひくもん!」
「夏風邪?」
「きい〜〜〜〜!!!」

いつもどおりの二人の取っ組み合いが始まる。
それを眺めて一同は溜息をついた。

「どっちも馬鹿だろお」
「でしゅ」
「ですわね」
「だな」
「南さんがんばれ〜!!」

そんな言葉に耳を傾ける様子はまったくなく、お互い力比べをしていると、日高はふと何かを思い出したようにこめていた力を緩めた。

「そうよ、こんなことしてる場合じゃなかったわ。ねえミルモ、あんたヤシチが何処にいるか知らない?」
「んあ?ヤシチ?」

いきなり話題を振られて思わずミルモは目を開く。

「あいつ三日ほど前から姿がどこにも見えないのよ。まあ、どうせすぐ帰ってくるとは思うんだけど、アイロンと掃除と洗濯が溜まっちゃてさあ。」
「日高、お前普段そんなことさせてたのか・・・。」
「それが原因なんじゃないんでしゅか?」
「しょうがねえなあ。ちょっくら連絡してみてやるよ。」

そう言って、ミルモは自分のケータイを取り出す。

「あ、もしもしヤシチか?オメー今どこに・「お掛けになった電話番号は現在使われておりません。もう一度・・・」・・あり?繋がんねえ?」

「繋がらない?」
「なんかヤシチの電話番号使われてねえって。っかしいなあ?」

ミルモは首をかしげる
あいつケータイ代えやがったのか・・・?

「使えないお兄たまでしゅねえ。ボクがサスケしゃんたちに連絡してあげましゅよ。」
「んだとムルモォ!」

そういうと今度はムルモが連絡を試みる。しかし・・・

「この電話番号は現在使われておりません。・・」
「ほえ?サスケしゃんもでしゅかあ?」
「ナンだよムルモ!えらそうなこと言っときながらてめえもだめじゃねえかよ!」
「一体どういうことでしょう?」

一同に沈黙が走る。

「妖精忍者のあいだに何かがあった・・・?」
「え、結木くん、それってどういう・・」

楓の言葉が突然さえぎられる。

「カオル兄さま〜〜〜!!!!」
「うえ!?桃ちゃん!?」

それは松竹の従兄妹であり、ヤマネのパートナーである桃華だった。
突然の自分へのタックルに思わずこけてしまった松竹だが、ただ事ではない様子の桃華に思わず真剣な面差しになる。

「どうしたの、桃ちゃん?」
「ヤマネが、ヤマネが帰ってこないんですう〜〜!!」
「えええ!?」

松竹は思わずミルモ達のほうを向く。

「ちょっとどういうことよ!?ヤシチだけじゃなかったの!?」
「妖精忍者がみんないないってことか?」
「桃ちゃん、ヤマネちゃんは何か言ってなかった?」

楓の問いに桃華は涙声で答える。しかし、腕は松竹を離そうとはしない。

「いえ・・・、三日ほど前に見て、それっきり・・・。マグカップも消えてたんです。」
「そういえばヤシチのマグカップもなくなってたわ。」

「とゆうことは、みんな妖精界に行ったってことか?一体どうなってんだ?」

一同はその場に立ちすくむ。


普段どおりの、平穏な日常が、崩れ去る音が聞こえたような気がした・・・。


■ 明菜 (13回/2011/08/26(Fri) 15:35:49/No4113)


一体何がおこっているのか。
答えを出すことが出来ずそのまま立ち止まっていたミルモ達。

そこに、
Pirrrr・・・、Pirr・・・・

「ん?電話か?」
「お兄たま、誰からでしゅか?」

ミルモが通話ボタンを押す。
その瞬間、一同もききなれている声がなにやらただ事ではないようすでまわりに響き渡った。

「ミルモ!!無事か!?」
「お、親父!?どうしたんだよそんなにあわてて・・・。」
「お父たま一体どうしたんでしゅか?」

普段、妻サリアを怒らせた時以外は別段落ち着いた雰囲気を見せている父マルモであるが、このように自分達を案じて焦るようなことはほとどない。
息子であるミルモやムルモだけでなく、その場に居合わせている一同は眉をひそめた。

「おお、ムルモもそこにおるのだな!ちょうどよかった。皆そこにおるのだな!?」
「親父、一体どうしたんだよ!妖精界で何かあったのか!?」
「そのことなんじゃが、いいかミルモ、ムルモや楓さんたちも。」
「は、はい!」

突然自分の名を呼ばれ思わず返事をしてしまう。
これから話すことは自分達人間にも関わることなのだろうか。

「実は数時間前、ミルモの里が妖精忍者によって占拠されたしまった。」
「「「「「「「占拠!!!!???」」」」」」」

「どういうことだよ!?占拠って、しかも妖精忍者!?」
「一体どういうことです?」

比較的に落ち着いている結木が皆を代表して問う。

「相手のくわしい心理はまだ分からぬ。ただ、妖精忍者はこの妖精界をのっとろうとしておる。」

「そんな・・・!」
「すでにミルモ族の大半は人質として捕らえられておる。妖精忍者はなんとしても戦にもちこもうとしておるのじゃ。」

「親父はそれを受けたのかよ!」
「そんなわけあるか!こちらとしてはできるかぎり穏便にことをすすめようと考えておる。しかし、妖精忍者側はすでに戦闘体勢に入っておる。いざというときの覚悟はしておかねばなるまい・・・。」
「そんな・・・。」

愕然とした。
昨日まで当たり前のように過ごしてきた日常が、この数時間であっというまに崩されたのだ。
しかも、最悪のパターンで・・・。

「それで、すでに武の国には助太刀要請を出しておる。戦力についてはこちらが有利ではあるが、ミルモ、お前は人間界に残り、人間界に住む妖精達にこのことを知らせるのじゃ!」

ミルモがうなずこうとしたそのとき・・・。

「いやあマルモ殿、それはもう遅いんじゃないでしょうか?」


突然声が降り注ぎ、一同はとっさに上を見上げる。
その木の上には三人の妖精の姿が確認できた。しかし・・・。

「な、なんで・・・!」

はたして、それは誰の口から漏れたものか、ミルモ達は信じられないとでもいうように目を見開き、じっと一点、その三人の妖精達のうち一人を見つめる。




「・・・・ヤシチ」



ヤシチ。そう呼ばれた妖精の瞳には少しの光もなかった。


■ 明菜 (14回/2011/08/26(Fri) 17:01:34/No4115)

ミルモ達が使っているあの腕時計型ケータイの名前ってなんでしたっけ・・・?





「・・・ヤシチ、何でお前がそこにいるんだ!!!」

怒りに満ちた声でミルモが叫ぶ。
しかし、その言葉の裏にはヤシチが裏切るはずがないといった僅かな希望も含まれていた。
案の定、ヤシチの瞳が僅かにゆらいだ。

「おいヤシチ、感情に捕らわれるな。今のあいつらは我等の敵なのじゃぞ。任務を忘れるな。」
「フフフのフ〜。やはりヤシチは置いてくるべきではなかったでござるか?なんせ、あやつらとの付き合いは長い。ましてや自分のパートナーもいるとなると情をなくせというほうがむりというものでござる。」

ヤシチの心の揺らぎを察してそれぞれヤシチの隣に立っていたコユキとネズミが釘をさす。
もっとも、ネズミはおもしろがっているようだが。

「第1王子ミルモ、第2王子ムルモ、そして婚約者リルムおよびそのパートナー達につぐ!本日これをもって人間界に住まうミルモ族はすべてわが妖精忍者の手の内となった!
あと残るはお前達のみ、すみやかにわれらにしたがうのじゃ!」

コユキの凛とした声がミルモ達の耳に響き渡る。

「へッ!だれが従うか!お前らに従うくらいならワルモ団に従ったほうがましだぜ!」
「ボクはワルモ団もクソ食らえでしゅ!まだなんだかわかんないのに従ったほうが数百倍ましでしゅ!」
「そうですわ!!」

それぞれミルモ達が答える。
それにしても哀れワルモ団。なんだかわかんないのにも負けるこの惨めさ・・・。

「・・・どうしても従わないというのか。」
「あったりめえだ!」
「仕方ない。ならば力ずくでも従ってもらう!」

コユキが叫んだとたん、ネズミとヤシチがおもいきり地面を蹴り、宙をまってミルモ達にむかい無数の手裏剣とクナイを投げつけた。

「キャアア〜〜!!」
「楓!!くそ、ミルモでポン!!」

自分達のパートナーの危機にミルモはとっさに魔法で降り注ぐ手裏剣やクナイを防ぐ。

「ヤシチ!てめえ日高もいるんだぞ!自分のパートナーがどうなってもいいのか!」
「今の拙者は貴様らの敵だ。妖精忍者に心はいらん!!!」
「こんのわからずやめ!!」

ミルモとヤシチが互いに応戦する。
リルムとムルモはなんとか隙をみてミルモの助太刀をしようと近くでこころみていた。
しかし・・・

「ほう、余所見とは余裕じゃなあ。」
「拙者たちがいるということを忘れるな!」

コユキとネズミがミルモにそれぞれ刀で攻撃をしかけた。
ミルモは間一髪で逃れ、ムルモ達と固まる。

「っち!知ってんだぞ、妖精忍者はそれこそ体術や忍術には優れてるけど魔法はからっきしだってなあ!!」

ミルモでポン!!
ムルモでポン!!、リルムでポン!!

三人がそれぞれ魔法で攻撃する。

「たしかにそうね。でも・・・」
コユキが笑う。それと同時に

ヤシチでポン!!!

「なにい〜!!?」「ふええ!?」「そんな!」

三人の魔法はなんとヤシチの魔法によって意図も簡単にふせがれてしまったのだ。

「お前達は今まで何を見てきたでござるか?ダアクを倒したときだって今までだって、このヤシチがいたことを忘れていたのでわござらんか?」

たしかにそうだ。決して忘れていたわけではない。
普段は自分と張り合い、そのたびに負かしてきたが、張り合うということは自分に匹敵するほどの魔法の腕前をもっているということだ。
それで今まで時には協力しあいどんな危険な困難をも四人でのりこえてきた。

「ガイア族に選ばれたのは貴様だけではないぞミルモ!くらえ、ヤシチでポン!」

「っつ!」

ガション!!!とひときわ大きな音が鳴り響き、ミルモ達がヤシチの出した檻に閉じ込められる。

「ミルモ!!!」
「ッチ!こんな檻すぐに魔法で・・・」

楓の悲痛な声を聞き、ミルモはすぐに脱出をはかろうとする。しかし、

「させるか!」
コユキが檻の四方になにやら札を投げつける。
「ヤシチ!ネズミ!」
「おう!」「ああ!」

(((忍法、四方魔封陣!!!)))


その声とパンッと渇いた拍手の音を合図に札がまばゆい光をはなち、檻の周りを薄紫の膜のようなものが包み込んだ。

「!!?」
「なんでしゅかこれは!!」

「忍法・四方魔封陣。その名の通り封じ込めたいものの四方に札をはり、術を発動させることによってその中にいる間は魔法を使えなくするというものだ。」

「なにい!!?」
「そんな、ミルモ!!」

みなが困惑する。それを眺めコユキたちは次なるターゲットに目をむける。

「次はお前達じゃ人間。貴様らもなかなか危険分子とされておってな。悪いがおとなしくしてもらう!」

「「「「「!!!!」」」」」

もうだめだ!
楓達が覚悟を決め、衝撃に備えめをつむる。

しかし、いつまでたっても攻撃がこない。おそるおそる目をあけると、動きを止め、難しい顔をする妖精忍者たちの姿が・・・。

「・・・・・分かりました。おおせの通りに。」
「ッチ、めんどうでござるなあ。」
「そういうなネズミ。」

なにやら呟きが聞こえるとこんどはミルモ達のほうに向き直って、

「解」
「「「!?」」」

結界をといた。
突然の心変わりにミルモたちが目を見開く。

「おい、なんの真似だ!」
「長のご命令だ。貴様らはしばらく泳がせろとのことだ。」
「はあ!?」

そう言い放つとコユキはその場を離れた。ネズミもあとについてゆく。
そしてヤシチも立ち去ろうとして、ミルモに呼び止められる。

「ヤシチ!!お前本当にそれでいいのか!!」

「・・・・なんのことだ。」
「とぼけんな!お前、そんなことをして本当に満足してんのかって言ってんだよ!」
「満足もなにも、これが拙者の任務だ。周りがどうであろうと任務を遂行するためならなんだってやる。それが妖精忍者だ。」
「妖精忍者がどうとかじゃない!おれはヤシチに聞いてるんだ!!」

ミルモがまっすぐにヤシチを見つめ問いただす。
楓達もそんな二人のやり取りを見つめている。とくに日高はパートナーであるヤシチの返答を不安げに待っていた。

「拙者は・・・、ミルモ族が憎い・・・!」
「!?」
「・・・じゃあ、何でこんなにも長い間・・・、俺たちと行動してたんだよ!!」

「それが拙者の任務だったからだ。」

ただ一言。その一言はミルモ達に衝撃を与えるには十分すぎた。

「な・・・、何言って・・・」
「拙者は長期にわたってスパイとして貴様らミルモ族の現状、戦力を調べ上げてきた。それがこの結果だ。」
「・・・じゃあ、」





「この戦いの火蓋を切ったのは、拙者だ。」





ただ、呆然と立ちすくむしかなかった。

今まで仲間だと、ライバルであり友人だと思っていた。
それがこの結果。

「もう一度言う。拙者はミルモ族が憎い。妖精忍者を、命をかんたんに切り捨ててきたミルモ族が、王国が憎い!」



「貴様らは、父上と母上の・・・・仇だ。」




そう呟くと、ヤシチはコユキ達が向かった方向に消えていった。



ヤシチを止めるものは、いなかった。


■ いっちゃん (92回/2011/08/26(Fri) 20:49:36/No4117)

明菜さん、こんばんは!

おぉ!!相変わらず面白いです!!>∀<
ヤシチっ!!ついにヤシチがっ!!!!←ちょっと落ち着けよ・・・
そしてそのヤシチの行為に悲痛の声を漏らすミルモが最高で・・・!←
シリアスなミルヤシもおいしいですなぁ(もはやそれしか頭にない
ミルモの必死さが見ていて儚いです><
しかもヤシチも複雑というのがまた・・・。

しかし、皆ヤシチには反応しているのに(まぁコユキはしょうがないとしても)ネズミには無反応とは(笑)
しかし、ヤシチが過去こんなに強かったことはあるでしょうか?
多分、こんなシリアス設定もかっこいいヤシチもこの明菜さんの小説が初めてな気がします^^
普段のヤシチももちろん良いけど、こんなヤシチも良いですよね^ω^

コユキのイメージ絵・・・この数日間に必ず投稿したいと思います><
まぁ、あくまでイメージなのでmりご期待なくww

それではっ!


■ ぴこまる (53回/2011/08/26(Fri) 21:30:11/No4118)

明菜さん、いっちゃんさんこんばんは!!ぴこまるです!!

なんというものすごいシリアス展開!!いやぁ言葉を忘れて読みふけっておりました!
明菜さんは文章の雰囲気作りがすごくお上手ですよね^^ライバルだからこそ信頼もしていたヤシチが
敵にまわってしまったことに戸惑うミルモがすごく良くて……いっちゃんさんと同様胸が熱くなりました!!

しかし本気のヤシチ……かっこいいですww
やっぱりアニメから考察するに妖精忍者って全体的に魔法が苦手なのではと思われるので、魔法が得意な
ヤシチって妖精忍者の中でも結構特殊な位置づけではないのかなぁと思います。しかも今回はミルモ族のスパイとして
妖精忍者の中で誰よりもミルモたちの情報を知っている存在であるわけですし、今後の戦いにおいて重要な役割を
果たしていくのは間違いないですね!!

今後の展開もすごく楽しみにしております^^更新頑張ってくださいね!!

ではではw


■ 月白 (36回/2011/08/26(Fri) 22:51:25/No4119)

明菜さん、いっちゃんさん、ぴこまるさん、こんばんは!

小説、すっっっごく面白いです!!
ヤシチが出た瞬間、ヤシチ来たーーーーーー!!!!!!とテンション上がりまくりです!
カッコいい!!カッコいいよ、ヤシチ!!
明菜さんの小説のヤシチは本当にカッコよくてすっごく嬉しいです!
ミルヤシにとってめちゃくちゃおいしい展開ですね、これ!

私の小説では最後の方でヤシチにカッコよく活躍してもらいたいと思うのですが明菜さんの小説のヤシチ程強くはないんですよね…。
明菜さんの小説での強くてカッコいいヤシチがかなり好きです!!
これからのヤシチが一体どうするのか…、もう気になりまくりです!
母親はヤシチに戦いを望んでいないようですがそれでもヤシチは妖精忍者の為にミルモ族と戦うのか…!
やはりヤシチにはこの悲しい戦いを止めてほしいですが正直どんな展開になるか想像がつきません!!
これからどうなるかすっごく楽しみです!!

コユキは今、紙に描いていろいろとイメージしています!
パソコンで描くにはもっと時間が空いてからになりそうですが出来る限り早くに描けるよう頑張ります!
でも実際のイメージは他の方の素敵絵をご期待下さい!!

それでは!


■ 明菜 (16回/2011/08/27(Sat) 13:18:31/No4124)

いっちゃんさん、ぴこまるさん、月白さんコメントありがとうございます!
まさかこんなにも私の妄想ヤシチを受け入れてくださるとは皆さん本当にお心が広くて、私はもう涙ながらに感謝しております。本当にありがとうございます!
もはや軽く別人になりかけているヤシチですが、本質は普段のあのおとぼけな性格なんです!ただ、物語の状況が状況なだけにああならざるをえないみたいな・・・。

実はこのミルモ族と妖精忍者は、私が小学校の頃に考えていたものだったりします・・・(笑)
それを軽く手直ししつつ、こうして文章にしている状態でございます。
その上私の脳内ではこのお話まだ完結しておりません!!
だから私のなかでもクライマックスはどのようになるのかは予測できない状況です(コラッ)

このようなかなり行き当たりばったりな小説ですが、皆様これからも生暖かい目で見守っていただいたら幸いです。



次からちょっとヤシチ達の昔話に入ります。
なぜ妖精忍者たちはミルモ族、王国の妖精にこんなにも憎しみを抱くのか、過去にいったいなにがあったのか。
そこらへんをかけたらいいなあ、と思っております。

いったん切ります。


■ 明菜 (17回/2011/08/27(Sat) 13:47:37/No4125)



「・・・・ヤシチ・・。」


ミルモ達はただ呆然と、ヤシチたちが消えていった方向をみつめることしかできなかった。

この数時間にいろんなことがありすぎた。
頭がついていくのには少しじかんがいるだろう。

「ミルモ、これからどうするの?」

楓が自分のパートナーであるミルモに問う。
ミルモは腕を組み思案顔で地面を見つめていた。
同じく腕を組みこれからの自分達の行動を考えている結木の隣では、日高がヤシチが自分達を裏切ったことが信じられない、信じたくないといったように、目に涙を浮かべただ呆然と結木の腕をつかんでいた。

「とりあえず、俺たちはいったん妖精界へ帰って親父と相談してみるか。人間界のミルモ族はもうあいつらに捕まっちまったみたいだしな。」

「そうでしゅね。」
「楓様たちは人間界で待っていてくださいませ!」

そう言ってミルモ達が飛び去ろうとしたそのとき、

「すみませ〜〜ん・・・。」
「うおわああ!?」
「クモモ!?」
「クモモしゃんは無事だったんでしゅか!?」

突然塀の隙間からクモモがマグカップを持ってあらわれる。

「あら?このマグカップは・・・。」

リルムが答えようとした瞬間、

「ミルモ!!」
「親父!?」「お父たま!?」

国王マルモが現れる。なぜ、妖精界が大変なときに国王であるマルモが現れたのか。

「妖精界に行くのは少し待て。お前達に妖精忍者たちがなぜこのような行動をおこしているのか、それを少し話しにきたのじゃ。」

「なにい!その言い方じゃあミルモ族側にも原因があるみたいな言い方じゃねえか。」
「そうじゃ。とにかく場所を変えよう。」





ところ変わり、皆は松竹の屋敷にあつまった。
広いリビングの中心にあるテーブルで、中心に座るマルモを囲うように楓達も腰を落ち着かせる。

「少し、長くなるかもしれぬが・・・」

そういって、マルモは語りはじめた。































・・・・・・・あれ?過去話に入んなかった・・・。

次は絶対入ります!


■ 明菜 (18回/2011/08/27(Sat) 15:12:30/No4127)




―――――夢を見ていた。

まだ、私たちがヤマネよりも幼かったころの
互いの父上達にあこがれて、純粋に、毎日のように修行に明け暮れていた、あの頃の。



「コユキそっちいったぞ!」

「まっかせて!ほいっ、ヤシチパス!!」

「ええ!?わ、うわわわわ!!!っうぐえ!」
「ちょっ、ヤシチ!?」

ネズミとヤシチ、そして私コユキは同じ師匠の下、毎日のように修行をともにしていた。

あの頃からヤシチはほかの妖精忍者たちよりも、ドジでマヌケで、どこか抜けていて、その上泣き虫ときたから(まあ、ネズミとは2つ、私とは1つ歳の差があったけど)手がかかって、目の離せないような子ではあったとおもう。

「ま〜たヤシチが転んだでござるか?まったく、これでも忍者のはしくれだというのに、いちいちそんなことで泣いてたらきりがないでござる。」
「う、うるさい!!」
「ちょっとネズミ!そんな言い方はないでしょう!?ヤシチは私達より年下なんだからできないことだってあるに決まってんじゃない!」
「うるさいでござる。貴様だって拙者からみたら年下でござるよ。」
「なんですってええ〜〜〜!?」

ヤシチがドジして泣いて、それをネズミが嫌味ったらしく笑って、それを私がかばって、そしてさらに私とネズミがさらにケンカに発展させる。
今おもえば私達がケンカしてなかった日はなかったんじゃないだろうか。
そう考えればよく今まで一緒にやってきたと思う。

まあ、なんだかんだでこの関係は嫌じゃなかったんだろうけど。


「ヤシチ、コユキちゃん、ネズミ君!」
「母上!」

ヤシチのお母上、リッカ殿はとてもやさしくて、その上忍としてもとても強く、母のいない私にとっても本当の母上様のようなお方で、くの一としてもあこがれの存在だった。

「休憩にしましょう。スイカもあるわよ!」

「「やったあ!」」「・・・ふん。」

リッカ殿の笑顔はとても温かかった。
あのネズミでさえもリッカ殿の前ではおとなしくなっていたしね。
ヤシチはリッカ殿にべったりだった。




「うあわああ、きれいだなあ!」
「ほんと、妖精界の夕日はここからの眺めが一番よね!」
「ふん、煙と何とかは高いところが好きというからな。」

妖精忍者の里で一番高い千年樹。
私たち三人はよくこの木のてっぺんに登っていた。

「とかいいながらネズミだって登ってんじゃない。」
「う、うるさい!」

少しの間そんな風に馬鹿話をしていると、ヤシチがある場所を指差した。

「あそこ!たしか父上たちが戦っておられるところではないか?」
「ほんとだ、ミルモの里と忍びの里の境目だな。たしか武の国と戦っておられるはずだ。」
「すごいなあ。」


その頃の妖精界では勢力争いで頻繁に戦が繰り広げられていた。
長い間、ミルモの里と忍びの里では互いに同盟を組んでいた。
作物、産業的な助けをミルモの里が行い、ミルモの里を狙う他国の妖精が攻め入るときは妖精忍者が防ぐ。
そのような関係を約300年間まもり続けてきたのだ。

そして、今まさにミルモの里をつけ狙う武の国が攻め入っていたのだ。

「私は、いつか父上のような立派な忍びの里の長になりたいな!」
「女が長になれるわけがなかろう、長になるのは拙者だ!フフフのフ〜〜!」
「なによお!なるったらなるの!」
「ネズミ、貴様妹が生まれたというのにそんなんでどうするのだ。」
「まったくよ。」
「う、うるさいい!ヤマネは関係ないだろう!ヤシチ、貴様はどうなんだ!」

めずらしくネズミがあせって話をはぐらかす。

「拙者は、母上を守れるくらいに強くなりたいのだ!」
「へえ、そういえばヤシチはお父上の顔を知らないんだよね。」
「写真は残っておったのだけどな。直接会ったことはないのだ!」
「ふん、まあヤシチらしいでござるな。」




そうやって、これから来る悲劇に私たちは気づきもしていなかった。


■ りょく (318回/2011/08/27(Sat) 16:50:00/No4128)


明菜さん、こんにちはヾ(=^▽^=)ノ

忍者の設定が大変シビアでアニメよりも原作に近い雰囲気ですね。
こうシリアスだとヤシチが格好よく見えます。
ミルモ達の敵にまわって攻撃を仕掛けるヤシチは内心苦しんでるのでしょうか?
一回、安純を守るためにワルモ団から抜けたこともありますし。

コユキちゃんとヤシチとヤマネの三角関係も気になります。
明菜さんがシリアスで書くのか、ほのぼのでいくのか、ギャグなのか(まさか!)
楽しみです。ニヤニヤ。

では!




■ 明菜 (19回/2011/10/22(Sat) 11:48:44/No4248)



「何か、最近村の妖精忍者の数が少なくないか・・・?」

私たちがお互いの夢を語り合ったその三日後、いつものように三人で修業をしていたら、ふと不思議そうにヤシチがつぶやいた。

「皆戦に駆り出されておるのだろ。なにせ今はかなり妖精忍者側がおされているらしいから、いくら人数がおってもたりんくらいだと大人達が話しておったぞ。」

「たぶん、私たちが戦に駆り出されるのも時間の問題じゃないかしら。」

このころから戦は火急の時を迎えていたらしく、次々と同じ妖精忍者の仲間たちが長の命令で戦に駆り出されていた。
とにかく人手がほしいと、女子供、年齢関係なく駆り出されていたあたりがいかにも忍らしいと思っていた。

その話を聞き、ヤシチは不安げにつぶやいた。

「…勝てるかな。」

「勝つんだよ。拙者たちの任務ははるか昔から決まっていたろう。」

「そう、すべては主君、ミルモ族のために。いつ、いかなることがあっても主君が存在するかぎり私たちの役目は消えない。」

「・・・うん。」


そう、全てはミルモ族のために・・・。
あのころは本当にそう思っていた。

なのに・・・


変わってしまった。




「一班〜四班までは前線支援、五班は後方で武器の配給、残りは防御と治療にまわれ!!」

ミルモの里のはずれにある森の中に隊長の声が響き渡る。

結局、あまり時間はかからずネズミ、ヤシチ、そして私コユキは戦に召集された。
幸か不幸か、私はまだ幼いし女だということもあり、後方の治療支援、医療部隊に配属された。

ネズミは第三班の前線部隊。
そしてヤシチは第一班の魔法特別前線部隊に配属された。

ヤシチは幼いころから忍術はからっきしだったが、その分魔法に優れていた。
その上私たちにしごかれた甲斐あってか、体力・体術も優れていたこともあり、それを知ってか、大人たちはこの中では最年少であろうヤシチを前線に加えたのだろう。

幼馴染二人が前線に立つことに、私は少し劣等感をいだいていなかったといえばうそになるが、二人を守るという使命感のほうが強かった。

「よし、出撃!!!」

遠くで一斉に火花が爆ぜるのがわかった。

私は祈るような気持ちでその方向を見つめた。







所変わりミルモの里の公園。

「ん?」
「どうしたべミルモ〜?」

いつものようにぺータ達とサッカーをして遊んでいたミルモがふっと不思議そうに顔を上げる。

「いや、今森のほうでなんか音しなかったか?」
「あれ〜ミルモ知らないのかい?今ミルモの里の境で戦してるらしいよ。」

ビケーが何時のようにきざに答える。

「そうなのか?」
「だべ。だから今あそこには近づいちゃだめなんだべ。」
「巻き込まれちゃたまったもんじゃないからね。」

ふ〜ん、とミルモがつぶやく。そして何かに気付いたのかもう一度顔をあげる。

「そうか、だから今日城の兵士たちが一人もいなかったんだな!」

「ん?そうなのかい?めずらしいね。」
「やっぱり妖精忍者に加勢するんだべか?」

ミルモが二人の言葉に首を振る。
そして記憶を探るようにこうつぶやいた。



「いや、確か・・・・・武の国・・・。」




波乱の火蓋は、切られた。


■ 雛乃うた (20回/2011/10/23(Sun) 00:29:51/No4250)
http://www12.plala.or.jp/mirumo/index.htm/


こんばんわvv明菜さん
どうしましょう><このお話すごく面白くてかなり続きが気になっちゃいます!!
ミルモお話で素晴らしいシリアス展開ですね!!
ヤシチの今後がかなり気になりますがミルモと一緒にいた日々は『任務』の二文字で片づけられないところの深いところにいますと思います><もはや何言っているかわかりません><ごめんなさい。。このお話を読むとミルモとヤシチは王族と忍者で凄い因縁がありますが何とか乗り越えていって欲しいと思います!
この先もずっと応援しています!
でわvv


■ ぴこまる (64回/2011/10/24(Mon) 00:38:15/No4257)

明菜さん、雛乃うたさん、こんばんは!!
明菜さんの小説の続きを心待ちにしておりました^^妖精忍者関連のシリアス話大好きですw

小さいころのヤシチたちが可愛らしいです^^幼馴染のほのぼのした関係がいいですねぇ。
そんな彼らまで戦に出ていかなければならないとは……しかもヤシチめちゃめちゃ大事な
ポジションじゃないですか。やっぱりヤシチの魔法の力って幼いころから突出してたのですね^^
アニメで見ててもなんとなく妖精忍者って魔法が苦手なような気がしていたのでヤシチが魔法が
得意な扱いであるというのも納得できます。

シリアスな展開から目が離せませんね! 王家は武の国につく……ということは妖精忍者を
裏切るということでしょうか……!! 続きがすごく気になりますね!!

これからの更新も楽しみにしております^^ではでは!!


■ 明菜 (20回/2011/10/29(Sat) 12:30:11/No4264)

りょくさん、雛乃うたさん、ぴこまるさん、コメントありがとうございます!!
りょくさん、前回お返事できずにすみません・・・。たしかに、まだヤマネ達を出せずじまいなので、はやくコユキとのからみを書いていきたいです!
私は恋愛系を書くのが本当に苦手なので、書ける日はくるのかな・・・・? 

雛乃うたさん、喜んでもらえているようでとてもうれしいです!
私が書くヤシチはひたすらに今つらい状況に立たされているので、これ読んでいる人に受け入れてもらえるのか・・・?と、とても不安でしたが、続きが気になるとのコメントをいただき、とても光栄です!これからもばしばし期待に添えれるようがんばって完結まで持っていこうとおもいます! 

ぴこまるさん、小さいころのヤシチ達気に入ってもらえてとてもうれしいです!
やっぱり愛ゆえにほかの妖精たちよりも特別あつかいになってしまうのがうちのヤシチの特徴でしょうか…。
いや!みんな愛してますよ!?ミルモ達大好きです!
これからもう少し過去話が続きますが、お付き合いくだされば幸いです。 

いったん切ります。


■ 明菜 (21回/2011/10/29(Sat) 13:42:07/No4266)

11

「・・・これは・・・どうゆうことだ・・!?」

ところ変わりネズミが所属する前線部隊では太陽が沈んだのを合図に、武の国の兵に奇襲をかけようとするところだった。
しかし、 

「ッ!!3班!一度後方まで引け!!」

隊長の焦るような声があたりに響き渡る。
その目線の先には武の国の兵にまざり、見覚えのある姿をした妖精が構えていた。

「なぜ・・、なぜミルモ族が・・・王族の兵士がそこにいるんだ!!!」

兵士達はそんな隊長の声など聞こえてないように、かまわず魔法で一斉攻撃をしかけてきた。

「ッネズミ!こっちだ!!」
「は、はい!!」

いくらか年上の同じ隊の先輩に腕をつかまれ岩陰にひきずりこまれる。
吐いた息が耳元までかかるほどの至近距離で、周りの銃声の音の中、なぜかその声ははっきりと聞こえた。

「おのれ・・・、裏切ったかミルモ族・・・!!!」




「どういうこと・・・!?」

ここは救護所。コユキは怪我人の手当てを終え、現在の戦況を確認しょうと外へ出ていた。
そこで上層部の大人達の会話が聞こえてきたのだ。

「うそよ、だって私たちは・・ミルモ族のために・・!!」
「コユキ!?」

後ろから父上の呼び止める声が聞こえたような気がした。
でも、そんなことにかまっていられる気はなかった。

とにかく状況を・・・!ネズミは・・、ヤシチは・・・!!!

ドンッ!!

「!?」
「コユキ!?」

突然向かいから歩いてきたネズミにぶつかる。
この様子だと、前線部隊は一時退却を言い渡されたのだろうか。

「ネズミ・・・あんた無事だったのね!」
「ああ、拙者たちの隊は退却中で作戦を立て直すらしい。今は互いに冷戦中だ。」
「そう・・・。」

ネズミから戦況を聞き、少し冷静になる。

「・・・・ヤシチは?」
「む、まだ帰ってきてはおらんか・・。」

胸騒ぎがした。
額から冷や汗がながれおちる。

しばらくネズミと立すくんでいると、焦ったように魔法特別部隊の一人が長のほうへ走って行った。

「た、大変でございます!!」
「何事です。」

「ハッ!つい数分ほど前、魔法特別前線部隊が武の国及びミルモ族の兵によって襲撃されました!!!」
「「「「!!!!」」」」

周りの空気が凍りついた。

「奴ら、魔法で隊の何人かを操り攻撃をしかけてきておりますゆえ、こちらからの攻撃がままならず・・・!!」

「!!!!」
「!待て、コユキ!!」

私はその言葉を聞いた瞬間、私の体はすでに動き出していた。
ネズミも後をおう。


ヤシチ・・・、ヤシチ・・・!!!


もう、なにも考えてはいなかった。


■ 明菜 (22回/2011/10/29(Sat) 14:09:22/No4267)

12

「は、母上・・・!」

ヤシチの目の前には兵たちの魔法によって燃え上がる家々、木々。
そして、苦痛に顔をゆがめ涙を流しながら、刀をこちらにかまえる母、リッカの姿があった。

「母上!どうかとどまりください!!」
「ヤシチ、逃げて!!」

ヤシチの頬を刀がかすめる。
そこからかすかに血が滴るのをかんじた。

「母上・・「ヤシチ。」

ヤシチの言葉をリッカが遮る。
刀はヤシチに向けられたままだ。

「母を・・・、私を殺しなさい・・・!!」
「!?」

リッカは言葉を紡ぎつつ、なおもヤシチに攻撃をしかけてくる。
ヤシチはそれを紙一重でかわしつつ、母親の言葉に絶望した。

「・・・いや・・・いやだ!!拙者にはできませぬ!!母上!!」
「したがいなさい!!私にはこの魔法をとくことはもうかなわない!!!」

ハッと、ヤシチはリッカの背後に目をやる。
木々の陰にかくれて、魔法をかけて操っているであろうミルモ族の兵士たちがひそかに笑みを浮かべていた。

「さあ、ヤシチ!!!」
「う、うわあああぁああああ!!!!」



リッカが飛び込んできた瞬間、自分の手にもった刀が突き刺さる感覚があった。

母親が、ゆっくりもたれかかってくる。

「・・・は、母上・・・。」
「ごめんね、ヤシチ・・、あなたに辛い思いをさせちゃって・・・。」


森からコユキとネズミの気配を感じた。
二人はこのただならぬ様子に足を止め、ただじっと立ちすくんでいた。

「・・・ミルモ族を恨まないで・・・、あなたは戦のない、平和な世界を・・・みんなで作ってゆくのです・・!」
「母上・・・、いや、拙者をおいていかないでください!!」

よりかかる体が徐々に冷たくなっていくのを感じる。
それが母との別れの時を表しているようだった。

「あなたは・・・、ち・・父上のような…立派な忍びに・・。」

「母上・・・?」



力がぬけ、圧し掛かった重みが、地面に落ちて行った。

ーーーーーこの時代にあなたを産んだ・・・母を・・許せよ・・・。ヤシチ・・。






ーーー雨がふる。大粒の、まるでだれかの悲しみをあらわしたような大雨が、燃え上がる炎を打消し・・、濡らした。







長かった戦が終わり、ミルモ族が妖精忍者に同盟解約を突き付けてきたのは、それからわずか三日後のことだった。
































江みながら書いてたら口調がますますおかしなことになってた・・・。

次から現代に戻ります。




4107/ 恋化しない日々、二つの恋心*
□投稿者/ りょく -313回-(2011/08/23(Tue) 12:53:27)

皆さんこんにちは〜。
今日から新しい話を書いていきます。
恋化シリーズ第三章。


■ りょく (314回/2011/08/23(Tue) 12:59:43/No4108)


1違和感オンパレード


「恋化妖精とか恋化の力って何だっけ?」

目覚めてすぐに布団から身体を起こし、視界に入ってきたのは自分が着ている見慣れた青葉色の忍者服。
妖精は基本的に着た切り雀。イベントなどで着替えることはあるが、人間のように外着、部屋着、寝間着なんて着分けることはあり得ない。
なのに何故違和感があるのだろう。
黄緑色の忍者服に深緑のショートヘア、そして桜色の花びらを頬っぺたの模様に持つくの一、サキラは小首を傾げた。
それに何かを失ったような感覚があるのに、それが何だったのか全く思い出せない。

「私、さっき何ていう言葉を口にしたんだっけ…?」

そろそろ身支度をしないと学校に遅れてしまう。
サキラは狐につままれた(×つつまれた)ような感覚で布団から出たのだった。




「あれっ、あんた妖精学校に通ってたんじゃなかったの?」

女侍である友達のノドカは驚いた様子で尋ねた。

「う、うん…」

そう。昨日までサキラは妖精学校に通っていた。しかも魔法でちび妖精に身体の大きさを変え、学年もちび妖精のクラスにいた。
しかし、何故そんなことをしているのか疑問に思い、この忍者学校に転入し直したのだった。

「それにまたイメチェン?だから注目の的になってんのよ。目立ちたくないとか言いながらさ〜」

ノドカの言う通りでクラスメイトの半数はちらちらとサキラに視線を送っていた。興味本位や良くない噂を立てる妖精やら、殆どの者が後者だった。

「ほら、あんたの子分に服装が派手な子いんじゃん。あの子のせいで先輩とかに目ぇ付けられやすくなってんのよ」
「イメチェン…確かに髪を結ったけど、そんなに派手かなぁ」
「色をコロコロ変えすぎなの。始めは青葉色で次は桜色、逆戻りしてまた青葉色でしょ。変えすぎじゃん」
「泥沼みたいな黄土色の服装をしてるノドカは地味だね。改悪版の方が涼やかで可愛いよ」
「ど、毒舌は健在かい…。〔スウド!〕とは基本的に繋がりは無いからね。オリフェは別人だからね」

糸目の女侍はきちんと宣言すると、深く溜め息を吐いた。設定はきっちり決めておく方が望ましい。
サキラは彼女の言っている意味が分からなかった。

「(い、色をコロコロ変えたって服のことだよね…。そんな…私、桜色になったことなんてないのに…)」

記憶を辿ろうと朝から騒がしい教室の中でサキラは深呼吸をし、出来るだけ心を落ち着かせた。
しかし所々に途切れた記憶はとても曖昧で、考え込めば考え込むほど迷宮入りしていく様だった。

「(ノドカの勘違いかもしれないけど今朝から続く違和感と関係ある気がする。でも真実を知るのが怖い…)」
「大丈夫?」

不安に揺れる瞳を覗き込み、ノドカは穏やかそうな顔を心配そうに曇らせた。
てか、友を不安がらせたのは他でもないあなたですよ。

「あんまり思い詰めない方がいいよ。こういう時こそ彼に相談したら。わざわざ転校したのは追い掛けていったからなんでしょ。あっ、それともまさか振られたから戻ってきたとか…」
「え…、彼って誰…?」

