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皆さんどうもです!では早速続きをどうぞ!
ワルモ団小説 #『出会い』
―――― 時間はあっという間にすぎて、お昼休み。
ゴローはいじめっ子達に捕まらないように、すばやく教室を出る。
基本的にこの時間は、皆外へ出て遊びまわっている。
ゴローを除くクラスメイトは全員、グラウンドで遊んでいた。
ゴローは一人、裏庭を散歩する。
この時間だけは、わりと自由に動くことが出来た。
そのかわり、一人で行動しなきゃならなくなるけど。
しかしゴローはそっちの方がいい。
仲間外れにされて独りになるのは嫌だけど、殴る蹴るの暴行を受けるより何十万倍マシだ。
ゴローは裏庭を散歩し終わって、教室へ戻ろうとする。
リーダー「――――― お、ゴローくんはっけーん♪」
いじめっ子の主犯格であるリーダーに呼び止められた。
他に2,3人クラスメイトを引き連れて。
ゴローは顔を強張らせ、警戒する。
ゴロー「な、何・・・?」
リーダー「朝の続きからやろうか、ゴローくん?」
朝の続き・・・・そう、ゴローを殴ることだ。
ゴロー「な、何で・・・・」
リーダー「朝最初に言ったろ。お前、殴りやすいんだよ」
なんともデタラメな理由だ。
リーダーは手早くクラスメイトに命令し、朝のようにゴローを拘束した。
リーダー「さぁてと、たっぷり楽しませてもらいましょうかねぇ!」
リーダーは腰を低くして、前屈みの姿勢をとる。
握り拳を作って、全速力でゴローに向かってきた。
腕を拘束されてるゴローはもちろん、逃げることができない。
――――― なんで俺ばっかりこんな目に―――!!
ゴローは、ただ堅く目を閉じることしか出来なかった。
風邪が、吹いた気がした。
リーダー「―――― ぃぃいい゛でででててぇ!!!」
ゴローが目を開けると、目の前は腕をねじ上げられて痛がってるいじめっ子主犯格の姿があった。
ゴローを捕まえているクラスメイトも、ぽかんと口を開けるのみ。
「・・・ったく、うるせぇなぁ。人が昼寝してるときに大騒ぎすんなよ」
リーダーの腕を思いっきりねじ上げている妖精は、大きなあくびをした。
かなりの余裕っぷりを見せている。
ゴローも何が起こったのか把握できておらず、ただその人物を眺める。
リーダー「っっいでぇっつってんだろ!放せよ!」
いじめっ子の主犯格がねじ上げられた手を振り解く。
いや、正確には腕を掴んでいた妖精が離した、と言った方がいいだろう。 リーダーはギロリとその妖精を睨みつけたが、すぐにその表情が強張る。
リーダー「あ、あんたは・・・あの噂の喧嘩番長!?」
「コラコラ、人を勝手に不良にするな」
リーダーはガタガタ怯えて、もうすでに引け腰になってしまっている。
その姿は、実に滑稽だ。
「てか、また勝手な噂が広まってんな・・・俺はそんな喧嘩好きじゃねぇっての」
妖精はボリボリ頭を掻きながら、ため息を吐きつつそう呟いた。
「とっとと失せな、俺は気ぃ短いんだ」
ただ、その一言。
その一言でいじめっ子達は一目散に逃げていった。
ゴローはへたりと、その場に座り込む。
すごい迫力だった。
いや、決してキレていたわけではない。
口調も穏やかで、表情もキレているのとは程遠かった。
だが、纏う雰囲気が、迫力がすごかったのだ。
「大丈夫かボウズ?立てるか?」
ゴローがボーッとしているのに心配になったのか、妖精はへたり込んだままのゴローに話しかける。
ゴロー「っへ・・・!あ、ああはい!ありがとうございます!」
ゴローは立ち上がって礼を言った。
「いいや、どういたしまして。・・・それより、なんであんなことを?」
妖精ははみかみながら答えた後、唐突に質問をした。
しかしまぁ、ついさっきまで寝ていたのだから、この質問をするのは当たり前だろう。
ゴローは一瞬、言うか言うまいか迷った。
しかし、妖精の視線が語れ、と言ってくるのだ。
ゴローはもう耐え切れずに、全てのことを話した。
続く
この妖精は誰でしょう!?(クイズにすんなや)
それでは! |