サキラからは記憶だけではなく、恋心もすっぽりと抜け落ちていた。








《狐につままれた》
この言葉をいざ使おうと思った時、「えっ?狐につつまれた状態って何?何故にもふもふ…」と思い調べたら間違って覚えてました。
…もふられてどうする。

ネットで検索すると、間違った言葉の使い方をしている方は意外と少なくなくて、正解がどれなのか混乱してしまいます。一触即発とかも多かった。

自分が考えたオリフェの名前すらよく間違うバカは私だけでいい。


■ りょく (315回/2011/08/26(Fri) 14:50:04/No4111)


2−恋心封込−


学校が終わると弟子を鍛える為、森へ向かったサキラだったが、そこでも二人から驚かれるのだった。

「サキラ姉チャマ、またまたガラッとカッコ変えたんだし。学校でも今日一番の話題になっていたし。あたしの師匠なんだよ〜って、ユユシィ、鼻が高かったんだしぃ!」

ユユシィは糸目の女侍が言っていた服装が派手な子分だった。
妖精忍者の服は一色と決まっているのに、ユユシィは白地に黄緑色の水玉模様が入った服を身に纏っている。頭には紫の星形のかんざしを付けていた。それに艶やかな金髪にぱっちりした瞳に長い睫毛とが、彼女の可愛さ(比較用)を際立たせているのだが。
外見でさえ目立つ要素満載なのに、性格にも難あり。迷惑妖精のレッテルを貼られている。
出る杭は打たれるという言葉の通り、とかく非難されている己を偏見なく受け入れてくれたサキラをユユシィは慕っていた。

「てめーまでユユシィ化してんじゃねー。わちきに迷惑掛けんなっつーの!」

もう一人の子分はセツナ。
紫の忍者服と橙の髪、灰色の太眉と剥いてない白目(?と思ったら設定絵を見てね)は兄譲り。ただ女の子に間違われやすい容姿を持つ兄に対し、共通する点が多いものの彼女の容姿は見劣りしている。
変わった特徴を持つ濃いオリフェの中では印象が薄いのかもしれない。
同じ師を持つユユシィとは良好な関係とは言いづらい。向こうは友好的に接してくるのだが、先生や保護者から目を付けられており、何よりお節介から迷惑を連発してくる彼女をセツナが嫌いきっぱりと拒んでいるのだった。
そしてサキラに敵対心を抱いていた。

「妖精学校辞めたって本当かよ。どういう作戦かは知らねーけどわちきを罠に嵌めようったってそうはいかないわさ!(カッコをがらりと変えてあいつの気を引こうっていう定番的な作戦だな。つーか緑があいつと似ててむかつく…)」

そう。セツナはサキラと同じ妖精に恋をし、二人はライバルだったのだ。しかし、今のサキラに恋心はない。

「あ、あのね…」

照れたようにもじもじするサキラは言いたいことがあるようだ。
その焦れったい態度が反感の元となり、弟子その二は師匠を睨み付けた。

「あ゛ぁん?」

ヤンキー口調でガンを飛ばすセツナをユユシィは宥めた。

「そんなにカリカリしてぇ…セツナ、カルシウム取ってないのだし?」
「うるせぇ!この迷惑妖精!お前もお前ではっきり喋れ!うじうじした態度を見せられると苛々すんだわさ」
「ご、ごめんね…。えっと、私って好きな人居たんだっけ?」

戸惑いながら喋るサキラの弱々しい言葉に二人は信じられないと言うように目を見開いた。
セツナに至ってはぎょっとして冷や汗までかいている。

恋敵の記憶喪失を喜ぶわけでも、ライバルを油断させる作戦の演技を疑っているわけでもない。
サキラの様々な変化の原因に心当たりがあるからなのだった。




それは皆が寝静まった深夜のこと。
すやすや寝息を立てているサキラの部屋に侵入したセツナ+もう一人。

「見事なまでにぐっすり寝てんな。寝首を欠かれるとは知らずに呑気なもんだぜ」
「な、何ということでしょう!!」

あたかもこの世の終わりがやってきたかの如く、甲高い悲鳴を上げたのはシヤンと言う少女。
しかしこの場にいるのはセツナと甲高い悲鳴に寝返りすらうつことなく眠り続けるサキラで、彼女の姿はない。
それもそのはず、恋化の力のシヤンは宿主であるセツナの精神に宿っているので実体を持たない。
恋化の力とはごく稀にしか存在しないと言われている"恋化妖精"の魔法と身体能力を強化する代わりに、恋に破れると消滅するという恐ろしい掟を強制的にもたらす存在だ。
恋を叶える天使なのか、はたまた弱みに付け込む悪魔なのか、その正体は本人達も分からないという。

「オーカ様がおりません。外出したのでしょうか」

悲愴漂う言葉をセツナは怪訝に思ったが、深くは気にしなかった。
ぐずぐずしている暇はない。

「恋化の力って宿主から抜け出せねーんじゃなかったのかよ…。どっちにしろ障害が減ってラッキーだぜ」
「オーカ様にお会いする機会が減り、私は残念でなりません…。まるで心が深い闇の中に引きずり困れていくようです」
「わーったよ。今度身体を貸してやっからそん時に会えばいいだわさ。それより恋心を封じ込める強力な方法があるって言ってたろ。サキラが目を覚ます前に教えるだわさ。わちきにいくら負担が掛かろうが構わないぜ」
「そうでしたわ。今は隠密行動中。気持ちを切り替えて…。
それでは私が恋術を教えて差し上げます。きっと良い結果を残せるでしょう」

まだ悲しみが残る元気を無くした声でそういうと、シヤンは両目を瞑った。

−恋心封込−
漢字の通り、シヤンが教えた術は恋心を封じ込めるものだった。

「術はかけられた者が気付かねば解けることはないでしょう」

シヤンに教わったばかりの印(いん)をセツナはサキラの額に結ぶ。

「だけど」

最後の印を残してセツナの手がピタリと止まった。

「この術はわちきには使いこなせないわさ。すまねーなシヤン」

何故ここまで来て止めてしまったのか、セツナにも分からなかった。
それは事が上手くいきすぎて戸惑っているからか。
それともライバルが居なくなる事への寂しさからか。
あるいは他に心に決めている相手がいるからなのか。

「構いません。アルジのお心のままに」

答えは恋心を嗅ぎ当てられるシヤンのみ知っている。
セツナは申し訳なさそうに「すまねーな」と繰り返した。

その時、窓の外からこちらを窺う怪しい影が一つ。二人はその存在に気が付かなかった。



「(術は成功していたのだわさ…。でもシヤンの話によると、記憶はそのままに恋心だけを無くした状態になるって言ってたな。だけど恋心どころか記憶すら消失してんじゃねーか。
それは何故だわさ?
わちきが失敗したのか。はたまた他にサキラに何かした奴がいるのか…)」

色々考えを巡らせていたセツナは己を不思議そうに見つめていたサキラに気が付くと、キッと睨み付けこの出来事は本人に教えないようにしようと心に固く誓ったのだった。











な、何ということでしょう!!
シヤンの名前をシ<ア>ン、とほんっっとによく間違えてしまいます。
ひょっとしたら今までの文章の中で誤字表記している可能性が…。
とにかく「シヤン」です!"ヤ"なのです!!

それから、サキラの弟子にはホタルも加わったことをすっかり忘れていました。


■ りょく (316回/2011/08/26(Fri) 14:52:05/No4112)

3ライトガール


サキラは己の恋していた人物を味方ながらあまり役に立たなさそうなユユシィに教わり、下校中の彼が通るであろう午後の街を捜しながら歩いていた。
すると話に聞いた緑の忍者服姿の髪がどこにあるのか不明な彼を見かけたのだが、恋をすると誰しも起こる感情が高揚するといったこともなく、もともと内気な性格も災いして話し掛ける機会を逃してしまった。
落胆するサキラの前に、ある妖精が立ち塞がった。


「おや、あなたは…」

こちら側から全く先が見えない分厚い眼鏡を掛けて秀才帽を被った、いわゆるガリ勉スタイル(インテリ系と表したほうが格好良いかも)の男の子妖精が、サキラに視線を向けぴくりと眉をつり上げた。
彼はサキラを知っているような口振りだが、サキラは彼を知らなかった。

「サキラさんですね。ワタクシの目は誤魔化せませんよ」
「?」

困惑しながらも頭に疑問符を浮かべるサキラに、瓶底眼鏡の彼はさらに畳み掛けた。

「ワタクシの計算によると入学手続きの時点で仮の姿に化け、学校に対して偽っていたわけですね。そして望み通り低学年に入れた。
学校とは忍者が潜入するために通う場所ではありませんよ」

彼はサキラが幼い姿で今と髪形と色が違うサキラだと見抜き、姿を変えて通っていたのは任務か何かだろうと憶測し、問い詰めているのだった。
どうやら勉強以外の目的で通っているのが許せないらしい。理由は違うが、勉強以外の目的で通っているのは見抜かれているようだ。

「そこまでピカ!」

その時、威勢の良い少女の声が二人の肩を震わせた。

「女の子を苛めると、御天道様は見ているだけでもこのピカリが見逃さないピカよ」

正義の味方のノリで颯爽と現われたのは、目を奪われるほど煌めく妖精だった。
陽の光を受けて輝く水色の髪の毛は邪魔にならないように一つに括られている。
その明るく澄んだ瞳から、さっぱりしていながらも、困っている妖精を見過ごせない、とても優しい性格が見て取れた。
清潔感溢れる動きやすそうな作業服に身を包み、全体からぴかぴか輝くオーラが彼女の可愛さを引き立てていた。

「い、苛めなど学級委員長であるワタクシがするはずありません。これは尋問です。学校とは様々な勉強を教わり時には身を持って学び、知識を付ける場所。真面目に通わなければ他の生徒にも先生方にも失礼ですから」
「そうやって言ってるのが苛めてるっていうピカ。それとも新手のナンパ?可愛い女の子に声を掛ける手段としか思えないピカよ」
「ちちち…違います!」

そう言い残し、耳まで真っ赤にさせた眼鏡くんは慌ただしくその場から去っていった。

彼の後ろ姿を見つめていたピカリはサキラの方に向き直った途端、ぴかぴか輝くハツラツな笑みを浮かべた。

「怖がらせてごめんなさ〜い。インチョは生真面目なだけで"いちゃもん"をつける気はなかったと隣のクラスの学級委員長がフォローしておくピカ」

何もかもが眩しい心臓の鼓動がおかしくなる美少女と接することに慣れていないサキラは、戸惑いながら視線を宙に漂わせた。

「さ、さっきの子は…?」
「あ〜、あれ彼氏」
「えぇ!」
「冗談ピカよ〜」

サキラの反応を見てひとしきり笑ったピカリは、顔に深い影が落ちているサキラの相談に乗ると言ってくれた。



「…それがちっとも覚えていなくって…。自分のことなのに何が何だか分からないのが不安なの…」

話し終えたサキラは少し長い睫毛を伏せた。その瞳には透明な涙が浮かんでいる。
ベンチに座り話し込む二人の目の前を、幼い子達が元気な笑い声を上げながら走りすぎていく。

「不思議な話ピカね。サキラちゃんが不安になるのも分かるピカ。
でも、忘れた事にも意味があるんじゃないかな。様々な出来事の重みに頭が耐え切れなくなったのかもしれない。
本当に大切なことは必要な時に思い出すピカよ。きっと」

新しく出逢った友達に真意に相談に乗るピカリは、心に染み入るような美しさだった。
風にさわさわ揺れるピカリの前髪を見ていたサキラはぼんやりと呟いた。

「大切なのかな。忘れてしまったのに…」
「少なくとも私にはそう見えるピカよ。だって、記憶を無くしたサキラちゃんがとても悲しそうだから」

ピカリの言葉は臆病で憂うつだったサキラの痛いところを見事に突いた。
不安と疑問を抱えながら過ごす日々が面倒で、記憶を思い出す時がやってくるのが怖くて、ならばいっそハンゾーに関わらければその時は来ないのでは…とサキラは考えていたからだ。

「や、やっぱり直接会ってみる…。ありがとう。こんなおかしな相談に乗ってくれて」
「こんなおかしな話は初めてピカよ。またねピカ」

ピカリは茶化してクスリと笑うと、明るい瞳で真っ直ぐ手を振った。

サキラの弱い心を指摘したピカリは輝いていた。
歩いていた面識のない人々がつい足を止めて振り返る。そんな輝き方だった。












ピカリちゃん可愛いよね。女の子妖精の中で一番好き。
美化しすぎ?笑ったら負けですよ。
(改ざんの域に達しているのだと気付いています)
インピカを流行らしたい。アロピカも交えて。
女の子同士って多少仲良すぎでも許されるよね!(待て


■ りょく (320回/2011/08/27(Sat) 16:57:10/No4130)


4停止した時間に想いを馳せて


結論から言うと収穫は無かった。
ハンゾーに会ったサキラは緊張しつつ他愛ない会話を繰り広げるのだけれど、それが本当に他愛ない会話だったのだ。


「あ〜、サキラさんなのら」
「こ、こんにちは…」

これは昼用の普通の挨拶。

「もじもじは治ったのら〜?」
「も、もじもじ…?」
「サキラさんはボクと喋る時、いつももじもじするのら」
「そ、そうなんだ」
「そうなのら」

彼はサキラの髪形と服装が変わったことに関して、特に触れることは無かった。
興味がないのか、まさか気付いていないことはないだろう。

好きな人にほんの少しも気にされて無いなんて悲しいのではないだろうか…と他人事のように考えるサキラをよそに、ハンゾーは他愛ない言葉に毒舌を交えて喋り散らすのだった。


全く手応えのない会話を終え彼と別れると、どっと疲れが押し寄せてきて、サキラは目の前のベンチに深く腰掛けた。
昨日のベンチ。
雲の間から射し込んできた午後の光の眩しさがその時の彼女を思わせた。
ベンチに残っていた面影を懐かしく思っていると、不意に「ぎゃあ」と言う短い悲鳴がした。びっくりして立ち上がると、ドサッと紙袋が飛んできて目の前に落ちた。

「だ、大丈夫ですか…?」

サキラは紙袋を拾い(幸い破れておらず、中身も無事だった)倒れていた彼を助け起こす。

「昨日見た光り輝く方と一緒にいた…」

縦長の帽子と服は黄色よりも山吹色に近く、その格好はホテルマンを連想させた。(作者の人の偏った知識による)。
弱々しい瞳には強さがまるでなく、頬の雫石型の模様は気弱さに輪をかけている。
声の調子からも貧弱さが漂っていた。
歳はサキラより少し上だろうか。
光り輝く方とはピカリのことだ。

「あ、すみません。昨日お二人を見掛けて、それで何だか忘れがたい方だったんですよぉ」
「一度見たら絶対忘れない。そんな子だよね。私も今、その子の事を思い浮べてたの。このベンチで」

初対面の妖精と臆面もなく喋ったのは初めてかもしれなかった。
口が自然と動いて言葉がすらすら出てきたのだ。
サキラが驚いていると、なよなよの彼が自己紹介をした。

「ボク、ミレンって言います」
「私はサキラ。恋化妖精サキラです。あ、あれ…?」

"恋化"という言葉はサキラの記憶に無かった。
口を接いで出てきた単語を不思議に感じていると、その様子をじーっとミレンから見られていたようで、サキラは頬っぺたを桜色に染め上げると慌てたように俯いた。

「な、何でもないです…」

ハンゾーと会った時の十倍緊張しているかもしれない。同性のピカリとはまた違う鼓動のスピード感だった。

「(ひえぇぇ…、何でこんなにドキドキするの…。繊細な男の子って恥ずかしげもなく女の子を褒めたりして、それが珍しかったから素敵だなって思っただけなのに…)」
「ボクもあの方やサキラさんみたいに誰もが振り返るような目立つ容姿だったら良いのに。そしたらボクの大好きな彼女も、また昔のようなラブラブカップルに戻ってくれるかもしれない」

ミレンは夢を見るようにぼんやりと呟いた。
その淡くなよなよな瞳は遠いところに焦点を結んでいる。心だけ別空間に移行してしまっていた。
「彼女」とミレンが言った瞬間、サキラはがっかりした。好きになりかけていたのに始まる前にあっけなく散るのか…。
同時にこの妖精の傍にいれば記憶の謎を解く手掛かりになる、そう直感した。

「か、彼女さんはどんな方なの?」
「えっ、ああ…そうですねぇ…」

はっと目を覚ましてミレンはすうっと切なそうにサキラを見つめた。

「明るくて元気で可愛くて、怒った姿がとっても素敵で…あっ、これはボクにしか見せない素顔なんですけどねぇ」

そう言ってミレンは嬉しそうに目を細めた。
眉が八の字になり、柔らかな表情になる。
そうとう惚れ込んでいるんだなぁとサキラは思った。でないと怒った姿が素敵なんて滅多に言える言葉じゃない。

「ボクは彼女のお願いを何でも叶えてあげたいんです。行きたい場所があれば何処へだって付いていく、欲しいものがあれば徹夜してでも買ってくる。それが当たり前なんです。
ボク達は毎日のように野原で追い掛けっこしたり、ペアルックを着て街を練り歩いたり、カップルジュース(一つのグラスにストロー二つのあれ)を飲んだりしていました。
でもある日を境に彼女は会ってくれなくなって、それは他に好きなひとが居たからだったんです。
ボクは恋には試練がつきもの、恋人達の危機は誰にでも訪れるものだと辛抱強く彼女が正しい判断をしてくれるのを待ちました。
そうしてなんとか悪は去りました。
遂にラブラブカップルに戻れるはずだと人間界へ直行したのですが、未だ戻れず…。
どうしちゃったんでしょうかねぇ」

ミレンは彼女の事を想って切実に嘆息した。身体全体が深い悲しみを湛えていた。

それは振られてしまったのでは?
誰もが感じることで、サキラも当然そう思ったが、今にも涙が溢れだしそうに瞳を潤ませる彼の前では口を閉ざさるをえなかった。
















ミレンの服装って何をモチーフにしているんだろう。
私はずっと(高級)ホテルの男性従業員みたいだと思っていますが。主に帽子から。
黄色アクミは、ちらっと、オランダっぽいと思った。スカーフから。

あああミレン可愛い大好き。しかし一方で、彼に惚れたサキラの気が知れないとか思っていたりする。

アクミとペアルックについて。
ミレンがアニメで「ペアルックで歩いた」、みたいなことを言っていたのですが本当でしょうか?
《野原で追い掛けっこ》はまだ別の出来事を都合の良い解釈をしたんだろうなぁ、と考えることが出来るんですが。
ミレンがアクミのコスプレでもしたんだろうとしか思えないです。


■ こやまる (1133回/2011/09/03(Sat) 10:59:33/No4142)
http://www.murumoya.com/


りょくさん、こんにちは☆

別の小説への感想が滞っていますが、まずはこちらから。
恋化シリーズの続きを再び読むことが出来てうれしいです。
このシリーズは妖精たちの様々な行き違い、そしてそれによる切なさがよく表れている点が私は大好きです。
今回もまた読者の心を打つような切ない展開に期待しております(^^)。

なるほど、第2章の突然のクライマックスはセツナの行動が大きく絡んでいたのですね。
セツナは寸前で思いとどまったはずなのに、サキラに起きたこの変化から第三者の悪意を感じます。
この犯人は新キャラなのか、それともこれまで登場した他の誰かなのか?
本当にサキラは敵をよく作りますね(^^;。

そのサキラですが、これまでのピンクのサキラになれてしまったので、青葉色になかなか慣れなかったりします。
本来の姿である青葉色は地味であり、ますます幸薄くなった感じが(^^;。
そしてハンゾーと色合いがかぶりまくりですね(笑)。
魔法で体を小さくしたということは、ユユシィやセツナと同じ大きさになったということになるのでしょうか?
師匠としての威厳は微塵も無く、サキラの今後の行く末がますます心配になります。。

まさかのインピカ登場にも驚きましたよ。
ピカリの汚れのない性格はセツナを始めとしたいろいろな妖精と絡ませて欲しいです。
アロマちゃんもぜひ登場させてあげてください!
そのアロマもサキラと微妙に色がかぶりますね。

>狐につつまれた
ネットで調べたらAAが出てきました(笑)。
私もいろいろな日本語を間違って使っているので、気になったらネットで調べる習慣にしなくては。

それでは続きを楽しみにしています。
では!


■ りょく (323回/2011/09/14(Wed) 11:55:06/No4158)

こやまるさん、こんにちは!
感想ありがとうございます(^-^)

>魔法で体を小さくしたということは、ユユシィやセツナと同じ大きさになったと言うことでしょうか?
その通りです。
でもハンゾーへの恋心が無くなり妖精学校に通う意味が無くなったので、今は普通(ミルモやヤシチ)サイズです。
毎度ややこしくて済みませぬ(^-^;)
最近はサキラよりセツナの方が幸薄いです。ちなみにホタルは影が薄いです。作者の人はよく名前を忘れます。

インピカは今、一番流行らしたいカプです。
私の中で絶対美少女なピカリちゃんですが、改めてアニメを見直すと、褒められた時に「ふふっ、そんなことないピカよ。みんなで頑張ったからピカ」と照れながら言うような、奥ゆかしさが欠けていて、ぎゃあああ〜、失敗ったあああ…な感じです。
いつかメインで書くかも知れません。
公式で絶対美少女なアロマちゃんは必ず出します!ちなみにミレンも再び登場させます(笑)

青葉サキラの後ろにちーっちゃく描いてあるのがちび妖精です。
新キャラ。

では!




5告白しても消滅しないの


「彼女にお菓子を手作りしようと思ってるんですけど、サキラさんは何がいいと思います?」

ちなみに彼女はキャラメルが好物なんですよぉ、というミレンにサキラは"生キャラメル"を勧めた。
いつか人間界で流行っているとの情報を誰かから聞いたことがあったのだ。

「わ、私にもお手伝いさせて下さい。そうだ。今の季節には常温でも溶けてしまうからロールケーキに混ぜ込んで生キャラメルロールケーキにしようか。ロールケーキには自信があるの」

そう咄嗟に嘘まで吐いてしまった。
和菓子ならよく作るものの、洋菓子のロールケーキは作ったことがなく難易度高い。そんなことよりサキラはミレンの傍に居たかった。
恋は盲目。恋に落ちると理性や常識を失ってしまい周りが見えなくなる。
その言葉を聞くたびそんな事があり得るわけがない、あったとしてもそれは他人事であって我が身に降り掛かることはない、と思っていたが今なら分かる気がした。

そうしてケー番とメルアドの交換をして数日後に会う約束をした。

別れた直後、生キャラメルロールケーキの材料をどっさり買い込んで猛特訓を開始。
ロールケーキは巻きが肝心。
本で読んだ通りにすだれと麺棒で丸めていく。この二つが無いとボロボロになってしまうのだった。
それでも上手くいかない場合もあった。
試行錯誤の末に生地のしっとり感に左右されることに気付いた。

「この調子だと、朝ごはんが食べられないや」

夜中に試作品達を一人でもぐもぐ消化しながら、ミレンの淡い笑顔がふっと浮かんでサキラをきゅんとさせる。
ミレンが居るなら何もいらない、とまで思った。

そしてその日はやってきた。

ミレンは人間界のパートナーの家に住んでいる(ん?と思ったらりょくの小説を漁ってみよう)。
マグカップ経由で訪問して、サキラはてっきり二人きりになるかと思いきや、そこにはいつか出会ったような気がするが定かではない、ミレンのパートナーである姫林檎がいた。
可愛らしい大層な名前のわりには色々と(主に見た目)伴っておらず、どうも名前負けしているようだった。
本人はかなり気にしているらしくあだ名か名字でしか呼ばせない。

「客って女の子だったのか。恋人でも無いのに男女二人で仲良くお菓子作りなんて変じゃない?」

真っ赤で一部だけ黄緑で葉のようになっている特殊な髪型に、眼鏡の奥に潜む瞳は気が強そうだ。
客のサキラの前でややぶしつけに喋っているところからして、快活な性格だと判断出来る。

「そうですかぁ?」

ミレンはパートナーの偏見的な言葉をさほど気にすることなく問いかけを返した。

「そうですかぁ、って普通は男友達呼ぶもんじゃないの」
「あ………」

サキラは初対面の相手が何かをモチーフにした格好だと、何故かそのままあだ名にして呼びたがる傾向があった。

「アップルさん」
「ざ、斬新…」

姫林檎はサキラの唐突な命名に戸惑うしかなかった。
知り合い全員に名字かあだ名で呼ぶように強制していたので、そんな風に呼ばれたことは一度もない。そうで無くてもサキラ以外にとんでもないあだ名を付ける奴は、他に居ないだろう。

「こっちの方が面白いですねぇ。ボクも呼んじゃお」
「だめ!絶対」
「そ、そんなぁ。イオさん冷たいですよぉ。だから打ち切り…」
「いやん。更新停滞はんたーーい」

さり気なく"打ち切り"から"更新停滞"に単語をすり替え媚びる姫林檎の態度は二人を唖然とさせるには十分だった。
寒い。

「…えーっとぉ、そろそろ始めましょうか。材料は一通り準備しました」

白けた空気をどうにかしようと話題を変えながら、エプロンの帯を締めるミレンにサキラはぎょっとした。

「(純白のフリフリですか…)」

サキラは思わず口に出しそうになるのを必死に堪えた。
これがサキラ以外の人物なら光の速さで引いていただろう。実際、彼のパートナーは見て見ぬ振りをしている。
良くない方向にインパクトが強かったが、それでも冷めないサキラの想いは本物だといえよう。

「あ、あの…?」
「はい?」

きょとんとするなよなよ妖精にサキラは思いの丈をぶつけた。

「似合ってますね!そのエプロン!か、可愛らしくて」
「ありがとうございます!何だか勇気が湧いてきましたぁ。当日はエプロン姿のミレンを彼女に見せるのですよぉ」

ミレンは素直に喜んだ。
嬉しそうな二人の会話に付き合ってられないと思った姫林檎は、そっと自分の部屋に移動していった。


かくして生キャラメルロールケーキ(長い)作りが始まった。

サキラは手順を暗記するぐらい作り込んだしミレンも慣れているらしく、教えるのはそう手間がかからずさくさく進んだ。
心配だった"巻き"も失敗することなく無事に済み、ラッピングまで終え冷蔵庫に保存し、全てが完成した。

そして訪れたティータイムに平然と緑茶を用意したサキラに、ミレンは妖精忍者なんだなぁと思った。
呼ばれた姫林檎は妖精の奇行に口に出すことは止めていた。

「と、ところで…どうやって彼女さんに渡すの?」

サキラは妖精には大きすぎるフォークで切り分けたロールケーキを器用に口に運びながら尋ねた。
人間界に不慣れな妖精でも人間サイズの食器での食事に苦労したという話は今まで聞いたことがない。さすが妖精はお菓子に対して貪欲だ。

「それが彼女は呼び出しに応じてくれなくて…」

はあぁ…とミレンは深いため息を吐いた。
姫林檎は無言で手元にあるロールケーキを消化することだけに集中している。

「そうなの…。あ、彼女さんとアップルさんはお知り合いなんだよね?」
「そのあだ名は止めて。知ってるけど」

何でこっちに矛先が…と姫林檎は恨めしそうにサキラを睨んだが、サキラは瞬く間に姫林檎の皿に飛び移り、フォークを両手で掴んだ。
臆病で時に強気な小さな瞳が彼女をしっかりと見つめる。

「じゃあ協力だよ。アップルさんはミレンさんのパートナーなんでしょう!」
「え、うん…」

その有無を言わせぬ気迫に姫林檎は頷く他なかった。

「ま、どんな結果になっても泣かないように。見当違いの努力は認めてやるけど」
「ほ、本当ですかぁ!ありがとうございます!ミレン、感激ぃ〜!よよよぉ〜!」

するとミレンは大袈裟に感動して大泣きすると、食べ終えた食器を洗いに行った。
水を出す音が聞こえてくると、姫林檎は声を潜めてサキラに尋ねた。

「あのさー、何でミレンのこと」

"好きになるの?"
説明なしでもミレンが他人から恋愛感情を持たれにくいのは明白。
しかし、パートナーである姫林檎は一緒に住んでいると良いところも見えてくるだろう。それにミレンを好きなサキラにとっては彼女の環境は羨ましい限りである。
不満と憧憬の感情が混ざりあってサキラを苛立たせた。

「…なまっちょろくてねちっこいから」
「え…」

慌ててずり落ちた眼鏡を掛け直す。
姫林檎は淡々と喋るサキラの様子に戸惑い、すぐには反応できなかった。言葉の意味が理解できない。

「なまっちょろくてねちっこいから、恋せずにはいられないの」

臆面もなく言い切ったサキラは身体中の血液が顔面に集結していくのを感じていた。顔中どころか耳まで熟れた林檎のよう。
恥ずかしくもあったが何故かそれより、胸に抱く恋心を堂々と宣言できた解放感に酔い痴れていた。










ミレンに対してごめんなさい。ファンの方ごめんなさい。
でもミレン好き好きって騒いでるのは私以外、居ないんじゃ…。
でもでもこういうのは一人見かけたら三十人は居るんですよね!(←反省してないな
ともかく同志様かもーんです。かもーーーん!!


■ りょく (325回/2011/09/21(Wed) 21:44:05/No4175)

6恋して恋され


謎は解き明かせなかったがともかく。

恋敵は失せたのだ!!




ハンゾーに恋するセツナはサキラの様子が若干心に引っ掛かったものの、とても喜んだ。
しかーーし、アプローチの成果は芳しくない。

恋に奥手なセツナは友達の助けがないと、声を掛けるのも精一杯な状態なのだった。
セツナは一人で忍者学校から妖精学校に転校したのでこの場に二人の姿はなく、助けを乞うことが出来ない。
ケータイで連絡を取ろうにも授業時間がずれているらしく、電話をかければ電源が入っておらずメールをすれば授業中に返って来るのだった。
――今すぐ助言がほしいのに。

そんな中、セツナの味方となるのは兄であるシツトの元で共に修行を積んでいた(セツナはサボりまくっていたので心配したシツトから、サキラの元へ預けられたのだ)頃から見知っていたホタルしかいない。

が、このホタルはセツナの恋の進展計画を恋敵に伝えたり(セツナが失恋して消滅しないように)、セツナを陰ながらサポートしてくれるものの、セツナの一番の望みである"ハンゾーと両想い"、に協力的なのかは不明である。

以前はサキラの方が両想いに近く、セツナは危ういと認識していたので力の限り邪魔しに掛かっていた。
それはセツナを想って、セツナを第一に考えているから。
愛したひとを恋化の掟によって、失う悲劇を二度と繰り返さないように。

だが今は違う。
サキラの恋心はどこかへ消え、ハンゾーに恋する妖精は今のところセツナだけとなっている。
手伝ってくれる見込みはあるのでは無かろうか。

基本的に待ち姿勢なのがセツナという妖精なのだった。

「なあ、ホタル…」

セツナが昼休みに教室で正面に座るホタルに喋りかけたその時だった。

「あ〜、セツナちゃんおべんと付けてどこ行くれすぅ」

ホタルはセツナの顔に顔を近付けると、頬っぺたに付いているお菓子の食べかすを舐め取った。
同じ妖精忍者である彼は従姉弟であるサキラに似てひ弱で泣き虫だったが、内面は思慮深く策士で忍者としてはかなり優秀だった。
何より女のセツナから見ても、顔がかなり可愛らしいのである。

セツナに好意的なホタルとそれを拒否せず受け入れるセツナは、周りからカップルだと認識されていた。
もちろんハンゾーからも。
これがセツナの気持ちが届かない主な原因なのだ。

「(アルジもホタル殿を意識なさっている事を告げたほうがよろしいのでしょうか?お二人は大変仲睦まじく恋化の力として両想いの役目を果たし、転生時期が近づいております。オーカ様とのお別れが名残惜しいですが…)」

シヤンは思った。
不正に近い方法で前の宿主から引き剥がされ強引にセツナに宿らされた彼女は、他の恋化の力と違い喋ると宿主以外にも聞こえてしまう。
なので、なるべく声を出さないようにセツナから言い付けられていた。従順な彼女は逆らうことなく守っている。最も言い付けを破ることも少なくないが。

二人の隣ではサスケとハンゾーが仲良くお菓子を食べている。

このままでは埒が開かない(毎度のことだが)ので、セツナは恋のアタックを試みた。

「お…おい、ハンゾー!」

呼ばれたハンゾーが「何なのら?」とセツナに振り返る。
セツナが「いつも失敗ばかりしてだっせーな。このへなちょこ忍者」と、言おうとした時だった。
(言わない方が良いよ…)

「そこの君、彼に話し掛けるのはワタシに許可を取ってからにしてくれないか?」

妙に上から目線で紳士のような口調だが、幼い女の子の声がセツナを蔑んだ。

「だっ、誰だ!?」
「…最も、許可を出すつもりは微塵もないがね」

黒板に背を預け、淡い桜色の忍者服に濃いピンク色の髪をサイドテールにしたちび妖精が、いつの間にかそこにいた。









ホタルは設定的に美少年です。
いくら美辞麗句を並べても画力と釣り合いが取れてなきゃ白けるよね。なので今回は控えめに。
文才がある方は挿し絵がなくても読者の想像力を掻き立てることが出来るんですよね。私もそうなりたいな。


■ りょく (326回/2011/09/21(Wed) 21:45:10/No4176)

7サキラと言う字を一文字変えて


「元が頼りないのでね、わざわざ抜け出してまで君に会いに来たのさ。会いたかったよ、ハンゾー…」

謎めいた彼女は両手でハンゾーの手を柔らかく包み込んだ。
両頬はほんのり桜に色付いている。

「?」

ハンゾーはきょとんとしているが、その淡い仕草に覚えがあった。髪と服の色合いにも。

「名乗れっつーの!」

プライドを貶され憤慨したセツナは、良く手入れされ艶やかな光沢を放つ切れ味抜群な刀を鞘から抜き取ると、彼女の喉元(顔と胴体の付け根。妖精は首無し)に突き付けた。
ここまでの動作に掛かった時間は一秒にも満たない。
恋化の力と引き替えに絵描き一族しか扱うことが出来ない特別な忍術を手放したセツナだったが、生まれながらにして忍術の才能を持っている彼女は修行を重ね、この短期間でシヤンに教わった刀技をモノにしていた。

武器を取り出したことでただのケンカから戦いに発展するかもしれないと、雑然としていた教室に緊張感が走る。
他のクラスメイト達からセツナと謎の少女に、一斉に視線が集まった。

「おやおや。忘れ去られているなんて悲しいじゃないか。潜伏期間が長過ぎたかな。こっちは覚えているというのに」

迫るのはフランスパンでも食パンのように卸せそうな切れ味抜群の刀。
今にも顔と胴体がサクッと切り裂かれそうな、焦るべき状況にも関わらず彼女は全く動じることなく、大げさに肩をすくめる。

「覚えていないのかい?このワタシを」

髪は濃いピンク。服は淡い桜色。加えて忍者服だし。
この色合いから導きだされる答えは。

「サキラさんなのら?」

ハンゾーは両目をしばしばさせ、頭のてっぺんから足下まで彼女をじっくり観察する。
ピンクな見た目からはサキラが連想できるものの、同一人物の域まで達するかと言われれば断言できない。
色合い、頬の模様は一緒で、はにかみ屋な部分はそっくりなのだが、やはり積極的な性格と口調が邪魔するのだった。

「正解…と言いたいけど、ちょっと惜しい。誤りなく元はサキラだった。奴の焦れったく自立心のなさに嫌気が差して、ワタシは分裂してきたのさ。君達が忍び込んだ深夜にね」
「やっぱり恋術が成功していたわけじゃなかったのか」
「そ、そんなクイズ、分かんないれすぅ!」
「ふふ…身体は分裂したが彼への恋心はワタシだけが持っているようだ。君も同じだろう。
とすると我々はライバルと言うことに」

彼女はサキラと同じピンクの瞳を、か弱い眼差しを、背中に怯えるホタルがしがみ付くセツナに向けた。

「ならないか〜。見た目の美しさにせよ、素直かつ積極的なアプローチが可能かにせよ、ワタシに劣っているのだから」

彼女は憂えるように瞼を閉ざし、憐れむように言った。

「うるさいうるさい!誰が世界一ドブスな人格破綻者だ!」
「セツナちゃん、そこまで言われてないれすぅ…」
「くーーっ、血迷うんじゃ無かったぜ!んなことなら息の根を止めておけば良かったわさ」

後悔先に立たず。
この言葉がセツナの頭に、乱雑に浮かんで消えた。

「きみの名前はなんて言うのら?」

ハンゾーは尋ねた。
恋心云々の会話は大変都合よく聞こえていないようだ。お約束。

「うーん…それが中々しっくりくるのがなくて、たった今決めてみたんだけど…」

すると彼女は今までの自信に満ち溢れた態度から一変、もじもじと人差し指をくっつけたり離したりしている。

「かわゆーく、シキラって呼んでね!」

そう可愛らしく言い残すと、シキラは(セツナからさり気なく掠めた)ふがしを片手に窓から出ていった。
サキラの恋化時代に培った忍者としての身軽さはシキラに受け継がれているようだ。

「ふざけんなーーっ!戻ってこーーい!!」

セツナは追い掛けようとしたものの、既にシキラの姿は見えなくなっていた。
地団駄踏んで悔しがっても叫び声は教室に虚しく響き渡るだけ。

「またあのひと(サキラ)変な事になってるぜ…」
「サスケ居たのら?」






「ただいま。えー…」

シキラが玄関のドアを開けると、台所から食欲を増進する香辛料の匂いが漂ってきた。

「またカレー?」
「そうだけどさ、"カレー"で一括りにするなんて失礼ね。粉のメーカー変えたんですけど。ジャガイモだってメークインから馬鈴薯に。後ピーマン入れたし。ビタミンCだよ」

妖精は言った。
コトコト煮える鍋を見張っている。
シキラがこのぬいぐるみだらけの家に来てから一週間、朝昼晩とカレーが続いていた。
三日目の晩、九食目にしてすでに飽きていたというのに(それでももったほうである)、シキラはこの妖精に恩があり「メニューを変えてくれ」とは言いにくかった。
と言うのも"元"に分裂したことを告げていない、幼い子供を寝泊まりさせてくれる場所がここしか無かったのだ。
サキラの友好関係の狭さが主な原因であるといえよう。

お前は何故飽きないと言いたげなシキラの前で、妖精は出来上がったカレールーを掛けた。米とその上に乗っているレモンパイの上に。
一瞬カツカレーに見えないこともない。美味しいのだろうか…妖精は平然と口へ運んでいる。

カレー生活がいつまで続くのか考えただけで気が滅入りそうなシキラだった。

「(サキラから抜け出したばかりだけど、この三食カレー地獄からも一刻も早く抜け出さなくちゃ。家にも帰りたいし…)」










サキラと面識があって保護者から干渉を受けない人物がこの妖精しか居なかった。
分裂してから一週間、衣食住どうしようと本気で考えたんです。
(変なところに細かいんだから!)

お菓子の料理(?)ってアニメでありましたよね。鍋とか。中華とか。
鍋…ダシとかどうしてるんだろう。砂糖かなぁ。昆布ダシとかだったら嫌だ。
ショートケーキが煮崩れしてないのが不思議。

シキラ
サキラのうじうじした態度に我慢ならず、サキラから分裂した女の子。サキラの記憶を持ち、ハンゾーへの恋心はシキラが所持している。
サキラの自立心が少なかったのでサイズはちび妖精。
なお、口調は余裕ぶる為の演技であって素ではない。
サキラ程ではないけど赤面症。


■ りょく (327回/2011/09/21(Wed) 21:46:19/No4177)

8分裂妖精=シキラ


「え〜…、お菓子作りの本買って実際に作らないって…。でもそういうひと居るよね〜」
「買っただけで満足するらしいし。あり得ないしぃ」

妖精界。
よく晴れた昼空の下、可愛いくの一が二人街なかに設置してあるベンチに座り、可愛く談笑していた。
その可愛い姿は行き交う妖精達の視線を集めていた。
やたら可愛くて、くどい。

「ツナとかそういう感じするよね」
「てかツナの話だし」
「うっそー!いくら可愛い弟子とはいえ引くかも。あっ、可愛いっていうのは弟子としてであって外見は別なんだよ」

青葉な髪型をした妖精はそう言ってケータイで時間を確認した。
金髪のお団子に星形のかんざしを刺した妖精は「ツナ遅いしぃ…」と呟く。
どうやら二人は"ツナ"と待ち合わせをしているようだった。

「こんのぉーーっ、桜がああああ!!」

そこへ砂ぼこりを立てながら猛スピードでやってきたのは紫のくの一。この子は可愛いとは言いづらいかな。

「あっ、ツナ来たし」
「二十分も遅れるなんて心配したよ。何かあったの?」
「誰がツナだ!」
「シーチキンとどっちが良い?」
「おにぎりの具じゃねーんだよ!!」
「わ、私だって桜じゃないもん。サキラだもん」
「ウチはユユシィだし」

可愛い二人――サキラとユユシィはむっとしながらそう返した。

「お前の妹に迷惑してんだよ。どーにかしやがれ!!」

セ「ツナ」は怒りをあらわにしている。
相手はサキラだ。

「?」
「サキラ姉チャマって妹いたのだし?」
「ううん、居ないよ?」
「妹っつーか分裂したとか言ってたな。ともかくどーにかしやがれ!!」
「な、何の話…?」

しかしサキラは分かっていないようで狼狽えた。
すると見兼ねたユユシィが労るような眼差しを向け、セツナの肩に手を置いた。

「うん。ウチも分裂したと思う。ツナのこと信じる。だから…ちょっと今から病院行こう?」

セツナの言葉は妄想だと思われているようだ。

「そ、そっか…。アヤリもノゾミも忙しいんだもんね。用事があるだけでツナのことを見捨てたわけじゃないんだよ…」

恋敵ではなくなったものの、未だ敵対心が拭えないサキラにまで病人扱いされる始末。
セツナの怒りは頂点にまで達した。

「だ、だからわちきはセツナだと…」

しかしわなわな震えるセツナのセリフはあっさりと遮られた。

「やあ。初めまして、お久しぶり。元」
「!」

サキラ達の前に現われたのは、セツナの怒りの元となる人物だった。








「じゃあ本当だったんだ。私の妹って。だから記憶が曖昧になったり恋心が消えたりしたんだね。分かって良かった」

シキラの話を聞き終えるとサキラは納得したように言った。
わけの分からぬ不安に包まれていたサキラの心に、ようやく安堵が戻る。
新しい恋愛の真っ只中で、以前の恋心は必要ないと思っていたサキラには、原因が知れただけで解決したも同然だった。
多少不便であるが、記憶も必要ない。――いつも彼女に支えられ彼に抱いた恋心も。

「妹じゃない。身体のサイズが小さいのは君の自立心が少なかったからだ」

一人の妖精が二人に分裂するなんてそれ相当の理由があったとしても、通常はあり得ない事だ。そしてあってはならない。
こうして別個体に別れたのはサキラの中で自分を不満に感じている部分があったのだろう。
シキラは"元"である妖精に異議を唱える。

「ワタシは恋愛のことでうじうじ悩む君、すなわち自分が嫌いだった。だからこうして別れたのさ」
「そう言われてもハンゾーへの恋心は持って無いもん。それに今は…」

サキラは恥ずかしそうに睫毛を伏せ、声のボリュームを下げた。

「他に好きな妖精がいるから」

その言葉に、シキラはもちろんセツナとユユシィまで衝撃を受けた。

「えええ…だしぃ…」
「ふ、ふん!無駄に分裂するもんじゃねーな」

これからは恋敵だとカウントするのはシキラだけ。
ライバルが減ってセツナは喜び掛けたものの、状況が有利になったわけではない。恋敵がサキラからシキラに変わったことで、むしろ不利になっていた。

「な、何で…」

シキラはサキラとか別の人生を歩みたくて一個体として分裂した。サキラは"元"自分である。
そのサキラにあっさりと心変わりされると寂しく感じるものがあった。
シキラは恋心を持ち出すと、サキラがどうなるか予想していなかった。
ただ焦れったくて苛々が募り、衝動的に抜け出しただけなのに。

シキラはサキラの一部でしかないのだから、結局大切なことは本体が行動を起こさないと。

「…だめ」
「え?」
「(こうなったら積極的にアプローチしまくって、両想いの一歩手前で"元"に戻ってやろう!当初の目的とまるっきり変わっちゃったけど…)」

シキラの密かなる企みは、サキラには到底想像つかないことだった。










シキラはサキラの一部なのです。
毒舌とハンゾーへの恋心が身体と一緒にそれぞれに別れたのです。
薄幸(発光)のホタルは出せなかった。


■ りょく (328回/2011/09/21(Wed) 21:47:27/No4178)

9シキラとサキラ


「髪、染めてるんだ〜」

サキラはシキラのピンク色の髪を梳きながら言った。
風呂上がりの洗面所の鏡に女の子二人の姿が映っている。身体の大きさ服装や表情などに違いは見られるが、顔の作りはそっくりだった。
僅かな明かりしか放たない月の光を補うべく設置された明かりは、端に置かれた一つの行灯(あんどん)のみ。
忍びの住まう家には電球など文明の発達した物はない。(電池式のドライヤーなど機械はいくつかある)。

シキラはサキラの家に住むために両親に許可を取ったのだが、驚くほどすんなりと受け入れられた。
妖精が分裂するなんて通常あり得ないことでも、魔法が存在する妖精界では不思議な出来事は日常的に起こっているため、人間界の常識とは桁外れなのだ。
主な理由は父親は家庭を顧みなかったり、母親は四六時中ゲームに没頭するゲーマーだったりして、子供にそこまで関心が無い放任主義だからであるのだが。
それでもシキラがカレー地獄に一週間も耐えていたのは、自分から分裂して姿を暗ましたので簡単に戻れないプライドと罪悪感があるからだった。

「魔法でね。なかなか以前と同じ色に染まらなくてずいぶんてこずったが、なんとか仕上げたのさ」

シキラは"元"であるサキラに妹扱いを受けていることが不満だった。
シキラはサキラの一部なのだ。それがまるっきり別個体とみなされ、どうも煮え切らない。しかもそれは(不本意だが)己のせいだ。全く煮え切らない。
ともかく今後の課題はハンゾーと仲良くなったところを、元に戻ってサキラに積極的なアプローチをさせること。

他に部屋はなく、サキラの部屋が二人の部屋になった。
サキラとシキラはあらかじめ敷いておいた布団に入る。

「あの時から…どうしてかな…寂しくって…。常に誰かが傍に居てくれたんだけど、そのひとは急に消えちゃった。そんな気がするの…」

サキラは言った。
明かりを消した部屋の中は月の光が微かに差し込んでくる状態でほぼ暗闇。
サキラの表情は窺えない。
恋化の力のことはシキラも記憶に無かったが、他人の会話を盗み聞きしたり文献を漁ったりして既に調査済みだ。
正面から出向かず、陰でこそこそ動くところが何ともネクラで陰湿なサキラらしい。

「それがシキラかな…」

否定する前にサキラは夢の中だった。
違うのに…とカチンと来たシキラも睡魔に勝てず、また眠りに就くのだった。










サキラの母親は人見知りのゲーマー。超美人。サキラがいる歳には見えない。母親っぽくない。元は忍者ではなかった。
学生の頃、勉強が全然出来ず単位がちっとも取れなくて、教師をしていた今の夫が両親に卒業をさせてやる事を条件に結婚をさせろという話を持ちかけ、いつの間にか夫婦になっていた…という(とんでもない)設定がある。
夫の収入でテレビにかじりついている。娘のことはあまり気にしない。
母親のせいでサキラはゲーム自体が苦手。

実はワルモ団メインの小説のヒロイン候補だったのですが外しました。
私が五人を書き分けられる自信があったら実現してたかも。
今、考えてるのはもっとずっとマシです。


■ りょく (330回/2011/09/28(Wed) 18:21:49/No4189)

10美味しいお菓子、美しい少女


妖精学校にて。それは昼休みのことだった。

「ピカリさんの髪の毛ってすっごく艶やかね。シャンプーは何を使ってらっしゃるの?」
「そんなことないピカよ。おしゃれはアロマちゃんの方が得意じゃないピカ。うーんとどこのメーカーだったっけピカ?」

二人の女の子妖精が美しく澄んだ声で、花のように可憐に談笑している。
ぴかぴか煌めくオーラを身に纏うピカリと、笑顔と共にそよ風を吹かすアロマ。
ウルトラ美少女二人の絡みは見ているだけで心が和む光景だった。

「ああ、二人とも綺麗だなぁ…」

シキラは深いため息を吐いた。
それは心配したり失望したり悲しい感情があるからではない。美少女二人を眺めていると思わず出たのだ。
分裂したわりに美少女に弱い辺りがやっぱりサキラだった。妖精はそう簡単に変われない。

「なんて美貌なんだ…。超萌えるわさ…!」

ちなみにセツナも美しい妖精に弱かった。
鼻の下を伸ばして、ぼんやりしたバカ面になっているのにも気が付かない。

「シキラとセツナは何やってんだぜ?」
「二人ともデレデレなのら」

二人して見惚れていると、サスケとハンゾーに突っ込まれてしまった。

「ハンゾー…、あ、あれは別物さ」
「そうそう別物だわさ」
「どう別物なのら?」
「え?うーんと…えーと…君が一番って事だよ。ワタシはそう心変わりしない」
「コラー、抜け駆けすんな!キザヤローは西部劇の格好(ラットのこと)でもしてろ!」
「ヤローじゃないもん。女の子だもん」

シキラはそれまで紳士的(と本人は思っている)に振る舞っていたのが、途端に女の子らしい口調に戻る。
セツナが罵り、言い争いがヒートアップしていく。
サスケはこの二人のやりとりが安純と楓に似てるなぁと密かに思った。
ハンゾーは結木とは似ず、口ゲンカの発端が分からないようだ。きょとんとしている。すごくベタ。

「もう。シキラちゃんとセツナちゃん、止めるピカ」
「二人ともケンカは良くないわ」
「そうだな。惑星の中で最も光を放つ、灼熱の太陽すら色褪せる美しい二人が言うのなら容易いことさ」
「ふん!アロマとピカリさんの美しさに免じてこの辺で終わらせてやるぜ」

美少女に言われ、ケンカはようやくクールダウン。
もしハンゾーに言われたとしてもますますヒートアップするだけだろう。これぞ美の為せるワザなのだ。

「今日の放課後アロマちゃんと森へ木の実を取りに行く話をしていたんだけど、良かったらあなた達も行かないピカ?」
「そのあと、うちで集めた木の実を使ってお菓子を作る予定なの。この間王室の方からとても珍しい紅茶を分けて頂いて。どんなお菓子にも合う不思議な紅茶なんだ。お菓子と一緒にお出しするわね」

美味しいお菓子と二人の美少女の申し出を断る理由なんて絶対無い。無いったら無い。
例えどんな用事があっても優先するべき状況だ。人間界滅亡と天秤に掛けて見事妹を取った兄さんのように。

「お菓子食べたいのらー!」
「紅茶も楽しみだぜー!」
「ハ、ハンゾーが行くのなら、例え火の中、水の中…何処へだってワタシは行くよ」
「わちきだって!草の中、森の中、土の中、雲の中、あの子のスカートの中だって付いてくわさ!」

そんな女の子嫌です。
こうして大勢で、森へ木の実を取りに行くことになったのだった。


森の入り口には、中が見えない分厚い眼鏡を掛けた七三分けの妖精が直立不動している。
緊張のあまりぎこちない動きをする妖精はインチョだった。

「ごめんなさ〜い、インチョ。遅くなってしまったピカ〜…」

ピカリはインチョに駆け寄ると宝石のように煌めく瞳を曇らせ、申し訳なさそうに謝った。

「い、いえ。全然待っていません…(はぁ…、初めは二人きりだったのにどんどん人数が増えていく…)」

そんなことで落ち込んでいるわけじゃなかった。
実は二人で出掛ける予定だったのに、日にちが近づくにつれピカリが声を掛けるのだから断る妖精などおらず人数が増えていったのだ。――本当は二人で行きたかった…。インチョはガックリと肩を落とした。

「本当にごめんなさい…」
「ちっ、カプフラグ立ってんのかよ。つまんねーの」

セツナは舌打ちをするとインチョに蔑むような視線を向け、冷ややかに言った。
恋愛感情は無いにせよ、ピカリに熱を上げるインチョが面白くないようだ。

「セツナはハンゾーと両想いになる気あるのかだぜ?」
「取りに行くのはどんな木の実をなのら?」
「ビターベリーって言うの。茶色くて大きさは小指ほど。小さいから捜すのがちょっと難しいんだよね」
「へ〜。それじゃあアロマさんとピカリさんと君のために力を尽くそう。さあ」

シキラは悠然とした微笑を浮かべ、跪くと優しく包み込むようにハンゾーの手を取った。
恋する女の子の行動として似付かわしくないような。むしろ男の子が取る態度だろう。

「何なのら?」
「あっ、ズルいぞ!わ、わちきも…」
「では出発しますよ。みなさん、特に下級生ははぐれないようにキチンと付いてきて下さいね」

インチョにセリフを遮られセツナは彼をきっと睨み付けると、堂々と胸を張りハンゾーの片腕にしがみつく。

「ハンゾーも大変だじぇ…」

両腕をそれぞれ女の子に挟まれ引きずられる呑み込めない状況に置かれた友人を、捕らえられた宇宙人のようだとサスケは冷や汗をかきながら思ったのだった。










「シキラとセツナの」女の子だけど女の子が好きって言うのは、リカちゃん人形とかが可愛くて好きみたいな感情です。

ピカリの好きなお菓子って何だろう。アロマちゃん繋がりでポテチなんてどうかな。味付け次第で良い感じに甘くて美味しくなるかもしれない。


■ りょく (331回/2011/09/28(Wed) 18:23:41/No4190)

11苦い


木の実を捜し七人で森を進んでいく。

「シキラちゃんってサキラちゃんの妹ピカ?」

アロマとインチョを両隣に従え前を歩くピカリは、シキラに振り向いた。

「え…あ…まぁね」

分裂の事は別に隠すことではないが説明が面倒だったので、ハンゾーの指に自分の指を絡ませ歩くシキラは曖昧な笑みを浮かべてそう答えた。反対側にはやや遠慮がちにハンゾーと腕を組むセツナの姿がある。
事情を知っているセツナ、ハンゾー、サスケも特に何も言わない。

「やっぱりそうピカね。だってもうそっくりだから。よく言われるでしょうピカ?」
「そうだな。顔見知りで言わない奴はいない」

本当によく言われるのだ。
シキラはサキラの記憶を持っている。なので、知り合いにいつもの調子で話し掛けられないのが不便である。

「あいたっ!」

急にサスケが何かに躓き、地面へダイブ。
優しいアロマちゃんがすぐさま駆け寄り声を掛けた。

「大丈夫?」
「んー、平気だぜ。こんなところにこんなものを置くなだぜ!まったく」
「なぁにピカ?」
「うーん、立て札みたいですが…」

それは折れて地面に落ちていた立て札だったが、裏返しになっており文字が書いていなかった。

「なんて書いてあるのら?」
「めくってみるかな」

ハンゾーに言われシキラが立て札に触ろうとすると、セツナの面倒がった声が押しとどめた。

「何やってんだよ。早く進もうぜ」
「ふえぇっ、痛いのら〜」
「そこの君、ハンゾーが痛がっているよ。手を離したまえ」
「ピカリさん、喉が渇いていませんか?脱水症状になっては大変です。お茶を持ってきたので…の、飲みませんか…」
「ねぇピカリさん、クッキーを焼いてきたのだけれど食べてくださる?お口に合うと良いのだけれど…」
「どっちも頂くピカよ。ありがたいピカ」

ピカリんモテモテ。
彼女には煌めく瞳、ピカピカの頬っぺ、涼やかな声、そして輝くオーラがある。どれを取ってもやたら妖精を惹き付ける魅力に溢れていた。

「何だぜ、この疎外感…」

サスケは六人に馴染めず、呆然としていた。

その時、怪しげな人影が遠くから七人を見つめていた。
尾行に気付かれぬよう一定の距離を保ちつつ姿を隠す技術は、今日昨日練習したものではない。物心付いたときから修行を積んできた者のやり方だった。
まるで忍者のような。


森の奥へ着いた。
ピカリは茂みを注意深く探っていく。

「あったピカ!みんな見るピカよ!」

ビターベリーは小さく葉に隠れるようにして身を付ける為、見付けにくい。
ピカリは赤黒く光沢を放つ小さな木の実をもぎ取り籠に入れた。

「こっちにもなっています。ワタクシの計算によると背の低い木になっているようですね」
「図鑑で調べてきたから知ってるピカ」
「ガクッ」
「でもね、私が図鑑で調べたことを一瞬で計算したインチョは頼もしいピカ」
「そそそそ…そんなこと決して…!!」
「ピカリさん、こっちにもあったよ」

可憐にメスを入れるアロマちゃん。空気はわざと読まない。
みんなのピカリんを独り占めすることは、独占禁止法で禁止されている。
この二人がうまくいくのかはまた別の機会に。

「ん?」

やっと両手が自由になったハンゾーは地面にへこんでいる場所を見つけた。
どうやら足跡のようだ。それも頭の大きさと同じくらいの。

しかし今は木の実の方が大事。
小さなビターベリーは甘酸っぱい香りを放っている。
嗅いでいると食欲がそそられる。

「ちょっと一口…」

なのでごく当たり前のようにそれを口に入れた。
セツナが。

「オエエーッ、何じゃこりゃ〜〜〜!!」

その刹那、口中に広がる苦味。この世のありとあらゆる苦さを混ぜ合わせたような味がした。
リバース。
舌と顎が麻痺したような感覚に襲われたセツナが開けた口から、ほんのわずかに潰れた木の実が一粒零れ落ちた。

「テラ(究極)苦マズだぜ!何か飲み物!」
「はい、極限まで沸騰させたあつーーい紅茶。
あのね、ビターベリーは生だと苦くてとても口には出来なくて…。でも煮詰めると甘酸っぱくなるの。
言って無かったかな?ごめんなさいセツナちゃん…」

優しくて控え目なアロマは持ってきた水筒(魔法瓶)から、コップに紅茶を注ぐ。
奪うように受け取ったセツナはともかく苦味を消そうと、純白の湯気が立つそれを一気に流し込んだ。

「あじゃじゃじゃじゃっ!!別の方法で死ぬだろーが!」

再びリバース。
木の実と熱い紅茶がセツナの口経由でぶち撒かれ、地面が迷惑そうに見える。

「ごめんなさいごめんなさい…。時間が経つと冷めちゃうから、とても温かくして持ってきたの……」
「いやいやいや、"とても温かく"とか、まろやかに表現すんな!熱し過ぎだぜ!火傷するわさ!」

セツナは心底申し訳無さそうに縮こまる美少女に詰め寄った。
アロマに悪気はちっともない。ちょっとドジなだけ。そもそもセツナが弄られキャラだからこうなる運命なのだ。よって、すべてセツナが悪い。

「いや、悪いのはフライングしたこの食いしん坊さ。君に非は無い」

シキラは嘲笑うかのように言った。
目を細め口元を歪ませ、セツナの肩に手を置く。

「ぐぐ…、そりゃ誰のせいでもないけど、お前に言われるとムカつくんだわさっ!」
「バカだと思われたく無いのなら安易な名前に気付こう」
「バカにすんじゃねー!」
「まだしてないって。セツナのことバカにしてないよ。バカに」
「うるせぇ!」

はい、ケンカ再燃。
すぐ隣では誰とも絡めないサスケが真面目に木の実を摘んでいた。

そうして悲鳴が響いたのはその時だった。










曲者(変な奴ら)ばかりの"りょく"のオリフェの中で、セツナは普通っぽい。良い意味で。
「意味」と打とうとしたら「忌み」が出た。こういうところが弄られ役っぽくて扱いやすい。

出番が少ないオリフェをレギュラーにした話を作りたい。
一人だけ作っている最中です。


■ りょく (332回/2011/09/28(Wed) 18:25:05/No4191)


12立ち入り禁止


「きゃ〜〜っ!!」

もともと声が高い故、女の子のような悲鳴を上げたハンゾーは飛び上がった。

「助けてなのらぁ〜っ!」

ズシンズシンと地響きがする。
木々はざわめき鳥達が飛んでいく。

「あっ、忘れてた」
「好きな妖精なのにっ」

シキラとセツナの目に写ったのは、必死に走るハンゾーを追いかける恐ろしく巨大な生き物。
強靱な体格、鋭利な爪と牙を持ち、獰猛な唸り声を上げるのはドラゴンだった。

「ハンゾー!何だぜ、こいつは…」
「あっちに川があって、お魚を捕まえてたら突然あいつが現れたのら。あとちょっとで捕まえられそうだったのに…」
「…みんなで居るのに単独行動取るからだぜ」
「だって二、三人にバラけてたのら。サスケは別だけど、このメンバーで居ても楽しくないし…」

つまらなそうに頬っぺたを膨らますハンゾー。
彼を見て呆れるサスケ。
シキラとセツナはショックで打ち拉がれていた。
好きなひとに供に過ごしてつまらないとはっきり言われているのだ。そりゃ石化してもおかしくない。
それにサキラの毒舌はシキラには受け継がれなかったので、毒舌に対する抵抗力がなく、余計にダメージを受けてしまっていた。

絶望の淵にいる恋する乙女の目に入らないが、ドラゴンは住みかを荒らされて怒り狂っているようだ。破壊の限りを尽くすつもりらしい。

「ななな…あ、あれはワタクシの計算によると間違いなくドラゴン。ですが何故ここに…」
「うわぁ!ドラゴンがいるピカ!」
「こ、怖い…。ピカリさん、どうしよう…」

慌てふためくインチョ、ただ驚くピカリ。そしてどさくさに紛れてピカリの腕にしがみ付くアロマ。

「おい、逃げるぞーっ!」

緊迫したセツナの掛け声に、全員一目散に駆け出した。

元来た道を全速力で引き返し、走る、走る、走る。

この中で一番血の気が多く戦い慣れしているセツナは、皆に合わせて速度を落とし一番後ろを走っていた。
ぜえぜえ喘ぐ体力のないインチョとアロマをみるに、このままでは振り切る前に力尽きてしまうだろう。
街に連れ込むわけにも行かないので、ここで倒さなくてはならない。

「(くそっ!わちきは恋化妖精になってから深夜の百合アニメやギャルゲーの時間削ってまで剣術の修行を欠かさず行ってきたものの、まだまだ成長過程だからな。あんな怪物をやっつけられるか正直自信ねぇ。
あの三人は大したこと無さそうだし、ハンゾーとサスケの忍術も悲しいことにお粗末だから…な。
シキラはどうか?サキラと同じ実力だと問題ないわさ。しかし七話でわちきに刀を突き付けられても全く怯まなかった度胸があったけど、強い相手にかなわないからこそ"はったり"をかますのはよくある戦法。それに、さっきからセリフが無いのが気に掛かるぜ。
なんでこんな時に居ないんだよ、あのやろー…)」
「うわわ…ぎゃん!」

サスケは足元にあった何かに躓き地面へダイブ。
衝撃で"何か"はひっくり返る。
それはさっきもサスケを転ばせた看板だった。そこにはこう記してある。

※※※※※※※※※※※※※
※注意※
※この先、猛獣出没※
※立ち入り禁止※
※禁止ったら禁止※
※※※※※※※※※※※※※

「こ、これは…!」
「記号、多すぎなのら」
「きゃっ…」

可愛らしい悲鳴を上げて何もない場所で可憐に躓くアロマ。

グルグルグル!

するとチャンスとばかりにドラゴンはドジな美少女に襲い掛かった。

「あぶねー!」

刀のように伸び切った爪が降り掛かる時、セツナは恐怖に竦むアロマを抱え間一髪移動した。
二人が居た場所は地面が抉られ土が盛り返させている。

「ううう……」
「!…セツナちゃん!」

アロマちゃんにケガはない。しかし、彼女を庇ったセツナは肩を負傷してしまった。
血は出ていないものの切り裂かれた服が痛々しい。

「あ、ああ…ごめんなさい、わたしのせいだわ…」
「いた…くないわさ。じぇんじぇん平気。
んなことより、ここはわちきが食い止める。その間におめーらは逃げろ」
「何を言っているのですか!友達を置いて逃げるなんて、ワタクシには出来ません。それにあなた達は下級生でワタクシは上級生で学級委員長で男で…」
「わちきらは忍者。日々戦いに備えて修行している妖精。それに比べてマジメガネ(真面目+眼鏡)さんは戦闘なれしてねーじゃん。掃除の達人とお嬢も。だから、足手纏いになるより逃げ延びて助けを呼んできてくれ」

決死の覚悟で言ったセツナを、ピンク色のシキラの瞳が心配そうに見つめていた。
セツナは鞘から刀を解き放つ。飾り気の無い分、重量を極限まで絞ったそれは短期間の修行でも手に良く馴染んでいる。

ドラゴンの肢体が地面を蹴り、舞い上がる砂埃をかき消すように凄まじい咆哮が響き渡った。

狙いはあの娘のみ。
邪魔をしたセツナに絞ったようだ。

「行こう。私達にはセツナちゃんみたいな戦いの技術はないピカ。私達が危険な目にあったらまた庇ってくれるピカ。そしてケガをしてしまうかもしれないピカ。だから!」
「ピカリさんの言う通りね。強い方々を大勢呼んで戻ってくるわ!それまで、どうか無事で…」
「ここは任せました。セツナさん、シキラさん、サスケくん、ハンゾーくんの勝利を祈っていますっ!」

インチョは分かっていた。
いくら急いでも荒れぶるドラゴンの様子からして、逃げた後仲間を連れて引き返すまでの時間に決着がついていると言うことを。
なので、自分達が足手纏いになり力を発揮しにくくなるよりずっと数値が良いと思ったのだ。計算上は全滅を免れ三人も残れる。
気持ち的に腑に落ちない部分もあったが、恐怖心から一刻も早く逃げ出したい気持ちが勝ってしまった。

三人の姿が消えたのを確認すると、セツナは恐ろしく煌めく爪を振り上げ迫るドラゴンに応戦した。
ぶつかった二つの攻撃は相手を傷つけることなくお互いを弾く。
力は五分五分のようだがセツナの顔に疲労が見えた。

「お前の戦闘技術はまだ見たことはなかったけど、戦えるか?さっきから喋らないけど」
「と、当然だろう。君だけに良い格好はさせない」

シキラは平静を装い出来る限りクールに返事をした。
が、基本的にサキラの臆病な性格を少なからず受け継いでいるシキラもまた戦闘は大の苦手だった。それもサキラ以上に。
だが、目の前で戦っているセツナがいる今は何もせずに怯えている暇はない。

「よし。やるときゃやるのがサキラだわさ!」
「オ、オイラ達もやるぜ」
「張り切るのら…」
「大ケガされても責任終えねーぜ?」

セツナの不敵な笑みは二人を勇気づけるハッタリのようなもの。
しかし、守るべき存在が居るからこそ強くなれる。

シキラは懐から小さく折り畳んだ半紙を取り出した。中には淡い桜色の花びらが数枚入っている。
サキラが所持している物と同じそれは、一見戦闘の役に立つように見えないような代物だが、術を掛けることにより真の力を発揮する立派な武器である。

花びらの攻撃範囲は広いがその分威力は少なめ。これで撹乱させたところをセツナに止めを刺してもらえば良い。
そう考えたシキラは身体中のあらゆる神経を研ぎ澄まし、半紙から花びらを放つ。

「<紅月の夜に摘み取られし魔を秘めた花びらよ。分裂妖精=シキラの命令により、敵の動きを封じたまえぇ!>」

シキラの手を離れた花びらは幾千にも分裂し、ドラゴンに降り注いでいく。その光景は思わず息を呑むほど幻想的なものだった。

「今だ!セツナ…!」
「よっしゃあ!恋する乙女にちょっかい掛けたことを悔い改めな!」
「セツナって恋する乙女だったのら?」
「うううう、うるせー!」

好きな子から面と向かって答えられない質問をされ、セツナは顔を赤らめながら助走を付けて飛び上がり、ドラゴンの額に刀を突き立てた。

刹那、セツナを襲ったのは刀の柄の部分を握る両手から肩に掛けて流れた電撃のような痺れ。
このドラゴンの額はそれはそれは硬く、セツナの刀は全く歯が立たなかったのだ。

「ぎゃっ…、いってー!」

バチッという音と共にセツナは刀から手を離した。
弾かれた刀は地面を回転しながら木の根元にぶつかり止まった。
ほんの僅かでも武器を手放すことは戦う者全てにとって命取りになりかねない。幸いにもセツナの懐には、まだまだ手裏剣や爆弾といった忍者道具が潜んでおり、そしてシキラが傍にいる。
もし他に武器が無かったり、この場に居るのが自分一人だったら…。
恐ろしい想像をして青ざめたセツナは、背中に冷や汗が伝っていた。










こんなに長引くなんて思わなかった。
ワルモ団を出したくて掲示板で彼らの生態について意見を伺ったのですが、これを書いてる今も「ジローはS」と「まだお」が頭を離れません。
変な演歌も脳内再生されるし。


■ りょく (333回/2011/09/28(Wed) 18:27:03/No4192)


13ガールズファイター


「ひどい…」

シキラはどうやって自分達を倒そうか突き刺すような視線を向ける獰猛な生き物を見上げた。

「さっきの花びらは、なかなか手に入らないと言われているほど激レアの、"とっておき"の一品だったのに…」
「緊張感ねー…」

セツナはこの状況で悔しがるポイントがズレているシキラに、呆れたように呟くと叱咤した。

「ちったぁ本気出せ!」
「オイラ達が攻撃するぜ」
「ボクらもやるのら!」

サスケとハンゾーは手裏剣を何枚も投げ付けたが、そこそこのスピードで飛んでくるわりと鋭い刃物をドラゴンはいとも簡単に払ってみせた。
どの武器でも使い手によって威力に差が出る。この二人では大した力は出せなかった。

「やっぱおめーがメインだシキラ。わちきらが全力でサポートするからよぉ」

セツナが攻撃を外したのは集中力と戦闘知識が足りなかったからだ。
注意深く見ると分かるようにこのドラゴンの顔の中で、セツナが狙った額の皮膚は一番硬い。見落としてしまったのは経験が浅いからだ。
セツナは生まれながらの才能に恵まれていたものの、忍術修行を真面目に取り組み始めたのはここ最近。それまでサボっていたことをこれほど後悔したことはなかった。

「今度こそ力を出し尽くすぜ」
「足手纏いにはならないのら」
「シキラならやってのけるわさ」

セツナは落とした刀を拾い、持ち直した。毎日丁寧に手入れしているにも関わらず、激しい攻撃に刃こぼれしている。
サスケとハンゾーは巨大手裏剣をそれぞれ二枚ずつ構えた。

三人の期待は少なからずプレッシャーになるが、この場でトドメを刺せるのは自分だけだ。
シキラは静かに頷いた。

「行くぞ!」

セツナは叫び、三人は一斉に攻撃を放った。

敵がどうやって避けようか戸惑っている今、少しの隙が出来た。
だがシキラが攻撃を仕掛けようとした時、前脚を狙ったセツナから悲鳴が上がった。
サスハンの攻撃はたいしたことないと考え、狙いはセツナに絞ったままにするつもりのようだ。
ドラゴンはセツナに正面からぶつかっていく。

「(お願いだから間に合って…)」

シキラはセツナを突き飛ばそうと地面を強く蹴った。


すると驚くべき事が起こった。
ドラゴンが尻尾を押さえ飛び上がっていた。
ちび妖精ならば四人は縛れそうな長いそれには、手裏剣が刺さっている。手裏剣には四ヶ所刃先があるがどこにも柄がなく、使用者も刃先を持つ。投げればどのヶ所が刺さるか予想するのは困難を極めるだろう。
しかし刺さった部分にだけ粘着質のある何かが塗られていた。

「だ、誰だ…!?」

セツナは警戒しながら辺りを慎重に窺う。
この場にいる忍者は誰もこの手裏剣を投げていないのに。

そうして四人が疑問に包まれていると、今度は銃声と共に美少女が現れた。

「待ちなさい!」

逆光の中、目を凝らすとそれは猟銃を肩に掛けたアロマで、楽器を構えたインチョとピカリが両サイドに立っている。

「次は外さない…!」

アロマは猟銃に弾を込めると躊躇なく引き金に指を掛けた。
ドラゴンは先ほどの手裏剣による痛みで動きが鈍くなっているのか、弾は難なく口の中に投入された。

次の瞬間、ドラゴンの絶叫が轟き、大量の砂ぼこりが舞った後、その姿は完全に消えていた。
どうやら逃げ帰ったらしい。

「た、助かったわさ…」
「もうダメかと思ったじぇ」
「セツナは絶体絶命かと思ったのら」

セツナ、サスケ、ハンゾーの三人はピンと張り詰めていた糸が切れたかのように力が抜け、地べたに座り込んだ。

「…怖かった。助けを呼ぶとは、その銃を取りに戻ったのかな?」

シキラはセツナに掴まり辛うじて身体を支えながら尋ねた。

「いいえ。インチョさんが『ワタクシの計算によると、やはり間に合わないから戻りましょう』って提案したの。本当に間に合って良かった」

天使の微笑みを浮かべるアロマが、まさか猟銃で実力行使に出るなど、誰が想像しただろうか。

「アロマさんの話を聞いて、ピカリさんとワタクシが魔法で猟銃を出したのです。それにワタクシはその…。え〜と…ともかく無事で何よりです」
「アロマちゃんも強かったけど、インチョの責任感の強さは見直したピカ」

ピカリちゃんが涼やかな声で喋ってぴかぴかの笑顔を作ると、とても可愛い。
そんなピカリちゃんが好きな眼鏡くんは暫し照れるのだった。

「うーん、インピカ最高!……………………………………まさかアロマが銃を扱えるなんてな。知らなかったわさ」
「父が趣味で行う狩りに時々付いていっているから、猟銃の扱いは心得ているの。実際に触ったのは初めてだけれど。それに弾はコレ」

アロマが籠から取り出したのは、あの木の実、ビターベリーだった。ここに来るキッカケになった果実。
彼女の美貌を見ながら、皆は『猟銃の扱いは心得ているの』の発言について、聞き間違えじゃないかと思った。

「じゃあドラゴンは苦味に耐えられず逃げ帰ったってことだぜ?」
「そういうことピカ」
「セツナの食いしん坊が役に立ったってことなのら」
「うるせーなー」
「…………」
「さ、ドラゴンが戻ってこないうちに帰ってティータイムにしましょう」
「ワタクシが正しい帰り道を案内しながら先頭を歩くので、くれぐれもはぐれないで下さい」





アロマちゃん家。
家という表現よりは豪邸の方が相応しい。てか豪邸。
豪華だけど派手過ぎずそれはそれは"おしゃれ"な外観で、中に入ると広い広い玄関に動物の剥製が飾ってあり、マットは顔付きの毛皮だった。恐らくアロマちゃんパパが仕留めた獲物なのだろう。
戦利品を手にして優雅に微笑んでいる男性の写真に、アロマちゃんを除く六名は言葉を失った。

キッチンも広く、七人居てもスペースに不自由は無いが、男子軍はリビングに追い出された。
お菓子作りは恋する女子の使命なのだ。男子禁制。

サスケ、ハンゾー、インチョは、キャッキャウフフな笑い声を聞きながら出来上がりを待つのみ。

やがて香ばしい匂いを漂わせ、シキラ、セツナ、ピカリ、アロマちゃんが現れた。

「お待たせピカ〜。四人とも好きな相手に心が通じるよう作ったピカよ。はいインチョ」
「よよよ、宜しいのでしょうか!?ワタクシがこのような素敵なものを頂いて…!!」
「食べたら物は消えるけど、心で良く憶えておいてピカ」
「ありがとうございま…」
「ピカリさん!!わたしはピカリさんにあげる。はいっ!」
「わ〜〜、嬉しいピカ!」
「わ、私は君に…」
「わーい!!食べるのら〜」

カップケーキと紅茶と恋人達の仲睦まじい会話。

紫の忍者服に橙色の髪をした"くの一""自分が作ったいびつな形のソレを見つめていた。
―あいつは受け取ってくれるだろうか―…セツナがどう渡そうか考えていると、同じく輪に入れないでいるサスケの存在に気付いた。

「おめーは相手居ねーのかよ。だっせ!おっくれてんな〜」

セツナは特別にオーダーして作られたという一級品のティーカップに注がれた、王室から別けて貰ったという十年に一度採れるか採れないかと言われる、これまたかなり値が張る紅茶を一口飲んで、喉を潤してからそう言った。
紫被るんですけど。

「オ、オイラは後でカメリに持ってくからいいんだぜ!…じゃなくって、そういうセツナはあげないんだぜ?
分かったぜ!シキラの方が可愛くて強いから自分が劣っているのを気にして、ハンゾーに話し掛ける事が出来ないんだぜ」

サスケは言い返す。サスカメは今度ね。
しかしセツナは静かに首を振った。

「本当に好きな奴は他に居んだった」

彼女がそっと窓辺に歩み寄ると、外にいた人影は驚いたように気配を発した。

「きょ、今日はありがとな…。お前が居なかったらわちきはどうなっていたことか…。えーーっと…その…本当に感謝してんだぜ!
これ作ったから食べてくれよな」

セツナの顔から笑みが零れる。
どうやら良い返事が貰えたようだ。
彼女の料理の腕前が前作で披露されていた事がサスケの頭を過った時、断末魔の悲鳴が上がった。

「あれー?誰の声ピカ?」
「生死の境を彷徨ったような悲鳴でしたけど…」
「わたしも聞こえたわ」
「窓からでは?確かめてこよう」
「のんのん。検索するのは野暮なのら」
「し、しっかりしろーっ!ホタル!!」












ホタルって作者の人も名前が出てこなかったんですけど。

ワルモ団はこの小説に出そうかどうしようか迷ってます。
お話のことで悩むのは何より幸せ。


■ りょく (336回/2011/09/29(Thu) 11:19:12/No4195)


14妖精忍者大戦その一


基本は晴れで時々グレーに曇る曖昧な天気。うっかり洗濯物を屋外に干した人は気が気じゃないだろう。
そんな日の午後、安純の家の庭に五人の妖精がたむろしていた。

〔……つきましては新しい弟子として面倒を見てやって下さい。どうかよろしくお願いします〕


手紙に書いてある文章を読んで、ヤシチは訝しげに眉を吊り上げた。

目の前の人物は緑の子分と親しげに喋っている。

「こいつはサキラではないのか…?」
「それが分裂したらしいぜ…」
「ぶ、分裂でございますか??」
「何でまた…」

ヤシチ、サスケ、ヤマネは円を囲み、ハンゾーといるシキラについて話し込む。
手紙の話を要約すると、サキラの妹であるシキラを弟子にしてほしという事だった。
問題はどういう経緯でシキラがサキラの妹になったかということだ。サキラの敵を作りやすさに匹敵する勢いで物凄くややこしい。
が、人情深いヤシチに断る理由はないのだった。

「コホン…とにもかくにも、シキラは今日から拙者の子分なのだ!お前たちも仲良くするように」
「が、合点承知だぜ…」
「仲良くするのら〜」
「よろしくお願いします…」

こうしてヤシチに新たな子分が増えたのであった。

「微妙な反応のようだけれど、温かく歓迎されてると捉えるよ。でもワタシのような未熟者が、ヤシチさんのような優秀な忍者の下で修行出来るなんて、本当に嬉しいや」

シキラはお世辞ではなく心の底からそう思っていた。
弟子入りを志願した理由は、もちろんハンゾーの傍にいたいからだ。
それとは別に、もともとヤマネはサキラの弟子になるよう上から決められていたが、それをわざわざ断ってまでヤシチに自分から弟子入りしたのだから、きっとものすごい実力の持ち主なのだろうと、サキラ同様シキラもそう思っている。一度もその実力を拝見したことはないが。
こうして勘違いの連鎖は伸びやかに続いていく。

「うふふ。ヤシチ兄様は素晴らしき実力を持ったお方。わたしも鼻が高いのでございます」

ヤマネは自分のことのように嬉しそうに笑った。
ヤシチを高く評価するシキラを早速(さっそく)気に入った様子。サキラの誤解されやすい属性は、シキラには引き継がれていなかった。

「ヤマネの方がすごいのら」
「ハンゾー、直球過ぎるぜ…。確かにその通りだけど…」
「やかましいっ!お前らも少しはヤマネとシキラの師匠を敬う心を見習ったらどうなのだ!特に新入りのシキラに劣るとは情けないぞ」

ヤシチに怒鳴られたハンゾーとサスケはぶすっと機嫌悪くむくれていたが、改心する様子はないようだ。
おろおろしているヤマネが気の毒で、助け船を出そうとシキラは口を挟んだ。

「そんなこと言われたら照れるな〜、…って褒められたらすぐ真に受けたりして。
それより今日はどんな修行を行うんだ?」
「おっと、そうだった。今から新しい忍術を教えてやるのだ。拙者の手本を良く見ていろ」

ヤシチは瓶入りの粉や布、縄などを取り出すと、えらく真剣な表情で組み立て始めた。

そして出来上がったのは。

「これは爆弾でございますか?」
「爆弾ならよく作るのら」
「ふふん。ただの爆弾ではない。これは"目眩まし爆弾"なのだ。敵の視界を一時的に遮ることが出来るぞ」

ヤシチは得意げに言った。
唐辛子や火薬の粉末を入れた袋の外側を和紙で固め、導線に藁で編まれた紐を使用したソレは、何処から見ても立派な爆弾である。
普段は魔法を多用するが、こういった忍者らしさも持ち合わせているのがヤシチなのだ。

「おお〜。凄いぜ、兄貴」
「さすがヤシチさんだ!目の付けどころが違う。それを誰に使ってどう退治するのか?」
「口に出すまでもない…バカ面でチョコでも食い散らかしながら、拙者の登場を待っておれ、ミルモ!」




その頃、ミルモは楓の家でくもっちょを食い散らかしていた。
ベジタブル味。う〜ん、ヘルシー。

「うんめー!まさにやめられない、とまらないぃ〜だぜ。サイコ〜〜」

机の上でゴロゴロしながら、くもっちょを口に運ぶ。
妖精はもともとの体型が人間と比べて横長の為ミルモのような体勢で食事をしていても、よっぽど食べ過ぎない限り体重が標準を上回らないのである。
なんて羨ましい話だろうか。

「ミルモ!」

ヤシチは口をもぐもぐさせているミルモを見下ろし言った。

「今日こそ貴様を倒しにやってきたのだ!覚悟しろ!」

―絶対に倒すことが出来る―、赤装束の忍者は、子分らに褒められてめちゃくちゃ調子に乗っている。

「だぜ!」
「なのら!」
「ヤシチ兄様!ヤマネは精一杯、応援しているでございます!」
「ヤシチさんがどうミルモさんを倒すか…勉強になるね」


「あんだよ。ひとがせっかく"くもっちょ"食べてるっつーのに、大勢でノコノコ来やがって。そんなに子分の前で恥さらしてーのかぁ?…ん、おめーはサキラか?ちっちぇけど…」
「サキラさんから分裂した"シキラ"になるのら」
「このシキラはサキラの妹だ。妹ったら妹なのだ!」

ヤシチはややこしい話は面倒だと言わんばかりにミルモを怒鳴り付け、爆弾を点火した。










シキラがいる意味が無いですね。


■ りょく (337回/2011/09/29(Thu) 11:19:52/No4196)

15妖精忍者大戦その二


「これが貴様の敗北の瞬間なのだ。心するが良い!」

そしてヤシチはミルモに爆弾を投げる予定だったが、子分の声に遮られてしまった。

「あ〜、ヤシチの兄貴。肘が汚れてるぜ」
「カレーが付いてるのら」
「何、本当か!?」

ヤシチは肘を確認しようと、点火済爆弾を持った手をあげる。

「げっ、かっこ悪いではないか!?…しまった!!」

勢い良く手をあげた反動で、爆弾が手から離れてしまった。
宙を舞う爆発(点火済)。

「わわっ、こっち来るなだぜ!」

サスケはバレーボールのように"ソレ"をトスした。

「危ないのら〜!!」

自分の所で爆発されてたまるかと、ハンゾーもトス。

「きゃあ!!」

シキラもトスし、ヤマネの元へ。
少しだけ長めに作られた導線が燃え尽きそう。

「覚悟でございます、ミルモ殿!!てーいっ!!」

だが、ヤマネは見事にミルモに向かってアタック。

「ぎゃあああ!!」

爆発したのは、視界が悲惨になる事態を免れた一同がホッとため息を吐いたのとほぼ同時だった。

「なんじゃこりゃー!!けむてーし、目がいてー!!」

目を瞑りながら一人でギャーギャー騒ぐミルモは隙だらけだ。
今ならあんなことやこんなことも難なく出来るだろう。

「凄いぜ〜!」
「何という威力なのら…!」
「ふふん。拙者が実力を出したらざっとこんなもんよ!どうだ、これで拙者を尊敬する気になっただろう?」
「え〜〜、凄いのはアタックしたヤマネだぜ」
「兄貴はしくじったのら。ヤマネが居なかったら、ああなるのはボクらだったのら!ねぇ、シキラもそう思うならハッキリ言うのら」
「え、えーっと…まぁ、ヤマネがアタックしなければ、残念な結果になっていたかも…かな…?」
「何だとぉ!兄貴の手柄にケチを付ける気か!」
「そうなのら」
「ヤマネは結婚したい妖精、ナンバーワンだぜぇ……」
「とんでもございません!私は咄嗟に投げ込んだだけで…、手柄は作戦をお立てになったヤシチ兄様にございます!」
「良いぞ、ヤマネ!もっと言え!物分かりの悪い子分の、愚かな考えを改めるのだ」
「ウフフ〜のフ〜。兄様に褒められると、とっても嬉しゅうございます!」
「あの…、こんな時だけど君に尋ねたいことがあってね。ちょっと良いかい?」
「良いのら〜。サキラさんのことでしょ」

ハンゾーがシキラの話を聞く態勢に入ろうとした時だった。

「……らっちまったぜ…」

調子に乗りまくるヤシチ御一行を、怒りに満ちた恐ろしい形相で睨み付けるは水色のシルエット。

「チクショー!食らっちまったぜーっ!!ただし…姑息な手段だったな、ヤシチ?」
「!」

ヤシチと四人の子分が我に返ると、恐るべき事態が起こっていた。
ミルモはヤシチ達が大騒ぎしていた間に、何とか目薬を差し、両目の治療に専念していたのだ。
"目眩まし爆弾"は一時しのぎの目潰しであるため、ダメージは小さい。ゆえに回復はそう遅くなかった。

「よくも、気分よく"ベジタブル味のくもっちょ"を食っていたこのオレを、酷い目に遇わせてくれたな?絶対に許さねー!!腕が鳴るぜ!よっしゃっ、ミルモでポン!」

シャカシャカ鳴るマラカスの音。
横に長い身体と短い手足でリズミカルにステップを踏んだと思ったら、ミルモは呪文を告げる。
宿命のライバルを自称する赤忍者へ、復讐の魔法を発動させるために。

にょーーん。

魔法はパワーアップ系らしく、己に掛けたようだ。
そしてミルモの髪型や服装が女の子っぽく変化したと思ったら、なんと三人に分裂していた。

「バレーボール、ミルモ三姉妹!!」

三次元では"もはや"廃止された憧れの(笑)ブルマを華麗に穿きこなした、女子バレー選手スタイルのミルモが三人いる。
三人がうふうふ笑う姿は、可愛らしくも不気味にも見えた。

「ウフフフ…、そーれっ!」

一人のミルモの合図にヤシチの身体が宙に浮かぶ。

「うわわわっ!?」
「何だぜ!」
「兄様!」
「ど、どうなるのら!」
「バレーが始まるんだ…!!」


「レシーブ」

一人目。
高く放り投げられたヤシチ。

「トス」

二人目。
次が決めやすくするため、調節して投げられたヤシチ。

「アタック」

そして三人目、最後のミルモによって、ヤシチは窓から空の彼方へ飛ばされていく。

「きら〜〜ん…」

流れ星のように一瞬にして消えていく師匠を、残された弟子らは慌てて追い掛けて行くのだった。







「はぁぁ…今日も失敗だったのら」
「わたしがあの時ああすれば良かったでございます…。ヤマネは悔やんでも悔やみ切れません…」
「ヤ、ヤマネが気に病むことないぜ…」
「そうさ。ケガは一晩休んだら回復する程度だからね。今日は張り切り過ぎたんだ」

師匠を捜し、あてどなく彷徨っていた四人の落ち込みようと言ったら、それはそれは各自異なるものだった。
一番落ち込んでいるのがヤマネ。ヤシチがやられたことに責任を感じ、自分を責めている。
次はサスケ。落ち込んだ健気なヤマネの様子に心を痛めている。
シキラは、ケガ人や気を落した友達を労る心を人並みに持ち合わせている。
ハンゾーに至ってはそこそこ心配しただけ。どうやらいつまで経っても進歩しない兄貴に呆れているようだ。

飛ばされたヤシチは道端に落ちていた。
介抱された今は、安純の部屋に寝かされている。

「申し訳ありませぬ、ヤシチ兄様…。今夜は寝ずに看病致すでございます!!」
「え、えぇ!!…ヤマネ一人じゃ心配だからオイラもだぜ!」
「ねぇ、さっきの話の続きが聞きたいのら」
「えっ、このタイミングで聞くかな…」
「それはさて置きなのら」
「…そう。君が言っていたようにサキラについて話そうとしていたんだ」

シキラはサキラの一部に過ぎない。
一人前どころか一人ですらないが、せめて目的は果たしたい。
サキラとハンゾーを両想いにするという、身のほど知らずな目的を。

「(だから大胆に聞いちゃう…!!)…サキラのこと、どう思ってる?」
「どうってなんなのら?」
「うぇっと…スキとか…」
「そうかもなのら」
「え!!」
「よく分かんないのら」

しかし、ハンゾーが恋について無知だという事実を今更耳にしたのであった。










サキラよりシキラの方がずっと純粋です。
サキラの毒舌やら内気やら勘違いされやすいやら、悪い性格が抜けている。
戦闘が苦手な弱点はそのまま、赤面症はやや落ち着いている。


■ りょく (338回/2011/09/29(Thu) 11:20:29/No4197)

16柔らかく罵られ


「ボク、彼女のこと諦めようと思うんです…」

ミレンの閉じた瞳から涙がぽろぽろっと零れ落ちた。
なまっちょろくてねちっこい彼は心底絶望していた。ようやく妙なプラス思考を止め、現実を直視出来るようになったのだろうか。

「ど、ど、どうして…!?」

サキラは衝撃を受け、はっと息を呑んだのだった。




先日、彼女に手作りのお菓子をプレゼントするというミレンにサキラはアドバイスをした。
すると彼女は「ん…この香りは!おおっ、あたいの大好きなキャラメル入りじゃん!サンキュー」という軽い言葉と共に受け取り、ミレンの中では"なかなか"上手くいったことになっていた。
実のところ、「はぁ?お前のプレゼントなんか誰が受け取るもんか!いい加減しつこいんだよ!」とも言われていたのだが。
何にしろ"サキラが関わっている"ということで、ミレンの中でサキラの株が急上昇した。

それからと言うものサキラとミレンはちょくちょく連絡を取り合う仲になっていた。話題は主にミレンの恋愛相談。いちいち甚だしい勘違いを聞かされる関係ともいう。
それでもサキラは幸せだった。時々、胸の奥が切なくなったりするけれど。

今日は"少女マンガを読破する"修行を行いながら、ユユシィと三時のおやつを食べていたところ、涙声のミレンから連絡が入り街へ直行したのだ。


「どうして急に…」

これまでの大げさな妄想からは想像もつかないことだった。
サキラは当惑した眼差しを向ける。

「それがイオさんに『も〜、諦めな…』って言われて…」
「アップルさんだっ!」

両手を握り締めたサキラがいきなりベンチから立ち上がったので、ミレンはびくりと肩を震わせた。

「酷い人…。だから小説が打ち切りになったんだよ」
「その小説、ボクも出てるんだけど…」
「そんな悪人をパートナーに選ぶ妖精もどうかしてるや」
「あの〜…それボクのことだよね…。気弱=心優しい、って概念があるから、聞き間違えかと思っちゃうじゃない…」
「ミレンさんは固定概念が強すぎるの」
「サキラさんってボクのこと嫌ってますよね…」

いつも彼女から罵倒されまくっているが、柔らかく罵られることに慣れていないミレンは、当惑したように曖昧な笑みを浮かべ、冷や汗を垂らすしかなかった。

「?…私、そんなこと言ってないよ?」
「言葉の端々に表れてますよぉ…」
「そうかな?…えっと、彼女さんとまた付き合えるよう努力するミレンさんは輝いて見えるの。ずっと見ていたくなるくらい素敵なの…。
だ、だから…上手く言えないけど、諦めちゃダメ」

全身の血液が顔に押し寄せて来るのを感じつつ喋り終えたサキラは、気恥ずかしくなり俯いた。
真っ赤に染まったサキラの顔は熱気を帯びており、寒い日のストーブに丁度良いくらいだ。

「そ、そうですか…」

すると、ミレンまでつられて気恥ずかしくなり赤になる。

ゆったりと流れる真っ白な雲の間から、緩やかな陽射しが差し込んでくる穏やかな時間。


「だぜ〜」
「なのら〜」
「あ…」

そこへ歩いてきたのはサスケ、ハンゾー、そしてシキラの三人。

「まずい…」

"くどい"がシキラはサキラの一部である故、この状況は非常にまずかった。
男女で赤面しているとからかいの対象になる。シキラはハンゾーとサキラをくっ付けたい為、それだけは避けたかったが…。

「あー、サキラさんが知らない男と一緒に真っ赤っかだぜ」
「デートなのらーっ。ひゅーひゅーなのら」
「いや、二人とも…」

止めようとしたシキラだったが間に合わなかった。
はっと顔を上げたサキラは、からかわれたことで傷付きさらに気弱になる。

「し、失礼だよっ!ミレンさんには彼女さんが居るんだから……」

涙混じりに振り絞った声は震えていた。
流れる涙が止められなくなり、両手で顔を覆う。

「待って下さいよぉ、サキラさん…!!」

心配したミレンの声が追い掛けてくるのも構わず、サキラは夢中で走り去っていった。











本当はミレンが彼女に振られたその日のことを書こうとしたのですが、5話から何日も経過してるので、話の内容も少し変更になりました。
彼女の名前を出さないのは"彼氏"込みになると面倒だからです。
でも後半にサスハンとどっちを出すか迷った。

それにしても、妙なプラス思考、いちいち甚だしい勘違い、大げさな妄想…って。
ミレンの彼女との出来事を、サキラは直接目にしていないので(大体は)ミレンの話を鵜呑みにしているのですが、毒舌なので目一杯苛める結果になりました。
からかわれて泣きながら退散するハメになったのは罰が当たったんじゃ…。


■ りょく (339回/2011/09/29(Thu) 11:21:03/No4198)

17二つの恋心


「泣いちゃったぜ…サキラさん…」
「泣かせちゃったのら、サキラさん…」

サスケとハンゾーはさすがにまずいと感じたのか、顔を見合わせる。
ミレンはおろおろしている。
気まずい空気が流れる中、呟いたのはシキラだった。

「ひどいよ…」

熱くなってくる目頭を押さえる。
本体に当たるサキラが別の妖精に恋をしていること、それをハンゾーに目撃された挙げ句からかわれたこと、そのことでサキラが泣くほど傷付いたこと、サキラがハンゾーへの恋心を失ったのは己が考えなしに分裂に踏み切ったからだということ、そして今、猛烈に後悔しているということ。
様々な出来事に混乱しそうになりながら、シキラは頭に血が昇ったかと思うと、ハンゾーに手を上げていた。

「きゃん!」

ばちっ。
突然の平手打ちにしりもちを着いたハンゾーは叩いた本人、シキラを見上げる。
徐々に赤く染まる頬に痛みを感じつつ、誰が悪いのか理解は出来ているので反論できなかった。
しかし、ハンゾーが分かるのは表面だけだ。
シキラの抱える苦悩、そして恋心にはちっとも気が付かない。

「サキラが好きなのは君だよ」
「え……?」
「ワタシはもう戻らなきゃ…」

そう言い残すと、シキラはその場を後にした。










「はぁ…」

サキラはまだ涙で濡れている瞳を拭いながら、小さく溜め息を吐いた。
一言二言目、年下にからかわれたくらいで、泣いて逃げるなんて我ながら情けない。

「ミレンさんは呆れているかも…」

そう思うと憂鬱になり、涙は退いていくが、気分はいっそう沈むばかり。
森に風が吹き、草木達がさわさわ揺れる。光合成した植物が澄んだ空気を作り出す。
この忍者の村近くの森にしばらく居れば気分は落ち着くだろう。

サキラが大木の根元に腰を下ろしてぼんやり空を眺めていると、こちらへやってくる足音が近づいてきた。駆け足だった。

「サキラーっ!」

シキラはサキラの前で止まると全力疾走で、乱れた呼吸を整える。

「良く分かったね。私がここにいること」
「ワ、ワタシは君だから…そりゃ分かるよ。妹じゃないもん。急に泣くからみんな心配してたよ。ハンゾーも」
「ミレンさんは…?」
「そんな妖精のことなんか知らない!顔だって初めて見た!何であんな奴の事が好きなの!?」
「何でって…。だって好きだから…」

サキラは困惑した表情を浮かべる。
感情を理屈で説明するのは難しい。恋愛感情なら尚更だ。

「サキラが本当に好きなのは誰!思い出して!!」

シキラが叫んだ瞬間、彼女の姿がブレたかと思うと眩い光がサキラを覆う。
抜け落ちていた色々な記憶が一致していく。

「う…」

光が収まったとき、サキラは頭を押さえてその場に倒れこんだ。

シキラの姿はない。

「…思い出したよ。好きだった子のこと…」

元々所持していて抜けた記憶と、彼女が経験した新たな記憶が同時に入ってきたことで、頭が混乱する。
初めて恋をして仲良くなろうと努力した出来事。同時刻に別の場所で別人のように過ごした出来事。
シキラはサキラだから。
サキラの記憶を恋心を、思い出させようと本体に戻ったのだ。

「シキラ…」

しかし、サキラにはもう一つ恋心がある。
一途だった想いは二つ。

「どうしよう…」










どうしようどうしよう。
究極の選択だ。よくよく考えればどっちも微妙ですね。
皆さんはどっちにする?

*モットー*
人にメールの変換機能を見られても泣かない。
淡泊な癖に「恋心」とか出てきて怪しまれてもじっと耐える。

あ、思い出したよ!
分裂はユユシィのかんざし(頭に付いてる紫の星)で、彼女がする予定だったのです。
んで、かんざしは魔法アイテムなのです!
それだけです。


■ りょく (340回/2011/09/29(Thu) 11:21:39/No4199)

18サキラと二つの恋心


「どうしよう…」

サキラは今の今まで、ただ一人の妖精が好きで一途だった。
なのに、普通の日々を送っていてなかなか起こりえない出来事により、同時に二つの恋心を抱く事態が発生。
男女交際は未体験、しかも上記の理由で二つとも初恋のサキラは混乱気味である。
そうしてケータイに連絡が入ったことを告げる音が鳴り響いたのはその時だった。

『サキラさん、今どこに居るのですか!?』

電話の相手はミレンだった。
妖精のケータイはテレビ電話が普通である。
ミレンの背後にはサスケとハンゾーが、罰が悪そうな表情で小さく立ち尽くしていた。

「ミ、ミレンさん…それにハンゾー!」
『ミレンです。サキラさん、その様子だと少しは落ち着いたみたいですね。良かった。サスケさんとハンゾーさんも心配してますよぉ』
『そうなの…えっと、ごめんなさい。急に居なくなったりして…』

サキラはミレンの弱々しい顔も、ハンゾーのぼんやりした顔もまともに見られない。
付き合っているわけじゃあるまいし、浮気でも何でもないのに、何故かものすごい罪悪感に襲われる。
理性で一番割り切れない感情が恋。一瞬で冷めることもあれば、いつまでも一途で居続けることもある。何よりも不思議で難しい感情。

『サキラさん、さっきは悪かったぜ…』
『ボクらが悪かったのら。ごめんなのら〜…』
『あ、あ、あの…えーっと…その…。へ、平気だよ。ちょっと泣いちゃっただけなの。だから気にしないで…』
『でも、お顔が真っ赤なのら』
「!」

サキラは思わず電話を切ってしまった。
今は二人を見れないし、今の自分を見られたくない。
通信が途絶える瞬間、ハンゾーが振られたような顔をしているように見えた。

きっと、サキラだけの、気のせい。


塞いだ気分は夜になっても変化なし。
混乱は余計悪化していた。
このままでは学校に行けない気がしたサキラは、夜の街に繰り出すことにした。

他の種族の妖精と比べ、戦いが生活の中心である忍者の方が子供でも"夜遊び"への抵抗が低い。
そう書いたら語弊があるけれど。

夜の景色は太陽の恩義を受ける明るい昼間と違って暗い。
明暗の比率が逆転しているというか暗闇部分が多いので、明かりが灯るコンビニすら怪しげな雰囲気を醸し出している。
まさに夜の空気。

忍者の村なら子供でも真夜中に修行するのが普通なので、何のお咎めもないが、一歩街にでればそうはいかない。
警察に見付かれば最後、補導されるのがオチだ。だが抜き足、差し足、忍び足といえば手裏剣や爆弾、数ある忍術を差し置いて忍者の基本中の基本。"泥棒と同じ"とか言ってはいけない。

通行人から姿を隠しつつ進む。目的地は広場。何となく。
手軽なスリルは気分転換にぴったりで、心をわくわくさせた。

公園に着いたサキラが、ベンチに浅く腰掛けて一息付いている時だった。

モゾモゾと怪しげな、闇に蠢く黒い物体が目に入った。
目を凝らしてよくよく確認するとただの妖精だった。しかも五人居る。

「変なの…」

毒舌なサキラから見ても良い大人。いや、外見からして"悪い大人"と言えよう。
すると五人のうちの一人がサキラに気付き、声を掛けてきた。

「あっ、あんなところに子供が居るぞ」
「わわっ、姿を見られちゃった…!」

サキラは一瞬、このひと達は警察ではないが地域の安全を守る見回りの役員かなにかで、自分は補導されるのかと思ったが、すぐに違うと勘が否定したので慌てるのを止めた。

「忍者だな。女の子供はくの一と言ったか」
「闇が支配する夜中にピンクは目立ち過ぎる」
「子供なのに夜に出歩くなんて、悪い子だなぁ」
「ちなみに我らは悪い大人だ」

他の四人も不敵な笑みを浮かべている。
目以外を隠す覆面のせいで頬っぺたの模様は永遠の謎。彼らが身に纏う黒装束は忍者装束に似ているが全くの別物。
怪しい雰囲気に加え、間抜けな雰囲気を早くも感じさせる。

「ど、どちら様ですか?」

サキラはすぐ逃げるべき状況で、うっかり名を訪ねてしまった。
あーあ、関われば最後。くだらない企みに付き合わされてしまう。
すると早速リーダーらしき人物が腰に手を当て偉そうに、自らアホ宣言を行うのだった。

「我らは『※まるで駄目なおっさん、略してまだお』だ!」
(※情報提供者様、無許可使用失礼致します。)

「違う違う。我らは泣く子も笑う"ワルモ団"だ!」

2のひと。知性の青。

「それを言うなら"寝る子も育つ"だろう」

3のひと。平和の緑。嘘。

「いや、俺は"アリコに入る"だと思うが」

4のひと。夢見るピンク。

「保険会社に入ってどうする。そーいや、イメージキャラクターにス○ーピーとチャー○ー・ブラ○ンが抜擢されたらしいな。マーシーが居るなら加入するか考えるが」

5のひと。カレーの黄色。
眼鏡っ娘良いよね。

「あ〜、ピーナッツ食いたくなってきた」

1のひと(リーダーシップの赤)の言葉に上記四人は頷く。

「あ、あの〜、泣く子も黙るじゃないのかな…(伏せきれてない…)」

放っておいてはいつまでもボケ続けるので、サキラはおそるおそる口を挟んだ。

「ん?何の話だ?」
「てか数字表記すんなよ。普通に名前書こう」
「こんなおかしな扱い、他でされたことない…」
「あっ、そうだ!他人に名前を尋ねるときは、まず自分から名乗るべきなのだぞ」
「えっと…サキラだよ…。桜+咲きのサキラ。ひねり無いけど片仮名にしたら良い感じだと思ったんだって」

サキラはワルモ団についての噂を聞いたことがあることを知っていた。
しかし悩み事や一気に増えた記憶のせいで脳内は散らかり放題だったため、彼らについては一切思い出せなかった。
ふあぁ、ネーミングセンス欲しいです。

「それにしても深夜徘徊とは。お世辞にもいい子だと言えんな」
「そういう悪い子はワルモ団に強制加入なのだ!」

あっという間に黒装束に取り囲まれるサキラ。

「え、え…えぇーっ!」
「それっ、ワルモ団でポーン!」

こうして青葉っぽいくの一は魔法で駕籠(かご)に乗せられ、人間界に拉致られるのだった。



「えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ、えっさ、ほいさ………」

妖精一人を入れた箱を一本の長い柄につるし前後から運ぶ。
そもそも箱の重量が妖精の女の子一人の体重を遥かに凌ぐ。良い歳こいたオッサン五人を疲れさせるには十分な運動だった。

「ここって…」

サキラの目に映るは夜の人間界。
場所は空き缶や空き瓶が積み上げられたゴミ山前。

「と、到着なのだ…」
「う、腕が痺れる〜…」
「俺は肩が痛くてたまらん…」
「はあぁ…、筋肉痛確定だな…」
「わざわざ駕籠(かご)なんか出すんじゃなかった…」

汗水たらし、ぐったりと地面にひれ伏すワルモ団。

「なんだかお姫様みたいだったな。えらい楽しちゃった。よいしょっと…」

駕籠をこじ開けて外に出たサキラ。
夜風が心地良い。

「あー、喉渇いた〜。なんか飲むもの注いできてくれ」

サブローは言った。
ぶっきらぼうなところが非常に男らしい。気に入った娘を"お前"呼ばわりするタイプだろう。

「えーっと…飲めるものなら何でもいい?」
「いい。いい。早く」

急かすシロー。
飲めるものなら何でもいいと言う気持ちは他の四人も同じだった。この時まで。

「わ、分かった…」

サキラは何故か浮かない表情で、薄茶色の液体入りグラスを五人に配る。

「マッズゥ!」
「やっぱり?薄めた醤油は美味しく飲めるわけないか」
「何だとぉ!しかも麦茶に見えるように偽装しやがって」
「だって『何でもいい?』って聞いたら『いい』って言ったから…。だからせっかく注いできたのに…」

サキラは涙ぐんで肩を落とす。
いつでも少し困ったような表情をしているので、グレードアップすると健気で可憐に見えるようだ。

「いい!いい!飲む飲む!」
「あ〜〜美味しい!」
「上手いっ、もう一杯!」
「めんつゆでいい?」
「普通に水をくれないか…」
「女の子の扱いはなかなか面倒だな…」

こうして夜は騒がしく更けていくのだった。










※補足
『まるで駄目なおっさん、略してまだお』とは、ワルモ団について掲示板で伺った際にとある方が仰った言葉です。
ご教授頂いた時から、「まだお」がりょくの脳内をうろうろ徘徊しております。
そのくらいドツボにハマッタのでした。
本当にありがとうございましたm(_ _)m


■ りょく (341回/2011/09/29(Thu) 11:22:40/No4200)

19『まだお』


そして朝。

「あれ〜?わ、私って何しに人間界に来たんだっけ?」
「俺は何しに来たんだっけ?お前、知らないか?」
「ゴローはいつも一人だけ抜けてるな」
「決まってるだろう」
「我々ワルモ団の部下にするため、お前は連れ去られたのだ」
「お前って、誰?」
「ふっふっふっ、知りたいか?」

イチローが見せる不敵な笑みにサキラは狼狽える。
ゴロー以外の三人も同じように不気味に微笑んでいた。

「ううん。知りたくないかな」
「って知りたがれよ!話が進まんだろう。サキラが人間界に連れてこられたのは、我らの部下として悪事を働かせる為なのだ」
「ああ、思い出した。でも私、帰らなきゃ。学校に行かないと!早く朝ごはん作らないとお母さんがカップ麺にお湯を注いじゃうんだ」
「うわっ、駄目な大人だな」
「我らも世間ではそう呼ばれているらしいがな」
「…………」

よほどダメージが大きかったのか、五人はしんと静まり返る。
セリフの主のサブローも自分で行ったくせにショックな様子。

するとその時、沈黙を破るように朝から散歩をしていたサスハンがやってきた。
二人とも昨日のことはすっかり忘れている。サキラもだいぶ落ち着いていた。"まるで駄目なオッサン"のおかげと言えよう。

「あ〜、サキラさんだぜ」
「"まだお"なんかと一緒に、何してるのら?」
「ふふふ。聞いて驚け、元幹部見習いの弟子達よ」
「サキラは今さっき、我々の部下になったのだ」
「記念すべき最初の命令だ!この二人を攻撃しろ」
「ハンゾーだ。
ええっ、良い歳こいてゴミ山に住んでる大人の幹部見習いの弟子してたの…!?」
「サキラさん、自分のことを棚に上げて、よくそこまで言えるぜ…」
「ボク達はヤシチの兄貴の子分なのら〜!」
「そう言えば、ヤシチもワルモ団の幹部見習いをしてた時期があったんだってね」
「でも兄貴が辞めたから、オイラ達も辞めたんだぜ」
「ヤシチの兄貴と比べたら"まだお"なんて、どーでも良いのら」

ハンゾーの言葉にサスケとサキラは頷いた。
当然だろう。まだおなんか誰と比較しても劣るものなんてない。

しかし自分のことを悪く言われると気を悪くするのも当然。ワルモ団の怒りが沸々と煮立っていた。

「黙って聞いていればまだおまだおまだおと…」
「三回も言われて無いがな」
「一番初めに言ったのはイチローだがな」
「作者の人はもっとワルモ団を出したくて話を引き延ばしたんだってさ」
「そのわりにはこの役回りは何なんだ?」

次は主役で書くよ。
こうしているうちに登校時間が迫ってきていることを、サキラはすっかり忘れている。サスハンは始めっから頭に無い。どうやらサボるつもりっぽい。

その時、三人に影が掛かった。
朝の少し涼しい太陽の光を遮るは空を飛ぶ何者か。

「飛行機だぜ!」
「鳥なのら!」
「いや、妖精だよ!」
「ボクですよぉ〜!」

颯爽とは逆になよなよ登場したのはミレン。

「お、おはよう…です。ミレンさんもお散歩?常になよなよしてるけど、朝はちょっぴり爽やか掛かってるように見えなくもないね」
「あ、ありがとうございます…。褒めてくれてるんだよね??えーっと、今日は目覚めたら散歩気分だったんですよぉ。サキラさんが禿げましてくれたおかけで、とても爽やかに目覚められました〜。彼女のことはこれからも諦めません」
「変換ミスしてるぜ。ネズアクを邪魔する位置のひと」
「ボクは禿げてないのら」
「ところでそちらは?」

ミレンの目線の先には黒装束の奴ら。

「無視しないでくれ〜…」

ワルモ団は段ボールの中で瞳をうるうるさせている。
捨てられた子犬のようだとは、まさしくこの事だ。

「うわ〜、オッサンのくせに子供に媚びるなんて、ホントに哀れ且つ気持ち悪いのら〜」
「見捨てないで、の間違いじゃないかな」
「ハンゾーの毒舌も相当酷いけど、サキラさんの毒舌は話が進むごとに増してるぜ…」
「サキラさんって、優しいのか酷いのか良く分からないのよ〜…」
「ともかぁーくっ!我らはモーレツに憤慨している!」
「分かるか!!『けしからぬ事などに対してそれを許せないとして、ひどく腹を立てること』だぞっ!」
「言わせておけばバカにしやがって!俺はまだまだお兄さんだ!!!」
「既にセリフのかき分けが出来ていないではないか!!九人も出すなよ!」
「お前を部下に選んだのが間違いだった!サキラも一緒に倒してやる!行くぞ!」

ワルモ団は三味線を抱え、魔法の態勢に入る。
ちなみにセリフ順はサブロー、ジロー、シロー、ゴロー、イチロー。

「ワルモでポン!」

魔法が掛けられる瞬間、四人は身を硬くしたが、掛けられたのは自分達ではなかった。
飛んできたのは固くて小さな何か。

「一口サイズにちぎった段ボールを口の中に詰めてやる!!」
「ワハハハハ!どうだ、我らの画期的な攻撃方法は?」

突風と共に一口サイズの段ボールが口元めがけて飛んでくる。
四人は片手で目元を、もう片手で口元を押さえるしか防ぎようがない。

「そ、そんな…不衛生じゃない!止めてくださいよぉ!!」
「げっ、最悪だぜ!こういうのをミルモにすれば良いのに…」
「テレビであの芸人が、噛めば噛むほど固くなるって言ってたのら」
「や、やだ…。段ボールなんて食べたくないよー…」
「食わず嫌いは良くないな〜。少しは食ってから発言しろよな」
「じゃあお前達が食べてみるのら。食物繊維の塊だから案外イケたりして!なのら」
「良いだろう。ここは代表して俺が…いっただっきマース!!」

食物繊維が健康そうだと思ったゴローは段ボールをパクり。
まさかのまさかだけど、美味しいわけなんか…ない。

「うっ…。醤油を麦茶に偽装したやつの方が百倍マシだ!」
「マジで食う奴があるか!テンポ良すぎて止める暇もない。小さい子じゃあるまいし!」
「うわっ、何という悪食。同じ団員ながら退くわ〜」
「あほらしい。この目立ちたがり屋め」
「そもそも段ボールは食べ物じゃないぞ。そんなの常識の範疇なのに…」
「ど、どうしよう。すっごく不味いみたい…」
「あんなの口にしたら生きていけません…」
「段ボールを口に詰めるって、思い付く方がどうかしてるぜ…」
「どうかしてる集団だから思い付いたのら。ううっ…」
「ボクももうダメかも…」

ハンゾーとミレンは一口サイズの段ボールと突風に晒され続け、口から手を離してしまいそうになる。
それはサキラとサスケも同じだった。全員の体力が限界に近づく。このままでは段ボールを口いっぱいに詰められてしまう…!!

「(そ、そんなのダメ…。でも…)」

今のサキラの体力では助けられるのは一人だけだ。
サキラはハンゾーとミレンが好き。それを一人に絞らなくてはいけないのだ。もう、今すぐ答えを出さなくては。まさに究極の選択。

「もぉ…」
「ダメなのらぁ…」
「危ないっ…!」

サキラが助けたのはハンゾーだった。
ワルモ団から背を向けて地面に俯せる。こうすれば段ボールから口を守れる確率がだいぶ上がる。
隣ではモゴモゴ順調に詰められていくミレン。それを眺めるサスケは真っ青だった。

「どうやってワルモ団をやっつけるのら?」
「うーん…空気は鼻からでも吸えるけど、砂ぼこりが目に入るのが厄介かな」
「だったらボクのゴーグルを貸してあげるのら。でーもー、それには一つ条件があるのら」
「なぁに?」
「サキラさん、ピンクに戻ってなのら」
「え?」
「だって緑じゃボクと被るのら」
「いいよ」
「約束なのら」
「ゴーグルがキツい…」

サキラは用意周到なハンゾーのゴーグルを付け、ワルモ団に立ち向かう。

「ほう…。ゴーグルで目を守るとは考えたな」
「だが、守るだけでは我らを倒せない。これからどう戦う?」
「桜吹雪は私の持ち技だもん。風に風を被せたらどうなるのかな?」

サキラが忍術で起こした桜吹雪に突風が巻き込まれ、風力を増した桜吹雪がワルモ団に降り注ぐ。

「いだだだだっ!花びらと段ボールが突き刺さるっ!」
「ちょっ、風で息が…。窒息する…」
「うわっ、段ボールマズっ!マジマズっ!」
「花びらがあるだけマシかも…」
「醤油で薄めた偽装麦茶が恋しい…」
「もぐもぐ…ボクは助けてくれないんですかぁ…よよよよ〜…」

ワルモ団+一名の口に段ボールと花びらが詰め込まれていく。
そして風圧に耐えきれなくなった六人は空の彼方に消えていくのだった。

「わーい!やったのら〜。サキラさんがワルモ団を倒したのら!!」
「……私、ミレンさんのこと、今日で綺麗さっぱり忘れます。今までありがとう。苦しまずに成仏出来たら良いのだけれど…」
「おいおい。あのひとまだ死んでないぜ…。普通忘れないって言うんじゃ…」
「言うかな?」
「知らないのら。それより約束は守ってもらうのら。ピンクに戻るのら」
「が、頑張る…!」











引き続き『まだお』の使用失礼します。
やっぱり人数が多いと文字量が半端無い。
18話をアップする前に19話をケータイに下書きしていて、メール一つが埋まりそうだったので、二度ほど19話の上の方をキリのいいところで切っては18話の下に繋げてました。
前はよくやってました。この作業。うっかり電話が掛かってきたら大変。


■ りょく (343回/2011/10/04(Tue) 08:43:10/No4204)

お絵描きしたので上げ直しました。
さて、本物はどれでしょう?
偽物を描いたつもりはないのですが、色んな表情を描いてみたかったのでした。ついでに髪型も弄ってみた。
前から挿絵を入れた方が良い場面でも何もしてなかったので、罪悪感から四人に増えました。
あとは画面いっぱい、どーーーんと顔で埋め尽くしたかった。難しかったので増量しました。
髪の艶に使っているのは薄消しです。この子だけ。




20ただいま戻りました。/占い師の本質


服は仕立てて、髪は染める。
手間とお金が掛かったけれど、ちっとも不可能じゃないのだ。

元に戻った桜のサキラ、ここに見参。


「やっぱり、サキラ姉チャマはピンクが一番だし!もう一生変わっちゃダメなんだし!ね、ハンちゃん」

元気にそう言ったユユシィは、派手な服装やら色々と問題が多いが、サキラを慕う一番弟子。

「そうなのら。緑枠はボク、黄緑枠はアロマで埋まっているのら!」
「こ、こだわるね…」
「だってサキラさんはこの姿が一番良いよぉ」

アヤリはユユシィのクラスメイトでメル友。
誰もが目を見張る真っ赤でボリュームがすごい髪はの持ち主。両親は増毛・育毛に関する仕事に就いていて、娘であるアヤリも髪の毛について色々詳しいと言うわけだ。
サキラの髪は彼女に頼んで染めてもらった後、セットまでしてもらった。

「なのら。今の方が見慣れてるのら」
「そうかな…」

サキラの頬っぺたがピンク色に染まる。
好きな子に少しでも反応してもらえると嬉しいのだ。

「じゃあずっとピンクでいる…」
「ん?聞こえないのら。もっかいなのら」
「なっ、何でもない…」
「ウチらも褒めてるのに…」
「周りなんて目に映ってないよぅ。彼に夢中だもの」

アヤリはサキラを取られたように寂しがるユユシィを宥める。
サキラがハンゾーを好きなことは誰の目から見ても分かることなのに、これがなかなかどうしてハンゾーには伝わらないのだった。
恋のことは全く理解しかねる、と恋愛未経験者のユユシィは思った。

「ところで、色ってそんなに重要?」
「あら、サキラさん。キャラクターの色って非常に重要だよぉ」
「へ〜。ねぇハンゾー、次の小説の、しかも主人公のテーマカラーが緑だったらどうする?」
「んもぉ。意地悪言っちゃあダメなのら」
「ほぼ確定だよぉ」
「ええっ!」
「どんな気分?どんな気分?」
「アヤリってば、そんな情報どこから仕入れてきたんだし?」

ユユシィも緑っちゃあ緑だけど、それは今言うことではない。

「妖精学校の近くに占いの館があるんだけどぉ、最近そこに入った新しい占い師がすっごく良いって評判だから占ってもらったんだぁ」
「それ今後の展開については確定しか出ないし。犯行予告並みだし」
「ともかく、一番は料金が良心的だから子供も行きやすいみたいでぇ。だからついつい通っちゃうんだって」
「便利な言葉なのら。"ともかく"って」

本当に便利。おかげで何があろうが簡単に話を切り替えられる。

「これからみんなで行こうよぉ。サキラさんって占いとか興味なぁい?」
「テレビのニュースでやってる星占いとか血液型占いが大まか過ぎるもん。そのせいで全然当たらないって思っちゃって。
おみくじとかなら信じるけど、何日かしたら忘れちゃうよ。滅多に引かないし」
「ウチもサキラ姉チャマとだいたい同じだしぃ。夢占いは本を見て参考にしてる時もあるし」
「恋・愛・運。気にならない?ハンゾーくんとの」

アヤリはサキラの耳元に口を寄せて、そっと囁いた。

「ひゃあ!き、気になるけど…」
「サキラさんって耳弱いのら。新・発・見!なのら〜」
「外に出るなら日焼け止め塗らなきゃだし。美白美白」
「わたしも塗るぅ」





アヤリの言う通り、妖精学校の近くにその占いの館は建っていた。
外観はやたらゴージャスで占いっぽい怪しさも兼ね備えている。そして、『ケロリちゃんのお告げ』という看板がでかでかと掲げられていた。
サキラ達の前には四〜五人が並んでいた。すべて女の子。

並んで待つこと三十分。ようやく入ることができた。

中は薄暗く顔を覆う衣裳のせいで占い師の表情は分からないが、その妖精はめちゃくちゃ明るかった。

「はーい!次にこのケロリちゃんに、占ってもらいたい妖精は誰かなーっ!!」
「よ、よろしくお願いします…(ひえぇ…)」

ケロリちゃんのテンションに驚いているのか、三人は歳上のサキラにしがみつくので、サキラが前に出るしかなかった。
この妖精に占われることで、両想いへの手掛かりが掴めるのだろうか。
だがサキラは、以前ほど両想いにこだわっていなかった。以前は愛の言葉を安易に口にすることへの抵抗があった気がする。そのせいでサキラの中には告白をするなどという考えが無いのだった。

「びっくり髪の毛・女の子ちゃん二度目のご来店ありがとー!まだまだ緊張してるって感じかなーっ!お三方は初めて見る顔ね。(素顔と面識なくて良かった…)。
さてさてーっ、今日の相談者さんはどなた?このオラクル★フェアリー、ケロリちゃんが元気いっぱい占うケローっ!」
「…この桜のひとの恋愛運を一つ」

アヤリはサキラの背に隠れつつ勝手に答える。
自身のことはサキラ達に知られたくないようだ。

「はーいっ、恋愛運承りましたーっ!」
「え…ちょっと待って…(ハンゾーの前で好きだってことがばれちゃ恥ずかしい…)」

薄暗くて狭い部屋に赤面が灯った。
そんなサキラの羞恥心をよそにカードがシャッフルされていく。

「(赤、ピンク、青…サキラさんってライトみたいなのら…)」
「ケロロロローーーーン……………………。
カードはこう告げているケロ。
魔法を使いなさい。そうすれば想い人との親密度が一気に増すでしょう…だって☆
いいことあるぞー!ミス●ードーナツ!(古)」
「人間界に出向くだけって…」

胡散臭い。
サキラは目の前でハイテンションに喋る顔の見えない占い師のことを初めからそう思っていたけれど、見た目が一般的な占い師像に当て嵌まっていたし、性格は見た目とのギャップがミステリアスで逆に占い師らしいと納得してもいた。
結果が出るまでは。
今は何を言われても信用ならない。

「(嘘のことを…)」
「イェス!プ●キュア5」
「えらい大雑把に思えるような気がするのら」
「お前、誰にでも似たようなこと言ってないし?」
「そんなことありません!お告げは何より鮮度が一番。フレッシュプリ●ュア!」

あっけらかんに喋るケロリちゃんには信憑性の欠けらもなかった。
占い師に何よりも無くてはならない性質ではないか。

「何静まり返ってんのーっ?楽しい時は笑っていいとも!」
「あの…もっと具体的なこととかないのかなって…」
「なーに仰ってますかぁ!ケロリちゃんのお告げを実行すれば、即ハートキャッチ…」
「占い師さん占い師さん!占い師さんはそんなに変身願望があるんだし?」
「!」
「あっ、ケロリが絶句してるのら」
「あははーっ!変身願望があるか聞かれてるよ、このカエル。あたしはあるけどねぇ」
「恋化と変身は違うからね。って、誰が教えてくれたんだっけ?」











ケロリちゃん
親の仕事を手伝って子供ながら占い師をしている。
妖精学校の生徒に手頃な値段が受け、それなりに繁盛しているものの占いの腕はいまいち。一応自分でも自覚はある。
「ケロリちゃん」と言うのは芸名。本名と共に素顔が存在する。
仕事中は常にハイテンションだが、実は常識人でツッコミ役。でも弄られやすいとか。

彼女は別の話に出します。

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■ りょく (344回/2011/10/19(Wed) 06:57:56/No4227)


21二つあったらさすがにやばい


休日の午前だった。
空は曇っていて、室内に入ってくる光は少なく暗い。
シキラが消滅した後のサキラの部屋は前より広く感じられた。
とはいえ今は客のせいで、自重しない客のせいで、そう感じることはなかった。

「ね、セツナ!」

そう言って、ホタルは彼女に軽く口付け。

「もぉ〜、ばかぁ〜」

とか言いながらセツナは超嬉しそう。
前回、サキラには弟子が三人居るにも関わらず一人しか出さなくて、代わりにライバルサイドの友達を出した理由がお分かり頂けただろうか。
二人はいちゃつくのに忙しいからである。
部屋の主で修行の為に弟子を呼び出したサキラと、遊びに来たハンゾーは唖然としていた。
サキラの一番弟子であるユユシィは風邪を引いて寝込んでいる。

「ラブラブだね」
「ラブラブなのら」
「…………」
「…………」
「…あのね」

軽い沈黙と痴話に挟まれながら、サキラは切り出した。
ずっとずっと仄かに気になっていたことの本質をはっきり知りたくなってきた。

「変に思わないでほしいんだけど…私ね、私の中に誰か居た気がするの。すごくすごく大切なひとだったのに、さっぱり思い出せないや。どうしてかな…」
「それがサキラさんの好きなひとなのら?」
「え」

永訣、永別、エキセントリック、会者定離、エスプリ、絵空事、得手勝手、エトセトラ、エトランゼ、縁、エネルギー、エポックメーキング、得も言われぬ、選り好み、縁切り、縁故、援助。
え。

「だって、恋愛運を占われていたのら」
「それは違うの」
「ふ」
「?」
「二股って漢字で書いたらやらしーのら」
「まぁ股に二つの…えーっと恋愛感情じゃないんだってば。友情って言うのかな。もっと近い表し方は…憧れ!そう、憧れみたいな…」
「どんな奴だったのら?」
「強くて優しくて、面倒見が良くてお姉さんみたいな。それで髪は女の命って言ってた。後、愛用してたシャンプーはVSだって」
「ふーん…」

そう言ったハンゾーは面白くなさそうな顔をした。
サキラが一番興味を示すことは自分じゃないと何だか嫌悪感…かもしれない。よく分からないけどハンゾーはそんな気分だった。

「それ世間ではナルシストって言うのら」
「私のことじゃないんだってば」
「うーーん…病院に行くことをオススメするのら」
「…意地悪・フェアリー、ハンゾー」
「冗談なのら〜。サキラさんは分裂するくらいだから、自分の中に誰か居たとしてもおかしくないと思うのら」
「信じてくれてありがとう。分裂したことあって良かった」
「ボクはしたくないのら…」

サキラとハンゾーの毒混じりの会話に、いちゃつきは止まらなかった。
むしろ加速している。(需要が無いので省きました)。


「あっ、そうだ!」
「?」
「あのひとに相談してみよっと。ちょっと出掛けてくる」
「もーっ!何で招かれて置き去りにされるのら!」


今のサキラにハンゾーを構う余裕はなかった。
知りたいことが知りたくてたまらない。手掛かりを掴むためならば、招いた客を自宅に残して出掛けるような失礼極まりないかつ無用心なことぐらい容易だったのだ。






「サキラちゃん、いらっしゃいピカ」

笑顔を輝かせ出迎えてくれたのは、掃除妖精のピカリ。
綺麗好きな彼女は自分自身も常に綺麗で放つオーラもピカピカ。

「ピ、ピカリさんこんにちは…」

美人なピカリにもじもじしていたサキラは、うっかり要件を忘れそうになって慌てて思い出した。

「ピカリさん、あのね…」
「なぁにピカ?」
「好きな子を好きだった気持ちは思い出して今も好きなの。それは解決したの。
でもね、今度は大切なひとの存在が思い出せなくて…。か、微かな記憶に特徴はあるから妄想とかじゃないって断言するよ!」
「へ〜、それはまたまたややこしいことピカね」

ピカリは涼やかに笑うと言った。

「今の彼に告白しないピカ?」
「へ?…な、何を言って…!あのっ、出来ないよ…」
「サキラちゃんが本当に大切なのはどっちピカ?記憶の存在?今の彼?
二つを同時に追い掛けていると一つも手に入らないピカよ」

ピカリの言っていることは正しいようで腑に落ちないことがある。
二人を比べるのはおかしい。そりゃあ好きな子も大切な存在と言えるが、逆は言わないはず。

「……私ってそのひとにも恋しているように見えるの?」
「見えるピカ」

ピカリからはそう見えるらしい。
言葉を詰まらせたサキラにピカリは畳み掛ける。

「サキラちゃんって同時進行とか出来るタイプじゃないから、一つに絞ることをお薦めするピカ。
そりゃあ価値観はひとそれぞれだから悪いとは言わないけど」
「ふ、二股とかじゃないんだって!もう…ピカリさんまで…」
「じゃあいつ告るピカ?」
「え、えっと…(あれ…?話がすりかわってる…)」











間が空きましたが、書いてなかったわけではなく、八話もボツにしました。
バッサリ切り捨てたら気分爽快なんのって。
物を捨てるのが趣味になりつつあるけど、データとか文章とかは我ながら退くなぁ…。


■ りょく (345回/2011/10/19(Wed) 06:59:17/No4228)

22未練アップル


「サ、サキラさんっ!?お久しぶりですねぇ…」

サキラの姿を見たミレンは、あからさまに怯えていた。

「ミレンさん物凄く震えてるみたいだけど、風邪ですか?」

サキラはきょとんとしている。

以前(20話で)サキラはミレンを見捨てたことがあって、それがミレンの中でトラウマになっているのだが、サキラは全く身に覚えが無い。
しかも全く無自覚なところが恐ろしい。むしろ清々しくも感じられる。

ピカリに相談した(結局、告白の日取りを決められた)翌日、サキラは次の相談相手をミレンに絞り、アポなしで人間界まで押し掛けたのだった。
内気で弱気な性格だけど、思い詰めた結果は結構図々しくなったようだ。


「また来たのか」
「あっ…」
「さっきドーナツ買って来たんだけど、どれ食べたい?」
「アップルさん、こんにちはです」
「訪問販売だったな。ケンカは全部買ってやんよ!」

可愛らしい名前を気にする姫林檎は、友人等にあだ名を流通させたりして極力本名で呼ばれることを避けてきた。
が、サキラは持ち前の毒舌を発揮して(?)微妙に触れてくるので、顔を会わせる度、彼女の怒りを買っていた。

「イオさん落ち着いて〜。
サキラさん、今日は何しに来たんですかぁ?(このひと、悪戯にイオさんを煽るから早く帰ってほしい…)」
「ちょっとお二人に相談があって…」
「相談ねぇ」
「うん…」

サキラは沈んだ表情でドーナツを食べながら話し始めた。

「その妖精は強気で頼りがいがあってなんでも相談に乗ってくれて、私の憧れのひとなの。
それでいて、私の中に居たの。嘘じゃないよ。
何故か記憶はなくなったのだけれど、もう一度思い出したんだ。
でもちっとも思い出せなくて…」
「え〜っとぉ…」
「それなんて病気?」

二人はまったく信じてない様子。
そりゃそうだ。
ピカリちゃんは天使のように優しいから疑わなかっただけで、これが一般の反応である。

「うわっ、何このヤバいやつ…。
ちょっとミレン、早めに帰ってもらうように言ってくんない?」
「う、う〜ん…」
「本当なのに…。そうじゃなかったらどうしてこんなに悩まなきゃいけないのかな」
「…それってもしかして好きなひと?」

姫林檎も恋する乙女の一員。恋バナにはわりと鋭いのだ。
サキラはぱっと赤くなりながら慌てて否定した。

「ま、まさか…!だって他に居るもん。
あっ、ミレンさんじゃないよ」
「は、はい…」

何で好きでもないのに(むしろ嫌い)振られたんだろう。
ミレンは泣きべそをかいている。
サキラは以前ミレンが好きだった時、姫林檎に自分からバラしたので否定する必要があったのだった。

「へーーっ。告んないの?」
「む、むむむ…無理です…!」
「ミレンにでも習ったらねぇ(ストーカー化するのがオチだけど)」
「アップルさんも一緒にどう?」
「…一度懲らしめないと、私の気が済まないみたいで」
「イオさん、ストップストップ!」








私は自分のオリフェの名前を時々間違えてしまいます。
そのせいか、名前関係の罰が当たってしまいました。
重いやつです。洒落にならん…とほほ…。


■ りょく (346回/2011/10/19(Wed) 07:00:33/No4229)

23恋化の力とは


「(まともなアドバイスはないし、誰も信じてくれないどころか、告白するようにばっかり言われちゃうし…)」

サキラは確かに存在した憧れの人物について、これまで四人に相談したは良いが、誰一人として信じた者はいない。
良くてもハンゾーが半信半疑くらいだ。
人徳が欠けているとしか考えられないが、本人は気付かないのだった。気付いたところで簡単に養えるものではないが。

「(謎は他にもある。恋化妖精って、恋化って何?
知りたい。知らなくちゃ…)」

早朝の忍者の村は太陽が昇ったばかりで妖精は少ない。

妙に目が冴えて眠りから覚めたサキラは、ぼんやりと森に進んでいた。


森の中心まで歩いた頃、妖精の気配を感じ身を隠す。
人見知りのサキラは親しくない妖精や知らない妖精と顔を会わせることが大の苦手だったが、最近は毒舌のおかげでだいぶ克服出来ている。
サキラが毒舌になったのはハンゾーから移ったからだ。

ハンゾーと出会わなければ、内気で言いたいことがはっきり言えない性格のまま、常にうじうじおどおどした人生を送っていただろう。
毒舌とどっちが良いのか判断は難しいが、サキラは今の自分を結構気に入っていた。


「(この二人…)」
「五人居る弟子は私が旅に出ている間、きちんと言い付けを守り立派に努めていたわ。師として嬉しいものです」
「君の人徳(と説教癖)がそうさせるんだろうね。
ボクの方はサキラに預けた妹と"るー"は楽しい時間を過ごしているようだけど、シュイカはどこに行ったのやら。
旅に出ていると"るー"づてに聞いてを貰って以降、まるで連絡が無いんだよねぇ。
陰湿だけどちび妖精らしからぬバイタリティーあるから、どこかで図太く過ごしてるとは思うけど。でもさ、寂しいじゃない。師匠に連絡寄越さないとは薄情な」

"るー"とはホタルのことだ。
茂みの向こうでは、かつてのライバルが仲良くくっついて喋っていた。

「そう言えばあの子の話を誰からも聞かないわ。ご両親も心配しているでしょうに」

生真面目な表情でそう言ったのは「マウリ」だ。
身に纏う明るい橙色の忍装束と対照的に一つに結った髪は深い緑をしている、アヤリの姉。
髪の量で人目を引くのは姉妹共通のようだ。マウリの場合服の蛍光色も目に痛い。

「うん。家にも全然帰ってないみたいで。僕の教育が間違ってるって言われた」

両手を頭の後ろに回しごろんと寝転んだのは「シツト」
薄紫の忍装束と橙色の髪は妹と同じ。セツナの兄。
尖った瞳と太めな眉は兄妹共通だが、つっけんどんで天の邪鬼な性格のセツナに比べ、シツトは特に女の子に積極的に話し掛ける所謂(いわゆる)ナンパ体質である。
セツナが自分から好きになった相手(ハンゾー)に対して素直に慣れないのは、このシツト譲りである。ただし兄は妹より酷くない。

「あなたのせいではないのに。旅に出ると決意したのはシュイカで、子育てをしているのはご両親なのに。
不安になっているのね。怒りの矛先が運悪く向いてしまっただけのこと。シツトが気に病むことではありませんよ」
「分かってる。でも気になってしまうのは人情ってやつかな。
マウリが強いのは恋化妖精を卒業したから?」
「そうね。自分の他に二人も抱えるのは並大抵のことではなかった。
恋化の力はわがままで出しゃばりで、私は二人を上手く制御出来ずに辛く苦しい日々を過ごしていたけれど、今思い出すのは楽しかった出来事ばかりです」

マウリは微笑むと天を仰いだ。

「(マウリも私と同じ恋化妖精だったのか…。二人も抱えるのは、って自分の中に誰かが居たって状況のこと…だよね。
それは恋化の力だったんだ。そっかそっか…)」

サキラの謎は恋化妖精に関することだったのだ。

「(マウリは卒業したから恋化の力が居なくなったらしいけど、私には記憶がない。きっと卒業とは違うの。
私の恋化の力さん、戻ってきて…)」


■ りょく (347回/2011/10/19(Wed) 07:01:44/No4230)

24怒り狂っているハンゾー


「で、どうやって告白するのだ?」
「私達も全力で応援するでございます!」
「な、何の話…」

サキラは危うく手に持っていた湯呑みを引っ繰り返すところだった。

それはサキラの家に、ヤシチとヤマネがやってきたことから始まる。
二日前にサキラはハンゾーを置いて出掛けたのだが、その事で彼が怒り狂い(と言ったら語弊があるが。実際はぷんぷん怒っている)手が付けられないらしい。
その報告を受けた後が告白しろ、だ。

サキラじゃなくてもそりゃ驚くに決まっている。

「とぼけるな。お主のことを気に入っているからこそ、あんなに怒っているに決まっておろうが」
「だからっていきなり告白なんて…」
「ハンゾー先輩はサキラ姉様のことを本当に怒ってらっしゃいました」

ヤマネは言った。
気に入ってたら怒っらないよね、普通。

「じゃ、じゃあ聞くけどさ…、ハンゾーって私のこと好きだと思う?」

サキラは尋ねた。
すると二人は途端に無言になり視線を逸らす。

「……」
「………」
「な、何か言ってよ…」
「正直、ハンゾーのことは良く分からん。ぼんやりと謎に包まれているのは、特に頭部が象徴しているだろう?」
「ハンゾー先輩はサキラ姉様に対して思うところがあるので、怒りを募らせているのではないかと…」
「まぁ恋愛感情かどうかは蓋を開けてみらねば分からんのだがな」

あはは〜とヤシチは軽く笑う。
二人はハンゾーの怒りを沈めたいのもやまやまだったが、面白半分サキラをからかいにやってきたのだった。

「確かにほっといたのは悪かったから謝ってこなくちゃ…。
でも告白するかは別のお話だもん」
「いい加減腹を括れよなーっ。
今せずに一体いつになったら気持ちを伝えるのだ?一生出来んぞ」
「キミ達はどうなの?」

困ったら質問で返してみる。
ぎくっとした顔でヤマネは思わずヤシチを見つめた。
するとヤシチは意味ありげな笑みを浮かべてこう言った。

「そりゃあもう」

いつものように鈍い反応をかますかと思われたのに。
二人はどこまで進展しているのだろうか。師弟関係?恋愛関係?…色々な解釈が出来るのに、突っ込むのは野暮だと思わせる返答はサキラを黙らせヤマネを喜ばせた。
今回はヤシチが一枚上手だったのだ。

「(上手く言ってるってことなのかな。良いなぁ…)
そう言えば、ピカリさんに取り決められた日は今から三十分後…」

三十分の間にサキラはハンゾーと直接会う約束をしなければ。
怒り狂っているハンゾーに。


■ りょく (348回/2011/10/29(Sat) 18:43:28/No4269)

25恋化妖精*サキラ


「(三十分後に河原で待ってます。
*サキラ*
…っと。来てくれるかな、ハンゾー…)」

サキラはメールを送信しながら、何だか腑に落ちない気持ちでいた。

「(私、何で告白する展開になったんだろ。謝りはするけど…)」

それにサキラはハンゾーを怒らせてしまったようで、許してくれるかが心配だった。
でも罪悪感はさほどないようだ。


そして三十分後。

河原にハンゾーが来た。

「サキラさん」

ハンゾーはサキラの姿を見つけると手を振りながらパタパタ小走りでやってくる。
怒りに満ちている様子はない。

「ハンゾー…来てくれて良かった」
「心配しなくてもちゃんと来るのら〜。で、何か用なのら?」
「あ、あの…謝ろうと思ってたの。ヤシチとヤマネから怒り狂っているって聞いて」
「怒るのには飽きてしまったから、怒ってないのら」
「ほ、本当…!良かった…」

サキラは安堵の息を吐く。
ハンゾーはそんなサキラを見つめて嬉しそうにしていた。

「(何故ですか…?)」

訝しんでいるサキラにハンゾーは言った。

「それよりも…サキラさんは、ボクに隠していることがあるのら」
「?」
「ほら、サキラさんには好きな妖精が居るけど、ボクには決して教えずにひた隠しにしているのら」
「えっ、ああ…うーん…(もしや、これって言葉責め…!)」

いいえ、天からの指令です。

「ねー、誰?だーれーなーのーらー??」
「(告白なんて出来ないよ。ともかく誤魔化さなくちゃ…)あ、あのあの、あのさー…すあま食べる?」

サキラの発した苦し紛れの言葉にハンゾーはきょとんとした。
何の脈絡も無さすぎる。あからさまに不自然だ。
しかし一瞬の沈黙の後、ハンゾーは目を輝かせはっきりと言った。

「食べるのらっ!」
「(ご、誤魔化せて良かった…)」

サキラは冷や汗を拭い、ハンゾーに"すあま"を渡す。
まぁ好物のお菓子に目が無い妖精は十中八九誤魔化せて当然だ。いや、九分九厘か。

茂みの向こうにはそんな二人を見守る四つの影が潜んでいた。

「あーあ、せっかくハンゾーから聞かれとるのに、チャンスを棒に振りやがって」
「惜しかったでございますね…」
「へ〜、サキラちゃんは可愛い系が好みピカね」
「好きなら好きって言えば良いのに。どうしてわざわざ隠すんだろう?」

ヤシチ、ヤマネ、ピカリ、ミレン。
サキラから相談を受け、内容から微妙にずれた助言をした四人だった。
ずれた助言をした理由は焦れったいからなのだ。
結果はどうであれ興味本位の暇潰しなのだ。

「これで逃げられると思うなよ。お前ら、作戦を実行するのだ!」
「ヤマネは兄様の仰る通りに!」
「ここが年貢の納めどきピカ!」
「(僕はイオさんに言われて来たんだけど、皆さんノリノリですねぇ…)」

ミレンはやけに気合いが入った三人に対し、こっそり嘆息した。

ヤシチが考えたのは、「ミラクルふれふれ雨あられ魔法」を使うという作戦だった。
妖精四人で前の奴の掛けた魔法に次々魔法を掛けていく。そうすると、デカくてとんでもない変わった魔法が出来るのだ。
だが、掛けてみるまで、どういう魔法になるか分からない。
どうしても困った時に賭けで使用する魔法。

「雨雨ふれふれ、雨あらーれっ」
「ヤシチでポン!」
「ヤマネでポン!」
「ピカリでポン!」
「ミレンでポン!」

四人の魔法が掛かるとき、二人は振り出しに戻っていた。

「すあま美味しかったのら。
で、誰なのら?」
「えーと…(言うべきか言わざるべきか…。今の言葉ってこういう使い方で合ってるっけ?そもそも告白が、思い描いてたのとずいぶんかけ離れている…)」

追い詰められたサキラは赤くなったり青くなったり、信号機より顔色をころころ変えながら想い悩んでいた。

「(う〜…恥ずかしい…)」

サキラは愛の告白というより、処刑台の前に居るような心理と近かった。

「(こんなこと思うのも何だけど、ハンゾーに殺されそう…)」

そうして空から何かが降ってきたのはその時だった。
その妖精達は何もない空間から急に現われたのだ。ヤシチ達が使った魔法の効果だった。

「あれー?転生したと思ったのにぃ。何だか別の場所みたい?」
「一体どういうことなのだ。ここはまるで普通の妖精が暮らす世界…」
「な、何なのら?ボクらの邪魔をして…」
「キミ達は誰?」

サキラとハンゾーの目の前に居るのは肌が茶色の妖精と薄紫の妖精。
人懐っこそうな顔と近づきがたそうな顔をしている。

「会ったことあるんだっけ?うーん…?」
「あら、アタシの顔を姿を忘れるとは良い度胸じゃない。毒舌が懐かしいわ、サキラお・ね・え・さ・ま」
「ワタシ…君に戻ったはずなのに?」

後ろには長い前髪で日の目を見ない妖精と、サキラと瓜二つの幼い妖精が。

「シュイカとシキラなのらー」
「あたしもおるばい」

一人の妖精がお姉さんのような声色で、サキラの頭に片手を置く。

「摩訶不思議やね。消滅したんに。しかもこうして、恋化妖精の外で存在出来るなんて」
「オーカさん…!?」
「うわっ、来たな依存心の塊」
「お帰りなさい!」

サキラは全てを思い出した。
恋化妖精のこと、恋化の力のこと、そしてオーカへの想いも。

「誰なのだ、こいつら?」
「本当にとんでもない魔法でございました…」
「うーん…告白はどころじゃないピカね」
「感動の再会ってところですかねぇ?」

この事態を引き起こしたヤシチ達はただ驚くばかり。

「そんなに泣きなさんな。好きな男の子の前やろ」
「う〜…そう言えば質問されてた。ハンゾーに私の好きな妖精は誰かって」
「!」

ここに居る全員を驚かせ、サキラは言った。

「私の好きな妖精はね…」










終わる。
好きに想像して下さいませ!










恋化シリーズは今話で終了です。
皆さま、お楽しみ頂けたでしょうか(←偉そうに

さて、サキラの好きな妖精は誰だったのか。
サキラは何と答えたのか。

なんであれサキラは幸せみたいです。

では*




4220/ ムル・パピ物語
□投稿者/ asuka -1回-(2011/10/18(Tue) 20:00:53)

ムルモとパピィ物語
ムルモ パピィのあほー  
パピィ ムルモのバカー
ミルモ まったく素直じゃないなー
リルム さてミルモ様私たちはデートしましょう
ミルモ 逃げろ―
ムルモ おにいたまもすなおじゃないでしゅ
パピィ ほんとね
つづく


■ asuka (2回/2011/10/18(Tue) 20:41:22/No4221)

第2話
リルム ミルモ様の、、、バカーーーーーーーーー
ミルモをなぐりとばす
ドッカーーーーん ミルモが落ちた音
リルム ミルモ様ーー大丈夫ですかーー
けがしてるミルモ
ミルモ 大丈夫だ、、、、、
ムルモ それにしてもあしたからぼくたち二年生でしゅね、、、。
パピィ 、、、、そうね。
次の日・・・・
パピィ ムルモーー
ムルモ 、、、パピィ、、、。
パピィ あたち何組だろう、、、。
ムルモ ・・・・。
パピィ あった。5組だ。(ムルモは、、。あっやったームルモと同じクラスだわ。)
ムルモ(よかったでしゅ。パピィと同じクラスで。。)
パピィ ムルモさあいくわよ
ムルモ はいでしゅ。
アロマ ムルモくん―パピィちゃーん
ムルモ あっあろましゃん。一緒にいこうでしゅ。
パピィ ムルモったら、また、ぶりっこしちゃって。
アロマ パピィちゃんも一緒にいきましょ。
パピィ うん。
ミルモたちは・・・。
ミルモ 俺のクラスは・・・・。っとまたリルムと一緒のクラスかよー。
リルム やったーですわー。
ミルモ はあ〜〜〜〜〜
ムルモたち・・・・
アロマ あたし2組だからまたねー。
ムルモ・パピィ またねー(でしゅ)
パピィ あたしたちもはいろっか。ムルモ
ムルモ はいでしゅ。
ミルモたち・・・・
リルム さあーミルモ様わたくしと一緒にいきましょーーー。
ミルモ ・・・・おぅ。
ムルモたち・・・
エンマ 転入生を紹介するぞーい。はいってきなさい。
??? はい。
ムルモ あの子かわいいでしゅ〜。
パピィ ムルモ・・・・。
つづきは3話で・・・。


■ asuka (3回/2011/10/18(Tue) 21:05:35/No4222)

第3話
エンマ この子は中国からきた転入生のアスネじゃ
みんな仲良くしてやるんじゃぞ〜^^
みんな は〜〜〜い
ムルモ アスネしゃんですか〜〜。
かわいい名前でしゅ〜
パピィ(本当可愛い子。・・でも、ムルモはゆずれない、、、。)
ムルモったら、あんなかわいい子があんたなんかすきになるわけ
ないでちょ。
ムルモ ムカッなんでしゅって〜〜
パピィ なによ〜
ムルモとパピィ喧嘩をはじめた
アスネ アスネでポン
ムルモ えっ
パピィ えっ
ムルモ(なんだか、、、心が)
パピィ(おちついてくる、、、。)
ムルモとパピィの喧嘩がとまった。
ムルモ パピィさっきはごめんなさいでしゅ。
パピィ あたちこそごめんなさい、、、。
みんな アスネさんすご〜〜〜〜〜いムルモちゃんとパピィちゃんの喧嘩を魔法いっぱつでとめられるなんてー。
わたしたちなんかとめられたことないよ〜〜
アスネはみんなの人気者になった
ムルモ ほぇ〜〜〜〜
パピィ すごいわね・・・・。強敵かも・・・。
ビケー アスネさん他にもなにができるですか・
みんな わたしたちもしりたーい
アスネ そうねぇ〜・・・・。
風水とか…・占いとか・・・・かな?
みんな すっご〜〜〜い。
じゃあ〜わたしたちのうらなってくれる〜〜〜?
アスネ いいよ。
順番にならんでね。
みんな は〜〜〜い。
ムルモ 僕もうらなってもらうでしゅ。(パピィとのことを・・・。)
パピィ あたちもうらなってもらお〜(ムルモとのこと、、)
アスネはムルモとパピィ以外占った。
アスネ はあ〜〜〜〜〜〜〜つかれた〜〜〜
ムルモ 僕のことうらなってもらえるでしゅか?
アスネ いいよ
ムルモ 本当でしゅか〜〜〜。
アスネ どういうことをうらなってほしいの?
ムルモ パ・・・・・・・。
アスネ パ?
ムルモ パパパパ・・・パピ・・・・・パピィのこと・・・についてうらなってくだしゃい・・・・。
ムルモは顔を真っ赤にしていった。
アスネ もしかして・・・ムルモくん・・・パピィちゃんのことがすきなの?
アスネはにこにこしながらいった。
ムルモ ぼくは、、、、、、。
続きは4話で・・・。


■ asuka (4回/2011/10/18(Tue) 21:27:13/No4223)

第4話
ムルモ ぼくは・・・・・・・・・・パピィ・・・・のことが・・・・
すすす・・・・・・すき・・・・でしゅ。
ムルモはリンゴ以上に顔を真っ赤にさせていった。
アスネ そう。やっぱり・・・応援するね・・・。
応援されてうれしいはずなのにムルモは少しがっくりした。
アスネ あっムルモちゃんパピィチャンもあなたのこときらいじゃないみたいよ。・・・・・・でも、
ムルモ でも?
アスネ パピィチャンは素直じゃなくて
まったく違うことをいってしまうんだってー。
あとムルモちゃんのほうからアタックしていけばいいわ。
がんばって。あとこれをもっていって。
アスネはムルモに願いのかなうお守りをあげた。
ムルモ これはなんでしゅか?
アスネ これは願いがかなうおまもりよ
ムルモ ほぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ムルモはものすごくびっくりした。
ムルモ これってものすごくたかいものでしゅよね〜〜
それをぼくがもらっていいんでしゅか〜〜
アスネ いいわよ
ムルモ ありがとうでしゅ〜〜〜〜とってもうれしいでしゅ〜^^
アスネ それじゃ〜また明日ね。
あとこれからいいことがおこるわよ
ムルモ えっ?そうでしゅか〜バイバイでしゅ〜
アスネ ・・・・・。
ムルモとパピィはすれちがった。
パピィ ムルモもアスネたんにうらなってもらったの〜〜
ムルモ そうでしゅ〜パピィもうらなってもらうんでしゅか?
パピィ もちろんよ。それじゃ〜またね〜
ムルモ バイバイでしゅ〜
パピィ アスネたんあたちのこともうらなってくれる?
アスネ もちろん
パピィ ありがとう。
アスネ それでどんなことをうらなってほしいの?
パピィ それは・・・・・
アスネ それは・・・・・・?
パピィ ム・・・・ムムムル
アスネ ム・・・ムル?
パピィ ムルモの・・・ことを・・・うらなって・・・・ほ・・・し・・・い・・・・の?
パピィは顔を真っ赤にさせていった。
アスネ それだったらムルモちゃんに素直に自分の気持ちをいうこと。
あと、チャンスをみのがさないこと。・・・・かな?
あっそれとこれあげる。
アスネはパピィに素直になれるおまもりをあげた。
パピィ ありがとう。
パピィはさっていった。
アスネ 大丈夫・・・・かな?
続きは5話で・・・・。


■ asuka (7回/2011/10/19(Wed) 20:32:34/No4233)

第5話
パピィ「ム〜ル〜モ〜〜」
ムルモ「パ・・パピィ」
ムルモは顔が赤くなった。
ムルモ「ところでなんのようでしゅか?」
パピィ「ちょれわね・・ムルモあたちと・・デデデデ・・・・」
ムルモ「???」
パピィ「デデデデ・・・・・・・・・・」
ムルモ「で?」
パピィ「(すなおになりたいすなおになりたい・・・・)
パピィは心のそこからねがった
アスネ「大丈夫かな〜〜」
アスネはこっそりみていた
パピィ「(すなおにならして・・・・神様・・・・お願い・・・)」
ぱああああああああああ〜〜ん
突然ひかりだした
素直になるお守りがピカピカ光っている
パピィ「まぶしい〜」
ムルモ「まぶしいでしゅ」
素直になるおまもりがひかって
そのひかりがパピィの心の中にはいっていった。
パピィ「ナンダカ心がおちついてくる・・・・」
ムルモ「ところでパピィぼくになんのようでしゅか?
ようがないならいきましゅよ。」
ムルモはいこうとする・・・しかし
パピィ「まって〜〜ムルモ」
ムルモ「なんでしゅか?」
パピィ「あたちとあしたデートして」
パピィは顔がまっかになった。
パピィ「(なっ何〜〜口が勝手に動いたような〜)」
ムルモの顔を赤くしていった
ムルモ「いってあげてもいいでしゅよ」
パピィ「本当?」
ムルモ「はいでしゅ。」
パピィ「ムルモ・・・・ありがとう。
あたちとってもうれちい。」
パピィはもっと赤くなった。
パピィ「(また勝手に口が・・でも自分の力じゃないような感じ・・・・)」
ムルモモもっと顔を赤くしていった
ムルモ「僕も・・・・うれしいでしゅ。」
パピィ「・・・・・」
ムルモ「じゃあもうおそいしかえりましゅか」
パピィ「うん。」
パピィはとてもうれしいはずなのになんかおかしく感じていた。
ムルモ「どうしたんでしゅか?パピィ?」
パピィ「ううん。なんでもないわよ・・・」
やっぱりなんかおかしい感じがするパピィ。
ムルモ「パピィ。おうちついたでしゅよ。」
パピィ「う・・・・・・うん。」
ムルモ「じゃあまたあしたでしゅ〜」
パピィ「ばいばい〜」
ムルモはかえった
パピィはまだ考えていた
パピィ「やっぱりアスネたんにもらったの効果抜群すぎるし〜
なんかずるいことしているきがする。
パピィはきめた
アスネたんにすなおになれるお守りを返す決意をした。
パピィ「さっそくアスネたんのおうちにいくわ」
パピィはアスネのおうちにいった
パピィ「でっか〜〜〜〜〜〜〜〜い〜〜」
そこはミルモのしろよりとてもおおきなおしろがありました。
パピィ「本当にアスネたんのおうちなのかちら?」
パピィはうたがった。・・・しかし〜・・・
うそではなかった。
パピィ「アスネたんってすごいだけじゃなくて大金持ちだったんだ〜
ってそんなことよりアスネたんのおうちにいきまちょ〜」
つづきは6話で


■ asuka (8回/2011/10/19(Wed) 20:56:17/No4234)

第6話
ピンポ〜〜ん
メイド「どちらさまでしょうか?」
パピィ「アたち同じクラスのパピィ」
メイド「このかたとうしていいでしょうか?お嬢様?」
アスネ「いいわよ」
メイド「かしこまりました」
扉が開く
パピィ「あっアスネたん」
アスネ「どうしたの?」
パピィ「こころのなかのものとって」
アスネ「いいの?」
パピィ「うん。」
アスネ「わかった」
アスネは楽器をだした
アスネ「アスネでポン」
またひかりだした。
そしてすなおになるお守りの効果がなくなった。
アスネ「本当によかったの?」
パピィ「うん。ずるしてたらずるいしね。」
アスネ「えらいよ。パピィちゃん。
ジャ明日のデートがんばってね」
パピィ「えっ?なんでしっているの?」
パピィは顔があかくなった。
アスネ「占いででたの。」
アスネはにこにこしながらいった
パピィ「そうなんだ〜」
アスネ「すなおになれるようにがんばってね〜」
パピィ「・・・うん・・・・」
アスネ「あとなにかある?」
パピィ「ううん。」
アスネ「じゃあ今晩とまっていかない?」
パピィ「ええええええええええええええぇぇぇぇーーーーーーーー」
つづきは7話で・・・・。


■ asuka (9回/2011/10/19(Wed) 21:27:43/No4235)

第7話
パピィ「えっ?とまるってここで?」
アスネ「そうだけど…ダメ?」
パピィ「うれちいけど・・・」
アスネ「じゃあーきまりね〜〜」
パピィ「う・・・・・・・うん」
アスネ「じゃあーパピィちゃんのおへやはここでいい?」
パピィ「ひろ〜〜〜〜〜〜い」
なかにはとても豪華なものだらけだった。
パピィ「でもいいの?あたちなんかがこんな豪華な部屋つかって。」
アスネ「もちろん。」
パピィ「ありがとう。あすねたん。」
アスネ「どういたしまして。」
パピィ「そういえばアスネたんってすきなひととかいないの?」
アスネ「えっ?」
アスネ「う〜〜〜〜ん。まだいないかな?」
パピィ「ちょうなんだ〜」
アスネ「アッもうこんな時間。どうしよう。」
パピィ「どうちたの?」
アスネ「おけいこのじかんなの?・・・・・・
よかったらパピィちゃんんもくる?」
パピィ「いいの?」
アスネ「いいわよ」
パピィ「やった−]
アスネはきがえた。
アスネ「じゃ〜〜ん。どう?」
パピィ「かっかわいい〜〜」
アスネ「パピィちゃんもきてみる?」
パピィ「うん。」
パピィもきがえた。
パピィ「じゃ〜〜ん。どうかちら・・・・ってあすねたん
なにちてるの?カメラなんかかまえて・・・。」
アスネ「もちろんかわいいパピィちゃんを写真とってるのよ。」
パピィ「ふ〜〜ん。」
アスネ「じゃあ〜一緒におけいこしましょ。」
パピィ「えっ?」
アスネ「まずこ〜してあ〜やるの。」
アスネはすらすらおどりだす。
何事も文句なし・・・完璧だ。
パピィ「すっ碁〜いアスネたんうまいね〜」
アスネ「さ〜パピィちゃんもやってみて。」
パピィ「うん。」
パピィはおどりだす。
1,2,3,4.5・6・7・8・9・10のリズムで。
アスネ「初めてとは思えないくらい上手ね」
パピィ「でも、なんでカメラと動画とってるの〜」
アスネ「だから〜パピィちゃんのかわいくてーすごいところが
とりたいからよ〜」
パピィ「へぇぇぇぇぇ〜」
アスネ「さあ〜また一緒におどりましょ」
パピィ「うん。」
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97・98・99・100
アスネ「今日はこれでおしまい。」
パピィ「つっつかれた〜」
アスネ「そろそろごはんにしましょうか〜」
パピィ「うん。」
パピィ「わああああ〜すっごい豪華〜
お料理がきらきらひかってるよ〜」
アスネ「さあ〜いただきましょ」
パピィ「うん。」
アスネ・パピィ「いただきま〜す」
パクパク
パピィ「ごちちょうちゃま」
アスネ「ごちそうさま」
パピィ「本当に豪華だったね〜」
アスネ「パピィチャンちょっとまっててね。」
パピィ「う・・・うん。」
アスネはムルモのおうちにいく。
ぴんぽ〜〜ん
ミルモ「は〜い。」
ミルモがおどろく。美少女だから・・・。
アスネ「ムルモくんいますか?」
ミルモ「いるぞ〜よんでこようか?」
アスネ「おねがいします。」
ミルモ「お〜いムルモちょっとこい。」
ムルモ「なんでしゅか〜?」
アスネ「ちょっときてください」
ムルモ「はいでしゅ。」
ミルモ「ちっ。ムルモはいいな〜。」
ムルモとアスネはアスネのお城に向かう
アスネ「ここにはいって」
ムルモ「ここってアスネしゃんちじゃないでしゅか〜」
アスネ「うん。」
ムルモ「おじゃましましゅでしゅ〜」
アスネ「どうぞ〜」
ムルモ「ほぇぇぇぇぇぇぇーー」
続きは8話で


■ asuka (12回/2011/10/20(Thu) 18:52:55/No4239)

第8話
ムルモ「ほぇええええええええええええ」
アスネ「・・・?」
パピィはムルモがいることにきづいた。
ムルモ「・・・・パパパ・・・パピィ」
パピィ「ムムム・・・ムルモ」
ムルモとパピィはおどろいている。
アスネ「パピィちゃんもムルモくんいたほうがいいでしょ?」
パピィ「・・・・」
ムルモ「ほえ」
パピィ「ちょ・・・ちょんなことないわよ・・・
誰がムルモと・・・・・なんか・・・」
パピィははっとした。またやってしまったことに・・・。
ムルモ「ムカッなんなんでしゅか〜
ぼくだってうれしくないでしゅ〜」
パピィ「なによ〜」
ムルモ「パピィのバカ〜」
パピィ「ムルモのばか〜」
ムルモとパピィは喧嘩をはじめた。
アスネ「はあ〜〜・・せっかくチャンスあげたのに・・・」
アスネはあきれたといおもったが・・・。
しかし・・・・・・・。
アスネは楽器をだした。
ポン
アスネ「アスネでポン」
しゅ〜〜〜う
突然ひかりだした。
ムルモ「(なんだか心が落ち着くでしゅ〜)」
パピィ「(なんかちらないけどおちつくわ〜)」
ムルモとパピィのケンカがおさまった。
アスネ「ほっ」
ムルモ「パ・・・パピィ・・・・」
パピィ「な〜〜に?」
ムルモ「さ・・・さっきは・・・・」
パピィ「???」
ムルモ「さっきは・・ごめんでしゅ〜」
パピィ「あ・・あたちのほうこちょ・・・ごめんなたい・・・」
2人は顔をあかくしていった。
アスネ「じゃあ〜ムルモちゃんもここにとまるってことで
けっていしていいね〜」
ムルモ「ほぇえええ〜」
パピィ「あたちは・・・いいけど・・・」
パピィの顔がもっと赤くなる。
アスネ「ムルモくんは?」
ムルモ「ぼくもアスネしゃんのおうちにとまるでしゅ〜」
アスネ「じゃ〜きまりね〜」
ムルモのきょうアスネのおうちにとまることになった。
アスネ「じゃ〜ムルモくんの部屋は・・・」
ムルモ「ほぇ?お部屋までかりてもいいんでしゅか〜」
アスネ「いいわよ。パピィちゃんにもかしたし・・・」
ムルモ「本当でしゅか?パピィ・・・」
パピィ「そうよ。」
アスネはパピィのほうへ向く・・・・。
パピィ「???」
アスネ「じゃ〜ムルモくんの部屋はパピィチャンの部屋のとなりね〜」
パピィ「えっ?」
ムルモ「ほぇぇぇぇぇええええ」
アスネ「だめ?」
ムルモ「だめじゃないでしゅよ。」
アスネ「じゃ〜きまり〜
じゃ〜レッツゴ〜」
アスネはムルモの部屋を案内した。
ムルモ「ほぇぇぇえええ〜〜〜」
そこにはもっと豪華な部屋がありました。
パピィ「アたちの部屋より豪華だわ」
ムルモ「いいんでしゅか〜こんな豪華部屋つかっても〜〜」
アスネ「もちろんいいわよ。」
ムルモ「ありがとうでしゅ〜」
パピィ「・・・・。」
ムルモは豪華部屋をみてよろこんでいる。
パピィ「あたちもこんなおかねもちだったら・・・。
よかったのにな〜〜」
パピィは少し落ち込んだ。
アスネ「どうしたのパピィちゃん?」
パピィ「なっ・・・なんでもないわよ」
アスネ「そう・・・・」
アスネは考えた。
アスネ「そっそうだ。」
つづきは9話で・・・。


■ asuka (13回/2011/10/20(Thu) 20:54:12/No4240)

第9話
アスネ「一緒にあそばない?」
ムルモ「いいでしゅよ」
パピィ「いいわよ」
アスネ「じゃあ〜かくれんぼしよ〜」
ムルモ「じゃ〜だれがおにやるんんでしゅか?」
アスネ「そうね〜」
アスネはかんがえた。
アスネ「じゃ〜あたしおにでいいよ」
ムルモ「そうでしゅか〜」
パピィ「わかったわ」
アスネ「じゃ〜かくれて〜」
ムルモ・パピィ「は〜〜〜い」
ムルモとパピィはかくれるばしょをさがす
アスネ「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10、
25,26,27,28,29,30・・・もういいかい?」
ムルモ「いいでしゅよ〜」
パピィ「いいわよ」
アスネ「じゃ〜さがしにいこっと〜」
アスネはムルモとパピィをさがしにいきます
ムルモ「はやくみつけてほしいでしゅ〜」
パピィ「まだかな〜」
アスネ「アッムルモちゃんみっけ〜」
ムルモ「あはっみつかちゃったでしゅ〜」
アスネ「次はパピィちゃんね」
アスネはパピィをさがす。
アスネ「アッあそこにパピィチャン・・・・・
パピィちゃんみっけ〜〜」
パピィ「みつかちゃったわ」
アスネ「それじゃ〜おうちに入って」
ムルモ・パピィ「は〜い(でしゅ)」
みんなおうちのなかにはいる
アスネ「ふふふ・・・まっててね
ムルモちゃん・・・パピィちゃん。」
アスネは何やら考えているようです。
アスネ「メイドちょっときて。」
メイド「なんでしょ〜おじょうさま。」
アスネ「あのねーーーーー」
つづきは10話で・・・・。


■ asuka (14回/2011/10/20(Thu) 21:26:31/No4241)

第10話
メイド「なるほど…・肝試しをしてムルモ様とパピィ様をくっつける・・
というわけですね。」
アスネ「そうよ・・・。今すぐお願い」
メイド「かしこまりました・・・・。」
アスネ「じゃ〜ムルモくんたちにつたえとくわね〜」
メイド「おねがいします。」
アスネがいく・・・。
メイド「さてと・・・。」
メイド「変身〜」
ぱああああああああん
メラモ「へんしんかんりょ〜」
メラモ「メラモでポン」
ぱああああん
一気に肝試し風にかわっていく・・・・。
そしてかんぺきになった。
アスネ「今から肝試しやるからこっちにきてくれる〜」
ムルモ「はいでしゅ〜」
パピィ「いいわよ」
アスネ「こっちこっち〜」
アスネはうれしそうに二人を案内する・・・。
アスネ「ここよ」
ムルモ「ほえぇぇぇえええ」
パピィ「すっごいリアル感あるわね〜」
アスネ「そうよ。このときのためによういさせたんだから〜」
ムルモ「そうなんでしゅか〜」
パピィ「でも、3人じゃつまらないじゃない〜」
アスネ「それもそうね〜・・・」
アスネ「じゃ〜さがしてくるからここでまっててね〜」
ムルモ「はいでしゅ」
パピィ「わかったわ〜」
アスネはさっていく・・・。
ムルモとパピィは二人きりになった・・・。
ムルモ「どうしましゅか?」
パピィ「そうね〜ここにすわってまってよっか。」
なぜか二人の顔は真っ赤になっていた。
アスネ「ミルモく〜〜〜ん^^」
ミルモ「アスネじゃね〜かどうしたんだ?」
アスネ「ついてきてくれる?」
ミルモ「おぅ。いいぞ。」
アスネ「じゃ〜きて」
ミルモ「おぅ。」
ピンポ〜〜ん
リルム「は〜〜〜いなんですか〜」
アスネ「はじめましてアスネです・・・。」
リルム「まぁかわいらしいですわ〜。
あっわたくしはリルムといいますわ〜」
アスネ「しってるよ」
リルム「えっ?」
アスネ「だって〜ミルモくんの婚約者でしょ?」
リルム「よくしってらっしゃいますわね〜」
アスネ「それくらいしってるよ」
リルム「で、なんのようですか?」
アスネ「あっそれはね〜。とりあえずついてきて〜」
リルム「はいですわ〜」
ミルモ「ちっなんでリルムもついてくんだよ・・・」
リルム「ミルモ様の・・・」
ミルモ「やべっ・・・・・・・にげろ〜・・」
ミルモは逃げる
リルム「ミルモさま〜おまちなさ〜〜い」
リルムはミルモをおいかける。
アスネ「まさか…リルムちゃんはミルモくんのこと・・・・」
つづきは11話で・・・。


■ asuka (15回/2011/10/20(Thu) 22:01:25/No4242)

第11話
アスネ「リルムチャンは…ミルモくんのこと・・・すき?」
リルム「ミルモさま〜おまちなさ〜い」
ミルモ「ぎょえぇぇぇぇx」
ミルモは必死になってにげる。
アスネ「ミルモく〜〜ん。リルムちゃ〜んそろそろいくよ〜」
ミルモ「おぅ」
リルム「そうですわね・・・。」
アスネ「ここよ・・。」
ミルモ「おぅ〜〜〜でけぇ〜〜。
おれんちよりすっげ〜でけ^」
リルム「ほんとうですわね〜」
アスネ「それよりちょっとまっててね」
ミルモ・リルム「おぅ(はい)」
アスネがムルモたちをよびにいく。
ムルモ「アッアスネしゃんでしゅ〜」
パピィ「本当だわ〜」
アスネ「こっちきて〜」
ムルモ・パピィ「はいでしゅ(わかったわ〜)」
アスネ「おまたせ〜ミルモくん。リルムちゃん。」
ミルモ「ムルモとパピィおまえらもいたのか?」
ムルモ「そうでしゅよ」
パピィ「きょうアスネたんのおうちにとまるの」
リルム「へぇ〜そうなんですか〜」
ミルモ「いつのまにそんなことが・・・。」
アスネ「ではくじをひいいてね」
アスネ以外くじを引く
パッ
ムルモ「星マークでしゅ」
ミルモ「俺はハートだぜ・・。」
パピィ「あたちは・・・星マーク」
リルム「ハートマークですわ〜」
アスネ「これでチームがきまったわね」
ムルモ「僕はパピィとで・・・」
リルム「私はミルモ様とですわ〜」
ミルモ「ちっめんどくせぇ〜な〜」
リルム「なんですって〜〜」
ミルモ「またかよ・・・」
ミルモはにげようとする・・・しかし・・・。
アスネ「アスネでポン」
ぱあああああん
リルム「あらっ心がおちつきますわ〜」
ミルモ「アスネお前すごいな〜おかげでたすかったぜ・・。」
アスネ「そう。」
パピィ「それよりだれからいくの〜」
アスネ「ムルモくんとパピィちゃんからよ」
ムルモ「ほぇぇぇぇぇ・・ボ僕からでしゅか〜」
アスネ「うん」
パピィ「じゃ〜ムルモいくわよ」
ムルモ「はいでしゅ」
二人とも顔が赤くなりました。
ムルモ「くらいでしゅね〜パピィ〜」
パピィ「そっそうね・・・」
くらいみちを二人っきりであるく・・・。しかし・・・
???「ばあばばばばああああ」
パピィ「きゃあああああ」
パピィはムルモにだきつく。
ムルモ「ほぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇ」
顔がリンゴよりも真っ赤になるムルモ。
パピィはきがついた。ムルモにだきついていることを・・・。
パピィ「ご・・・・ごめんなちゃい・・・。」
パピィもリンゴよりも真っ赤になる。
ムルモ「いいでしゅよ・・・それよりいきましゅよ。」
パピィ「う・・・・うん」
二人とも真っ赤になって歩く二人・・・。
???「ばあああああ」
パピィ「きゃああああ」
パピィが知らない人にさらわれる
ムルモ「なにしゅるんでしゅか〜パピィに・・・」
???「何ってさらってるだけだけど・・・」
ムルモ「パ・・・パピィを・・・・・。」
ムルモ「パピィをかえせでしゅ〜」
パピィ「ムッムルモ〜」
???「そうかひとつお前にしつもんする」
ムルモ「なんでしゅか」
???「おまえはおまえの人気かパピィどっちをえらぶ?」
ムルモ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
???「お前の人気なんだな・・・・ならば・・こいつを・・・」
ムルモ「まつでしゅ〜大事なのはパピィにきまってるじゃ〜ないでしゅか」
ムルモはかおを真っ赤にしていった。
???「そうか・・・・。」
ぱああああああん。
そのひかりとともにふしぎなひとはきえた。
ムルモ「パッパピィ。だいじょうぶでしゅか〜」
パピィ「ムッムルモ・・。あんたが人気より・・・
あたちをえらぶなんて〜」
ムルモ「あたりまえでしゅよ〜」
パピィ「あっいた。」
ムルモ「ぱっぱぴぃ?」
続きは12話で・・・。


■ asuka (16回/2011/10/21(Fri) 17:52:35/No4243)

第12話
ムルモ「パ。。パピィ・・・けがしてるじゃないでしゅか〜」
パピィ「コ・・このくらい平気よ・・」
ムルモ「駄目でしゅ。ちゃんとてあてしないと・・・。」
パピィ「・・・・・?」
ムルモは急いで魔法でだした。
ムルモ「ちょっとしみるでしゅけど我慢するんでしゅよ」
ムルモはパピィの足を消毒した。
パピィ「しっしみる〜」
ムルモ「もうちょっとでしゅから我慢してくだしゃい。」
パピィ「うん。(ムルモはあたちのために・・・)」
パピィは急にあかくなった。
ムルモはばんそうこうをはる。
ムルモ「終わったデしゅよ…。パピィ」
パピィ「あっ…ありがとう…ムルモ・・・」
パピィは顔をもっと赤くしていった。
ムルモも顔を赤くしていった。
ムルモ「いいんでしゅよ・・・べつに・・・」
しばらく二人はだまった。
パピィ「あっそういえばあたちたち肝試しやっているんんだった〜」
ムルモ「でっでもその足であるけるでしゅか〜」
パピィ「あっあるけるわよ」
ムルモ「じゃ〜ゴールめざしていきましゅよ」
パピィ「うん。」
パピィはムルモといい感じになれてアスネに感謝してあるいてるのだった。
ちなみにムルモもうれしいのであった。
パピィ「ムルモ〜〜まってよ〜」
パピィは足をおさえながらはしってくる。
ムルモ「やっぱりぼくがおんぶしてやるでしゅ。」
ムルモは顔を真っ赤にしていった。
パピィ「いいの?」
ムルモ「いいでしゅよ。さああがってでしゅ。」
パピィ「うっ・・・・うん・・・」
パピィはゆっくりのります。
ムルモ「さあしっかりつかまってくだしゃいね」
パピィ「わかったわ」
ムルモはパピィをおんぶしながらあるく・・・。
ムルモ「(アスネしゃんのおかげでパピィとでも
素直になれたでしゅ〜。アスネしゃんに感謝でしゅ〜」
パピィ「(アスネたんって本当にすごいわね・・・。)」
しばらくあるいていると・・・。
ムルモ「あっアスネしゃんたちでしゅ〜」
パピィ「本当だわ・・・。あっもうおろしていいわよ・・・。」
ムルモ「わかったでしゅ。」
ムルモはゆっくりパピィをゆっくりおろした。
パピィ「さ〜いくわよ」
ムルモ「はいでしゅ〜」
ムルモとパピィは走ってアスネのところにむかう。
ムルモ「アスネしゃん〜。おにいたま〜。リルムしゃん〜。」
パピィ「アスネたん。ミルモたん。リルムたん〜」
アスネ・ミルモ・リルムは気づく
アスネ「おそかったわね・・・。」
リルム「おかえりですわ〜」
ミルモ「まさか・・・パピィとなんかあったのか〜」
ミルモはからかっていう。
ムルモとパピィは顔を真っ赤になる・・。
ミルモ「図星だな〜」
ムルモ「ち・・・・ちがいましゅよ・・・。
だれがパピィなんかと・・・・。」
パピィ「そっそうよ・・・誰がムルモなんかと・・・」
ミルモ「・・・。素直じゃね〜な〜」
リルム「そうですわね〜」
アスネ「まっそんな簡単にはいいたくないものだからね〜」
ムルモ「だっ・・・誰が素直じゃないでしゅって〜
ぼくはいつもすなおでしゅ〜」
パピィ「ムルモはともかく・・。あたちはすなおよ。」
ムルモ「なんでしゅって〜パピィ。ぼくが素直で
パピィが素直じゃないんでしゅよ〜」
パピィ「なんですって〜」
ムルモ「やるんでしゅか〜」
パピィ「やるにきまってんでちょ〜」
ムルモ「うけてたでしゅ〜」
パピィ「まけないわよ〜」
ムルモ「ぼくだって〜」
ムルモとパピィの喧嘩がはじまった・・・。
ミルモ「やっぱりすなおじゃね〜じゃね〜か〜」
ミルモは小声でいった。
アスネ「まっ今回は魔法がなくてもいっか〜」
リルム「そうですわね。あんまり魔法じゃいみありませんもんね。」
アスネ「ええ。」
ミルモ「そうだな」
アスネ「では、ミルモくんとリルムさんはきもだめしにいってきてください」
リルム「はいですわ〜」
ミルモ「おぅ・・・。」
ミルモとリルムは肝試しにいった。
ひゅう〜〜〜〜(風の音)
ミルモ「さっさむ〜〜〜〜い。」
ミルモはぶるぶるふるえています。
リルムはとつぜんミルモにだきついた。
ミルモ「???」
リルム「これで安心ですね〜」
ミルモ「どっ・・・どこが?」
リルム「とりあえずいきましょ〜」
ミルモ「お・・・・おぅ〜」
15分後・・・。
ミルモ「リルムちょっとは、はなれろよ〜」
リルム「いいじゃありませんか〜」
ミルモ「暑いんだよ〜」
リルム「そうですか〜」
リルムはミルモをだきつくのをやめた。
ミルモ「あっチョコチョコ。」
ミルモはダッシュでチョコのもとにいく。」
リルム「ミルモさま〜おまちになって〜」
ミルモ「うんめ〜〜。やっぱチョコは最高だぜ〜」
リルム「シュークリームは最高ですわ〜」
ミルモはチョコをたくさんたべている。
リルムはシュークリームをたくさんたべている。
ミルモ「うまかったぜ〜」
リルム「ですわね。」
ミルモ「そろそろいくか?」
リルム「はいですわ〜」
ミルモとリルムはゴールにむかった。
そこにはムルモとパピィが喧嘩しているのがみえた。
ムルモ「パピィのあほー」
パピィ「ムルモのばかー」
ミルモ「まだやってるよ〜」
ミルモはあきれてみていた。
アスネ「しょうがないわね〜。
ムルモくん〜パピィちゃん〜。夜ごはんのじかんだよ〜」
ムルモ「は〜いでしゅ〜」
パピィ「わかったわ〜」
ムルモとパピィはこっちにきた。
アスネ「それではみなさんおうちへはいってください。」
ミルモ「おぅ。」
リルム「おじゃましますわ〜」
ムルモ「は〜いでしゅ。」
パピィ「は〜い」
みんなアスネのおうちにはいる。
ミルモ「おれの城より何百倍のでけ〜」
リルム「そうですわね。」
アスネ「あっそういえばミルモくんとリルムちゃんはここにとまるの?」
リルム「でっでも・・・。いいんですか?」
ミルモ「いいのか?」
アスネ「もちろんいいですよ。」
ミルモ「んじゃ〜とまる〜」
リルム「わたくしもとまりますわ〜」
アスネ「じゃ〜きまりね〜
続きは13話で・・・。





■ asuka (17回/2011/10/21(Fri) 19:55:43/No4245)

第13話
アスネ「じゃ〜ミルモくんはここで、
リルムちゃんはミルモくんのとなりのへやね〜」
ミルモ「おぅ。」
リルム「わかりましたわ〜」
ミルモ「それにしてもすっごくひろいし〜豪華だな〜」
リルム「確かにそうですわね〜」
ムルモ「ちっ。なんでおにいたまのほうがぼくよりひろいんでしゅか〜」
ムルモはせなかをむけていった。
アスネ「じゃ〜ごはんたべにしたにおりましょ〜」
ムルモ「はいでしゅ」
パピィ「wかったわ」
ミルモ「おぅ。」
リルム「わかりましたわ〜」
みんなごはんたべるところにいった。
アスネ「ここよ」
ミルモ「すっげ〜おれんちも豪華だけどもっと豪華だぜ。」
ムルモ「でしゅね〜」
リルム「こんな料理あったんですね〜」
パピィ「ほんとね〜」
アスネ「ではいただきましょ。」
ミルモ「はやくはやく〜くいて〜」
ムルモ「ぼくも早くたべたいでしゅ〜」
パピィ「あたちも」
リルム「わたくしも」
アスネ「では、せ〜ので。」
みんな「いただきま〜す」
パクパクパクパク

みんな「ごちそうさまでした〜」
アスネ「どうだった?」
ミルモ「すんげ〜うまかったぜ。」
ムルモ「でしゅ。」
リルム「ですわ〜」
パピィ「おいちかったわよ。」
アスネ「よかった。」
ミルモ「なんかしてあそばないか?」
アスネ「いいアイディアね。ミルモくん。」
ミルモは顔が少し赤くなった。
ぽわ〜〜ん
ミルモ「そんなことないぜ。」
ミルモは照れながら答えた。
リルム「ではなにしてあそぶんですの〜」
アスネ「そうね〜」
パピィ「だったらこのゲームやらない?」
アスネ「いいね。さっそくやりましょ〜」
みんな「は〜〜い」
ムルモ「でも、ふつうじゃつまらないでしゅよ」
アスネ「じゃあこんな時こそ魔法よ」
ミンナ「えっ?」
アスネ「アスネでポン」
ぱああああああん
突然ゲームの世界に入った。
ムルモ「ほぇぇぇぇぇぇ」
ミルモ「なんでゲームの世界にいるんだ?」
パピィ「ちょうね」
リルム「もしかしたらアスネさんの魔法じゃないかしら?」
アスネ「そのとおりよ。ここはゲームの世界。だからクリアするまで
ここからでられないいよ。」
ムルモ「ほぇぇぇぇぇぇ」
ミルモ「なんだって〜〜」
パピィ「ちょんな〜」
リルム「私お話しりませんわ〜」
アスネ「大丈夫パピィチャンがいるんんだから〜」
みんなはパピィのほうをみた。
じいーーーーーーーーーーー。
パピィ「なっなに〜〜〜〜。」
ムルモ「じゃ〜パピィお話いろいろおしえてくだしゃいね〜。」
ミルモ「教えてくれよパピィ。」
リルム「おしえてくださいませ〜」
パピィ「ええええぇぇぇっぇぇぇx−」
続きは14話で・・・。


■ asuka (18回/2011/10/21(Fri) 20:24:48/No4246)

第14話
パピィ「あたちーーーーー」
ムルモ「だってーぼくたちこのおはなししらないでしゅよ」
ミルモ「おれもしらないぜ。」
リルム「わたくしだって〜しりませんわ〜」
パピィ「ちょれもちょうね。あたちがおちえるわ。」
ミルモ「サンキューなパピィ」
ムルモ「まっとうぜんのことでしゅね〜。」
リルム「ありがとうございます。パピィさん。」
パピィ「あの話告白シーンとかあるけど・・・。」
みんな「ええええぇぇぇぇぇぇぇ」
ムルモ「ということはだれかが告白するってことでしゅか〜」
ミルモ「おれはいやだぜ。」
リルム「わたくしはミルモ様だったらいいですわよ〜」
ミルモ「おれはリルムとなんてごめんだぜ。」
リルム「なんですって〜」
ミルモ「ぎくっ。」
リルム「ミルモ様の・・・・。」
ミルモ「やばっ・・・・・にげろ〜^」
リルモ「ばかあ〜〜〜〜〜」
ミルモ「おいつか・・・・れ・・・る」
リルム「おまちなさ〜〜〜い」
ムルモ「おにいたまたち喧嘩はやめるでしゅ。」
パピィ「ちょうよ。やめなたい。」
ミルモ「うっ。」
リルム「わかりましたわ〜」
ムルモ「まっとりあえずやりましゅよ〜」
パピィ「ちょうね。いちかばちかにやってもお話がかわるだけだし
大丈夫よね」
ミルモ「なら、告白シーンもかえちゃえばいいんじゃないか?」
パピィ「ちょんなにかえたらおはなしがバラバラになっちゃうよ。」
ムルモ「そうでしゅね。ともかく開始するでしゅ。」
リルム「では私が。123・・スターと・・・」
ゲームが開始した。
パピィ「あれっ?あたちかわいい服きてる」
ムルモ「ほぇぇ。服がかわってるでしゅ〜」
ミルモ「なんにもかわってないな〜」
リルム「ですわね〜」
じつはみためはかわってないけどちょびっとなにかがかわっているので
あった。
パピィ「あっもちかちて・・・。あたちが主役?」
ムルモ「ほぇ?パピィが主役?ありえないでしゅ。
パピィが主役じゃなくて僕でしゅ。」
パピィ「証拠あるの?」
ムルモ「ないでしゅけど・・・。」
パピィ「じゃ〜いわないでほちいわ。」
ムルモ「ごめんでしゅ・・・・。」
パピィ「えっ・・・。わ・・わかればいいのよ。わかれば・・・・。」
ムルモ「それよりこの後どうなるんでしゅかね〜」
パピィ「たちかおとうたんとおかあたんが来てお話するところかな・・・?」
ムルモ「あっきたでしゅ〜」
マルモ「お〜〜いムルモ〜」
ムルモ「(あれ?お話の名前じゃないでしゅね・・・・。まあいいでしゅ)
おとうたま〜なんでしゅか〜」
マルモ「じつはお前の婚約者がきまったぞ〜。
ばあん。
ひゅう〜〜〜〜〜〜
ぱああああああああん
あすね「きがついた?」
ムルモ「あれ?元の世界にもどってるでしゅ〜」
パピィ「本当だわ〜なんで?」
ミルモ「おわるまでもどれないんじゃなかったのか?」
リルム「私はあの続きたのしみでしたのよ〜」
アスネ「じつはね・・・・・・・・」
つづきは15話で・・・。


■ asuka (19回/2011/10/21(Fri) 21:01:59/No4247)

第15話を描いてみたい人はいますか〜?
しめきりは23日までで〜す。そのあいだにわたしは、新小説を
かきます。できれば私の小説の続きに他のお方にやってもらえると、もっとおもしろくなるとおもいます。だからできたら、参加おねがいしま〜す。
やるんだったらお返事おねがいしま〜す。


■ asuka (20回/2011/10/23(Sun) 19:41:17/No4253)

第15話
アスネ「実はあの先はページがやぶれていてよみとれなかったの。」
ムルモ「そっそうなんでしゅか〜」
パピィ「いいところだったのに〜。ちょれに
あたちのときはやぶれいぇいなかったわよ。」
ミルモ「じゃ〜だれがやぶったんだ?」
リルム「まあまあ。とりあえずもとの世界にもどってこれたから
いいじゃありませんか〜」
ムルモ「それもそうでしゅね。」
パピィ「たっ・・・たしかに・・・」
ミルモ「確かに告白しなずにすんでよかったぜ〜」
リルム「それってどういう意味ですの〜」
ミルモ「だから〜お前に告白しなくてせいせいしたってことだ。」
リルム「みっ・・・・ミルモ様の・・・」
リルムは怒りが爆発した。
ミルモ「やっやべ〜〜」
ミルモは必死ににげた。
しかし・・・・・・・・・・。
リルム「ミルモ様おまちなさ〜〜〜〜い。」
ミルモ「ぎょえ〜〜〜〜〜〜」
リルムはミルモにおいついた。
ミルモは顔が真っ青になった。
リルム「ミルモ様の・・・・・バカ〜」
リルムはミルモをなぐろうとする。・・・しかし・・・・
アスネ「危ない」
アスネは楽器をだした。
アスネ「アスネでポン」
アスネの魔法でリルムのパンチをなかったことにした。
リルム「あれ?おかしいですわ〜」
ミルモ「たっ・・たすかったぜ〜」
ミルモはほっとした。
リルム「あっそうですわ〜ミルモ様〜きょうデートしてくださいませ〜」
ミルモ「やだこった〜」
リルム「なんですって〜〜」
リルムはまたぶとうとするが、ミルモにはあたらない。
ミルモ「よかったぜ。」
リルムはおちこんだ
リルム「ミルモ様ちょっときてくださいませ・・・」
ミルモ「?。なんなんだあ?」
リルム「おねがいします。大事な話があるんです。」
リルムは泣きそうな顔でいう。
ミルモ「・・・・わかったよ・・・」
リルム「本当ですか?ではこちらにきてください。」
ミルモ「おっ・・・おう・・・」
ミルモはリルムと一緒に違う部屋にいきます。
アスネ「なんのはなしだろうね。」
ムルモ「そうでしゅね〜。」
パピィ「たとえばリルムたんがミルモたんに告白するんじゃないかちら?」
アスネ「でも、それはみんなのまえでも普通にいってるじゃない?」
ムルモ「そうでしゅね〜」
パピィ「じゃ〜なんだろう」
アスネ「やっぱり気にしないようにしましょ〜」
ムルモ「それもそうでしゅね。」
パピィ「ちょうね。」
アスネ「じゃ〜ちょっとようじがあるから〜」
アスネはどこかにいった。
ムルモ「どうしましゅか?パピィ?」
ムルモは顔を少しあかくしていった。
パピィ「ちょうね〜とりあえずアスネたんについていきまちょ」
パピィも少し顔を赤くしていった。
ムルモ「ちょうどぼくも気になってたんでしゅ〜」
パピィ「じゃ〜いきまちょ〜」
ムルモとパピィはこっそりついていった。
アスネは・・・・・。
アスネ「(ミルモくんとリルムちゃんも様子をみせて)」
ぱああああん
アスネ「あっなるほど・・・・そういうわけか〜」
ムルモとパピィは・・・・。
ムルモ「水晶玉がひかってるでしゅ〜」
パピィ「でもなにかうつってるけどみえない〜」
ムルモ「そうでしゅね〜」
パピィ「どうちよう・・・」
ミルモとリルムは・・・・。
ミルモ「なんだよ〜ここによびだして〜」
リルム「ミルモ様は私のことどう思ってるんですか?」
ミルモ「えっ?」
続きは16話で・・・。


■ asuka (21回/2011/10/23(Sun) 20:06:49/No4254)

第16話
ミルモ「なんでそんなこときくのか?」
リルム「そんなことよりこたえてください。」
ミルモ「えっ?」
ミルモは顔があかくなった。
ミルモ「それは・・・・・・・。」
リルムはどきどきしている。
ミルモ「おれは・・・リルムのこと・・・・。」
ミルモはもっと顔が赤くなる
ミルモ「リルムのことが・・・す・・・」
ミルモはもっと顔が赤くなる・・・
ミルモ「リルムのことが・・・・普通だ。」
ミルモは素直に好きってリルムにけっきょくいえなかった。
リルム「でも、きらいじゃないんですわね。」
ミルモ「ああ・・・・。」
リルム「じゃあ〜ツツジ先生と私どちらがいいですか?」
ミルモ「そりゃ〜もちろんツツジ先生だな〜」
リルム「えっ?そうしてですか?」
ミルモ「だってリルムはツツジ先生と違ってかわいくねえじゃん」
ミルモは冗談のつもりでいった。
リルム「えっ?・・ミルモ様の・・・・」
ミルモ「やべっ。」
リルム「バカ〜」
リルムははしってなきながらさっていった。
ミルモ「おいっ・・・。リルム・・・・。」
ミルモはおちこんだ・・・。
ミルモ「あれは冗談なのに・・・。」
そのころリルムは・・・・。
リルム「ひっくひっく・・・ひっく・・ひっく・・・」
リルムは泣いている
ミルモ「お〜〜いリルム〜どこにいるんだ〜」
リルム「えっ?この声はミルモ様?」
ミルモ「どこいったんだよ。リルムは・・・。」
ミルモははしりながらリルムをさがしています。
アスネは・・・。
アスネ「なんだ。ミルモくん・・・。あ〜なんだ。」
ムルモ「どうやらアスネたんはおにいたまの様子を
みているらしいでしゅね〜」
パピィ「そうね〜」
ムルモ「でも〜おにいたまがあ〜なんだ。なんていっていましたでしゅね
なんかにおうでしゅ。」
パピィ「ちょうね。」
ムルモ「この後もアスネしゃんをみはるでしゅ。」
パピィ「ちょうね。」
アスネ「ミルモくんってやさしいんだね〜」
ムルモ「えっ?あのおにいたまが優しいでしゅって〜
  もしかしてリルムしゃんだけにでしゅか?」
アスネ「あんなに一生懸命にリルムちゃんをさがすなんて・・・」
ムルモ「えっ?リルムしゃんと一緒じゃなかったんでしゅか〜」
パピィ「ねぇ〜ムルモ。」
ムルモ「なんでしゅか?」
パピィ「あたちこうおもうんだけど・・・。」
ムルモ「なんでしゅか?」
パピィ「ちょれはね〜」
続きは17話で・・・。


■ asuka (22回/2011/10/23(Sun) 20:37:32/No4255)

第17話
パピィ「ミルモたんってリルムたんのことがすきなんじゃないかちら?」
ムルモ「ぼくもそうおもっていたでしゅ。」
パピィ「ムルモも・・・。?」
ムルモ「はいでしゅ。」
パピィ「アスネたんはミルモたんの気持ちとかwかるのかちら?」
ムルモ「そこまではわからないとおもいましゅよ。」
パピィ「そうだよね〜。」
ムルモ「でもわかればいいんでしゅけどね〜」
パピィ「ちょうね。いつもアドバイスとかもらってるし・・・」
ムルモ「なんのでしゅか?」
パピィ「えっ?」
パピィは顔が赤くなった。
パピィ「ちょれは・・・・。」
ムルモ「なんでしゅか?」
パピィ「勉強のことよ。」
ムルモ「それなら僕のほうが頭いいでしゅよ。」
パピィ「ミルモたんは優しくおしえてくれたんだもん。」
ムルモ「それって僕は優しくないってことでしゅか〜」
パピィ「ちょうよ。」
ムルモ「なんでしゅって〜」
パピィ「なによ〜」
ムルモとパピィは喧嘩をはじめた。
ミルモたちは・・・・。
ミルモ「リルム〜どこにいるんだ〜」
影があるところをミルモはみつけた。
ミルモ「リッリルム。こんなところにいたのか?」
リルム「みっミルモ様。」
ミルモ「さあいくぞ〜」
リルム「あの、ミルモ様。ごめんなさいですわ〜」
ミルモ「おれもわるかったな。」
リルム「私はミルモ様にかわいいっていわれるように
   がんばりますわ〜」
ミルモ「えっ?あれは冗談にきまって・・・。」
リルム「いきますわよ〜ミルモ様〜」
ミルモ「おっおう・・・。」
ミルモ「かわいいにきまってるじゃん・・・。」
ミルモはぼそっといった。
アスネ「あっいいわね〜」
ムルモ「えっ?」
パピィ「なにが?」
ムルモとパピィのけんかがとまった。
アスネ「そろそろいこっと・・。」
アスネはムルモたちがいることにきづいた。
ムルモ・パピィ「あっ?(でしゅ)」
アスネ「きいてたのね〜」
ムルモ「あはっ。」
パピィ「きいてないわよ〜」
アスネ「いいのよ。うそつかなくて〜」
ムルモ「じつは少しきいてしまったでしゅ〜」
パピィ「あたちも。」
アスネ「そう。」
ミルモとリルムがこちらにきた。
アスネ「あっミルモくん。リルムちゃん。お話おわったの?」
ミルモ「ああ。」
リルム「おわりましたわ〜」
アスネ「じゃ〜もうみんなはもう帰る時間だね・・・・。」
ムルモ「あっもうこんなじかんでしゅ。(パピィとのデートが。)」
パピィ「あっ。(ムルモとのデートが。)」
ミルモ「あっおふくろにおこられる〜」
リルム「私きょうミルモ様のおうちにとまりますわ〜」
ミルモ「そういえばおふくろがいっていたな。」
リルム「よくおぼえてらっしゃいますわね〜」
ミルモ「まあな。」
アスネ以外のみんな「バイバ〜い」
アスネ以外かえっていった。
アスネ「いいわね。きょうだいがいて・・・。」
アスネはそういったらおうちの中にはいった。
ムルモとパピィは・・・。
ムルモ「はやくしないと・・でしゅ。」
パピィ「はやくしなきゃ。」
パピィのほうがはやくついた。
ムルモ「おまたせでしゅ〜」
パピィ「おそ〜い。」
ムルモ「ごッごめんでしゅ。」
パピィ「ちょれよりムルモにいいたいことがあるの。」
ムルモ「なんでしゅか?」
パピィ「ちょれは・・・・・・・」
続きは18話で・・・。


■ asuka (23回/2011/10/23(Sun) 21:03:42/No4256)

18話(最終回)
パピィ「ちょれは・・ムルモのこと・・・」
パピィは顔が真っ赤になった。
ムルモ「???」
パピィ「あたちまえから・・ムルモのこと・・すす・・・」
ムルモ「・・・・・。」
パピィ「ムルモのことが・・すき・・・。」
パピィはりんごのように顔を真っ赤になった。
ムルモ「えっ?(パピィモ僕もことすきだったんでしゅか?)」
パピィ「(やっといえたわ)」
ムルモ「僕も・・・パピィのことすす・・すきでしゅよ・・・」
パピィ「えっ?(ムルモもあたちのこと・・・)」
ムルモ「・・・・・・。」
パピィ「うん。」
ムルモとパピィは嬉しそう顔をしながらばいばいした。
アスネ「あっやっと両思いになったのね。さっそくしらせなきゃ。」
ピピピ
ミルモ「なんだ?アスネからじゃないか?なにない・・・」
えぇぇぇぇえええええええええええええええええええええ
ミルモはすごくおどろいた。
リルム「どうしたんですの?ミルモ様?」
ミルモ「ムルモとパピィが両思いになったらしい。」
リルム「えええええええええええ」
ミルモ「だろ?おどろくだろ?あの二人素直じゃないのに・・・」
リルム「ええ。それしてもおねでとうございますわ〜。」
リルムはパピィとムルモにメールした。
ぴぴぴぴ

ムルモ「リルムしゃんからでしゅ。なになに・・」
パピィ「アッリルムたんからだわ。なになに・・・。」
ムルモ「ほぇぇぇええええええええええ」
ムルモはびっくりした。
ムルモ「なんでリルムしゃんがしっているんでしゅか?」
ムルモ「リルムしゃんにメールしてみるでしゅ」
ぴぴぴ
リルム「アッムルモ様からですわ〜なになに・・・。」
パピィ「なんでリルムたんがちっているの〜」
パピィ「とりあえずきいてみまちょ。」
ぴぴぴ
リルム「あれ?パピィさんからもメールがきましたわ。」
リルム「えっとまずムルモさまのから・・・」
<なんでリルムしゃんがしっているんでしゅか?>
リルム「それはアスネさんからきいたからですわ〜」
ぴぴぴ
ムルモ「あっリルムしゃんからのお返事でしゅ。なんでしゅか?」
<それはアスネさんからきいたからですわ〜>
ムルモ「アッアスネしゃんが?」
ムルモ「今度はアスネしゃんにメールしてみるでしゅ〜」
ぴぴぴ
アスネ「あれ?メールだわ。」
<アスネしゃんがぼくとパピィの両思いになったこといったんでしゅか?>
アスネ「そうよ。」
ぴぴぴ
ムルモ「アスネしゃんからでしゅ。」
<そうよ>
ムルモ「やっぱりアスネしゃんでしゅか〜」
パピィ「アスネたんだったんだ〜」
アスネ「いっちゃだめだった?」
パピィ「ううん。いいわよべつに・・・。」
アスネ「あと、あしたムルモちゃんたちおしろにいってね。ムルモちゃんの」
パピィ「うっうん・・・。」
アスネ「じゃーまたあしたね〜」
ぶちっ
パピィ「あしたなにかあるのかちら・・・。」
次の日
マルモ「よくきてくれた。ムルモ・パピィ」
ムルモ「ぼくたちになんのごようでしゅか?」
マルモ「あしたムルモたちの婚約しきをひらくからそこんとこよろしく〜」
ムルモ「えっ?」
パピィ「アたちとムルモの?」
マルモ「もちろんじゃ」
ムルモ・パピィ「ええぇええええぇぇぇ」
次の日
婚約しきがおこなわれた。
そして婚約しきがおわった。
ムルモ「パピィ。もうぼくたちこんやくしゃでしゅね。」
パピィ「ちょうね・・・。」
おしまい


■ サファイア (14回/2011/10/24(Mon) 13:06:15/No4258)



asukaさんこんにちわっ♪サファイアです(*^^*)

18話にもおよぶ連載お疲れ様でした!!
15話の時の企画に参加できず申し訳ございませんでした;;自分の小説で精一杯で・・・。
とっても面白かったですよ!!
パピィとムルモが両思いになったのもアスネのおかげですねっ☆
ミルリルの展開も面白かったです〜。
ミルモはリルムのことが好きなのでしょうねwww

新しい小説も楽しみにしてますよ!
でわ^^


■ asuka (24回/2011/10/24(Mon) 16:30:52/No4259)

じゃあ次は、
ミルモとリルムを中心にして
かきますね。
あと、ムル・パピ物語はおわったけど、
それに続くようにしていきたいと思います
サファイアさんの小説楽しみにしていますよ。
それじゃ〜ね〜


■ あすか (1回/2011/10/30(Sun) 14:35:29/No4273)

ひさしぶりに小説を
描いてみようと思います
あと名前がローマ字なので
ひらがなにしますね
そこんところ
よろしくね〜
では。




4120/ Mirumo Story-忍のほこらと封印されし闇-《2》
□投稿者/ ぴこまる -54回-(2011/08/26(Fri) 23:11:51)

前スレが完全に埋まってしまったので新たにスレを建てました。これからも更新頑張りますね^^
ではまず前スレのコメントへの返信をさせて頂きます!

>いっちゃんさん
宿題お疲れ様です^^;そう言えば中学生や高校生は夏休みは大体八月で終わりですものね!!
大学の夏休みは始まりが遅い分九月の末まであったりするのです^^しかしもうすぐ英語の夏季集中講義が
あったりするので私も丸々休める日ってあんまり残ってないんですが><
そうなんです。この二人の兄弟っぽい絡みを書きたかったのですよ!ああ、あみだでこの二人の組み合わせに
なってよかったww ちなみに最初にネズヤシが多くなると報告した当初はもっと別のシーンがあったりしたので
ある意味そのシーンの代わりにもなっているのですが^^;二人で一緒にお風呂で真剣な話したりとか
そんなシーンがこの舞台裏で没になっていますw

そして……思いのほか私がワンシーンワンシーンに割く文章量が多いので、今現在でどれくらいの量が消化
できたのか本人にもわからなくなってきておりますww取りあえずほこらのシーンが終わってちょっとしたら
ミルモたちが登場するのは確定してますが、そのあとも長いので、ミルモたちの登場って全然五分の三じゃ
なかったですねwwもっと早いw
全体的にまだ伏線回収も全く終わっていないし、出てないキャラもいるので完結まではまだまだかかりそう
です。長い目で見てやってくださいね^^;

おっしゃる通りクマリも幻術が使えますがあくまでベースは薬です。生まれ持った幻術のスキルがないことにも
クマリはかなりの劣等感をもっていたので自分なりの工夫をした結果でもあるのです。+αで別の力ももらって
いますが^^;なので今はちょっとチートっぽいことになっていますが、ちゃんと穴もありますよw

いっちゃんさんも忙しいでしょうし、更新はゆっくりで大丈夫と思いますよ^^
でもいっちゃんさんの小説更新も楽しみにしてますw


>こやまるさん
今までイマイチ活躍の場がなかったヤシチにもやっともうすぐ活躍の場が回ってきますw
優しいヤシチは昔仲良しだったクマリを攻撃するだけでも抵抗がありそうですがここで頑張ってもらわないと
男がすたるってもんです!! とりあえずいったんハンゾーたちのターンにまわりますがヤシチの活躍を
待っていてくださいね!!忍術がダメでもヤシチには別のちからがありますもんね^^

過去のエピソードにももちろん触れていくつもりです!! ヤシチやネズミはもちろんサクヤやクマリたちの
ことにもたくさん触れていきますよ^^今から書くのも楽しみですw

サクヤは一番年上だったこともあり、下の子たちの写真たくさん持っていそうですwヤマネだけじゃなくて
ヤシチやネズミの恥ずかしい写真も色々持っていることでしょうww 書いといてなんですが私も見たいです^^;

劣等感を持った子が努力して頑張る姿が私は大好きです^^ これからのヤシチを見守っていて下さい!!

ではでは!!





■ ぴこまる (55回/2011/08/26(Fri) 23:21:23/No4121)

18

 ヤシチたちがクマリと遭遇し窮地に立たされているころ、ハンゾーたちもまた窮地に立たされていた。
二人は今、あらゆる方向から飛んでくる無数の糸から逃げ回っていたのだった。

「うわぁああああああああああああああ、なんなのらぁああああああ!?」
「この糸……一体どこから出てきているのでございますか!?」

 暗闇の中から飛び出してくる糸。糸の先に敵がいるはずなのだが、それらは全て全く違う方向から飛んできている
ので、どの先に敵がいるのか見当もつかない。なので先ほどからなす術もなく、ずっと逃げ回っているだけであった。


「あはっ……”この”小生だと正面からヤマネに勝つのは難しいですからね。姉様は油断して下さるとわかっていたから
よかったものの……。さて、さっさと捕まえましょうか」

 ハンゾーたちからは見えていなかったが、クマリは彼らの上にいた。ほこらの天井近くに糸を張り、そこに
腰かけて糸を操り、ハンゾーたちを攻撃していた。位置がばれないように彼らを直接狙うことはせず、
ハンゾーたちの周りの岩に糸を引っかけて間接的に狙うようにしているのだ。これならば2人には絶対に自分の
位置に気が付かれることなく攻撃が出来る。

「あうっ」

 逃げ回りっぱなしで足が疲れてしまったハンゾーはでこぼこした地面に足を取られ、思い切り転んでしまった。
その隙を逃すはずもなく、すぐさまたくさんの糸が一斉にハンゾーに向かって飛んできた。

「ハンゾー先輩!!!」
「ヤマネ!?」

 ヤマネはハンゾーを強く突き飛ばし、糸の軌道の外に追いやった。しかし、自身は逃げ切ることが出来ず、
向かってきた糸が全身に巻きついてしまった。

「きゃあっ!!!」
「あはっ、一人つっかまえたーのです♪」

 クマリはすぐさまヤマネを締め上げ動きを封じてしまう。ヤマネは逃れようとするが、武器を取り出すことも
出来ない状態ではどうやっても抜け出すことは出来そうになかった。

「ああ! ヤマネが捕まっちゃったのらぁ!! 今助け……!」
「ハンゾー先輩! 逃げてください!! 封印の宝石だけは死守しなければならないでございます!!」

 ハンゾーは助けようと手裏剣を構えるがヤマネはそれを遮り、すぐに逃げるように促した。

 二人ともつかまってしまっては封印の宝石も敵の手に渡ってしまうことになる。それに、自分たちだけではなく
ヤシチたちやサクヤたちも同じように襲われている可能性もあることを考えると、誰かがほこらの外に逃げ延びて
助けを呼べるようにすることが先決なのだった。

「で、でもヤマネは……!!」
「だ、大丈夫でございます……!! 早く逃げ……きゃぁああああああああ!!!」
「ヤマネーーーー!!!」

 糸に強く引っ張られ、ヤマネは暗闇の中に引きずり込まれてしまった。

「と、とにかく兄貴たちと合流しなきゃなのら!!」

 次の糸が飛んでくる前にハンゾーは急いで元来た道を戻って行った。来るときに蝋石でつけていた目印が幸いして
迷うことなく走ることが出来る。ヤマネを助けずに逃げなければならないのはとても心苦しく辛かったが、自分が
戦おうともどうしようもないことはヤマネが捕まった時点でハンゾーにはよくわかっていた。とにかく今は
言われた通りに逃げるしかなかった。


「―――あーあ……逃げちゃったのです。でもヤマネの方は捕まえられたからまぁオッケーですね」

 逃げていくハンゾーを見ながらさして残念そうな様子もなくクマリはつぶやいた。

「さて……”この”小生の仕事はひとまず終わりですかね。後は”あの”小生と本体自身が頑張るだけなのです……。」




■ ぴこまる (56回/2011/08/26(Fri) 23:35:15/No4122)

19

「………一人捕まえましたね。もう一人の緑の子は逃がしてしまったようですがまあいいのです。
使えなさそうならいらないですし」
「!? お、お主、ヤマネたちに何かしたのか!!?」

 緑の子、という言葉からハンゾーとヤマネのペアのことを言っているのだと分かり、サクヤはクマリを
睨みつける。

「ああ、小生の分身たちに捕獲しに行ってもらいました。ヤマネは強敵になるかと踏んでおりましたが
思った以上にあっさり捕まってくれたので助かったのです」
「や、ヤマネに変なことしたら許さないんだぜ!!」

 ヤマネが捕まったなどときいては冷静になることなどできない。サスケはすぐさま手裏剣を構え
クマリに向かって投げるも、クマリは糸で簡単にはじいてしまった。うっとおしそうな目でクマリは
サスケの方を見やる。サスケはビクリと肩を震わせた。

「おやおや、元気のいいことで……大丈夫ですよ。まだ捕まえて眠らせているだけですし」
「そういうことじゃない!! ヤマネを返すのだクマリ!!」
「姉様も捕まっていらっしゃるのになーにを言っているのですか?」 
「くっ……」

 サクヤは先ほどから何度も抜け出そうと試みるも全く動くことが出来ない。
腰に下げた刀に手が届けばなんとかなるのだが、両腕を頭の上に固定されているためにどうすることもできない。

(くそ……ヤマネも捕まったとなるとあとはネズミか……あやつならクマリに対抗できるはず……!!)

「……しかし思いのほか順調なのです。あとは今戦っているネズミたちを何とかすれば完了ですね。ネズミも
いい感じに弱ってきているようですし、これなら楽勝なのです。あははっ!」

(ネズミが……やられているだと!?)

 ネズミはサクヤの知っている中でも特に一流の忍者だ。そんな彼がやられてしまうことなどサクヤは想像もして
いなかった。いくらクマリが優秀な忍者であれどネズミにかなうはずがないと、昔から良く喧嘩をしていたが
最終的にいつもネズミが勝っていたのだからと、昔のままの力関係でものを考えてしまっていたのだ。自身は
大きく油断があったからともかく、まさかネズミがクマリに不覚をとるなどとは思っていなかったサクヤは
驚きを禁じ得なかった。

「あともう少し弱らせてから捕獲して……ヤシチはその後で捕まえてあげるのです。そうすれば後は姉様方を
連れて行けば完了なのですよ♪」
「やめるんだ!! お主は本当に一体どうしてしまったというのだ!!」

 妹の邪悪な表情を見ていることだけでも辛くて、サクヤの目にはいつの間にか涙がうっすら浮かんでいた。
しかしそれを見てもクマリの心が動くことはなかった。

「おとなしく捕まってくれたら後でちゃーんと話してあげるのです。さて、それでは……」

 クマリの視線が再びサスケに向く。

「君も捕まえてあげるのですよ!!」
「!! 逃げろサスケ!!」

 クマリは新たな糸玉を取り出し糸を引き出すと、勢いをつけてサスケに向かって一直線に放った。
サスケは逃げようとするが足がすくんで動くことが出来ない。もう糸は目前まで迫っている。

「うわぁああああ!!」

「発動!!!」

 カッ!!

 もうだめだと思われたその時、サクヤが大声で叫んだ。その瞬間サスケの懐から何かが飛び出し、
強い光を放った。視界を一面真っ白にしてしまうほどの強い光。

「な……これは……姉様の魔鏡!?」

 思わず目をふさぐクマリ。徐々に光が弱くなり、視界が回復した時にはもうそこに
サスケの姿はなかった。クマリは不服そうな表情でサクヤの方を睨みつける。 

「……逃がしましたね?」
「ヤシチから預かっている大事な弟子だ。つまりは某の弟子でもある。守る義理があるのは当然のことだ」
「でも自分自身を助ける余裕はなかったのですね。こちらとしては姉様が捕まってくださるのならあの子の
ことなどおまけ程度にしか考えておりませんのに」
「―――今は大人しくお主について行ってやろうではないか。その代り……きちんと話してもらうからな。
お主が悪に堕ちた理由を」

 先ほどまでとは違いサクヤは至極落ち着いた顔つきになっていた。

 クマリの様子は明らかにおかしい。サクヤの記憶の中のクマリと違いすぎている。何か深い理由があるのか、
または誰かに操られているのか……疑問は山のようにある。いずれにせよ原因を知り敵をきちんと見定めなければ
ならない。それにサスケを逃がすことがサクヤのこの場における最優先事項だったのだ。自分の身の責任は自分で
取る覚悟は出来ていた。

(クマリを救うのは姉の某の役目……原因を突き止めて必ず元のクマリに戻してやらなければ……そのためなら
一時的に捕まることも厭わぬ……)

「あはっ♪ 流石は姉様。いいでしょう。では―――今はしばしゆっくりとお休みくださいませ………」
「……っ!」

 クマリはそう言って眠り薬を塗った千本をサクヤの腕に刺した。
今は抵抗しないで様子を見よう。そう決めたサクヤは抵抗する様子もなく眠りに落ちて行った。
====================================================

 一方その頃、サスケはサクヤ(分身)に抱えられてほこらの出口へと向かっていた。
先ほどの光に紛れて魔鏡は一瞬でサクヤの真分身へと変化し、すぐさまサスケを連れてあの場から脱したのだった。

「サクヤさん、どうやって術を使ったんだぜ!?」
「こんなこともあろうかとお主の懐に某の術をかけた魔鏡を一枚忍ばせておいたのだ。簡易的なものだから
長時間は持たぬがな」

 サクヤは手足を完全に拘束されていたために直接印も結べていない。分身曰く、前もって仕込んでおいた
力の分しかこの分身の効力は持たないらしいので、多めに見積もってもあと10分ほどだそうだ。

「これからどうするんだぜ?」
「取りあえず、お主を出来るだけほこらの出口近くまで運ぶ。完全に出口を抜けるまではどうにも持ちそうにない。
今のうちに走れるように体力を温存しておけ」
「……兄貴たち……大丈夫なのかだぜ」

 ヤマネが捕まり、ネズミがやられていると聞き、サスケはヤシチやハンゾーの身を案じる。サクヤも一瞬
不安げな表情になるが、今は気持ちを乱している場合ではない。この少年を安全なところまで運ぶことが
自分の今の務めだ。と、サクヤは真剣な面持ちに変わった。それを見てサスケもこぼれそうになった涙をぬぐい、
視線を前に向ける。

「……とにかく急ぐぞ。しっかり捕まっていろ」
「はいだぜ!!」

=================================================
ヤマネたちのシーンは尺の関係もあって若干あっさり目。皆を捕まえまくってるクマリさんですが、一応これらの
分身はサクヤのものとはだいぶ性質が違うものだったりします。どれが本物か分かりますかねww(バレバレかw

次回はヤシチとネズミのターン!!書く方にも力が入ります!!頑張るぞー^^

ではでは!!

 


■ 明菜 (15回/2011/08/27(Sat) 13:04:21/No4123)

ぴこまるさんこんにちは!
久しぶりに感想かきます、遅くなってすみません!!

早速、新しいオリフェクマリも登場して、物語はさらに奥深いものになってきましたね!
ぴこまるさんの描くオリフェ達はきちんとキャラも定まっていて、なおかつ得意武器によることごまかな戦闘描写が迫力あって思わず時を忘れて何回も読み直してしまいました!
ぴこまるさんは絵もとてもお上手なうえ文才にも恵まれていて、私のあこがれです!
こっそりと師匠と呼ばせていただいてもよろしいですか?


次回はヤシチとネズミのターンということで、正座で待機させていただきます!
がんばってください!


■ りょく (319回/2011/08/27(Sat) 16:51:39/No4129)



ぴこまるさん、こんにちは(・∀・)ノ

感想書こうと思ったらスレッドが埋まってて出遅れたりょくです。更新されていて良かった。

新キャラのクマリちゃんが好きです。こういう女の子を待っておりました。わーい。
緩くて可愛い口調で恐ろしい事を喋っているのが何だかどきどきしました。
サクヤさんと同じく、彼女が悪に堕ちた理由が気になります。

ぴこまるさんの小説の見所の一つは戦闘描写ですね。
何本もの針が迫ってくるシーンは注射が苦手な私はガクブルです。ひいい。
もうすぐ献血があるので興味本位で行こうか迷っていたのですが、やっぱり止める…(何の報告?

次の更新を心待ちにしております。私も正座で待機します!
では!


■ ぴこまる (57回/2011/09/02(Fri) 13:55:36/No4138)

明菜さん、りょくさん、こんにちは!!
感想ありがとうございます!!

>明菜さん
登場人物が多いと特に各キャラの特徴づけをしっかりしていないと浮いてしまったり空気に
なってしまったりするので、しゃべり方、得意武器、戦い方まで色々細かく設定考えております。
なのでそこを褒めて頂けるとすごく嬉しいですね!!

師匠wwwもっと上手な方々がたくさんいらっしゃるじゃないですかwww
恥ずかしいながらも嬉しいですけどww

ヤシチとネズミのシーンは意識せずともついつい気合入れて書きすぎてしまいますww
妖精忍者好きの明菜さんに気に入っていただければいいなぁと思います^^


>りょくさん
露骨に悪ぶってる乱暴な子よりも穏やかに黒いセリフ吐くような子のほうがおっそろしいと思うのですよ。
クマリのような子は私も大好きです^^最初書いた時は性格悪すぎて嫌われないか不安だったのですが
思いのほか人気があってよかったですw
クマリが悪に堕ちた理由はちょっとずつ明らかにしていきますね^^

戦闘描写は頑張っております!!やっぱり強い子同士の戦闘シーンは書いてて楽しいですね!!
クマリの針は色んな方向から取り囲むように向かってくるので相当恐ろしいでしょうねww
注射が苦手なら絶対に怖いww 私は血圧がかなり低いので献血はできないのですが、出来るならば
出来ればやった方がいいとは思いますよ^^場所によってはジュースとかアイスのサービスとか
ありますし←

では続きから小説投稿します!!


■ ぴこまる (58回/2011/09/02(Fri) 13:57:30/No4139)

20

「……もう十分でしょう? ほんっとにしぶといですね。そろそろ飽きてきたのですよ?」

 冷たいクマリの目線の先には、地面にうずくまっているネズミ。先ほどの薬が体に回ってしまって
もうほとんど自由に動けない。それでも気力を振り絞って今までクマリの追撃を避け続けてきたのだった。
しかし、もう限界が近づいている。

「ね……ネズミ……」
「こ……これしきで……拙者が負けるはずがなかろう…………くっ……!!」

 ネズミは必死で立ち上がろうとするが足に力が入らない。倒れ込んでしまわないように腕で体を支えているが
それだけで精いっぱいいだろう。もうクナイを投げるほど自由に腕は動かない。

(ネズミが……まさかネズミがこんなにぼろぼろになるなんて……)

 ヤシチもこんなネズミの姿を見るのは初めてのことだった。いつも余裕そうな彼がこんな満身創痍になっている
状況なんて想像もしなかった。先ほどから何度も助太刀をしようとしたのだが、こんな時でもネズミはヤシチを
制して、あくまで自分一人で戦うと言い張った。クマリに対するプライドとヤシチに対して弱みを見せたくない
という思いがあるのかもしれない。しかし、もうそんなことを言っていられる状態ではない。ヤシチとしても
これ以上横で見ていることなどできなかった。

「あっは♪ もう限界ですかね♪ エリート様もこれでは形無しなのです。ではでは……」

 クマリは自分の天敵のネズミが自分に負けるのを見ることが楽しいらしい。
ネズミを捕獲しようとクマリが糸を伸ばそうとした時、ヤシチの中で何かがはじけた。

 ―――自分が……なんとかしなければ!!

「やめろ! もうやめるのだクマリ姉ぇ!!」

 ヤシチはクマリが糸を放つ前に、両手を広げネズミの前に立ちふさがった。

「なに……してるでござる………こいつは……拙者の相手だ……」
「んなこと言ってる場合ではなかろうが!!そんなぼろぼろのくせに!! たまには頼ればよかろう!!?」


 ヤシチの服を掴んでなお自分が戦おうとするネズミ。その手をヤシチは振り向きもせず振り払う。
いつもは弱い弱いと馬鹿にされてきたが今は自分の方が戦えるのだ。ネズミの言うとおりになどできはしない。
そんなヤシチの姿を見てクマリは怪訝そうに眉を動かした。ヤシチは思わずひるみそうになったが何とか耐えた。
ここで後手に回ってはいけない。

「……小生は邪魔をしないでもらいたいと思っているのですが?」
「邪魔するに決まっておろうが!!いくらネズミと仲悪かったって言ってもクマリ姉ぇはこんなことするような
人じゃなかった!!今のクマリ姉ぇの言うことなんか聞けるものか!!」」
「…………ヤシチ………っ…!!」

 予想に反して、クマリは一瞬とても悲しそうな表情をしたかと思うとそのまま俯いてしまった。

「クマリ……姉ぇ……?」

 今のクマリの表情は自分の記憶の中にあるクマリの表情と一致していた。先ほどまでの妙に邪気を帯びたものとは
違う、純粋に傷ついた表情。ヤシチは、今ならもしかしたら説得が出来るのではないかと思い、クマリに懸命に
言葉をかけ始めた。

「なぁ……ちゃんと訳を話してほしいのだクマリ姉ぇ!!どうしてこんなひどいことをするのだ!?
その前に、どうしてこんなところにいるのだ!? 何かあったのなら拙者たちに話してほしいのだ!!」
「………」

 ネズミにここまでひどい攻撃をしたクマリではあったが、出来れば戦いたくはない。
自分の大切な幼馴染であり姉貴分でもあったクマリと、ヤシチは敵対などしたくはなかった。 

 けれど……

「……どうしてなのですか」
「え……?」
「ヤシチまで……ヤシチまで反発するのですか? 小生の邪魔をするというのですか?」
「く……クマリ姉ぇ……?」

 俯いたままでギリギリと拳を握りしめ、絞り出すような悲痛じみた声を出すクマリにヤシチも戸惑う。

「答えるのですヤシチ!!」

 そしてクマリは急に顔を上げたかと思うとヤシチに向かって怒鳴りつけた。ヤシチが見たその表情は
先ほど見た悲しげな顔ではなく、どす黒い闇に支配されたかのような、怒りに満ち溢れた表情だった。

(クマリ姉ぇ……やっぱり……何かに操られているのか!?)

 やはりクマリの様子はおかしい。このような急激な表情や雰囲気の変わり方はヤシチも何度か見覚えがある。
まるでダァクに支配された者たちを見ている時のような感覚だ。ヤシチの背後でネズミもそれを感じ取ったよう
である。

「いつも弱虫で……小生や姉様にくっついてばかりだった貴方が!! どうして小生に逆らうのですか!!」

 このクマリの様子を見てヤシチは不思議と頭の中が冷静になっていた。クマリが本当に心から悪になったわけでは
ないという可能性が出てきたせいかもしれない。クマリのセリフにも動じず、ヤシチは静かにクマリを見つめる。

「……間違っていることになど従わない。卑怯なことに…卑劣なことに拙者は賛同したりはしないのだ。
今のクマリ姉ぇは拙者といたころのクマリ姉ぇと違うし拙者も昔とは違う………!!」
「………!!」

 きっぱりと言い放つその姿にクマリは言葉を失う。彼女の記憶にはこんなに強く自分に立ち向かってくるヤシチ
などなかったからだ。ヤシチがもう大人しく自分に従わないのだということを察し、クマリは動揺した表情を
隠すようにため息を吐きながらわざとらしくがっくりと肩を落とした。

「はぁ………そうですか」

 そして、それはどうやらクマリの中での攻撃スイッチを切り替えるためのものでもあったようだった。

「少々手荒なことになっても良いというのですね? しかし、あなたの戦闘能力で小生に勝てると思っているの
ですか?」

 先ほどネズミに向けていたような冷たい瞳がヤシチに向けられる。ヤシチに対しては少し優しさを見せていたはずの
彼女が、ヤシチを敵として認識したのだ。先ほどより一層危険な状況になったことを悟ったネズミはヤシチを止めようと
するがヤシチは聞こうとしない。先ほどとはまるで真逆の状況だ。

「や……ヤシチ……」
「勝てるとか……勝てないとか……そんなこと知らん!! でも……」

 ヤシチはトライアングルを取り出し、ばちをクマリに向ける。

(忍術はかなわないのはわかっている。でも、これならば!!)

「これ以上ネズミには手出しさせんぞクマリ姉ぇ!!」
「…………ふざけんじゃねーなのですよ……!!」

 完全に自分と戦おうとしているヤシチにクマリは怒りをあらわにする。クマリは両手に千本を構えると、
高く跳びあがった。

(来る!!)


■ ぴこまる (59回/2011/09/02(Fri) 14:17:03/No4140)

21

「後はお主たちを捕まえるだけなのです……止められるものならば……!」
「……ヤシチで……」
「止めてみればいいのですよ!!」

 無数の千本がヤシチたちに目掛けて弧を描くようにしながら飛んできた。しかし、それでもヤシチはひるまず、
しっかりと前を見据えていた――――楽器が光を放つ。

「ポン!!!」

 オレンジ色の強い光と共に魔法が発動した瞬間、ヤシチたちの周りを取り巻くようにして突風が吹きすさび、
千本はすべてその風によって吹き飛ばされてしまった。

「な……っ!!!」
「拙者だって………拙者だって強くなったのだ!!! ヤシチでポン!!」

 ヤシチが続けて魔法をかけ、ばちを上に構えると、ヤシチたちを守っていた風がばちの先で急速に球形に
圧縮されていく。

「これが……ヤシチの魔法………」

 敵側として戦った経験があるのでネズミもヤシチの魔法の強さは十分にわかっているはずだったが、味方側にいて
ここまで頼もしいものだとは思わなかった。ガイア族に強化されたヤシチたちの楽器は精神的な力をより魔法力に
変換しやすくなっているので、楽器の持ち主が集中すればするほどに魔法の威力は跳ね上がっていくのである。

「いっけぇええええええぇ!!!!!」

 ヤシチがばちをクマリに向けた瞬間、風の球はクマリに向かって放たれた。クマリは自分の攻撃がヤシチに
防がれたことによる驚きのせいで動作が遅れ、ヤシチの放った魔法を避けきることができない。

「そんな……この輝き……魔力………まさかヤシチが……!?」

 慌てて横に飛んで避けようとしても、風の球はその周囲にも強い風をまとっており、その風が身体を
捕えた瞬間にクマリは大きくバランスを崩した。そしてそのまま受け身も取れないままに岩の壁に激突した。

「くふっ…………!!」
「や……やった……? えっと……」

 全身を強くぶつけたためにクマリもすぐに起き上がることが出来ずうずくまって呻いている。
少し強くやりすぎてしまっただろうかとヤシチが次の攻撃に迷っていると、ネズミが後ろで立ち上がり
よろめきながら出口に向かいはじめた。

「え、ちょっとネズミ……? どこ行くのだ…?」
「今のうちだ……今は早く撤退しろ……っ」
「えっ……? でもクマリ姉ぇをあのまま放っておくのか?」

 いくらぼろぼろとはいえ、プライドの高い彼が犬猿の仲であるクマリに負けたまま逃げの選択をするという
だけでも驚きだったが、操られているかもしれない彼女をそのまま置き去りにすることはなんとなくヤシチ
としても気が引けるのだった。しかしネズミは、弱っているはずなのにそれを感じないほどの鋭い目で
ヤシチのことを睨んだ。

「アイツの……裏にいる奴のことも何もわからないのに、……お前だけの……力で、何とかできるのか……?」
「そ……それは……」

 ネズミに並ぶほどの忍術のプロフェッショナルであるクマリを操ることが出来る者がいるとすれば並の力ではない。
もしダァクのような存在が背後に控えているのだとしたら、いくら魔力の高いヤシチとはいえ一人で戦える相手ではない。

「アイツ……『後はお主たちだけ』などとぬかしておった……ヤマネたちの身にも…何かあったのでござろう」
「そ、そうか!! 早く戻らねば!!」

 何よりも今大事なのは仲間の安全だ。ヤシチは慌てて踵を返し、ほこらの出口へ急ごうとした。

「あ……でもお主……」

 しかし、ふとネズミが今走れるような状況にないことに気が付いた。置いていくなんてことは出来ないし、
かといってのんびり移動してもいられない。ネズミは自分にかまわないでいいとでも言いたげに目線をそらす。

「……よしっ」
「なっ……!?」

 ヤシチは少し考えた後、ネズミの手を掴んで自分の肩にまわさせた。そしてネズミが反論する間もなく
ネズミを背負って立ち上がるとすぐさま出口へと向かって走り始めた。



 ヤシチたちが見えなくなって少し経った後、クマリはゆっくりと身体を起き上がらせる。

「く……ちょっとばかり油断してしまったのです……まさかヤシチが例の妖精たちの一人であったとは……
想定外なのです」

 ヤシチの魔法によるダメージはなかなか大きかったようで、流石にすぐに起き上がって追いかけることは
難しかったらしい。強くぶつけてしまった肩をさすりながらクマリはヤシチたちの向かった方向とは逆に
ほこらの奥の方へと向かっていく。

「………しかしこれでなおさらヤシチは捕まえなければならないですね……小生の分身の効力も切れてしまったし、
もういちいち追いかけるのも面倒なのです……全員まとめてこのほこらに閉じ込めてやるのですよ……!!」


=================================================
クマリの武器は全体的に軽いものばかりだからヤシチの風の魔法とは相性最悪でしたね^^;
それに加えてクマリの油断もありましたしね。次からはここまで簡単には行かないでしょうが今回はヤシチの
勝利です。とりあえずこれでやっとメンバーが合流に向かってくれるので書き手としては非常に楽になりますw
細かくシーン分けして書くのはなかなかに面倒くさいw


ではでは!!


■ いっちゃん (93回/2011/09/05(Mon) 20:01:49/No4148)

ぴこまるさん、こんばんは!

なんという見事なネズヤシ・・・っ!!!
ヤシチ君はやってくれましたよっ!!!!!←落ち着けよ
しかし、ぴこまるさんの描くヤシチは意志が強くてかっこいいですなぁ^∀^
私の小説のヤシチは・・・まだ見せ場に到達していないという・・・(汗)
来週当たりに再新したいと思っているのですが、なんせ今週は大切な試合があるので・・・。。
もうそのことでソワソワしまっくって落ち着きのない毎日です><
そんなときは皆さんの小説を読むのが一番落ち着いたりします^^
ちなみにこんかいの再新話は間接的にミルヤシを入れる予定です!
あ・・でも、ぴこまるさんのミルヤシには足元にも及ばない酷さなのでやっぱり見ないほうが・・・www

「たまには頼ればよかろう!?」というヤシチのセリフが見事に私の胸にクリーンヒットしました(笑)
ヤッくんかっこよすぎだろっ!!!ネズミにはちゃんと届いているのでしょうか?
しかし、クマリも何だか痛い子に見えてきました^^;
こりゃそうとうな裏(きっかけ)があると予測しますね!過去編が楽しみです。
しかし、ネズミをせおるとは・・・なんという大胆なことをっ!ww
ネズミはヤシチの(初めてな?)行動にびっくり&気恥ずかしそうです。
せおわれたまんま仲間と合流したら恥ずかしすぎてヤシチから飛び降りそうですwww←
やはりそこは兄貴分?としてのプライドで(なんだそれw

次回からはまた皆さんが集まるようでっ!^∀^
細かく中身が濃いシーン、お疲れ様でした!!
以上、今回のレスはなんだかいつもよりもさらにおかしい文でした(汗)
ではっ!


■ ぴこまる (60回/2011/09/16(Fri) 15:01:34/No4160)

いっちゃんさんこんにちは!!感想ありがとうございます!!

何だかんだで妄想補正も多少入ってますが、ヤシチは結構意志の強い子だと思うのです。
序盤はネズヤシで魅せたいと絶対思ってたんですよね^^やっぱり書く分にはこの二人の組み合わせが
一番書きやすいんですwwいっちゃんさんの小説も更新が楽しみだなぁ…
試合の方はどうだったのでしょうか?落ち着いたらまた小説を書き進めてほしいですね。ミルヤシ
楽しみです。自分で書くよりも他の人の書いたものを見ている方が好きですしw

普段は馬鹿にされてばかりだけど、ホントはヤシチだって結構強くなって
いるんだぞというところを書きたかったんですよね^^ネズミだって素直にはならないものの
その当たりの気持ちはちゃんと伝わっているはずです。
クマリは割と精神的にはもろい節があるのです。劣等感とかも正直感じる必要もないくらいに
強いですしね。傍目に見たら痛い子に見える可能性は自分で書きながらも捨てきれなかったです^^;
過去話は丁寧に書かないとなー。今書き方色々考えております。
ネズミを背負うのも絶対書きたくて!!妖精の体系だとどうやって背負うのか正直謎ですが
そのあたりは深く考えてませんwww流石にネズミとしても気恥ずかしいでしょうが状況も状況なので
多分大丈夫……かな?www

ではでは帰ってきたら続きを投稿しますね!! バイト行ってきますww


■ ぴこまる (61回/2011/09/17(Sat) 00:41:58/No4162)

ただ今帰宅いたしました!!それでは続きを投稿させていただきます!!


22

「馬鹿……め……おいて行けばいいものを……」
「抜かせっ!! んなこと出来るわけなかろう!!」

 ヤシチに背負われることに抵抗があるネズミではあったが、今の彼にはヤシチを振り払うだけの余裕もあまり
残されてはいなかった。憎まれ口を叩きつつも完全にその身をヤシチに預けている。自分の背中でぐったりとしている
ネズミに負担がかからないように気を付けつつも、ヤシチは大急ぎで出口へと向かう。

「クマリ姉ぇ……追ってこないな……」

 先ほどから何度か振り返っては見るものの、クマリどころか魔物すら追ってくる気配がない。クマリにはあれほどの
魔法が命中したのだからすぐには追っては来れないかもしれないが、それにしても行動が遅い。この妙な静けさが
不安を誘う。

「あやつのことだ……油断はできん……気を抜くでないでござるよ……」
「ふんっ!! 言われなくてもわかってるのだ!」

 流石にネズミにもいつものようなきつい嫌味を言う気力はないようであった。ヤシチもいつもと同じように
言葉を返すものの、ネズミの力ない声の調子に不安を感じていた。走る速度も無意識に上がっていく。

(……まさかアイツに不覚を取ることになるとはな……)

 先ほどの戦いでの自分の油断を悔やみ、ネズミは表情を曇らせている。クマリが幻術を使うこと自体が
ネズミには想定外だったのだ。自分の知っていたクマリには幻術の力など備わってはいなかったから。
このままクマリがあきらめるなどとは到底思えない。次の攻撃をクマリが仕掛けてきた時のために少しでも
動けるようにしようと、普段だったら絶対に頼りはしないであろう従弟の背中で、意識だけはギリギリ保ち
ながらも身体を休めていた。
 

 長く岩だらけの荒れた道をひたすらに走り続ける。流石にネズミをずっと背負ったままではこの道を
走り続けるのは辛いようで、ヤシチにも疲れが見えてきた。それでもなんとか走り続け、細い道を抜けた
ところで少し広い空間に出た。ヤシチはいったんネズミを下に降ろすと、ゆっくり辺りを見回す。 

「はぁ……ここは……最初の分かれ道か……?」
「どうやら………戻ってこれたようでござるな……」
「な……なんとかここまでこれたか……ふぅ……」

 ヤシチはため息交じりにその場に座り込む。ここまでノンストップでひたすらネズミを背負ったままで走り続けて
きたのだ。疲労の色は隠せない。ネズミは自分のせいでもあるので流石に気遣う素振りを見せる。

「おい……お主平気でござるか……?」
「へっ……お主に心配されるなんて気色悪いわ……少し休んだらすぐにサスケたちを探しに……」
「兄貴ーーーーーーっ!!!!!」

 突然聞こえてきた声に二人が振り返ると、右の道の奥からハンゾーが泣きながら走ってくるのが見えた。

「! ハンゾーか!? 無事だったのか!!」

 思わずヤシチも疲れを忘れてハンゾーのもとに駆け寄る。ハンゾーはヤシチのところまでたどり着くと
ヤシチの服を掴んだままへたり込み、泣き出してしまった。

「兄貴!! ヤマネが……ヤマネが………!!」
「えっ……!?」
「な………ヤマネに…ヤマネに何があったでござるか!?」

 ハンゾーと一緒に行動していたのはヤマネ。しかし今彼女の姿はここにはない。ネズミも大事な妹に何かあった
と聞いて落ち着いても居られず、痺れている身体を必死で起こしてハンゾーに問いただす。

「ぐすっ……ご、ごめんなさいなのらネズミさん……へ……変な糸がいっぱい襲ってきたのら……ヤマネは僕をかばって……
それで捕まっちゃったのら〜……うわぁああん……!」
「何だと……!?」

 ハンゾーはかばってもらったことに対するふがいなさと申し訳なさで胸がいっぱいで、ぐすぐすとしゃくりあげながら
ヤシチの懐で泣き続けている。ヤシチは、自分自身も妹分の身に起こったことをきいて動揺と焦りで身が締め付けられそうな
思いであったが、それを必死で押し殺し、泣きじゃくるハンゾーの背中を優しく撫でてやった。

「兄貴ー!! ハンゾー!! ネズミさーん!!」
「お主らー!! 無事であったか!!」

 今度は左側の道の奥からこちらに向かって響いてくる声。サスケは走るサクヤに抱えられながらこちらに向かって手を
振っていた。どうやらハンゾー同様に怪我はなさそうである。サクヤはヤシチたちの近くにまで来るとサスケを下に降ろした。

「兄貴!! ハンゾーも無事でよかったんだぜ!!」
「おお!お前も無事で何よりであった!!」
「サスケ!! よかったのら〜!」
「兄貴……ハンゾー…………っ……」

 サスケも、ハンゾーのように泣き崩れはしなかったものの目にはうっすらと涙が浮かんでいた。やはり歳幼い
彼らには今回のような体験は相当な恐怖を与えたようだった。ダァクの経験があるとは言ってもこのようなことはすぐに
慣れるようなものではない。それに、サスケは別の理由でも落ち込んでいた。

「……なぁ……兄貴……ヤマネは本当に捕まっちゃったのかだぜ……?」
「……っ………!」

 その場にいても何も出来なかっただろうが、せめて守るための行動を何かしたかったのだろう。ヤシチは、サスケの声が
心なしか震えていることに気が付いた。サスケがヤマネを好きだということを知っているので無責任な慰めなど言う気に
もならず、ヤシチは無言で首を縦に振るしかなかった。

「ごめんなのらサスケ……ボク何も出来なくて……うぅ」

 ヤマネと共に行動していたハンゾーはサスケの言葉を聞いてまた重く責任を感じてしまい、泣きながらサスケに
頭を下げる。

「ハンゾーのせいじゃないんだぜ!! 悪いのはあの糸女なんだぜ!! アイツのせいで……サクヤさんも……」
「え……サクヤ姉ぇも……?」

 ヤシチがサクヤの方を向き、改めてよく見なおすと、頭巾の花の文様の位置が逆である。その時初めて分身だと
気が付き、ヤシチは愕然とする。ヤマネだけでなく、サクヤ姉ぇまでもがこうも簡単に捕まってしまうなんて……。

 サクヤはヤシチたちを悲しませないようにいつも通りの笑顔を見せようとするが、その表情はどこか寂しげで
それが余計に痛々しかった。

「……某の本体は今はクマリのところで捕まって眠らされているよ。全くもって油断大敵であるなぁ……ふふ」
「サクヤ……」

 分身だと最初から気が付いていたネズミは複雑そうな表情を浮かべる。ネズミでさえも油断して負傷してしまったのだ。
ましてやクマリの血縁である彼女がクマリ相手に心を揺さぶられないはずもなかったのだった。このような状況に
なりえることは予想していたものの、やはり事実として受け入れるのはつらいことだった。

「もう……分身が持たぬな」

 サクヤがつぶやいたその時、サクヤの身体が淡く光り始める。サクヤが前もって魔鏡に入れていた術の力が
なくなりかけているために分身が形を保てなくなってきたのである。

「サクヤ姉ぇ!!?」

 ヤシチが慌ててサクヤに駆け寄る。動揺しているヤシチを安心させようと、サクヤは優しい目でヤシチを
見つめながら頭を撫でた。 

「すまんなヤシチ……某もまだまだ未熟であったようだよ。お主らは何としてでもここから逃げ出して
父上のもとへ戻るのだ。戦おうなどとは思うなよ。今の某たちは完全に相手に飲まれているし……
今のクマリは何をするかわからない。体制を整えて出直すために今は逃げろ」
「あ……う……」

 はっきりと「任せろ」と言うべきなのに言葉が出ない。色々なことが一度に起こりすぎて頭の中の整理がついて
いないのだ。しかし、タイムリミットは無情にも訪れる。身体が徐々に消えてゆく中でもサクヤは決して
つらそうな表情を浮かべることはしなかった。そして、その最後には凛とした表情をヤシチに向ける。

「………待ってるからな」

 まっすぐにヤシチの目を見つめながら分身はついにその形を失い、元の鏡に戻ってしまった。 


■ ぴこまる (62回/2011/09/17(Sat) 00:44:11/No4163)

23

「サクヤ!!」
「サクヤ姉ぇ!! ………っ……!!」

 ヤシチはサクヤの鏡をそっと拾い上げるが、術の力を消費しきった魔鏡はもう何の反応も示さなかった。
ヤシチはその鏡を握り締めながらついに涙をこぼした。子分たちに出来るだけ不安を与えないようにとずっと
涙をこらえていたが、大切な仲間がどんどんといなくなっていく悲しみは簡単にこらえきれるものではなかった。
何だかんだでとても尊敬していた姉のような存在であったサクヤが捕まったことは想像以上にショックが大きかった
ようだ。サスケとハンゾーもどうすればよいか戸惑ってしまい、その場に立ち尽くしている。

 そんな彼らを見ながらネズミも黙っていたが、やがてヤシチのもとにゆっくりと歩いていく。
自力で立って歩ける程度には回復してきたらしい。

 こつんっ

「っ……?」
「………何をしている……さっさと……出口に向かうでござるよ」

 軽くではあったがネズミにいきなり頭をこづかれ、ヤシチははっと我に返る。

 つらいのはみんな同じだ。しかし今はそんなことを言っている場合ではない。サクヤの言った通りにすぐにこの
ほこらを脱出し体制を立て直さねばならない。ネズミが思うように動けるようにない状態にあるのだから、この場に
おいてヤシチが一番先陣を切って行動しなければならないのだ。ヤシチは乱暴に涙を腕で拭う。

「……るっさい……! ちゃんとわかって…………わっ!?」

 ヤシチがネズミに言い返そうとした言葉は最後まで言い切られはしなかった。
足元で急激な振動が起こり、ヤシチたちは一瞬大きくバランスを崩した。転びはしなかったものの、揺れが全く収まる
気配がないのでうかつに動くことが出来ない。


 ごごごごごごごごごごご…………

「な、なんなんだぜ!?」
「地面がぐらぐら揺れてるのら〜!? うわぁ!!」

 揺れが大きくなったかと思うと、今度は足元の地面が急に割れ、一部が大きく隆起した。ちょうどその真上にいた
ハンゾーは慌ててそこから飛びのく。 

「おいネズミ……なんだか変じゃないか!? ただの地震じゃないぞ!!」

 今の地割れも自然なものには到底見えなかった。それに、今も続くこの振動はどうやら地面の振動だけではなさそうだ。
先ほどから周りの壁も不規則に割れたり動いたりしている。まるで形を変えようとしているかのように…。 

「これは…………もしやほこら全体が動いているのでござるか!?」
「そのとーりなのですよネズミ」
「!!」

 声がしたかと思うとヤシチたちのちょうど真上の天井が大きく割れる。そこから現れたのは………

「クマリ……!!」

 その姿を確認した瞬間に皆は一斉に警戒態勢をとる。先ほど襲われた時に姿を確認できていないハンゾー
だけが一瞬首をかしげるものの、ヤシチたちの雰囲気から彼女がヤマネたちを捕まえた張本人だと言うことを
察した。クマリは相変わらず楽しそうな笑みを浮かべているが、そのことが余計にヤシチたちの神経を逆なでする。

「いったい何をしたのだクマリ姉ぇ!!」
「さっきマダラ様のお力をちょっとお借りさせていただいて、このほこらの地形を動かす術をかけたのです」
「なんだと!? それでは……!!」

 ネズミはすぐに出口の方を振り返る。その時その場にいた全員がクマリの意図を察した。
このままでは………閉じ込められる!!!

「まずい……走るぞ!!サスケ、ハンゾー!!」
「「合点承知!!」」

 ヤシチは再びネズミを背負い、すぐに出口に向かって走り始めた。サスケたちもそれに続く。
必死そうなその様子を見ながら楽しそうに笑うクマリの声がどんどんと遠ざかっている。

「あっははははは!!!このほこらの出口はこの先の一つだけ。あそこが閉じればもう外へは出られないのです。
閉じ込めた後でゆっくりと捕まえさせていただきますよ!!」

 出口まではここからこの長い一本道を突っ切っていればたどり着く。なので出口から入ってくる光が
ヤシチたちの位置からもわずかに見えているのだが、その光は徐々に徐々に細くなっていっている。
このままではあそこにたどり着く前に出口が閉じてしまうだろう。

「くっ!!! これでは間に合わんぞ!!?」

 流石にネズミを背負ったままでは間に合うような速さで走ることなど出来はしない。ヤシチは一度足を止めると
トライアングルを取り出し魔法をかける。

「ヤシチでポン!!」

 ヤシチが魔法で出したのは自動運転の大型トラックだった。ヤシチはネズミを先に荷台に乗せ、自分も乗り込むと
すぐにサスケたちを荷台に引っ張り上げる。

「早く乗れ!!!」
「は、はいだぜ!!」
「なのら!!」

 全員がが荷台に乗り込むとすぐにトラックは全速力で発進した。地面が揺れているのでがたがたと不安定ではあるが
やはり足で走るのとは比べ物にならないくらい速い。みるみるクマリとの距離も離れていく。
しかしクマリは全く動じることもなく不敵な笑みを浮かべるだけであった。自分自身が動く必要はもうないとでも
いうように悠々と構えている。

「あはっ、これくらい想定内なのですよ―――行くのです」

 クマリがスッと手を前にかざすと、それを合図に魔物がクマリの背後から大勢飛び出してきた。
先ほどヤシチたちを襲った魔物と同種の猫型の魔物たちは真っすぐにヤシチたちを追いかけてくる。

「あ、兄貴ー!!」
「後ろからなんか来るのらー!!」

 気配を感じ皆が振り返った時にはもう魔物との距離は20mほどに迫ってきていた。猫科特有の柔軟な手足の
捌きは揺れる地面などものともせず、あっという間に距離を詰めてくる。

「あ、さっき拙者たちのところに出てきたのと同じではないか!!」
「く…クマリめ………魔物まで……従えておったか……」

 ネズミは先ほどと同じように退治しようとするが、それをヤシチは制した。

「お主はまだ休んでおれ!! 拙者が……ヤシチでポン!!」

 魔物に追いつかれる前にヤシチが急いで魔法を放ち、自分たちと魔物たちの間に透明な大きな壁を出現させた。
直後、ものすごい激突音。魔物たちはどうやら勢いよく壁に激突してしまったようで、完全に伸びてしまっていた。

「やったぜ兄貴ー!!」
「すごいのらー!!」

 サスケとハンゾーが歓声をあげる。普段は抜けているが本気で集中した時のヤシチは強い。
先ほど苦戦していたはずの魔物をあっという間に昏倒させてしまったことにネズミは内心驚いていた。

 あともう少しで出口に着く。だいぶ閉じてしまった出口はトラックのままでは通れそうにないが、
すぐに降りて飛び出せば普通に通れる程度にはまだ開いていた。

「ははっ、どんなもんだ……あともう少しで出られ……!!」

 バキンッ!!

 目前に出口が迫っていたことで皆が安心していたその時、突然目の前の地面が大きく割れる。

「な……っ!!!?」

 その時出来た大きな溝にトラックの前輪がはまってしまう。かなりの速度で走っていたためにそのままその
前輪を視点にして後輪が持ち上がり、荷台に乗っていたヤシチたちはそこから放り出されてしまった。

「うわぁああああああああ!!!」

 そのまま地面に身体を強く打ちつける。魔法を使ったヤシチ本人の集中力が一瞬途切れたために、魔法で
呼び出したトラックはそのまま消えてしまった。もちろん敵を遮っていた壁も。身体の痛みでうずくまっている
ヤシチたちを、先ほどの魔物に乗ってここまで追い付いてきたクマリがニヤニヤ笑いながら見下ろしている。



========================================================
長いシーンが続いているので一話ごとの行数がどんどん増えてきている……w
これも結構むりやり区切っておりますスイマセン^^;
妖精たちの魔法は何か物を出す系の魔法が多いので、シリアスにした時に浮かないかたまに心配になりますね。
トラックの荷台なんて危ないから絶対乗っちゃだめですよ(笑)

サクヤの分身もサクヤの本体と意識共有しているので、基本的に本人と並んでいない時には同じようにサクヤとして
描写してます。ちょっとわかりにくいですけどね^^;

取りあえず次の投稿でいったん一区切りになりそうな予感……学校始まるまでにやりたいな。

ではでは!!



■ ぴこまる (63回/2011/09/22(Thu) 15:11:53/No4179)

こんにちは!! ちょっと長いですけどキリがいいので1話分で投稿しちゃいます!!

24

「あっは♪ よーく頑張りましたなのですヤシチ。でもここまでですよ」
「くっ……あと少しだったのに………うっ……!」
「あ、兄貴……」
「まずいのら〜……」

 ヤシチがとっさに地面にぶつかる前に自分の身体を盾にしてかばったおかげでサスケたちのダメージは
少なかったが、ヤシチはすぐに動ける様子ではなかった。もう出口は目前だと言うのに……。

「お互いもう無理をするのはやめた方がいいと思うのです。もう出口も閉じてしまうことですし、戦えるものも
そちらにはもういないでしょう?あきらめるが得策なのです。あははははは!!」

 クマリは勝利を確信したかのように楽しそうに笑っている。サスケをハンゾーも、流石にこれだけの恐ろしい
敵に囲まれてしまっては身がすくんでしまって動くことはできない。
その場にいる全員があきらめてしまったと思われたその時―――まだ戦おうとする者がいた。


 ゴォッ!!


「えっ………!! きゃぁあああ!!」

 突風と同時に鎌鼬が起こり、魔物たちはあっというまに吹き飛ばされてその姿は消滅してしまった。

「え、どうしたんだぜ!!?」
「魔物が消えちゃったのら…!!?」

 一瞬のことで何が起こったのかわからずサスケとハンゾーは目をぱちくりさせている。

「く……っ……!!」

 クマリはかろうじて鎌鼬をかわし、後方に着地する。そして、攻撃を放った相手が分かったその時
クマリはただただ驚くしかなかった。もはや警戒などしていなかったのだ。まだ動けるなんて
かけらも思っていなかったのだから。

「……まさかまだこれだけの力が残っていたなんて思いもしなかったのですよ……ネズミ」
「フフフのフ………お主程度に拙者の力量など……はかり切れはしないでござる……」


 薬もだいぶまわってしまい、もう起きているだけでもつらいはずなのに、ネズミはクマリにまっすぐにクナイを
向けていた。ヤシチの背中で休んでいた時に幾分麻痺は回復したものの睡眠薬による強烈な眠気はなくならないようで、
クナイを握り締める手に意識的に力を込めながら必死でこらえている。

「ね……ネズミ……お主……っ」
 
 ヤシチは起き上がって加勢しようとするが、打ち所が悪かったようでやはりすぐには動けない。
背中を強く打ちつけてしまったらしく身を起こすだけでもひと苦労だった。ネズミはヤシチの方を
向くこともせず、よろめきながらもクマリの正面へと歩を進めていく。
 
「………不本意だが……どうやらお主らに任せるしかないようでござるな………」

 横を通り過ぎる時に独り言のようにつぶやいたネズミの言葉はヤシチの耳に妙に鮮明に聞こえた。
あのプライドの高いネズミがこんなことを言うなんて信じられなかったからだ。けれど、確かに言ったのだ。
『任せる』と。

(ネズミ……まさか……!!)

「サスケ、ハンゾー…ヤシチを連れて……さっさと脱出するでござるよ…」
「え、ネズミさん……?」
「ネズミさんはどうするのら……?」
「拙者は……こやつを足止めするでござる」

 クナイを構え、ネズミはクマリの正面に立つ。ヤシチの予感は確信に変わった。
ネズミは自ら捕まろうとしているのだ。ヤシチたちを逃がすために。
そんなことをヤシチが黙って受け入れられるわけがなかった。

「な、何言っておるのだ馬鹿者!! そんな身体で……!!」
「……クマリの攻撃のパターンは……こんな…狭い空間では活きない。こんな状態でも……お主らを逃がす時間稼ぎは
できるでござるよ……」
「……言ってくれるですね」

 今のネズミの言葉にカチンときたらしいクマリが千本を放つが、それをネズミはクナイで全てはじき落とす。
糸を主体としたクマリの技はある程度の広さがなければうまく機能しない。せっかくの糸も、軌道を描くための
十分な広さがなければ結局は直線の動きの攻撃しか放つことが出来ないからだ。なので、天井も低くそこまで
広さのないこの通路では幾分こちらに地の利はあった。しかしやはり先ほどまで休んでいたとはいえネズミの
ダメージは大きい。クナイを一振りするだけでも相当な負担がかかっていることはネズミの表情にしっかりと
表れている。こんなネズミをみすみす置き去りにしていくなんてヤシチには考えられなかった。

「さっさと行くでござる……脱出して態勢を立て直し……万全の状態で戻ってこい」
「嫌だ!! ヤマネもサクヤ姉ぇも捕まってしまったというのにお主まで捕まえられるなんて!!」
「黙らぬかうつけが!!!」

 どうしても残って戦おうとするヤシチをネズミは背を向けたまま怒鳴りつける。その語気は、弱っているにも
関わらずとてもはっきりとしていた。

「お主には………お主にはまだ……仲間がいるんでござろうが!!!!」
「………!!」 


 ―――仲間。


 癪に障るながらも長く戦いを共にしてきた水色の服のライバルの姿が、その時ヤシチの頭にはっきりと浮かんだ。 


 ネズミはそのまま黙ってしまったヤシチを一瞥し、安心したように口元を緩める。

「……早く行け」
「……わかったんだぜ!! 行くんだぜ兄貴!!」
「今は逃げるのら!!」
「………くっ!!」

 現状でまともに動けるのはサスケとハンゾーだけだ。ヤシチは二人に肩を借り、必死で色々な想いを
噛みつぶして無心に出口へと足を進める。今は脱出しなければならない、それが最優先だ、と自分に無理やり
言い聞かせながら。決して後ろは振り返らずに。

「逃すと思っているのですか!!」
「……お主こそ……アイツらを捕まえられると……思っているのでござるか……?」
「な……っ!!」

 クマリが再び攻撃を仕掛けようと糸を構えるが、ネズミの鋭い眼光と全身から放つ気迫はクマリの動きを
止めるのに十分なものだった。もうほとんど自由に動くことが出来ないことはわかっているのに、もし今攻撃を
仕掛けようものならこちらがやられてしまいそうだと思ってしまうほどに。

「お主の相手は拙者でござるよ……アイツらに攻撃を当てられるものなら……当ててみるがいい」
「………っ……!!」

 真っすぐと向けられたクナイに影を縫いつけられているのではないかと錯覚するほど、クマリは動くことが
出来なかった。その間にヤシチたちは急いでほこらの出口へとたどり着く。もう一人ずつ隙間をくぐるだけで
精いっぱいの広さまで狭まっていた出口をなんとかくぐりぬけたが、脱出後振り返った時にはもうとても通り抜けられる
ほどの幅はなくなってしまっていた。

「くそっ!!」
「あ、兄貴!!」
「無理なのら!怪我してるのに無茶しちゃダメなのら!!」

 ヤシチは閉じ行くほこらの出口を抑えようと手に力をこめるが、ほこら全体の地形が
動いているというのに妖精一人の力でその動きを支えられるわけがない。しかし無理だと分かっていてもあきらめたく
なかった。やっぱり置いていきたくなんてなった。サスケたちが止めようとするのも聞かず、ヤシチはネズミを
呼び続ける。

「ネズミ!! もう拙者たちは脱出したぞ!! 早くこっちに来い!! らしくないことすんなぁ!!」

 わかっている。もうネズミに動くだけの気力が残っていないことも。でも呼ばずには居られなかった。大事な
幼いころからの仲間たちをこれ以上連れて行かれたくなかった。

 もう出口が完全に塞がってしまうというその時、ネズミはこちらに顔を向ける。その表情はいつものように
意地悪くもあったが妙に優しくて。


「………頑張るでござるよ、未熟者…………」

 ゴォオ………ン…!!

 出口が固く閉ざされる刹那、最後に見えたのは、力を限界まで使いきり意識を失った青忍者が倒れる姿。

「ね………ずみ………?」

 名前を呼んでも返事は返ってくることはなかった。ヤシチは完全に閉じてしまいただの岩の壁になってしまった
ほこらに手をついたままズルズルと崩れ落ちる。

「ネズミ……ヤマネ………サクヤ姉ぇ………」

 ぽたり、ぽたりと今まで抑えていた涙があふれ出る。サスケたちが心配することにも気が付かずヤシチはただただ
泣いていた。

「畜生……畜生、畜生………っ!」

 頭の中が色んなことであふれかえっていて訳が分からない。

「畜生ぉおおおおおおおおおおおおお………!!!」


 悲しくて、辛くて、悔しくて……そんな気持ちをぶつけるかのようにヤシチはほこらの壁に拳を何度も強く
打ちつけて泣き続けた。



=================================================
本当に強い人は自分のするべき役割をきちんとわかっているものです。ネズミだってたまにはヤシチに手柄を
譲ることもありますよ。しかし気合入れて書きすぎて予想以上に文章量が多くなってびっくりしましたw
ネズヤシはやはり筆が乗るww

これで取りあえず結構キリのいいラインに行きつきました。忍者勢の強豪さんたちが総じていなくなって
しまいましたが後半もちゃんと出番あるので大丈夫です。さて……そろそろ放置しっぱなしだった主人公たちにも
出番を作ってやらなければ……ww


ではでは!!



■ ぴこまる (65回/2011/10/31(Mon) 23:04:07/No4277)

こんばんは!気がつけば前回の更新からかなり日が経っておりました……^^;
さっそく続きを更新させていただきます!!

25

 ……なんだろう……何だか……ぼーっとする……。

 なんだか見覚えのある風景にいたものの、ここが現実の世界ではないということはすぐに理解した。
今しがた目の前を横切って行った人物によって……理解させられた。

 え……今の………拙者?

 赤い忍者服に黒い髪の少年が俯いて涙を流しながらヤシチの目の前をとぼとぼと歩いていた。あの姿は
どう見ても自分。しかし彼の背丈は自分よりもずっと低くて。それにあの情けない彼をヤシチは一番よく
知っていた。


 これは……昔の………?

 
*************************

「……ひっく……っ……うぅ……」

 いつものように泣きながら帰ってきたヤシチに年上のくノ一二人は慌てて駆け寄ってくる。

「どうかしたのかヤシチ」
「また誰かにいじめられたのですか? ああ、服がぼろぼろではないですか……」
「サクヤ姉ぇ……クマリ姉ぇ……っ」

 見たところヤシチの身なりはところどころ破れたり土にまみれていたりして、どうにも自分で転んだようには
見えない。また他の忍者たちにいじめられて逃げ帰ってきたようだった。

「ヤシチをいじめるなどとはどこの不届きものですか……吊るし上げて差し上げなければならないようなのですよ」
「おいおいさらりと危ないことを言うんじゃないクマリ………それで? 今日はどうしたと言うのだ」

 今にも武器を構えて飛び出していきそうなクマリをサクヤがそっとなだめる。そして少し腰を落として
ヤシチの目線に合わせ、にっこりと微笑む。ヤシチはぐすぐすとしゃくりあげながらゆっくりと話し始めた。

「み、みんなが……拙者のこと手裏剣も投げられない能無し忍者だって……修行場に出ていったら
邪魔になるからどこかに行けって……」

 同年代の忍者ならばもう手裏剣程度は普通に投げることが出来ると言うのにヤシチはまだ的にすら当てた
ことがない。周りの子についていけないヤシチはいつもいじめの対象になっていたのだった。
サクヤに背中をさすられながら泣き続けるヤシチを見て、ネズミは小ばかにするように鼻で笑う。

「ふん、なんだ事実でござろうが」
「ね、ネズミ…それは少々キツいんじゃ……」

 容赦のない物言いにヤシチはビクリと身をすくめる。あながち間違いでもないだけに否定しきるのは
難しいだろうが、流石に遠慮がなさすぎるネズミにサクヤも苦笑していた。しかしネズミは自重する気もなく
思ったままに淡々と話す。

「忍の世界は実力絶対主義の世界……甘いことなど言ってられないでござる。拙者の従弟のくせに
何故ここまで情けないでござるかな……」
「うう………」

 一言一言がずしりとヤシチにのしかかり、ヤシチの涙腺がまた緩んでいく。クマリはその様子を見て
すぐに二人の間に割って入る。

「ヤシチ、気にしなくていいのですよ。嫌味ばかりのエリート様の言うことなんて聞く必要など
皆無なのです。努力を知らぬものは真面目なものをけなすことしかできないのですから」

 ヤシチに向ける優しげな表情とはうって変わった敵意むき出しの視線でクマリはネズミを睨みつける。
申し訳程度に口元だけが微笑んでいるのが逆に恐ろしい。ネズミも口角だけは上がっているがその眼は全く
笑っておらず、鋭い目線でクマリを睨み返す。傍目には二人の間に火花が散ったかのように見えた。

「けなしているのではなく事実を述べているだけでござるよ毒虫女。それに拙者は努力をしないわけでは
ないでござるよ。ただ人一倍飲み込みが早いだけでござる。フフフのフ♪」
「あっは♪ いちいち嫌みったらしい物言い実に不快なのです。それに毒虫言うななのです。
刺されたいのですか?」
「そんなものお互いさまでござろうが。大体薬品と糸が主流の戦い方してるんだから毒虫で
ぴったりであろうが……」
「お主ら喧嘩してるときではなかろう……お主らが怖すぎてヤシチがおびえておるではないか」

 放っておいたらいつまでも終わらない喧嘩が始まってしまうのが目に見えていたので、見かねたサクヤが
一言で二人を制止する。はっと気が付いた二人がヤシチの方を見てみると、二人の放つ凍りつくような
冷たいオーラにおびえたヤシチがサクヤにしがみついて震えていた。クマリは慌ててヤシチのもとに寄り添い
ハンカチで涙をぬぐう。

「ご、ごめんなさいなのですヤシチ……」
「全くお主らはどうしてそうすぐに喧嘩になるんだか……」

 見慣れた喧嘩に呆れたようにため息を吐いた後、サクヤはヤシチの頭を優しく撫でてやる。

「周りの奴らの言うことなど気にする必要はないぞヤシチ。みな強くなる速度には違いがあるのだ。お主は人よりも
少々上達が遅いかもしれんが絶対に強くなるぞ。なんたって父上の元で某やクマリと共に修行しておるのだからな!!」
「………ん……」

サクヤがそう慰めるも、なぜかヤシチは先ほどよりもしょんぼりとした顔で俯いてしまう。

「あれ……どうしたのです?」
「……みんなに言われた………『才能もないくせにお前だけがサクヤさんやクマリさんやネズミさんと
修行が出来るなんてズルイ』って」

 サクヤとクマリは忍者の村の子供忍者の中では特に優秀な忍者たちで、大人にも引けを取らないほどだ。
ネズミも、ここからは少し離れた区画に住む忍者であるが、同年代の忍者の中では名前を知らぬ者がいないほどの
有名なエリートだ。そんな3人にあこがれ共に修行をしたいと思う者がいてもなんら不思議なことがない。
だから取り立てて才能もないヤシチがいつも彼らと共に行動していることを妬む者も多いのだった。先ほどの
いじめっ子たちのことを思い出してヤシチの目はまた涙でいっぱいになっていく。

「サクヤ姉ぇたちはホントにすごい忍者だから……拙者みたいなダメな忍者と一緒にいたら邪魔に……」
「ばかもん」

 ごちん、と鈍く痛そうな音がした。

「い……っ………!!!」

 サクヤのげんこつがヤシチの脳天にクリーンヒットし、ヤシチは思わず頭を押さえてうずくまる。
戸惑いの表情を浮かべながらヤシチが顔を上げるとサクヤがむっとしたような表情でこちらを見ていた。

「なーんでお主が卑屈にならねばならんのだ。あほなこと言っとるやつなんぞほっとけばよかろうぞ」
「うちの父上はもうこれ以上は門下生をしばらく取る気はないって言っておりましたし、大体小生たちも
ヤシチをいじめたりするようなやつらと修行などしたくはないのです」
「クマリ姉ぇ……」

 サクヤが殴った辺りをクマリがニコニコと微笑みながら撫でた。

「お主はなーんにも気にする必要はないぞ。某もまだまだお主と修行がしたいんだからな。未熟だからって
見捨てたりなどせぬよ」
「いっくら修行しても無駄なような気がしないこともないがな。まぁ拙者も顔を出したときにはしごいてやるから
感謝するでござるよ」
「あう……ネズミ兄ぃの修業はいつも怖いのだ……」
「…そんな奴に見てもらわなくても修行なら小生が見てあげるのですよヤシチ」

 怖いと言いつつも何だかんだで喜んでいるヤシチを見てクマリはまたネズミの方を睨む。自分よりもネズミに
頼られることは彼女としては腹の立つことらしい。再び喧嘩が勃発しそうになるのをサクヤが慣れたように
納める。

「まぁまぁ敵意を出すのはやめないかクマリ。それではみなで修行にでも行こうか」
「うん! 拙者頑張るのだ!!」

 サクヤに手を引かれ、クマリやネズミと共に修行場に向かうヤシチ。もう涙は止まっていて、とても楽しそうな
笑顔を浮かべていた。


***************************************
 ………こんなに、楽しく過ごしてたのにな………

 昔懐かしい光景を見つめながらヤシチはぼそりとつぶやいた。



■ ぴこまる (66回/2011/10/31(Mon) 23:10:01/No4278)

26

「………ん………」

 映像がゆっくりとホワイトアウトし、ぱちりと目を開けばそこは懐かしい天井。
シショーの家で住み込みで修行をしていた時にあてがわれていた自室の布団の中で、ヤシチはゆっくりと
目をさました。身を起こし視線を下に下げてみるとあちこちに巻かれた包帯。眠っている間に先ほどの傷は
きちんと治療されていたらしくもうほとんど痛みもない。いつ眠ってしまったのか全く記憶になかったが。

「夢か………なんか懐かしい夢だったな」

 幼いころのワンシーン。もうずいぶん昔の、まだヤマネが生まれたばかりの頃の自分たち。
まだミルモとも出会っていなくて自分はすごく泣き虫で。いつもサクヤ姉ぇとクマリ姉ぇと一緒にいて
ちょこちょこネズミが顔出しに来て。今思えば何だかんだですごく楽しかったんだろうと思う。

「……やっぱりクマリ姉ぇはあんなことするような人じゃなかったよな………」

 ちょっと毒舌で怖いところもあるけれど自分に対してはとても優しく接してくれる、そんな姉のような存在だったのだ。
幼いころのヤシチはそんなクマリにサクヤと同じくらいよく懐いていたし、本当の姉弟のように大好きだった。
それがあんな風に敵として再会することになるなんて想像もしていなかった。

「サスケたち……師匠のところかな」

 とにかく今はなんだか一人でいたくなかった。重い身体を何とか起こし、シショーの部屋へと足を向けた。

=================================== 

「あ、兄貴!!」
「気が付いたのら!?」

 シショーの部屋のふすまを開けた瞬間にサスケたちが嬉しそうな表情で立ち上がりヤシチの元に
駆け寄ってくる。シショーもヤシチに気が付くと読んでいた本から顔を上げ、安心したような表情を
見せていた。

「サスケ、ハンゾー……」

 ヤシチは二人をそっと抱きしめてやる。あんなに危険な状況の中で自分やサスケたちが無事に戻ってこられたのは
奇跡に近い。身体を張って自分たちを守ってくれたサクヤたちに感謝すると同時に純粋にこの二人が今
ここにいてくれていることが嬉しかったのだった。

「拙者は……一体どうしてたのだ……? 気がついたら布団にいたのだが……」
「おめぇほこらの前で気を失って倒れちまったんだぜ? 覚えてねーのか?」
「あ……そうだった……んですか………」

 ヤマネやサクヤだけでなくネズミまでもが敵陣に捕えられてしまい、仲間を守れなかった悲しみとふがいなさで
胸がしめつけられそうだった。完全に閉じてしまったほこらの壁を叩きながら泣き続けているうちにいつのまにか
ふと意識が切れてしまったらしい。ヤシチ自身もかなりダメージを受けていたし精神的にも疲弊していたのだから
これも当然と言えるだろう。
 
「とりあえずお前の口から何があったのかきちんと話してくれねぇか?こいつらの話だけじゃよくわからなかった
んだよ」

 ヤシチはゆっくりと先ほどの出来事を思い出しながらシショーに説明をした。話しながら、何もできなかった
自分を思い出して言葉に詰まりそうになったが、今はそんな場合ではないのだと自分に言い聞かせながら
クマリが敵として自分たちを襲ったこと、彼女の様子が明らかに異常であり背後に何らかの大きな敵がいると
考えられること、そして彼女の手によってサクヤ、ネズミ、ヤマネの3人が捕えられてしまったことを告げた。
 

「……そうか……おめぇら以外の3人は全員捕まっちまったってわけだな」

 普段のんきそうなシショーも流石に今回のことでは深刻そうな表情を浮かべていた。自分が管理していた
ほこらに侵入者……しかも自分の娘がいた上に、自分の判断ミスで皆を危険な目に合わせてしまったのだから。

「封印の宝石は全て無事なのですが……サクヤ姉ぇたちはクマリ姉ぇの手によってみんな捕まってしまいました」

 サクヤたちは皆、自分たちを守りなおかつ封印の宝石もきちんとヤシチたちに託してくれていたのだ。
流石にエリートたちは咄嗟の判断も的確であった。これによってすぐさま敵の親玉が解放されるような
自体にはならなかったのだ。

「まさかクマリが敵になっているとはな……しかも忍のほこらにいたとは」
「師匠、管理者なのにあの女が侵入してることに気が付かなかったのかだぜ?」
「あそこのほこらは基本的にうちの血族のやつ以外は入れないように魔法がかけられてるんだよ。まぁ俺が
許可した奴は入れるように設定してあるんだがよ。だからそんなに始終気を張っていなくても大丈夫だったんだが
………クマリはうちの血族だから魔法にも引っかからずに中に入れちまったんだな……」

 完全にほこら自体を封印して閉ざしてしまうと自分たちが管理する際にも支障が出ると言うことで昔からこの
封印の形式をとっていたのだ。子供たちがいたずらで入ってしまう可能性もないことはなかったのだが、
サクヤもクマリも幼いころから言いつけを良く守る子ので、行くなと言っていたほこらに入るはずがないと
シショーは思っていたのだ。今さらどうしようもないことはわかっていても自分の認識の甘さに腹が立ち
シショーはギリ……と歯を噛みしめた。

「……クマリ姉ぇは明らかに何かおかしかったです。何かに操られていたかのような……そんな風に拙者には
見えました」
「……最近のほこらの様子がおかしかったことも考えると、やっぱりほこらに封印してる魔物が何か
絡んでるみてぇだな……」
「拙者もそう思います……おそらくクマリ姉ぇが言っていた『マダラ様』というのが魔物なのでしょう」
「………マダラ……か……そりゃ間違いねぇな…………」

 マダラの名を聞き、シショーは難しい表情で黙り込んでしまったが、再び真剣な表情でヤシチたちに向き直る。
ヤシチたちも思わず姿勢を正した。

「今回のことは俺の認識の甘さが原因だ。サクヤもネズミもヤマネちゃんも……絶対に助け出さなきゃ
ならねぇ。悪いがお前らも協力してくれるな?」
「もちろん!!」
「当然だぜ!!」
「僕も頑張るのら!!」

 仲間たちを助けたいと願う気持ちは皆一緒だった。断る理由など何一つない。ヤシチたちの力強い返事に
シショーも少し安心したように笑みをこぼす。


「でも……ダァクみたいな奴をまた相手にするかもしれないって……オイラたちだけで大丈夫なのかだぜ?」
「あのお姉ちゃんだけでもかなり強かったのにこれ以上の敵が出てきたら大変なのら〜……」

 戦う意思はあるものの、やはり不安なことに変わりはない。あのエリート忍者3人を捕えてしまうほどの
力を持った相手にこの4人だけで真正面から挑むのはあまりにも心もとなさすぎる。

「うーん、確かに俺達だけじゃ戦力が不安だな……クマリも妙な力を身につけちまってるみてぇだし……
きちんと作戦を立てるのは当然のこととして他に協力してくれる奴を見つけないとな……」

 シショーも頭を悩ませる。

 正直、今回のことは相当に大きな問題だ。封印されていた魔物が復活するかもしれない上に、
自分たちの仲間が捕まっている……向こうが彼らを捕まえた目的はわからないにしても
彼らの身の安全を確保するためにもあまり大きな動きをしない方がいい。だから他の忍たちにもこのことは
伏せておいた方がよいだろう。それに、責任を追及されることはシショー自身は受け入れる覚悟はあるにしても、
ヤシチたちに火種が飛ぶ可能性は捨てきれないことも考えると、シショーとしてはなおさら他の忍に今回の事件に
ついての協力を要請することは憚られた。シショーはともかくとして、忍の村の重役たちはそんなに甘い考えの
持ち主ではないのだ。今回のことについての責任を、しくじったヤシチたちにも課すかもしれないし、何より
危険分子を何とかしようという考えからクマリに危険な行為をしないとも限らない。今は敵になっているとは
言ってもクマリはシショーの娘であるしヤシチたちの大事な仲間だ。戦わなければならないと言っても最終的には
無事にこちら側へ連れて帰らなければならないのだ。

「……師匠」

 ヤシチが静かに口を開く。

「ん? なんだヤシチ」
「クマリ姉ぇの得た力は悪の化身の魔の力……忍術だけで対抗するのは難しいと思います」
「確かにな…俺ら妖精忍者は魔法が全体的に苦手な傾向にあるからその辺りは確かに不安だな。しかし
どうするんだ……?」

 この時ヤシチの頭の中ではあの時のネズミの言葉が何度も反芻されていた。ヤシチにはまだ仲間がいる……と。
頼るべき相手はもう彼の頭の中では決まっていた。何度も戦いを共にした長年のライバルが。そしてその仲間たちが。
自分から頭を下げるのは少しだけ癪だったがそんなこと気にしてはいられない。


「拙者の仲間を………連れてきます……!!」

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あ……あれ!?ミルモたちが出るところまで行かなかった!?
次回は必ず出てきますので王子ファンの方はしばしお待ちをwww

そしてなんとなくヤシチたちの過去話を間に挿入してみたりしてwクマリも昔はいい子だったんです。
ネズミとはこのころから仲悪いですが(^^;)ヤシチはエリートたちに囲まれて色々肩身は狭い
ながらも大事に育ててもらってたらいいなぁと思います。泣き虫設定は………趣味です(笑)

ではでは!!


■ いっちゃん (96回/2011/11/01(Tue) 20:41:22/No4280)

ぴこまるさん、こんばんは!

久しぶりの更新にテンションが上がりまくりの私ですww
過去編がついにっ!!やはりぴこまるさんの小説はそのときの光景のようなものを想像しやすいです>∀<さすが〜w←
しかもその小説のシーンをひそかに擬人化verでノートに描いていたりとかしちゃっています(笑)
別れ際のネズミさんがいようにかっこよくてかっこよくて・・・そのせいか最近はネズミばっかり描いていますww

過去でのヤシチはやはり泣き虫でしたか(笑)
でも、私は意外と昔から頑固で「忍者はこんなことでは泣かないのだ!」とか言って涙を抑えていたような感じだったんじゃないのかな?と思っていますw
でも昔は泣き虫でミルモと出会ってから変わったという設定もおいしい←
そして当時からやはりクマリとネズミは仲が悪かったのですね^^;
クマリがヤシチを可愛がっていた様子が凄くわかります。

>「拙者の仲間を……連れてきます……!!」
このセリフがもうツボですwww
「助っ人」ではなく「仲間」と断定しているところがもう・・・!←
次回は王子が出るようなので、これはミルヤシ好きとしては見逃せませんね!
さて、ヤシチは土下座してミルモに頼むのか!?ぴこまるさんがどう書くのかがとても楽しみです!!

王子が出ると知ってますますテンションが上がった私でしたwww
ではっ!




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(2009.5 koyamaru edit)